リゾートホテル評(カサワリ・レンベリゾート編)

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レンベのごはん

レンベで利用したダイビングサービスはカサワリ・レンベリゾート。私が行ったことがある中では、フィリピンのソゴッドベイ・スキューバリゾートやリロアン・マリンビレッジと同様、宿泊施設とレストランが一体化した完結型ダイビングリゾート施設です。

ああ、カパライやマブールもそうですね。基本「食う・寝る・潜る」だけの僻地のリゾートだから。

現地まではマナドの空港から車で1時間半。ただしこの日は大雨の影響で道路がところどころ水没していて2時間ちょっと掛かりました。

レンベの悪路
2年前、東日本大震災翌週のサウスレイテみたい。 混乱の続く日本を後にして飛んだら現地も水害の被災中だったという。 あの時は道が完全に水没してて車は通れない水位だったけど、今回はギリギリいけました

しかも目的地寸前で車がガス欠。付近にガソリンスタンドは見当たりません。するとドライバーは近くの小さな雑貨店でコカコーラの瓶に入ったガソリンを購入してジョーロで給油していました。

さて、リゾートの客室には、およそすべてのものが揃っています。エアコン、シーリングファン、セキュリティボックス、冷蔵庫(ミニバー兼)、ミネラルウォーター、電気ポット、フルーツ(リンゴとバナナ)。バスルームにはドライヤーと歯ブラシまで置いてありました。バスタブはないものの、しっかりお湯も出るシャワーが2ヶ所(1つは中庭に)。Wi-Fiも通っています。夜10時ぐらいに切れてしまうけど。

なお、日本語で普通に会話できるのは空港で出迎えてくれたハニーさんのみ。他のスタッフは片言しか話しませんが、それで十分ですよね。

カサワリレンベリゾート
プールの中から撮ったリゾートの風景。右手の建物がロビー(1F)とレストラン(2F)

客層はというと、三日弱滞在して見た限りでは年齢層高目、西洋系の人と日本人が半々でした。なお、日本人のマダムの一人は毎年訪れては1ヶ月ほど滞在するようです。いい御身分だ。

確かに往復の移動ロスを考えても、あちこち行くよりもロングバケーションで一箇所に留まる方が効率的です。もちろん事情が許すなら。私がそうするには会社を休職して、かつ一年分のダイビング予算の大半を投入しないと…。

カサワリレンベリゾートから見た海
レストランから見下ろした風景

食事は全食がツアー代金に入っています。メニューは豊富で日本語も書かれているので、どんな嗜好の人でも大丈夫でしょう。私はエスニック全般(香りの強い香辛料や辛い料理も含む)もOKなので参考にならないかもしれないけど、総じて美味しかったですよ。食事の紹介はまたあらためて。

残念だったのはレストランのドリンクメニューには載っているDARK RUMがなかったこと。よってRUM系のカクテルは全滅。いや、私はRUMだけでいいのだけど、それも飲めませんでした。

この日、あったのはウォッカ、ジン、テキーラ。何となくジンにしたものの美味しくない…。南国なのだからせめてテキーラにしておくべきでした。結局、無難なビール(ビンタン)に落ち着きました。

そうそう、メニューを見た感じでは、夕食後に注文できるおつまみ類はなさそうでした。ま、いいか。あると延々と飲んじゃうし。

まあでも僻地のダイビングサービスでは何かしら省かれているものですが、カサワリ・レンベリゾートは設備的にもサービス的にもおよそ難点の見つからない、いいところでしたね。

ウミウシライダー

レンベのウミウシカクレエビです。

ウミウシカクレエビとニシキウミウシ

ウミウシカクレエビとニシキウミウシ

前々回のマクタンではジャノメナマコについていたけど、今回のレンベでは名前の通りニシキウミウシに乗っていました。やっぱこうでなきゃ。写真の見栄えが違うもの。

ニシキウミウシとウミウシカクレエビ
私のカメラでニシキウミウシの全体を撮ろうとすると、こういう暗い写真になりがちです

ちなみにウミウシカクレエビは「ウミウシに隠れるエビ」ではなく、「ウミウシに付いているカクレエビ」です。  

う〜マンボウ!

週末、福島県いわき市の知人宅にお呼ばれして、泊まりがけで美味しい食材と料理を堪能してきました。

キンメダイのお刺し身、美味かったなあ。別の仲間との飲み会のお誘いを断って行った甲斐がありましたよ。

いわき市でのご馳走
ネギトロにウニをのっけていただき
BBQのホタテ
1枚100円のホタテが素晴らしく美味
謎の焼酎
謎の焼酎

もちろんこの他にもたくさんの料理でもてなしていただきました。

そして帰路の途中、地元のスーパーマーケットに連れていってもらいました。さすがに魚介類コーナーは充実してるし、総じて安いですね。

中でも目に付いたのはこちら。

いわき市のスーパーの鮮魚コーナー

マンボウ、言ってみれば「でっかいフグ」なわけで、けっこう美味しい魚だと思うけど2〜3人前が480円ですか。安さにひるんで買ってきそこねました。

ANAマイレージを使っていいものか迷う

私にとっては珍しく今年は毎月ダイビングに行ってたのですが、ついに途切れるかも。理由は資金難。サウスレイテ行きではフィリピン航空のマイレージを使い損ねたし、春先にはウェットスーツを新調したからなぁ。

ちなみに今年潜ったのは、谷津、葉山、谷津、サウスレイテ、谷津、福岡(水族館)、マクタン、レンベ。谷津と葉山はもちろんダンゴウオ狙いです。

マクタンは4泊5日のダイビング費込みで約10万円だったけど、レンベは3泊6日ながらパックツアー代が17.5万円もかかったのですよね。いや、ダイビングの充実ぶりからしてその価値はあったけど出費の額としては大きいわけです。しかも、まだ引き落とされていないし…。

とはいえ余力がゼロではないので、まったく海に行かれないわけではありません。さすがに夏の伊豆方面には気が向かないけど、沖縄あたりにならようやく貯まったANAマイレージで行かれます。国内だと燃油代もかからないし。

でも聞くところでは先日からANAとサンミゲルの間で提携交渉が始まったらしいのですよね。もちろんANAの機内でサンミゲルのビールを提供するための交渉ではなく、サンミゲル傘下のフィリピン航空との提携話です。

フィリピン航空は昨年の春に優良会社であるサンミゲルの傘下に入ったものの、機内で出されるビールはColt45だったりします。

現状、フィリピン航空のマイレージはフィリピン航空および系列のPAL Expressの航空券にしか使えないけど、話がうまくまとまれば事情が変わってきそうです。

フィリピン航空がスターアライアンスに加盟することはなくても、共同運行便にANAマイレージも使えるようになるなら、私は沖縄よりもフィリピンに行きたいと思います。何しろマクロダイビングの充実ぶりでは雲泥の差があるので。

沖縄も豊かな海だと言われていますが、マクロ生物の種類と個体数はさすがにフィリピンには遠くおよびません。しかも沖縄のサンゴは白化が進んで死にまくっているし、ボートは複数ショップの乗り合いで窮屈だし、潜水時間も短くなります。とはいえ今さらイソマグロを追っかけるような大味なダイビングはやりたくないし。

もっとも提携交渉がいい形でまとまるかは解りませんが、ここはしばらく様子見でしょうか。そのうち気が変わるかも知れないけど。

ピグミーシードラゴン
恩納村のピグミーシードラゴン。体長約3cm。肉眼では糸くずにしか見えません。 たぶん「レンベピグミーシードラゴン」と同種です。 またこれを撮りに行きたい気もしますが…

カラダカラキノコガハエルダケ

レンベにはモジャモジャの生き物が多かったりします。へアリーフロッグフィッシュ、ヘアリーシュリンプ、ヘアリーオクトパス。ゴーストパイプフィッシュですら毛が生えていました。 そして極め付けはこちら。

謎のカニ
体長は1〜2cmだったかな

毛ではないけどイソギンチャクだかヒドラだか、とにかく妙なものが体中に生えています。

イソギンチャクを手に持ったカニ(キンチャクガニ。Boxer Crab)や背中に背負ったカニ(カイカムリ。Urchin Crab)などはよく知られているけど、どちらとも違います。まるで昔の怪獣映画の『マタンゴ』やワンピースの『カラダカラキノコガハエルダケ』を食べたルフィみたい。

はたしてこれが共生なのか装飾なのか、それとも自前なのかよく解りません。

Dive Award浜松店は閉鎖

Dive Award logo昨日、コナミで筋トレした後の大浴場でかつてのダイビング仲間に遭遇。そこでDive Award(ダイブアワード)の浜松店が先頃閉鎖されたと聞きました。確かにWebサイトからもすでに店舗情報が削除されていますね。私は縁がなかったものの僅か3ヶ月かそこらで終わりとは、ちょっと残念だなぁ。

そういや当初、7月には武蔵小杉店もオープン予定という話だったけど、まだ難航しているようですね。風の噂では「場所が見つからず、川崎店ってことになるかも…」なんぞという話も聞かれますが、事の真偽はわかりません。

いっそのこと新百合ヶ丘店を出してくれると嬉しいのだけど。近くにあれば機材のオーバーホールを頼むときなんか楽だから。

私はダイビングの指向が合わないのでDive Award主催の公募型ショップツアーには参加しづらいけど、私のかつての仲間にはショップツアー好きもいるわけです。そして仮にDive Awardがなくなれば、いよいよコナミダイビング系コミュニティも崩壊ってことに。

うん、浜松店が閉鎖に至った事情は知らないけど、Dive Awardにはこれからも頑張ってもらって、願わくば勢力を伸ばして欲しいと願うばかりです。

そう、重鎮スタッフには、将来コナミスポーツの今の経営トップが入れ替わって「またダイビング事業に再参入しよう」なんてことになるまで、業界で生き残っていて欲しいもんな。


追記(2014-06-20):

公開後1年弱が経っても、このエントリにアクセスがあるので書いておきます。Dive Award浜松店は昨夏よりbe Diveに生まれ変わり、今でも稼働中です。

一方、Dive Awerd武蔵小杉店は…、話が消えてそれっきりですね。でもDive Award津田沼駅前店精力的にツアーやイベントを行っているようです。

コナミスポーツ新百合ヶ丘店のダイビングカウンター跡地は応接スペースみたいになってますが、使われているところは滅多に見かけません。

レンベの海の特徴

レンベの海、以前Animal Planetでレンベ特集を見て知っていたのですが、見事にダークグレーの砂地ですね。なんでも主に砂と火山灰と生活ゴミで構成されているのだとか。まあゴミの量はマクタンの海とさほど変わらないかな。

なるほど、サウスレイテの「リトルレンベ」もそんな感じでした。トロピカルとは到底言いがたいグレーの砂地に珍しいマクロ生物がわんさかいるという。聞けば火山灰が海の生物層を豊かにするらしいし。

ロングステイすれば違う趣きのサイトにも連れて行ってもらえるのかもしれないけど、2日間7ダイブ潜った限りでは白い砂のサイトはなかったかな。

なお、レンベでは大物といえる魚も見かけませんでした。せいぜい50cm級の朱色のハリセンボンぐらい。基本、マクロに特化した海ですね。大物が見たければマナドに留まって潜ると良いでしょう。

レンベを象徴する魚がバンガイカーディナルフィッシュ。いたるところに生息していました。幼魚はクマノミが共生するイソギンチャクの周りでよく見かけますね。

バンガイカーディナルフィッシュ
体長1〜2cmの幼魚はよくイソギンチャクの側で身を守ってます
バンガイカーディナルフィッシュ
成魚になると活動域が広がります。 体長も5cmを超える頃には可愛さが失せ、ちょっとした迫力さえ出てくるので、 この写真にタイトルを付けるなら『スラウェシ番外地』かな

このバンガイカーディナルフィッシュ、もともと300kmほど南西のバンガイ島の固有種でしたが、国外の水族館向けに輸送中にアクシデントで生体が入ったビニール袋が破けてレンベの海に放流され、またたくまに繁殖したのだとか。

レンべで他に特徴的なのはタコが多いことでしょうか。何種類ものタコをたびたび見かけます。インドネシアではタコを食べる習慣がないのかも。フィリピンの海ではタコはあまり見ないのですよね。

フィリピン人、食える海産物は何だって食うらしいですね。ボホールの市場ではマンタが売られていたり、4〜5年前にはまだ目撃例が40体目ぐらいで希少価値の高いメガマウスシャークが浜に打ち上げられた際も、一報を聞いた研究者が駆けつけたときには、すでに食い尽くされていたというし。

レンベ、マクロ好きにはたまらないけど、そうじゃない人が行くと愕然とするような海でした。

コールマンズシュリンプ

レンベのコールマンズシュリンプ。ダイビング雑誌でよく紹介されていますよね。なにしろカラフルなイイジマフクロウニを住み処にしているので写真に撮ると見栄えがするから。

コールマンズシュリンプ
コールマンズシュリンプ 私は3月のサウスレイテ、リトルレンベというダイブサイトで撮ったのに続き、 今回リトルではない本家のレンベでも見ることができました

でも何だ。これイマイチな写真ですね。せっかくペアなんだから2匹と等距離になる角度から撮れば両方にピントが合った作品になるのに、その場では、そういうテクニックは忘れて大きく撮ることばかりに気がいっちゃって。こういうところでプロとの力量の差を痛感するのですよね。

レンベ旅行のおさらい

忘れないうちにレンベ旅行について要点をまとめておきます。

飛行機の重量制限:

最近発売されたガイドブック類には「シンガポール航空の預け荷物は20kgまで」とあったし、シンガポール航空のWebサイトにもそう書かれていたけど実際にはダイバー特典で30kgまで許容されるようです。

とはいえ規定は変わるかもしれないし、不安なら念のため事前に問い合わせてみるといいでしょう。

シンガポールでのトランジット:

話には聞いていたけど、シンガポールのチャンギ空港、アホみたいに広いですね。成田空港何個分なのだろう。

とはいえ各所に運行状況のLCDモニターがあるし、ターミナル間にはシャトルも走っているので困ることはありません。

トランジットなら入国審査の類いもないので、飛行機を降りてちょっと歩いたらすぐにショッピングモールみたいなゾーンに出られます。機内預け荷物もマナドまで運んでくれるので、チャンギでは身一つで乗り換えるだけ。

ただし、移動する際は構内地図を確認してからの方がいいですね。無造作にシャトルを使うと、下りたターミナルの端から端まで歩かされかねないので。

帰りなんか、無計画にシャトルに乗ったら目的のゲートまで「20min」なんて案内板が出てたような。実際はそこまで時間はかからないけど。

でも、もし遠くまで歩くのが面倒なら、大型カートみたいなやつで目的のゲートまで運んでくれたりもするみたいです。

必要な現金

関連投稿:レンベ行きにビザは必要?

マナド空港で支払う到着ビザ代が$25(US)。日本円でも払えるようですが、3,261円みたいな変な金額表示でした。硬貨は使えないのでお札で払うと、お釣りがインドネシアルピアで返ってきます。1万円も渡そうものなら約500,000ルピアが戻ってきて使い切れずに往生するので、事前にUSドルを用意しておくのがベストですね。ビザ代、きっかり3,000円とかにしてくれると楽なのだけど。

インドネシアの到着ビザ
インドネシアのビザ。旅券にかっこいいページが増えました

なお、マナドから出国する際には空港使用料として100,000ルピア(約1,000円)が必要です。ただし空港で日本円を換金すると100,000ルピア=840円ぐらいだったかな。よって少なくとも2,000円は換金しなければなりません。

3,000円分のルピア
3,000円を換金したらこうなりました

結論としては、$25 + 2,000円がカサワリレンベリゾートにダイビングに行く際に最低限必要な現金ということになります。

ラマダンの影響は?:

インドネシアは世界で最も多くのイスラム教徒を抱える国。私が訪れたときはちょうどラマダンの時期だったものの、何ら影響は見られませんでした。

滞在したカサワリ・レンベリゾートが外国人(もちろん非イスラム教徒が多い)向けだということの他にも、そもそもマナドのあるスラウェシ島ではクリスチャンの比率が高いのだとか。当然、リゾートでお昼ご飯が出てこないとか、ダイビングガイドが日中空腹でへろっへろなんてことはありません。マナド空港のカフェやレストランも普通に営業していました。

私にとってインドネシアは3回目で、シンガポールでのトランジットは始めて。でも弾丸ツアーっぽい日程を除けば、何ら不自由もない快適な旅でした。これなら(リゾートでの部屋代が上がらないように連れさえ見つかれば)気軽にまた行かれそうです。

ヘアリーゴーストパイプフィッシュ

レンベにはへアリーフロッグフィッシュをはじめ、毛に覆われた水中生物がたくさんいます。今回は見られなかったけど、ヘアリーオクトパスと呼ばれるもじゃもじゃのタコまでいるそうな。

こちらはゴーストパイプフィッシュ。ニシキフウライウオとカミソリウオの中間のようなプロポーションですが、いずれも英名だとゴーストパイプフィッシュですね。

ゴーストパイプフィッシュ

フサフサってわけではないけど、この通り体のいたるところに赤い毛が生えています。

ゴーストパイプフィッシュ

なお、「ヘアリーゴーストパイプフィッシュ」は私がそう呼んでいるだけです。他者に言っても通じないかもしれません。この個体は体長3cmぐらいで毛は肉眼では認識できないし。