U-NEXTへの加入で迷う

見たかった番組を見てしまったのでバンダイチャンネルを解約し、次はU-NEXTに加入しようと思っています。U-NEXTは国内勢では一番充実した動画配信サービスではないかと。昨年公開のDUNEなんかも見られるし。まあ個人的な印象ですが。

で、せっかくU-NEXTに加入するならなるべくお得な方法でと考え、思い当たったのがiPhone /iPadの『ヤンジャン!』アプリ内のキャンペーンでボーナスゴールドを貰うというもの。

ヤンジャン!アプリのアイコン

こちらのスクリーンショットにある通り、U-NEXTの「31日間無料お試し!」に申し込めば、今なら普段の2倍の3,740ボーナスゴールドが貰えます。

ヤンジャン!アプリのボーナスゴールドゲット

でもこのサービスには注意点が。

まず、U-NEXTは月額2,728円(税込)のコースに申し込む必要があるとのこと。でも、U-NEXTの通常料金は2,189円(税込)だから、ヤンジャン!の条件を満たすには『SMART USEN』なる音楽聞き放題サービスもセットで申し込む必要があるようです。

次に、ヤンジャン!でもらえるボーナスゴールドはアプリ内の話レンタル配信の閲覧にのみ使用できるのだそうで。単行本は買えないわけだ。

ならば、このポイントに魅力はないなぁ。ゴールデンカムイの連載が佳境に差し迫った頃(ウイルクがのっぺらぼうになった経緯のあたり)はボーナスポイントが有難かったけど、終盤は無償公開だったし、私は他の作品は読まないので、今さらボーナスポイントを貰っても使い道がありません。

てなわけでU-NEXTには通常の方法で加入しようと思います。

株式会社マリンクリエイティブ

昨日、久しぶりにマリンダイビングWEBのメルマガが届きました。発行元は破産した株式会社水中造形センターから株式会社マリンクリエイティブに替わっています。

メルマガの内容は従来通りだけど、ひと頃は開催が危ぶまれたマリンダイビングフェア2022は当初の予定通り2022年4月1日(金)〜3日(日)、池袋サンシャインの文化会館3Fで本決まりのようです。

マリンダイビングフェア2022

とはいえ海外勢はまだ見通しが立たないので今年みたいな規模感でしょうかね。

さすがに地球の海フォトコンテストはなしか。あれは作品募集と審査、そして展示にも目一杯人の手がかかりそうだものな。準グランプリながら1回上位入賞しといてよかった。

雑誌の復刊はもう厳しいだろうけど、WEBとイベントが新会社のもとで継続されることを嬉しく思います。

マリンダイビングフェア2022の開催が決定!

マリンダイビングフェア2022

マリンダイビングフェア2022の開催が決定したという情報が流れてきました。

出版元の水中造形センターが7月に破産してマリンダイビング誌は廃刊、来年のマリンダイビングフェアも中止と目されていたけど、このたび有志3名が新会社を設立し、4月のマリンダイビングフェアが開催される事になったとのこと。

実は、水中造形センターの破産の話、つい先日まで知りませんでした。何しろもう本屋に行く機会がなく、海外取材ができずに新ネタも載っていない誌面には関心が薄れていたのと、私自身がダイビングからも一時引退中なもので、すっかり業界のことに鈍感になってて。

日程や会場などの詳細はまだわからないけど、ダイビングイベントの文化が続くことを嬉しく思います。

ただし、日本ではワクチン接種率がかなり上がり、ひとまず感染も終息っぽいけど、私が好きなインドネシアやフィリピンへの観光旅行が解禁されるのはまだまだ先かな。

ダンジョン飯 11巻

ダンジョン飯の11巻が発売されてしばらく経ったので考察でも。ダンジョン飯はゴールデンカムイと並んで私が今一番好きな漫画です。架空のモンスターをグルメ漫画さながらしっかり調理して食べるって斬新さだけでなく、ストーリー運びが見事なのですよね。

以下、ネタバレ多数です。

ダンジョン飯 11巻

前巻の最後で多種のドラゴンに襲われパーティは全滅寸前に。ただ一人生き残ったライオスは実に彼らしい機転で竜たちの猛攻を掻い潜り、翼獅子の助けを得て狂乱の魔術師シスルを倒します。その際、朦朧としたシスルは近くに倒れていたマルシルを蘇生して昏睡状態に。

そうして復活したパーティは勝利の美酒に酔うも、翌朝にはカナリア隊の来訪を受け、ミスルン隊長に追い詰められたマルシルは翼獅子の封印を解いて自らが迷宮の新たな主になります。とはいえ魔物の知識に欠ける彼女にとってその役割は荷が重く、迷宮内の生態系は崩壊状態に…。

なお、1,000年間も熟成させシスルの欲望を喰らった翼獅子はライオンの頭部と翼を持つもヤギのような大きな角と屈強な人型の四肢を備た姿で封印からの復活を遂げます。ただし、ミスルン隊長の猛攻で切り刻まれようともノーダメージなので肉体は便宜的なものなのでしょう。

謎なのは翼獅子の力。あらゆる欲望を叶えてくれるらしいけど、できることは力を振るう人次第。ファリンを元の姿に戻すことできず、「代わりのファリンを作るんじゃダメなのか?」と言い出します。それならできるわけだ。

そういや、かつてミスルンが別の迷宮の主人になった際、ヤギの姿をした別の悪魔はミスルンの想い人をあてがったりしてたものな。ただし、それが迷宮内にパラレルワールドをこしらえたのか、それとも外界を含む現実を改変したのかは作中ではまだ語られていません。黄金城の世界が存在し、瀕死のミスルンが迷宮内で発見されてたから、おそらく前者だろうけど。

翼獅子らはカナリアからは悪魔と呼ばれているものの本来は善でも悪でもない存在のはず。ただし人の欲望を成長させて喰らうことを好み、結果的に破滅を呼ぶため人類にとっては悪魔も同然ですね。

そして翼獅子はライオスやマルシルに好意を持っているものの、マルシルの「全人種による寿命の差をなくしたい」という途方もない願望を聞いた際などには瞳の形が砂時計型に変わり、不穏な笑みを浮かべます。シスルの強い願いに触れた時も。大好物の欲望のタネを見つけるとそうなるのでしょう。

そうなると気になるのはこの先。どうやってファリンを元の姿に戻すのか。これが魔法の国ザンス的な発想なら魔法の影響力を絶てばモンスターは魔法的な要素を失うのだけど、ファリンは今死んだ状態だからその方法は取れませんよね。

そして迷宮の行方も気になります。魔物のエキスパートであるライオスなら生態系を理想的に維持できそうな気もするけど、彼だからこそ外界と繋がった迷宮の生態系を維持するのは不可能と悟りそうな気も。

11巻は7話収録だから12巻の発売は3月か4月になろうかと。待ち遠しい。

ダンジョン飯(9)

ダンジョン飯(DELICIOUS IN DUNGEON)の第9巻が発売されてしばらく経ったので感想でも。ダンジョン飯は私が必ず新刊を買うと決めている数少ない漫画作品です。ちなみに他はONE PIECEとHUNTER x HUNTER。キングダムは加冠の儀まででギブアップしました。

ダンジョン飯(9)
この表紙でミスルン隊長が踏みつけているのはサンゴ蛇かな

この作品の特徴は、非常に綿密に設計されていること。さりげない要素が重要な伏線だったりします。そしてユーモアもたっぷり。特にツッコミの台詞が上手いのですよね。基本的にはライオスとセンシがボケでマルシルとチルチャックがツッコミを担当。イヅツミが第三者的異端分子ってとこかな。

以下、ネタバレです。

ダンジョン飯の9巻では、迷宮の謎の一つ「黒魔術(古代魔術)の禁忌」が明かされました。「異世界から人間の欲望に付け込む悪魔を呼び込みかねないから」だそうな。それにより古代文明は滅びたのだと。そういやマルシルがファリンを蘇生させた際に異次元からエネルギーを取り出して利用したと言っていました。あれがリスキーな行為だったわけだ。マルシルがそれを自覚しているかどうかは今のところ不明です。

そしてミスルン隊長もその犠牲者。迷宮の主人となり理想の時間を味わった挙句に右目を潰され、復讐心以外の欲を食われたという。彼の世界では、恋人はナーガ(下半身がサンゴ蛇?)に変異していましたね。ヤギの姿をしていたその悪魔が今どこにいるのかは不明だけど、更なる犠牲者が出ないようカナリアによって迷宮ごと封じられたのでしょう。十分に力を付けるまでこちらの世界に来られないらしいから。

ならばまた疑問が。かつて文明を滅した悪魔はどうなったのかと。こちらに来て倒されたか払われたか、経年により力を失ったのか。

さらにもう一つ。有翼の獅子も狂乱の魔術師シスルの願いから黄金城の迷宮と魔物たちを作ったのだそうで。ならば彼もヤギ姿の悪魔と同様に異界の存在なのかも。この迷宮も人の欲望に強く反応するのだし。

ちなみにミスルンが欲望を食われた際のカナリアの隊長が陰気なミルシリル。カブルーの養母ですね。ぬいぐるみ使いで剣術の達人の。

ただし彼女仕込みの剣の腕前を持ち頭も切れるカブルーのパーティは最高のメンバーバランス(戦士二人と魔法使い二人、そして感覚が鋭いハーフフットとコボルト)だけど割と浅い階層でたびたび全滅。他方、最小構成で少々頼りないライオスのパーティは今回も自力で最深層まで到達。この差は欲望の種類の違いなのでしょう。カブルーたちは財宝に執着があるけど、ライオスたちはファリンを助ける目的以外の動機は好奇心や知識欲だから。

さて、9巻の最後はミスルン隊長率いるカナリアがライオス達に遭遇しそうな場面で終わりました。カナリアの任務は迷宮の制圧だけど、ライオスの夢は魔物との共存。シスルはデルガルの死を受け入れず、ファリンは彼に味方します。何やら複雑な展開が待っていそうですね。

そしてまだほとんど語られていないマルシルの素性も気になります。夢魔に見せられた悪夢では「みんなと走る速さが違う」「これからもたくさんの人を見送らないといけない」という心の傷に言及されていたので、実はライオスが見立てた100歳前後(トールマンの20歳相当)ではなく、もっと年長で複雑な過去があると踏んでいるのだけど、どうでしょう。いつぞやの「親が宮廷魔術師だった」と過去形なのも彼女が超長寿ゆえかもしれないなと。エルフ世界では世代交代なんて滅多に起こらないだろうし。自分を魅了しに来たサキュバスの眼帯には「死」とあり、スライムによって死亡(すぐに蘇生)させられた際にも感激していたので死に対する憧れもあるのではないかと。

そうそう、7巻までは7話収録だったけど8巻からは6話収録に変わっていますよね。これは歓迎です。単行本発売ペースが上がるから。次の10巻も年内に出るかな。

最後に一点。九井涼子さんには珍しく8巻と9巻には矛盾がありますね。ライオスがイヅツミを誘導すべく鈴を投げた際の描写、8巻ではカブルーとシュロー、そしてカナリアが横並びだったけど、9巻のカブルーはミスルン隊長と共に迷宮の深層にいます。まあ、そこはご愛敬。

CebupotのPDFは?

セブ情報のフリーマガジン「Cebupot(セブポット)」の最新号が出る頃なのでWebサイトで探したものの、PDFが見つかりませんでした。

よって問い合わせたら「PDFの公開は終了しKindleでの配信に変った」との返答。ああ、そうか。

で、さっそくAmazonにアクセスしたら「Kindle Unlimited」の会員なら0円だけど非会員は250円だそうな。

Cebupot 2018年5月6月号

基本、セブに行かないと手に入らないのだけど、それでも無料で配っているものが250円だと躊躇してしまうよなぁ。クーポンを買うような話になるし。

かといって隔月発行のCebupotのためだけにKindle Unlimited会員になって月額980円を払う気にもなりません。Kindle Unlimitedをやめると閲覧できなくなるのだろうから。

Kindle Unlimitedの会員のCebupot読者がどれほどいるかはわからないけど、Kindle向けの有料配信ってのは微妙な感じがします。少しでも売り上げが欲しいのは解るけど、フリーマガジンを売るってのはどうも。下手するとほとんど誰からも読まれない可能性もあるんじゃないかと。やっぱりPDFがベストじゃないかな。

Amazonオーディブル

最近、Amazonオーディブルのバナー広告をよく見かけます。この夏に日本でも始まった書籍朗読音声の配信サービスですね。本を耳で聴こうという。

Amazon audibleのバナー

他方、似たようなコンセプトの技術にDAISY(Digital Accessible Information System)という規格・サービスがあるけど世間的にほとんど知られていません。なぜならそれが視覚障害者など印刷の本を読めない人向けだから。DAISYのコンテンツはそれらの障害者だけが利用可能です。

よって我々晴眼者はDAISYじゃなくAmazonオーディブルを使うしかありません。でもDAISYなら出版社の許可なしに書籍を録音図書化できる(障害者が本を読む権利を守るという思想によって)のに対し、Amazonオーディブルのコンテンツはオフィシャルのもののみ。よってDAISYにはあるのにAmazonオーディブルにはないタイトルが多数。

とはいえDAISYコンテンツがボランティアベースで作られる障害者向け無料サービスなのに対し、AmazonオーディブルはAmazonの息の掛かった万人向け有料サービスで、ダウンロード数に応じた利益分配が可能なのだから今後は出版社や著者の理解も進み、タイトルもハイペースで増えていくはず。しかも朗読には著名人やアナウンサーらを動員できます。

Amazon audibleのバナー

というわけでAmazonが障害者のオーディブルの会費を免除すれば、次第にAmazonオーディブルがDAISYの需要も食っていくでしょう。制作ボランティアの活躍の場が失われるけど、それはそれで良いことだと思います。障害者もハイクオリティの朗読が聴けるのだから。

まあDAISYには単なる録音図書の他にも、テキストや絵図も表示できるマルチメディアDAISYという規格があり、教科書などの用途には使われているけど、そちらは細々と続いていくことでしょう。

アプリがまたリジェクトに

自作のiOSアプリ『FROGFISH.JP』を微調整して再提出したところリジェクトを食らいました。規定に触れるなにかを盛り込んだわけじゃないのに、こんなこともあるのですね。

iTunes Connectのリジェクト画面
iTunes Connectのリジェクト画面

読むと「新しいバイナリは要らないから、スクリーンショットの不足分を登録しろ」的なことが書いてあります。そんなこと言われたって、必要なスクリーンショットはすべてアップロードしてあるのに…。

と思いつつスクリーンショット登録の画面を確認したら、iPad Proのタブが増えていました。

iPad Pro用スクリーンショット登録
iPad Pro用スクリーンショット登録

なるほどiPad Proの出荷が始まったからか。iPadが2048 x 1536なのに対してiPad Proは2,732 x 2,048。今度からこれも用意しなければならないようです。厳しいなあ。iPad Proなんて持っていないし、しょうがないのでPhotoshopで作るか…。

ONE PIECE 79

ONE PIECE 79巻の表紙ONE PIECE 79巻が発売されて一週間ちょっと経ったので感想でも。例によって週刊少年ジャンプの連載は読んでいないから、その前提で。

さて、ドレスローザ編のバトルがようやく決着しました。必要以上に長かった気もするけど、ともかくこれで王下七武界のステージをクリアですね。七武界の中では人格を失ったバーソロミューくまを除けばドフラミンゴが唯一敵対する可能性があったけど、それを倒したのだから。

次は当然、四皇のステージ。キッド・ホーキンス・アプーの同盟が不意にカイドウと遭遇してしまい、ビッグマムの巨大船に追われていたはずのサンジらもどこかの島で怪しげな連中に出くわしました。シープホーンなる男のベルトの紋章は、これまたカイドウでしょうかね。そしてXドレイクの標的もカイドウだったはず。

カイドウは不死身の体ゆえ強烈な自殺願望と破滅志向を持つ男でした。なるほど最強生物か。以前、その名を聞いて驚いていた錦えもんらとの関係性が気になります。血縁かな。実はワの国の将軍でもあるとか?

他方、藤トラは王下七武海の名の下でドフラミンゴを解き放った政府に代わって土下座の謝罪。狙いは七武海制度の廃止で、その目論見は電伝虫中継とニュースペーパーによって成功しそうに思えます。この先の展開で政府公認略奪者の称号を失ってバギーがうろたえる様を見てみたいところです。

その藤トラはルフィとローの首を獲らないと海軍に帰れないそうだから、世界徴兵早々にして脱退かな。

また、以前コロシアムのギャッツがバージェスを「黒ひげ海賊団の10人の巨漢船長の一人」と言っていたけど、ティーチの既知の仲間は9人なのでクザンが10人目でしょうかね。もちろん彼なりの魂胆があって。

予想するに、この先は元職も含めて海軍戦力が赤イヌ派と藤トラ・スモーキー派に割れ、四皇と最悪の世代も入り乱れた敵味方も解りにくい壮絶バトルが展開していくのではないかと。まあ、半ば私の願望です。話がややこしくなって描き手の手腕が問われそうですが。

それから今年はレヴェリー(世界会議)の年なのだと。少なくともアラバスター、魚人島、ドレスローザの元首は麦わらの支持者。世界は揺れていくのでしょう。

なお、この79巻の描写で覇気の秘密が少し解った気がします。ゾロや錦えもんが鳥カゴを押している様子では共に2本の刀が黒刀になっていました。覇気を纏わせないと糸に対抗できないためですが、錦えもんの剣技は刀で炎を起こすものだったはず。同様に過去の劇中、ルフィは炎や雷電をまとったパンチを、サンジもスピンの摩擦なしに燃えるキックを繰り出しています。ゾロがリョーマを切った際も切り口が発火しました。まだ原理が説明されていないけど、これらはすべて覇気の応用でしょうね。HUNTER X HUNTERでいうところの変化系の念能力に相当。覇気=オーラを性質の違う何かに変化させるという。

五輪の後の東京はどうなる?

Olympic_flag五輪後に東京圏は急速に劣化し始めるという予測があります。その頃には団塊の世代が70歳を越えてあらかたリタイヤしているから。さらに5年後10年後となると彼ら彼女らは後期高齢者です。中には生涯現役でバリバリ稼ぎ続ける経営者もいるだろうけど、ほんの僅か。ボリュームが最大の世代が所得税を払わなくなる上、次第に高齢者向けサービスを受ける側になっていくインパクトは大。長年地方から労働力をかき集めて繁栄してきた副作用ですね。地方よりもその割合と絶対数が圧倒的に多いという。

でも、これほどの問題をメディアは大して取り上げていません。黙殺しているのか、あるいは別の何かで乗り切れると楽観視しているのか。例えば五輪特需で?無理でしょう。人口構成が原因なので。 

お年寄りの排除なんてできないし、病気をしてくれるなというのも無理な話。高齢化を緩和できるほど膨大な数の移民・難民を受け入れて戦力化する包容力もありません。よって都市の高齢化の波は確実に到来します。ならば5年先、10年先の東京圏がどうなるか心の準備をしておくべきかと。

もっとも、劣化するといっても東京は日本の政治経済の中心地であり続けるはず。大半の企業も官公庁もそのままだろうし、労働者も通勤圏内に住み続けることになるから人口規模は維持されます。

ただし、高齢者の割合増加を受けて現役世代への負担は増えます。例えば東京では持ち家率が低いく、十分な貯蓄も作れなかった人も多いので、それら持たざるリタイヤ世代のために公営住宅をたっぷり設ける必要がありましょう。当然、原資は税金です。

また、この先はさすがに地方からの人口流入ペースも落ちるので、住宅の余剰感が顕著になります。なにしろ東京圏ではデヴェロッパー任せで無制限にマンションが建てられてきたから。自治体が下流良人向けに必要分を借り受けたとしても、まだ余ります。都心や有力地の物件はともかく、郊外のベッドタウンや古いマンションなんかは放置すればまばらにスラム化していくので、治安とインフラの維持のためにこれまたコストが増大します。

それらに対する負担名目が住民税になるのか健康保険料になるのか、はたまた別の税項目が作られるのか。ともかく東京圏在住者の負担額は大幅に増えていくはずです。

加えて高齢者の割合増加で消費活動は鈍り、街の活気はいくぶん失われます。東京圏に労働力を吸い上げられた地方がこれまで経験してきたことですね。違うところは地方が高齢化のピークを越えているのに対し、東京圏ではこれから急激に進行するという点。落差は大きいだろうな…。

まあ逆に考えれば、老人の多さに慣れ、生活コストの増加を受け入れさえすれば東京圏での都会的な生活も続けられます。腐っても鯛。相変わらず羽田・成田の二大国際空港があり、新幹線やリニアの起点で鉄道も網羅されており、働き場所も各種エンターテイメントも集結しているのだから、そこに魅力を感じ続ける人も多いでしょう。東京が劣化したところで地方都市が取って代わるわけじゃなし。

それに「便利だけどハイコストな東京圏」と「不便だけどローコストな地方」という構図が鮮明になっていくのは、まっとうな着地点です。どちらを好むかは人それぞれですが。

ちなみに私は後者。自動運転車が実用化されるであろう15年後ぐらいを目処に九州に帰るのが良いかなと思ってます。

新Kindle Fireは安かろう悪かろう

新しいKindle Fireを買いました。amazonプライム会員は4,980円と安かったので。

Kindle Fire 2015モデル

でも、これの出来栄えは「機能削減版Android端末」って感じです。

例えばKindleアプリのテキスト表示。汚い…。

Kindle Fireの表示例
Kindle Fireの表示例

一見すると普通だけど、「都市」「急激」「間違」といった単語の文字間が不自然に詰まっています。

ちなみにiPhoneのKindleアプリならこう。

iPhone 6 Plusの表示例
iPhone 6 Plusの表示例

iPhone 6Plusの方が解像度が高いのは差し引いても、文字間隔が自然に表示されています。この差は以外に大きいです。

まあKindle Fireは4,980円だから、読めれば良くて読書用端末が1台欲しい人にはいいかも。iPad mini 2のKindleアプリの方が圧倒的に美しいけど価格は6倍だし。

東京には死亡フラグが立っている

81Padm7L7nL._SL1500_10月からアマゾンの電子書籍販売にも消費税がかかることを知っていたので、読みたかった本を9月の内に数冊買いました。その中の一冊が『東京劣化 地方以上に劇的な首都の人口問題 (PHP新書)』です。

私は満員の通勤電車に乗ったり台風で帰宅困難な場面に出くわすたびに「ああ、東京の繁栄は続かないだろうな…」と思っていました。台風に対する交通インフラの弱点はしかたないとしても、人口の過度な密集は深刻な問題だから。そこで東京劣化を読んでみた次第です。

この本に書かれている「やってはいけないこと」には納得のいかない部分も多々あるけど、「そう遠くない将来、東京圏がボロボロになっていく」という予測に関しては疑いようがありません。

いや、今の東京は一人勝ち状態。地方の衰退を尻目に繁栄を続けているので急激な凋落なんんかなさそうに見えます。例えば再びIT企業の集積地となりつつある渋谷では再開発が進んでいたり、東京駅前には245メートルの超高層ビルが建ち、リニア中央新幹線も開通します。湾岸の高層マンションだって飛ぶように売れているし、よほどの大災害でもなければこの先も東京は日本の政治経済の中心地であり続けるはずです。

ただし問題は長年の一極集中によって東京圏には高齢者とその予備軍がすさまじく多くなってしまったこと。そのため10年後には過去半世紀の経済を支えてきたボリュームの大きい層が軒並みリタイヤして所得税を払わなくなります。いわゆる「2025年問題」というやつですね。しかも東京の持ち家率は50%以下なので生活困窮者が激増することは必死。お金を使えない人が多ければ当然経済は低迷するので自治体の財政状況は瞬く間に悪化していきます。

それでも行政コストを効率化すべくコンパクトシティを目指せればいいのだけれど、「全住民を都心に引っ越させて多摩ニュータウンやら古い団地をことごとく打ち捨てる」なんてことは不可能です。特に道路などは放置して寸断させるわけにはいきません。

ただし財政に余裕がなくなれば十分なケアはできなくなるもの。この本では東京でも2030年頃にはインフラを維持管理できなくなると予想しています。わずか15年後です。しかも経済状況次第では早まる可能性もあります。住民に課される税負担は増えるだろうし、保守の優先度が下がった街では治安も悪くなるでしょう。

そして辛いのは効果的な対策がなさそうなこと。なにしろ元凶がいびつな人口構成なので。シリア難民とかから若い世代ばかり選別して何十万人も受け入れれば高齢化を緩和できるけど、それには相当な金額の支援が必要になってしまいます。かといって地方にももはや労働力の供給余力はありません。八方ふさがりです。

比較的人口が少ない地方の衰退が緩やかだったのに対し、巨大都市である東京圏では劣化が急速かつ苛烈に進みます。それでも東京圏に住み続ける人は住環境が急激に悪化していくのを甘んじて受け入れるしかないですね。これまでの無理やりな繁栄の副作用なのだから。

新Kindle Fireが4,980円で買える

新しいKindle Fireが登場しました。9月30日の発売だそうな。さっそく予約を受け付けています。

Kindle Fire 2015モデル

定価は8,980円だけど、amazonプライム会員ならカートのページでクーポンのフィールドに「FIREPRIME」と入力すれば4,000円オフで買えます。

画面は7インチでメモリは8GBとかなり控えめだけど読書端末と割り切れば納得できようかと。もともとiPadやAndroidタブレットほどの多様なアプリはないのだし。

私も作った電子書籍のプレビュー用にちょうどいいので注文しました。

iOS9でNewsstandアプリが廃止に

今朝、さっそくiPadをiOS9にアップデートしました。ちなみにiPhoneの方はIIJの動作確認アナウンス待ちです。iPhoneを販売するキャリアとは違ってMVNOのSIMは新OSでは使えなくなるおそれがあるそうなので。 と書いている内に情報がアップデートされました

(1) iOS 9では、2015/07/28以前に配布していたAPN構成プロファイル(APNPayload版)がご利用いただけないことを確認しました。

だそうな。 でも続きがあります。

2015/07/29以降に配布した新しいAPN構成プロファイル(Cellular Payload版)のインストールが必要です。

対処方法は解っているのですね。ならば頃合いをみてiPhoneもアップデートしましょう。 

NewsstandアプリさてiOS9になったiPadのホーム画面を眺めるとアイコンの並びが変わっていました。具体的にはNewsstandアプリが消えて、次ページのアプリの表示位置が1個分繰り上がっています。Newsstandには私が読んでいるDIVE誌が登録されていたのだけど…。 

でもちょっと調べたところ、このNewsstandアプリはiOS9からアプリではなくフォルダに変わったのだそうな。探したら後の方の画面に確かにフォルダ化されてました。

Newsstandフォルダ
iOS9のNewsstandフォルダ。アイコンが3列から4列になりました

ということは、iBooks Storeで雑誌を購読するとここに追加されるのかな。 まあともかく一安心。

理想の写真集アプリ

FROGFISH.JPアイコンかねてより写真集の電子書籍制作を研究しています。調査と試行錯誤の末、現時点では「Adobe InDesign CCでEPUB3.0(固定レイアウト)のファイルを書き出すのがベスト」という結論に至ったけど、まだ問題はあります(注)。

よって写真集電子書籍をアプリとして作れるといいですよね。そこで私が理想とする写真集アプリの要件を書いてみます。権利は主張しないので、よかったらどなたか開発してください。ご一報いただければ私も協力します。

1)ページめくり

写真集アプリにおけるページめくりの法則は以下の通り。

ページめくりの法則
ページめくりの法則(クリックで拡大)

写真ページは左右フリックでめくれます。上フリックすると写真補足ページに切り替わり、下フリックで戻れます。

2)言語切り替え

コンテンツ制作時にテキストを各言語で仕込んでおけば、OSの言語設定もしくは読者側で自在に言語を切り替えられるといいですね。ユーザーが何らかの操作をすると日本語→英語→スペイン語→日本語…とトグルで切り替わるとか。

3)オーサーリングツール

開発の難易度がやや高そうなのはオーサリングツール。簡単な操作で作った写真集コンテンツをiOSアプリやAndroidアプリとして書き出さなければならないから。

でも、写真データを持ったアプリをビルドして生成するのではなく、別途開発しておいた素体ビューワーアプリにコンテンツデータ一式を付加してパッケージし直す方法なら比較的簡単に実現できるかと。そんな安易な開発手法が許されているかは解らないけど…。

写真集アプリの生成
写真集アプリの生成(クリックで拡大)

なお、オーサリングツールはやっぱ今風にWebサービスの方がいいかな。

ユーザーはいくばくかの料金を払って、自前の写真とテキストから写真集電子書籍アプリを生成し、各環境のアプリストアで配布・販売することになります。

何だか大げさですね。そもそも各OSでEPUB3.0(固定レイアウト)を正確に表示できれば、こんな仕組みは要らないのですが。

いや、1)と2)の特性はEPUBでは実現できないので存在意義はあろうかと。写真だけで勝負したいストイックな写真家がいる一方で、撮影意図やエッセイを書き添えて作品としたい人もいるだろうから。

それに写真集制作のためだけにAdobe InDesign CCを契約し、使い方を習得するのは難しい人も多いので、写真集アプリ制作に特化したサービスは有用なはずです。


注)

Adobe InDesign CCのEPUB3.0(固定レイアウト)生成機能はiBooksに最適化されていることもあり、表示の再現性は以下の通りです(2015年9月14日現在)。

OS アプリ 半透明画像の表示 テキストの表示状態
iOS   iBooks
Google Playブックス
Kindle 非対応
Android  Google Playブックス 正確に表示できない
Kindle 非対応 正確に表示できない
Mac iBooks

イベントのアンケートはスマホ対応にしてほしい

kindle direct publishing ロゴ昨日、目黒のアマゾンジャパンで開催された『Kindle ダイレクト・パブリッシング (KDP) 初心者セミナー』に出席しました。

会場に辿り着き、着席したら机にA4のアンケート用紙が置いてあり、帰りまでに書いてくれとのこと。でも、いまさら手書きは面倒なので何も書かずに帰ってきました。

イベントのアンケートではQRコードを撮影して、スマホで回答できるようにしてほしいです。

ちなみにセミナーの内容は、KDPで漫画を販売している漫画家の記伊孝さんの経験談と質問コーナーが1時間半、残りの約30分がKDPスタッフへの質問コーナーでした。

記伊さんのお話はKDPの使い方うんぬんではなく「迷ってるなら踏み出せ」といった心構えの話が多かったかと。ご自身は出版社の編集者とソリが合わずKDPでのセルフ出版に辿り着いたようだから。まあそれもありですよね。KDPを使えば無償で出版でき、amazonで販売されるので、インディーズ市場としても機能します。メジャーデビューを目指すのでも、そうやって活動していれば僅かながらそこからメジャーに引き上げられる人も出てきましょう。

他には「カバーアートにも手間をかけなさい」とも。amazonで陳列される際の画像のことですね。そうじゃないと作品が安っぽく見られてしまうから。

それから記伊さんは本のマーケティング方法にも言及されていました。「KDPで出版しただけでは注目されないから、SNSなどで積極的にコミュニティに関わって広報しましょう」とのこと。当然です。セルフ出版では出版社や編集者の助力を得られないので。

とはいえ、多くのセミナー参加者の関心は自身でKDPを使う際の疑問解消にあったようです。最後の質問コーナーは30分では足りず、時間切れで打ち切られたので。まあ、ほとんどの質問は自身でKDPを試すかドキュメントを読めば解決するものでしたが、kindleの仕様は難解な部分が少なくないので無理もないか。

JPEG写真集はありか?

TRISEC Internationalという会社の電子書籍写真集制作サービスは閲覧環境をKindleに限っています。

ただしKindleはEPUB3.0(固定レイアウト)を表示させたときのテキストの再現性が悪いので、文字も画像化した写真集電子書籍です。まあそれもアリでしょう。

そこで私のFROGFISH.JPでも真似してみようかと思いました。現状、iBooks & Google Play用とKindleでは作り方を少し変えないといけないので、だったらKindle版を別途生成しても良いかもしれません。

差し当たり画質はJPEG2000の圧縮率をかなり落としても文字はたいして荒れませんね。これは嬉しい発見です。

FROGFISH.JPの3ページ目
FROGFISH.JPのP.3
FROGFISH.JPのP.13
FROGFISH.JPのP.13

ただし、画像化すればせっかくテキストに施したハイパーリンクは機能しません。当然、目次や索引から各ページにも飛べなくなります。

FROGFISH.JPの各写真には、撮影でお世話になったダイビングサービスのサイトへのリンクを掲載しています。被写体の多くはありふれた種だけど、中には希少種も載っているし、それが見たいと思ったときはそのサービスに連絡を取れば遭遇する確率が高いので。

よってKindle用に画像だけの写真集を作るとなると、ハイパーリンクを切り捨てる必要があります。やっぱこの点がネックかな。

Actibookという選択肢

icon_actibookかねてより電子書籍による写真集の制作を研究しているのですが、電子書籍の制作といったキーワードでWeb検索すると『Actibook』が上位にヒットします。そこで少し調べてみました。

どうやらActibookは専用ビューワアプリ(iOS/Android/Windows)で閲覧できる電子書籍を制作・配布・販売するための総合環境のようです。CLMの特性も持っていて、閲覧者が個々のコンテンツのどのページにどれほどの時間を割き、どこをタップしたかなどの情報収集にも使えます。よってカタログや販促資料向きですね。

なお、オーサリングツールの価格は200〜300万円とのこと。Adobe Digital Publishingと同じく、内製部署を持つ大企業か、法人各社から依頼を受けて制作する制作会社が導入する感じでしょう。

もし個人でActibook向け写真集を出したければActibook導入済み制作会社に依頼すればいいのだけど、写真集にCLMうんぬんは必要ないので、あえて使うメリットはなさそうです。

電子書籍の写真集を作ってくれるそうですよ

かねてより私も電子書籍の写真集制作を研究しています。それを副業にしたいなと。仮に盤石経営の会社に勤めていても、自身や家族が体調を大きく崩そうものなら収入の道を断たれ兼ねないので。

そんな中、気になるWebページを見つけました。TRISEC Internationalという会社の電子書籍写真集制作サービスです。

TRISEC Internationalの写真集電子書籍
TRISEC Internationalの写真集電子書籍制作例

おおむね私が考えていることと同じですね。「オリジナルの写真集を出したいけど、自費で印刷物を作って売るのは難儀」という人から依頼を受けて、制作を代行するという。まあ順当な発想なので探せば他にも業者が見つかるでしょう。

私の考えと違うのは閲覧環境をKindleに限定していること。なるほど、私はiBooksとGoogle Playも対象にして苦労したけど、Kindleに限れば制作の難易度が下がります。iBooksにはAndropid版もWindows版もないけど、Kindleは主要なプラットフォーム(Mac、iOS、Android、Windows)向けアプリが揃っているし。

とは言えKindleはテキストの再現性がイマイチ。環境によっては文字が欠落したり、文字間が詰まったり、二重に表示されたり。そこでこの業者がそれらをどのように回避しているかというと画像化していました。

TRISEC Internationalの写真集電子書籍のテキスト表示
TRISEC Internationalの写真集電子書籍のテキスト表示

写真とテキストを配置した各ページを1枚の画像にすると。妥当な選択です。これなら簡単に作れ、文字の表示不全は起こり得ないし、JPEGの圧縮率を下げれば文字の表示品質もさほど劣化しません。

でも、私としてはこれでは面白くないのですよね。テキストを画像化する分データ容量が増えるし、PowerPointで作れそうな写真集になりがちだから。

とは言え私もこのサービスの発展に期待します。アプローチは違えども目指すところは同じなので、盛り上がれば私にもおこぼれが回って来ないとも限らないし。

この写真は凄い!

台風15号の威力、物凄かったですね。石垣島では停泊中だったダイビング船が沈没したそうです。天辺だけが水面に出ている写真を見ました。あれ、どこのショップの船なんだろう。対策していなかったはずはないから、よほどのことだったのでしょうね。


私はたまに海外のダイビング雑誌を読んでいます。中でも気に入っているのが英国のDIVE誌。iOSのNewsstandアプリでお試し版を読めます。

この雑誌の良いところは写真の素晴らしさ。感性が違うのでしょうね。国内のマリンダイビング誌やダイバー誌には載っていなさそうな写真が使われています。

例えばこちら。

Oliver's squat lobster - quotation  from Syon Publishing Ltd.
DIVE誌の掲載写真

Oliver’s squat lobster、アナモリチュウコシオリエビ、Lynn Wuさんの写真です。

近寄ると穴の奥に引っ込みやすい生物をこの通りに写すのは至難の業。それでも真正面に構え、両目の複眼に正確にフォーカスが合っているし、被写界深度を浅くして撮っています。もちろん被写体に寄りすぎればストロボ光がレンズポートにケラレて無用な影が出やすくもなるし。

ちなみに私が過去に撮った同じ生物はこちら。

アナモリチュウコシオリエビ
私が撮影したアナモリチュウコシオリエビ

こうして並べると完敗ですね。次回は上の写真の撮り方に挑戦してみましょう。

appicon_shrimpheads-128

Shrimp heads

よがたみちあき

¥0

Androidのタブレットが欲しいのだけど

かねてより電子書籍の写真集制作を研究しています。

今、直面しているのはAndroid版のKindleで写真集FROGFISH.JPが無難に表示できないこと。文字が欠落したり、英文の単語間が詰まって表示されてしまいます。

ただし私のAndroid環境はBlue Stacks for Macというシミュレータ。Android搭載の実機で試さないと結論は出せません。

そこでAndroidタブレットが一台欲しいと思っています。ただし予算は2万円程度。OSはAndroid 5.0 Lolipop以降が希望です。Androidの場合、OSがアップグレードできる機種は限られるので、なるべく新しいバージョンを載せた機種を選びたいですよね。

kakaku.comで検索してみると、その条件に合うのはNECのLAVIE Tab E TE508/BAW PC-TE508BAW(¥21,580)のみ。安い中華タブレットは過去12ヶ月発売で絞ってもAndorid 4.4または4.4.2搭載機ばかり。中には4.3や4.2なんてのもあります。果たしてNECを買っていいものか。選択肢が一つしかないと購入を躊躇してしまいます。

そんな風に迷っていたら、ASCIIのサイトにSIMフリースマホの機能とスペック全紹介! 【1万円台編】という特集が公開されました。この際、タブレットを諦めてスマホにしようかと。私はiPadユーザーなのでAndroidタブレットを買っても電子書籍の表示テストにしか使わなそうだけど、SIMフリースマホなら海外旅行時に現地SIMを入れて使えます。うん、その方がいいかな。

とは言え電子書籍の表示確認用だから、画面はそこそこ広くて高精細の方が望ましいので、選択肢はgoo G03かSAMURAI MIYABIってことになりますね。共に画面が5インチ(720×1280ドット)、Android 5.0搭載です。

SAMURAI MIYABI
SAMURAI MIYABI

Google PlayブックスもAndroid版はもうちょい

かねてより電子書籍の写真集制作を研究しています。

試行錯誤の末、iOS版のiBooksアプリ、Google Playブックスアプリ、Kindleアプリで無難に表示できるEPUB3.0(固定レイアウト)ファイルの作り方が把握できました。

ただし、同じGoogle PlayブックスアプリでもAndroid版は表示がイマイチですね。Googleにとってはそちらが本流のはずなのに。

こちらがAndroid版Google Playの表示例。「Hairly Frogfish」のベースラインが下がり、フォントもHelveticaから丸ゴシックに変わっています。

Android版Google Playブックスの表示
Android版Google Playブックスの表示

ちなみにこちらが正解。iOS版Google Playの表示例です。

iOS版Google Playブックスの表示
iOS版Google Playブックスの表示

なぜiOS版の表示が正解かというと、Adobe InDesignで作った通りだから。

Kindle for Androidも残念ながら

かねてより電子書籍の写真集制作を研究しています。

試行錯誤の末、iOS版のiBooksアプリ、Google Playアプリ、Kindleアプリで無難に表示できるEPUB3.0(固定レイアウト)ファイルの作り方が把握できました。KIndleには苦労したなぁ。

さあこれで一安心。と思いきや、Android環境(BlueStacks for Mac)のKindleアプリで写真集FROGFISH.JPを表示すると表示がボロボロでした。

Kindle for Androidの表示例
Kindle for Androidの表示例

KindleはEPUBに収録されているフォントのサブセットを使わないので、フォントが置き換わるのはしかたがないとしても、テキストが消失したり、英文の単語間が詰まったりするのは明らかなバグでしょう。

InDesignのEPUB3.0書き出し機能はiBooksに最適化されているからかもしれないけど、Android版のGoogle Playブックスでもおおむね正しく表示できるのだから、やはりKindleの出来が悪いとしか言えません。

いや、ひょっとしてBlueStacksがAndroid環境を再現しきれず、そのように表示されているだけかも。その可能性は低そうですが。Kindleアプリのフォント周りだけバグっているなんてことはないよな。

Kindleがやっぱりネックだ…

Kindle Comic Creator Icon以前、Kindleは鬼門と書きました。電子書籍の写真集を作る上で、iBooksやGoogle Playブックスと比べて不都合な点が多いためです。このエントリはその続編になります。

Adobe InDesignで制作したEPUB3.0(固定レイアウト)のファイルはKinele Previewerというアプリを使ってazkファイルに変換し、iTunesのUSB転送で渡せばiPadやiPhoneのKindleアプリで表示できるようになります。

でも、Android端末に送って表示確認する方法が解らなかったのでKindleダイレクト・パブリッシングに問い合わせたところ、このような返答が。

Amazon.co.jpにお問い合わせいただき、ありがとうございます。

このたびは、Kindleのご利用に際し、ご不便をおかけいたしましたことをお詫びします。

大変申し訳ございませんが、Kindle for AndroidではUSB転送にてファイルを転送していただくことが出来ません。

Kindle for Androidにてコンテンツをご覧いただくためには、当サイトで購入されたコンテンツおよびSend-to-Kindleで送信されたファイルのみとなっております。

そんなアホな…。

ということは、Android版のKindleでコンテンツの表示状態を確認するには、amazonに出品して公開を待ち、それをダウンロードするしかないのか。

でも出品から公開に数時間〜半日程度かかるし、早く改善してもらいたいものです。

Adobe Digital Publishing Suiteとは?

かねてより電子書籍写真集の制作に取り組んでいます。写真を趣味にする人は多いから「オリジナルの写真集を出してみたいけど、作るのは苦手」という個人を対象に、あまり凝ったことはしない代わりに低価格で制作を請け負って、それを副業にしたいなと。

制作環境はAdobe InDesign CCです。他にAppleのiBooks Authorという手もあるけど、こちらで作ったコンテンツはiBooksアプリ(iOS版/Mac版)でしか観られないので却下。InDesignで作れるEPUB3.0(固定レイアウト)なら、iBooksの他にもGoogle PlayとKindleでも観られます。

ただし、InDesign CCで可能な表現は限られています。PDFにしろEPUB3.0(固定レイアウト)にしろ、紙のイメージを表示デバイス上で再現するような感じで、動画の埋め込みすらできません。

あまり凝らないという前提だけど、もう少しメディアリッチなコンテンツが作れるといいと思って見つけたのがAdobe Digital Publishing Suite(以下ADP)。例えばこちらのEF LENS HANDBOOKのようなアプリが作れます。

icon_ef_lens_handbook

Adobeのサイトでは紹介されていないけど、こちらのNIKKOR LENS GUIDEもADPで作られているはずです。

NIKKOR_LENS_GUIDE

アプリなので全画面の動画が埋め込めたり、スクロールも縦横に自在。ポップアップメニューを表示させたりもできます。これは魅力的です。おまけにADPではiOS版だけでなくAndroid版のアプリも生成できるとのこと。よってこれで写真集や図鑑を作ってみたいと思いました。

ページネーションの図
こんな感じでページがめくれる写真集が作れると利便性が上がります

ただし、Adobe Creative Cloudのラインナップ紹介にそれらしい記述が見当たりません。もう少し調べてみたところ、ADPはCreative Cloudのように個人でも使えるツールまたは制作環境ではなく、コンテンツを作成して配布したい企業側が費用負担する類いのものらしいです。相変わらずAdobeのサイトでは肝心なことが解りづらいのだけど、こちらのサイトに解説されていました。

Adobe Digital Publishing Suiteの料金体系

残念。Adobe、ADPの個人でも使えるエディションを出してくれないかな。ああ、そうするとAdobeは企業から高い料金が取れなくなるのか。

ならば他社でもいいので、InDesignを拡張してiOS/Androidアプリを生成するプラグインか、それに類する制作ツールを出してくれないかな。

素敵なエビ・カニ図鑑

私は図鑑類は電子書籍になって欲しいと思っています。だって生物観察のフィールドに持ち歩きたいですよね。

でも電子除籍の図鑑はまだまだ少ないのですが、一冊見つけました。SHRIMPS and CRABS(¥600)です。著者はANDREY RYANSKIYさん。

SHRIMPS and CRABS

この図鑑の特徴は、iBooks Authorで作られていること。iBooks Authorはマルチメディア教科書の制作に向いたApple製のMacアプリ。DTPツールであるAdobe InDesignのように複雑なレイアウトが出来る上、拡大可能な写真や動画、絵合わせパズル、クイズなどを埋め込めます。

例えばこのページ。

SHRIMPS and CRABSのサンプルページ
SHRIMPS and CRABSのサンプルページ

左のSmooth crinoid shrimpは2枚の写真を、右のAmbon crinoid shrimpは6枚の写真をその場で切り替えて表示できます。同様の表現力を求めると印刷の図鑑やPDF・EPUBでは、その分ページが増えてしまいます。

動画の埋め込みもこの通り。

SHRIMPS and CRABSのサンプルページ(動画)
SHRIMPS and CRABSのサンプルページ(動画)

ただし動画ファイルは電子書籍に含まれておらず、ネット上に置かれたものを参照しているのでネット環境がなければ再生できません。でもInDesignでは動画の貼り付け自体ができないのですよね。

この図鑑にはShrimps(小エビ)、Lobsters(大型エビ)、Hermit Crabs(ヤドカリ)、Crabs(カニ)などの分類があり、それぞれ目ぼしい種の写真が計300枚以上、解説付きで収録されています。よってエビ類の英名を調べるときなどには重宝します。

ただし難点もあります。

  • iBooksでしか表示できない
  • 容量が約540MB

iBooks Authorで作られているため、閲覧環境はiPad、iPhone、iPod touch、Macに限られます。Android機で読めないのは電子書籍としては大きなハンデですね。

540MBという容量も大きすぎでしょう。

まあでも私にはとても有益な1冊となっています。

オリジナル電子書籍第三弾

電子書籍の第三段『Ebook Proofer』を出版しました。

Ebook Prooferの表紙

例によってiBooksストアGoogle Playストアamazonで発売しています。

今回は写真集ではなく電子書籍制作者のためのリファレンスブックです。Adobe InDesign CCを使ってEPUB3.0(固定レイアウト)を作る際に、どの表現が有効なのかを確認できます。

例えばEbook ProoferをiPadのKindleアプリで開くとP.10は下図のように表示されます(クリックで拡大表示)。

Ebook ProoferのP.10(Kindle)
Ebook ProoferのP.10(Kindle)

ページの左側はどの環境でも不変の見本(スクリーンショット)で右側は環境依存です。上のJPEG(花の写真)は元通りに表示されるものの、下のPNG(カエルアンコウのイラスト)はアルファチャネル(透明)が無視されて背景が白く表示されます。よってKindle向けにはアルファチャネルを使わない工夫が必要です。

なお、Adobe InDesign CCで出力したEPUBはiBooksアプリとの相性が良いのですが、それでも完璧とは言えません。例えばP.17はフォントの検証ページです。iBooksアプリ(iPad)で表示させました。

Ebook ProoferのP.17(iBooks)
Ebook ProoferのP.17(iBooks)

この通りヒラギノ角ゴシックのW7、W8、W9が同じウェイトで表示されています。Mac版のiBooksでも同様に表示されます。ただし、今秋のOS X El Capitanのリリース後にアップデートされたiBooksでは解決されているかもしれません。El Capitanにはヒラギノ角ゴシックW0〜W9までの10ウェイトが標準搭載されるからです。

他にも、Google Playブックスアプリ(iOS版)でEbook Prooferを表示させるとアプリの動作が緩慢かつ不安定になります。試しにフォント検証用のページを割愛すると解決するので、どうやらたくさんのフォントを使うと、そのような現象が起こるようです。この点に限ってはKindleアプリよりも劣っています。

私がAdobe InDesign CCで2冊の写真集電子書籍(FROGFISH.JPShrimp Heads)を制作して苦労したのが各環境での表示の違いの吸収です。よって同じようにInDesignでEPUB3.0(固定レイアウト)の電子書籍を作ろうと思う方にはぜひ購入していただきたく思います。

続・Kindleの不都合な真実

mascot of FROGFISH.JPKindleの不都合な真実に書いた通り、amazonから過去に購入した電子書籍が改版されてもKindleアプリ内の書籍には繁栄されないとのこと。

この仕様を不審に思って再度Kindleダイレクト・パブリッシングに問い合わせたところ、新たなサポートメールにはamazonのWebサイトの「コンテンツと端末の管理」という個所内で「コンテンツの自動更新」をオンに設定すればOKと書かれていました。

でもこの「コンテンツと端末の管理」はWebブラウザの表示幅が小さいと表示されないのですよね…。

さっそくamazonの自身のアカウントにアクセスして設定を確認したところ、なるほど「コンテンツの自動更新」の値がオフになっていました。

でもなんだ。やっぱamazonですね。こんなのはKindle側でも設定できるようにすべきだろうに。個別の端末の振る舞いをWebブラウザのamazonアカウント内で行わせるなんて、どうかしていると思います。しかもデフォルト値がオフだし。

Kindleの不都合な真実

mascot of FROGFISH.JP写真集の電子書籍を出版する際、Kindleアプリ(iOS版)ではiBooksやGoogle Playでは起こらない表示の不具合が発生します。

でも回避策が解ったのでFROGFISH.JPをKindle用に改版したのですが、また新たな問題に突き当たりました。

新たなEPUBをKindleダイレクト・パブリッシングにてアップロード。数時間待つと「お客様の本『FROGFISH.JP』が Kindle ストアで販売開始されました。」というメールが届いたのでさっそくダウンロードしたら古いバージョンでした。書籍を削除してもう一度ダウンロードしたものの状況変わらず。

しかたなくKindleダイレクト・パブリッシングに問い合わせたらこの通り。

現在のところ、Kindle 本を購入された読者が、修正版のコンテンツを自動的にダウンロードすることはできません。 当社はこの問題の改善に向けて、修正版のコンテンツを自動的にダウンロードすることを検討しています。

つまり、書籍が改版されても過去の購入者には届かないのだと。これにはびっくり。iBooksやGoogle Playにはあり得ない話です。

でも少し考えると納得しました。AppleやGoogleはソフトウェアの会社です。OSやアプリを改版したら無償で公開して、広く適用してもらうのが当然と考えます。

対してamazonは印刷本のオンライン販売からスタートした会社です。本は改版されても差分のページが読者に届くことはありません。修正版が欲しければ買い直す必要があり、時に修正前の希少本が価値を持つことすらあります。

でも、電子書籍はソフトウェアなのだからamazonも倣ってもらわないと。Kindleアプリを起動したら購入履歴から改版の有無をチェックし、新バージョンがあればバッヂ表示で知らせ、タップされたらダウンロードを開始するだけです。

この点でもKindleは未成熟と言わざるを得ません。早く世間並みの電子書籍プラットホームに成長してもらいたいものです。

Kindledで文字を正しく表示できるようになった

mascot of FROGFISH.JP以前から写真集電子書籍の制作に取り組んでいます。

当面の課題はiOS版のKindleアプリで表示が崩れることへの対処でした。KindleにはiBooksアプリやGoogle Playブックスアプリでは起きない不具合が多々あるのですよね。

中でも一番気になるのは文字が二重に表示されたり、英文の単語間が詰まったりする点。

Kindleのもくじの表示例
Kindleのもくじの表示例

でも、この現象の原因が解りました。フォントに『源ノ角ゴシック』を使っていたためです。

源ノ角ゴシックはAdobeとGoogleが開発したオープンソースフォントで、Extra LightからHeavyまで7種類のウエイトが用意されていることと、ライセンス的に電子書籍に埋め込んで配布できることが理由で採用しました。でもそれが拙かったようです。いや、繰り返しになるけどiBooksとGoogle Playブックスでは大丈夫なので、単にKindleとの相性問題なのですが…。

結局、和文をヒラギノ角ゴシックに、英文をHelveticaに置き換えることであっさり解決。ヒラギノ角ゴシックはOS X Yosemite(OS X 10.10)まではウエイトが3種類しかないけど、今秋登場のOS X El Capitan(OS X 10.11)では10種類に増えます。もちろんライセンス的にも電子書籍に埋め込み可能なので、電子書籍はヒラギノでいくほうが無難でしょうね。

ただし、そこで疑問。iBooksとGoogle PlayブックスはEPUB3.0(固定レイアウト)に埋め込まれたフォントのサブセットを使って忠実に表示する仕様ですが、EPUBをmobiに変換してから表示するKindleではそうなっていません。ヒラギノとHelveticaはMacやiPad/iPhoneにも載っているのでKindleアプリでも表示できているけど、ヒラギノを持たないAndroid版のKindleアプリや本家Kindle Fireで表示させたら、また別の不具合が発生するのではないかと。

この点は要検証です。でも、そのためにAndroidデバイスやKindle Fireを買う余裕は私にはないんだよな…。

Kindle Comic Creatorが成功するようになったけど

Kindle Comic Creator IconKindle Comic CreatorでPDFから変換したmobiをiPadのKindleアプリで表示させたら変な風に表示される件、原因が解りました。確認用に使うべきなのはmobiファイルではなく一緒に生成されるazkファイルとのこと。

なるほど以前そんなことを読んだ記憶があるけど試行錯誤を繰り返す内に忘れてしまっていました。なにしろKindleアプリはiTunesのファイル転送でmobiを渡しても表示してくれるのですよね…。

両ファイルフォーマットの違いは調べてないけど、後から思うにmobiが出品用でazkがそれをKindle表示用に調整したものなのかな。

よってmobiではなくazkのファイルを転送したら、ほぼ想定通りの表示になりました。FROGFISH.JPのページ数を約1/3に間引きしたドラフト版では成功です。

次に全304ページのフルバージョンのPDFを変換したazkファイルで試したところ、ダメですね。Kindleアプリが書籍一覧の画面で固まるし、何か操作しようとするとアプリが落ちます。

成功した方のPDFは65.4MBで失敗した方は95.5MB。30MBの違いが明暗を分けるのか。

でもPDFをそれ以上軽量化すると写真の画質が見て解るぐらいに劣化します。他の用途ではともかく写真集では致命的です。

しかも変換後のazkおよびmobiファイルの容量は238.5MB。もし仮にKindleアプリで正常に扱えるようになっても、このサイズの電子書籍を読者にダウンロードしてもらうのは無謀です。EPUBなら画質を落とさずに61MBで収まっているのだし。

やっぱりFROGFISH.JPのように写真100枚以上の写真集制作にはKindle Comic Creatorは使えない気がします。

amazonがKindleプラットフォームでEPUB埋め込みフォントでテキストを表示し、アルファチャネル(半透明)を含む画像を正しく描画できるようになるのを待つしかないですね。

PDFは無駄にデカい

amazonでKindle向けに電子書籍を配布・販売するにはmobi(Kindleフォーマット)ファイルで出品しなければなりません。

Kindleダイレクトパブリッシングという専用サイトでEPUB3.0(固定レイアウト)をアップロードすれば自動的にmobiに変換されるものの、フォントと半透明画像に不具合が出ます

そこで代替手段としてKindle Comic Creatorを使ってPDFをmobiに変換する方法を教わったものの、まったく上手くいきません

でも、そもそもPDFは電子書籍には不向き。なぜならファイル容量が大きいのですよね。

写真集『FROGFISH.JP』のInDesignデータを各オプションで出力した場合のファイルサイズはこの通り。

フォーマット 出力設定 ファイルサイズ
PDF JPEG2000(劣化あり)72ppi最低画質 65MB
JPEG2000(劣化あり)72ppi低画質 68.3MB
JPEG2000(劣化あり)72ppi中画質 72.5MB
JPEG2000(劣化あり)72ppi高画質 76.9MB
JPEG2000(劣化あり)72ppi最高画質 95.5MB
JPEG2000(劣化なし)72ppi 191.6MB
EPUB 72ppi(低画質) 42.6MB
72ppi(標準画質) 43.8MB
72ppi(高画質) 61.4MB
72ppi(最高画質) 103.1MB

PDFは写真の画質を犠牲にしても高画質のEPUBより大きくなます。 なお、Adobe AcrobatでPDFを開き、別名保存で「Adobe PDF ファイル(最適化)」を選ぶとPDFのファイル容量を縮小できます。

保存ダイアログの「Adobe PDFファイル(最適化)」を選択
保存ダイアログの「Adobe PDFファイル(最適化)」を選択

試したところ191.6MBのPDFが70.6MBに縮小されました。これなら容量的には許容できるかもしれません。 ただし、写真の画質が損なわれます。

iBooksで表示したEPUB
iBooksで表示したEPUB
最適化して保存したPDF
最適化して保存したPDF

例えば黒い背景との境目付近に着目すると、最適化後のPDFはグラデーション部分がブロック状に単純化されています。ちなみにEPUBを低画質で出力した場合もこのような画像になりますね。

よって写真集電子書籍にはPDFよりもEPUB3.0(固定レイアウト)が適しています。

KindleがEPUB埋め込みフォントを使えなかったりアルファチャネル付き画像を正しく描画できないのは、単に対応が遅れているだけのはず。早く対応した新バージョンをリリースして欲しいものです。iBooksでもGoogle Playでもそれらにはとっくに対応しているのだし。

Kindleは鬼門

以前から写真集電子書籍の制作に取り組んでいます。といってもあまり凝った作りにはせず、デバイスを開店しても常に1ページ表示でOKということにしています。

よって制作もSigilに代表されるEPUBエディタで要素をゴリゴリいじることはせず、Adobe InDesignで最終形のファイルを書き出せることが前提です。

差し当たりiBooksストアとGoogle PlayストアにはInDesignで書き出したEPUB3.0(固定レイアウト)をそのまま出品できることが解っています。いや、amazonにも。Kindleダイレクトパブリッシングという専用サイトでEPUBファイルをアップロードすれば自動的にKindleフォーマット(mobi)に変換してくれるので。

ただし、そうやってamazonに出品した電子書籍『FROGFISH.JP』Kindleアプリ(iOS版・Mac版)で表示に問題があるのですよね。

問題点は二つ。

  • EPUB埋め込みのフォントが使われていない(表示が崩れる)
  • アルファチャネルを持った画像がベタ塗りで表示される

Kindle Comic Creator IconそこでKindleダイレクトパブリッシングに問い合わせたら「Kindle Comic Creatorを試せ」とのこと。Kindle Comic Creatorは画像の束からKindleフォーマット(mobi)を作るアプリです。PDFからmobiを作ればそれらの問題は出なくなるだろうと。

そこで、Kindle Comic Creatorを使ってFROGFISH.JPのPDFを変換したmobiを表示させたらこうなりました。

Kindle Comic Creatorで作成したmobiの表示例
Kindle Comic Creatorで作成したmobiの表示例

PDFの2ページが1ページに小さく割り付けられています。これでは閲覧に堪えません。確かにフォントは正確だし、アルファチャネル付きの画像(右下の赤いカエルアンコウマーク)も正常だけど…。

Kindle Comic Creatorの使い方が悪いのかもしれないけど、あれこれパラメータを変えてみたものの正解を見つけられませんでした。常に単ページ表示のmobiは作れないのかな。

でも、そもそもKindleアプリの方がフォントと画像を正確に表示できればKindle Comic Creatorの都合は無視できるのですよね。

Kindleが電子書籍埋め込みのフォントを使えない理由も、アルファチャネル付き画像を表示できない理由もないはずだから単に未対応だったのではないかと。早く直して新バージョンのアプリを出してもらいたいものです。

PDFじゃだめなの?

オリジナル電子書籍写真集『FROGFISH.JP』を引き続きiBookストアGoogleプレイストアamazonで無料配布中です。

FROGFISH.JPの表紙イメージ

この電子書籍のファイルフォーマットはEPUB3.0(固定レイアウト)。一言で言えば「PDFみたいなEPUB」です。「リフロー型」と呼ばれる一般的なEPUBとは違い、常に制作者が意図した通りのレイアウト、フォントで表示されます。

そのためフォントには埋め込みが許可されたものを使う必要があります。日本語フォントは開発が大変なためか電子書籍に埋め込み不許可のものも多いけど、OS X付属の日本語フォントはすべて可能。この点でもクリエイティブ用途にはWindowsではなく断然Macですね。

だったらPDFで良さそうなものですが、有力電子書籍ストアが出品を受け付けていません。普段使いのファイルフォーマットとして普及しすぎたからかな。ともかく電子書籍として販売・配布したければEPUB(リフロー型/固定レイアウト)にせざるを得ないとのこと。でも固定レイアウトのEPUBを作れるメジャーアプリは私が知る限りAdobe InDesignのみです。PDFならさまざまなアプリで作れるというのに。

そこで「PDFを固定レイアウトEPUBに変換できれば」と思い、検索したらこちらの製品がヒットしました。

『PDFから簡単変換!』にはMac版とWindows版があり、EPUBだけでなくExcelやWordのファイルに変換できる優れもの。それでいて割引ありで4,480 円(税込。定価5,980円)は、Adobe Creative Cloudの1ヶ月分よりも安価です。

さっそく試用版を使ってFROGFISH.JPのPDFを変換してみたら、ほんの数秒で変換が終わり、案の定結果はボロボロでした。いかにも中華系アプリっぽい出来栄えですね。確かに変換はしてくれるけど、決して実用的なものを出力するわけではないという。

他にもモリサワの『MC Comic Maker』という製品も見つかりました。モリサワは言わずとしれた日本を代表するフォントメーカー。フォントだけでなくドキュメンテーション製品やサービスも展開しています。信頼性なら断然こちらの方が上ですね。

ただしMC Comic Makerの使用料は1年間120,000円。Adobe Creative Cloudだと2年分の額です。品質は高いのかもしれないけど、EPUBに変換するために12万円は一般人にはちょっと手が出ませんよね。

てなわけでオリジナルの写真集やフォトエッセイの電子書籍を作成したい人がいれば、私が制作と電子書籍ストアへの出版までをお手伝いします。詳しくは以下のリンク先をご覧ください。

mascot of FROGFISH.JP

悪いのはAdobeかAmazonか

自作の写真集電子書籍『FROGFISH.JP』がようやくKindleでも表示できるようになりました。以前は数ページもめくればiOSのKindleアプリが固まっていたけど、修正後は普通の速度でページをめくれます。

FROGFISH.JP front cover

原因は目次。FROGFISH.JPは写真集といいつつ図鑑風な作りなので目次と索引を付けてあります。それらはAdobe InDesignの搭載機能を使って作るのだけど、どうもKindleとの相性が良くないようで。 修正前の目次はこの通り。

はじめに_old

紙の本ではいたって普通のフォーマットだと思います。でも、EPUBの拡張子をzipに変えて解凍し、構成ファイルを覗くと目次の構造はこうなっていました。ちなみに「はじめに…..2」だけの抜粋です。

<p class="TOC_プロローグタイトル ParaOverride-1"><a href="TOC-1.xhtml"><span id="_idTextSpan280" class="CharOverride-1" style="position:absolute;top:1200px;left:0px;">はじめに</span><span id="_idTextSpan281" class="CharOverride-1" style="position:absolute;top:1200px;left:1120px;">. </span><span id="_idTextSpan282" class="CharOverride-1" style="position:absolute;top:1200px;left:1252.16px;">. </span><span id="_idTextSpan283" class="CharOverride-1" style="position:absolute;top:1200px;left:1384.31px;">. </span><span id="_idTextSpan284" class="CharOverride-1" style="position:absolute;top:1200px;left:1516.47px;">. </span><span id="_idTextSpan285" class="CharOverride-1" style="position:absolute;top:1200px;left:1648.62px;">. </span><span id="_idTextSpan286" class="CharOverride-1" style="position:absolute;top:1200px;left:1780.78px;">. </span><span id="_idTextSpan287" class="CharOverride-1" style="position:absolute;top:1200px;left:1912.93px;">. </span><span id="_idTextSpan288" class="CharOverride-1" style="position:absolute;top:1200px;left:2045.09px;">. </span><span id="_idTextSpan289" class="CharOverride-1" style="position:absolute;top:1200px;left:2177.25px;">. </span><span id="_idTextSpan290" class="CharOverride-1" style="position:absolute;top:1200px;left:2309.4px;">. </span><span id="_idTextSpan291" class="CharOverride-1" style="position:absolute;top:1200px;left:2441.56px;">. </span><span id="_idTextSpan292" class="CharOverride-1" style="position:absolute;top:1200px;left:2573.71px;">. </span><span id="_idTextSpan293" class="CharOverride-1" style="position:absolute;top:1200px;left:2705.87px;">. </span><span id="_idTextSpan294" class="CharOverride-1" style="position:absolute;top:1200px;left:2838.02px;">. </span><span id="_idTextSpan295" class="CharOverride-1" style="position:absolute;top:1200px;left:2970.18px;">. </span><span id="_idTextSpan296" class="CharOverride-1" style="position:absolute;top:1200px;left:3102.34px;">. </span><span id="_idTextSpan297" class="CharOverride-1" 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この通り、目次の要素とページ番号を結ぶ ”.” が一個ずつ<span>タグで囲まれて出力されています。これをKindleアプリが個別に解釈しようとして固まっていたようです。全303ページなのに「13927ページ」と表示されたことがあったので、とんでもない分量の本として扱っていたのでしょう。

そこでこのように修正。

目次(修正後)

”.” を他の文字に変えても同じことなので代わりに点線のアンダーラインで行を分けることに。これで<span>タグの数を一気に減らせました。

<p class="TOC_プロローグタイトル ParaOverride-1"><a href="TOC-1.xhtml"><span id="_idTextSpan280" class="CharOverride-1" style="position:absolute;top:1200px;left:0px;">はじめに</span><span id="_idTextSpan281" class="CharOverride-1" style="position:absolute;top:1200px;left:1120px;letter-spacing:4.82px;">                           </span><span id="_idTextSpan282" class="目次のノンブル CharOverride-1" style="position:absolute;top:1200px;left:8810.2px;">2</span></a></p>

この新方式で作ったEPUBを出品し直すと、無事iPadのKindleアプリでも普通の速度でページめくりができ、閲覧可能になりました。

つまるところAdobeのEPUB出力における妙な仕様にしてやられていたわけで、いかにも冗長なことをしがちなAdobeらしい話。とはいえ同じEPUBでもApple iBooksやGoogle Playブックスでは問題なく表示できるのですよね。

リフロー型のEPUBならともかく固定レイアウトのEPUBではアプリが目次を把握する必要はないのだし、無意味な<span>タグもサラッと表示してくれればいいものを。

この場合、AdobeとAmazon、どちらに改善を望めばいいのだろう。やっぱ両方かな。

オリジナル写真集を無料配布中

自身で撮影した水中写真を元に制作したオリジナルの写真集『FROGFISH.JP』をしばらくの間無料で配布することにしました。この写真集の存在は知っていても「無名のアマチュアの写真を買ってまでは…」という人もおられたでしょうから、この機会にダウンロードして見ていただければ幸いです。

写真集『FROGFISH.JP』

一応、iBookストアGoogle Playストア、そしてAmazon Kindleストアで配布中ですが、iBookストアかGoogle Playストアでのダウンロードをお勧めします。というのも私のKindle環境(iPadのKindleアプリ)では正常に表示できないので。その旨はAmazonに問い合わせているものの、定期的に「いまだ解決していない」というメールが届くばかり。Kindleは他にもたくさん問題を抱えているのでしょうね。

なお、この写真集の狙いは、自身で撮った写真を見てもらうだけでなく、「自分でも作ってみたい」と思ってもらうことです。次の展開に繋がることを期待して。

デジカメが普及して以来、誰でも枚数無制限に水中写真が撮れるようになったけど、撮った水中写真を発表する場はとても限られていますよね。

これが名のあるプロカメラマンなら雑誌社などの依頼を受けて報酬を約束されて撮り、メディアで発表できます。あるいは書店で売られる写真集出版の企画が持ち上がったり、個展を開くことも出来ましょう。加えて「○○カメラマンと行くニューカレドニア撮影ツアー(フォト講習付き)」なんてことも。プロらしく写真そのもの、あるいはそれを媒介にしたビジネスが成り立つわけです。

でもアマチュア(有名ではないプロも、かな)となるとblogやSNSで発表するぐらいが関の山。フォトコンに応募して入選してもその1枚が表彰されて終わり。他にも写真販売サービスに登録することぐらいはできるけど、水中写真が売れまくっているという話は聞かれません。

そこで私としては水中写真の別の楽しみを提唱しようと。写真集にまとめればWebに載せるより作品感を演出できるし、電子書籍なら印刷費や流通コストは不要です。ページ数の制限もないので文章も存分に足せ、メールアドレスやURLのリンクも埋め込めます。

もっと個人的なことを言えば、それを副業にしたいと思っています。「オリジナルの写真集を出したいけど電子書籍を作るのは苦手」という人もおられるだろうから、いくばくかの対価をもらって制作を代行させてもらえたらいいかなと。

堀江貴文さんらが言うように、これからの時代、収入源は複数持っておくべきでしょう。たとえ盤石な会社に勤めている人でも自身が病気になったり家族の介護で辞めざるを得ないなんてことは往々にして起こり得るし。そんな場合でも家にいながら稼げるのが理想ですよね。

私は本職のグラフィックデザイナーや編集者を抱えた制作会社ほどゴージャスなものは作れないけど、シンプルな電子書籍制作を比較的安価に請け負えます。電子書籍ではデータ容量や互換性の都合であまり凝ったレイアウトをしない方がいいのも好都合です。 仕上がった写真集はEPUBやPDFで納品するので、iBooksストアやGoogle Playストアで売るのもよし。あるいは、どこかのダイビングショップが「我々がガイドする海ではこんな生き物が見られますよ」的な電子書籍写真集をパンフレット代わりに制作してWebサイトで配布する目的もあり。もちろん対象は水中写真に限らず、鉄道でも風景でも街おこしの観光情報でも何でもいいわけです。本件に関心がある方は下記アドレスにメールでご連絡ください。

support@frogfish.jp

他にもこの写真集の延長としての構想はあるけど、それはまた追い追い。

iBooksも読み上げ対応になるっぽい

iBooksのIcon今朝、Appleから「iTunes Connect: iBooks に関するお知らせ」というメールが届いたので、さっそくiTunes ConnectにアクセスしiBooks Storeフォーマットガイドライン V2.pdfを確認したところ、気になる記述がありました。用語の説明の箇所で「エンハンスド」に「朗読、効果音などのオーディオファイルやビデオファイルなどが埋め込まれたEPUB」、そして「朗読機能付きブック」に「朗読音声による読み上げと同時に、読み上げられている箇所の文字や単語がハイライト表示されるフィックス型のEPUB」とあります。つまり、将来のiBooksアプリはそれに対応するのでしょう。来月開催のWWDCで発表されるのかも。フィックス型ってことは固定レイアウト。リフロー型はどうなんだろう。

ちなみにこのガイドラインのリリース日は2015-01-05となっています。4ヶ月前には発表されていたのか。知りませんでした。

表示テキスト上の読み上げ箇所をハイライトしながら朗読音声を再生するのはDAISY(デイジー)という電子書籍の特徴です。DAISYは目が見えない人や弱視、あるいは識字障害や学習障害を持っていて通常の印刷物を読むのが困難な人向けの規格ですが、そのDAISYはEPUBと規格統合する方向で話が進んでいます。そもそもEPUBがDAISYから音声を除いて派生した規格だから再統合ですね。それらマイノリティの方々にも配慮を怠らない点はさすがApple。

でも個人的な要望を言うと、朗読音声の再生ではなく、テキストを合成音声で読み上げさせる際の読み間違え対策を実現して欲しかったなぁ。例えば、

“名探偵コナン 天空の<span>難破船<pronounce>ロストシップ</pronounce></span>”

などと書かれていると表示上は「難破船」でも「ロストシップ」と読み上げるような。

朗読の音声を含めるとEPUBのファイル容量が激増する上に朗読音声の作成とテキストへのマッピング作業が莫迦にならないので、DAISYの録音図書を精力的に作って配れるのは先進国のトップ数カ国と北欧の福祉国家ぐらいに限られるはず。世界中の視覚・学習障害者の9割くらいには恩恵もないでしょう。

よってOS搭載の合成音声機能でテキストを正確に読み上げられるようにした方がスマートかつ未来的です。テキストベースなら録音図書よりもアフォーダブル制作・配布でき、スタートレックの艦内コンピュータみたいだし。

それに小説の新刊が音声読み上げ対応のEPUBとして提供されれば、晴眼者も障害者も分け隔てなく、発売日当日から楽しめるようになりますよね。見える人の中にも耳で聴いて読書したい人もいるはずだし。

加えてYahoo!ニュースの各記事に音声再生ボタンが付いて、タップすると正確に読み上げられれば便利です。

また、政府や官公庁、地方自治体、有名企業などのWebサイトに音声読み上げ対応が義務化されれば障害者の方々も嬉しいのではないかと。

オリジナル写真集のその後

この一月、オリジナルの写真集の電子書籍『FROGFISH.JP』を出版しました。

写真集『FROGFISH.JP』

でも諸般の事情で宣伝はしていなかったので、その存在を知っている人は少ないでしょう。

ちなみに諸事情とは以下の通り。

  • 地球の海フォトコンテスト2015への応募作が含まれていた
  • GoogleのPlayブックスアプリおよびAmazonのKindleアプリでの互換性が怪しかった

特に後者が問題でした。当時、Playブックスでは固定レイアウトEPUBがまったく表示できなかったため、しかたなく暫定的にPDFを出品していたのですよね。Kindleの件は、Mac版のKindle Previewer、 iPadのKindleアプリ、WebのKindleプレビュー機能で表示状況が食い違うという問題でした。

とは言え話のネタにもなるのでストアには出品しておき、追って問題が解決されることを期待していたわけです。表示の不都合があれば、読者からのクレームはブックストア側に行くだろうから。

で、あれから2ヶ月あまりたってどうなったかというと、Playブックスの不具合はその後のアプリのアップデートで解決。常に見開き表示になってしまって見づらいけど、固定レイアウトEPUBのまま出品したものが正しく表示できています。

でもKindleの方は状況が悪化しましたね。最新のKindleアプリでは私の写真集をまったく表示できません。以前はできていたはずなのに。Amazonに問い合わせたら「調査中」とのメール。先方が指定した期限が来たら、再度「引き続き調査中」という返信が届きました。

私が正式に宣伝活動できるようになるのはもう少し先のようです。

セルフパブリッシングは簡単…ではない

オリジナル写真集の電子書籍『FROGFISH.JP』を作成し、出版してみました。

写真集『FROGFISH.JP』

過去に自身で撮った水中生物写真から厳選して100点あまりを収録しています。iBook StoreGoogle playストアAmazonのKindleストアで販売中です。

いやぁ良い時代になりましたね。いわば同人誌みたいな書籍を世界的にメジャーなブックストアで販売できるのだから。以前なら写真集なんて有名なプロしか世に出せませんでしたよね。もちろん自費で印刷と製本を手配することはできたけど、それだと手売りになってしまいます。

でも、それらのメジャーストアで電子書籍の販売を開始するまでの道のりは結構大変でした。

一番苦労したのはAdobe InDesign CC(2014リリース)の動作が安定しないこと。特に目次と索引を更新しようとするとアプリが頻繁に落ちます。しかもその際に目次の定義が消えるので、その都度設定し直しです。これには参りました。

そこで試行錯誤の結果、発見したことを備忘録として書いておきます。

InDesignの目次更新でアプリが落ちる件:

解決策は「余計な段落スタイルを削除する」でした。

目次を含む.inddファイルで「目次スタイル…」を実行して目次を定義すると、段落スタイルパネルに余計な段落スタイルが追加されます。

InDesignの段落スタイルパネル

パネル内の下の三件(扉タイトル-E、写真タイトル-E、索引タイトル-J)はこの.inddファイルには含まれず、ブック内の他の.inddファイルから勝手にインポートされた要素です。

そしてこれらがパネル内にある状態で「目次の更新」を実行するとアプリが落ち、次回起動時には目次の定義が壊れています。推測するに内部データに混乱が起きているのでしょう。

よって「目次の更新」の前に段落スタイルパネルで「未使用をすべて選択」を実行し、不要な要素を削除しておく必要があります。

EPUBの出力で警告が出る件:

スクリーンショットを撮り損なったけど、EPUB出力の最後に目次索引関連の警告が出た場合はどれかの.inddファイルにリンク切れの要素が含まれているようです。ハイパーリンクの要素になっているものの、リンク先の情報が消えているテキストが含まれている状態ですね。

この場合、リンク切れを探してリンク情報を設定し直してやればOKです。

Kindleのプレビューは当てにならない:

Amazonに出品するにはEPUBをmobi形式に変換してやる必要があります。変換はKindle Previewerアプリでできる他、Kindle Direct PublishingでEPUBをアップロードすれば自動的にmobiに変換されるようです。

それはいいのですが、Kindle Previewerによるプレビュー表示は不正確で当てになりません。特にフォントがボロボロに表示されがちです。

Web上のプレビューも然り。文字の欠落が起こります。下の絵のピンクの箇所がそうです。

kendle-previewer

他にもゴシック体のテキストが明朝体で表示されたりもします。

どうやらMac版のKindle Previewer、 iPadのKindleアプリ、WebのKindleプレビュー機能のそれぞれで表示状態が食い違うようです。どれを信じていいのか。

結局、この問題は上手く解決できませんでした。

英文には英語フォントを使うべし:

InDesign CCで固定レイアウトEPUBを書き出すとフォントが埋め込まれるので、その本を販売するにはライセンス的に問題ないフォントを使う必要があります。最も都合が良いのは源ノ角ゴシックでしょう。素晴らしく自由なライセンス形式だから。

ただし英文にも適用したら、Kindle Previewerで単語の間のスペースが詰まって表示されました。Kindle Previewer側の問題かもしれないけど、英文には英語フォントを使ったほうが無難です。

源ノ角ゴシックのHeavyは避けたほうが良い:

源ノ角ゴシックのHeavy(最も太いウェイト)を使うと、iPadのiBooksでその文字が少しずれて二重に表示されました。

源ノ角の表示イメージ

Heavyはマイナーなウェイトだからかな。一般的なのはLight、Regular、Boldってところだから。

この問題はウェイトを一つ落とし、Boldに置き換えることで解決しました。ちょっと残念だけど。

Google Playは固定レイアウトEPUBを扱えない?:

iBook Storeには固定レイアウトEPUBを出品できました。Kindleストアにも固定レイアウトEPUBをアップロードすれば自動的にmobi形式に変換されます。でもGoogle Playに固定レイアウトEPUBを出品しても公開にできませんでした。アップロードまではできるけど利用可能にならないのですよね。あれこれ設定を変えてみたものもダメ。iPadのGoogle Playアプリでも表示できませんね。Google Playは固定レイアウトEPUBには未対応なのでしょうか。

結局、EPUBは諦めてGoogle PlayストアにはPDFで出品しましたが、早くこの問題が解決してほしいものです。そうなれば大手3ストアとも固定レイアウトEPUBだけを用意すればOKになるので。

あるいはiBook StoreとKindleストアでもGoogle Playストアと同様にPDFを販売できるようになればPDFに統一できるのですが。

既知の問題はこれぐらい。私はMacとiPadでしか検証できないので、その他の各種デバイスで表示させた場合の検証はまったくもって不十分。電子書籍によってセルフ出版ができるようにはなったけど、電子書籍特有の問題があることも痛感しました。

そして今後も内容だけでなくフォーマットについても随時試行錯誤で修正して公開し直すことになるでしょう。

なお、現時点ではiBook Store版がもっとも完成度が高いという印象です。

コンビニのスキャンサービスが便利

コンビニのスキャンサービスを利用してみました。

コンビニのマルチコピー機

図鑑類はiPadに入れて海辺にも持って行きたいところ。そこで先日購入したこの本、5,000円以上もするけど、さっそく裁断しました。利便性重視です。

ただしこの図鑑はハードカバー本。表紙と裏表紙は厚みがあってドキュメントスキャナを通りません。さてどうしたものか。

手持ちのプリンタが古くなったのでスキャナ機能付きの複合機を買うことも考えたけど、今どきプリンタなんて滅多に使わないので、この目的だけで買うのは躊躇われます。そこでコンビニのスキャンサービスの存在を思い出し、利用することにしました。

これ初めて使ったけど便利ですね。メニューからスキャンを選び、促されるままUSBメモリーを挿入。あとはコピーと同じ要領でスキャンし、1枚あたり30円払って保存するだけ。スキャンの解像度も400dpiと十分です。

注意点としてはちゃんと書き込めるUSBメモリーを使うことぐらい。スキャン代金は画像保存前に課金されるため、不安定なメモリーを使うと「払ったのに書き込めず」ということになってしまいます。

そうして図鑑の表紙と裏表紙の表裏、それぞれ2ページずつスキャンした画像を持ち帰り、ドキュメントスキャナで読み込んだ通常ページの画像と合体させてPDFを完成させました。全490ページが44MBになったのでiPadに入れてどこにでも持って行かれます。

欲しかった図鑑をゲット

以前から欲しかったREEF FISH Identification TROPICAL PACIFICという図鑑を手に入れました。「TROPICAL PACIFIC」とは赤道付近の海域を差すようです。アジアの国で言うと、フィリピン、インドネシア、マレーシア辺りですね。

REEF FISH Identification TROPICAL PACIFIC

この図鑑は海外のダイビングサービスには定番本として必ず置いてあるので、ずっと欲しいと思っていたのですよね。ほんでもって来年にはもっと円安になるかもしれないので今のうちに買っておこうと。

Amazonで¥5,262(定価$45)なので割と高価だけど、こんなふうに写真付きのデータが 440ページにわたって展開されているので、それだけの価値はあります。

REEF FISH Identification TROPICAL PACIFIC

私も英語はあまり読めないけど、調べたい項目だけ辞書を引きながら読めば良かろうと。

本当は電子書籍版が欲しかったのけど、どうやら日本からは購入できなさそう(多分、版権の問題)なので諦めて紙の本を買いましました。

ただし重量が1,100gもあるので持ち歩くには不便です。てなわけで、さっそくページをバラしてスキャンしましょう。

ウミウシガイドブック③

インドネシアのアンボンで撮ったウミウシ類に名前が解らないものが多いので『ウミウシガイドブック③バリとインドネシアの海から』を買ってみました。

さて図鑑を買ったら真っ先にするのが自炊。裁断してスキャンしてPDF化ですね。なぜかというと図鑑類はどこにでも持ち歩きたいから。海外でも日本人経営のダイビングサービスなら日本語の図鑑があったりするけど、日本人が少ないサービスには置いていないので自身のiPadに入れておこうと。

さてPDFを作ったらさらに一工夫。このウミウシガイドブックは初版発行が2003年8月。当時は和名がなかったものの、それ以降に付けられたものが多々あるので、Acrobatを使って和名を書き添えます。参考にしたのは有名なWebサイトのウミウシ図鑑のウミウシ旧名・通称一覧。ウミウシ図鑑の条件検索は難しくて(配色の登録がかなり曖昧なため)なかなか目当ての情報にたどり着かないことも多いけど、和名データベースは便利です。

スクリーンショット-2014-09-21-2.09.40

これで完成です。

下記はリーズナブルな自炊用品。

 

良さげなドキュメントスキャナ

本ってかさばりますよね。でも安易に捨てたり売ったりすると後で読み返せません。それが絶版本、希少本なら図書館や古本屋を探し回らないと再会できないし。

そんなわけで流行っているのが自炊。裁断してドキュメントスキャナーでPDFにすればHDDが壊れない限りデータとして取っておけます。家中の本をPDF化して捨てると、かなりすっきりするだろうな。

ってなわけで前回の裁断機編に続き、今回は良さげなドキュメントスキャナを。BlotherのADS-2000です。

これの何がいいって、先週末から販売価格がぐっと下がって量販店での売価が2万円を切り、いっそうお手ごろになった点。ひょっとして新製品の発売が近いのかもしれないけど、そのあたりは解らないので数千円単位で下がった直後の今は買い時と言えましょう。

ドキュメントスキャナで最もポピュラーなのはPFUのScanSnapですが、現行品のiX500は税込で38,000円〜。しかもWindows版のAdobe Acrobatが無条件に付属してきます。でもMacユーザーの私は使わないので、これって不本意な抱き合わせ商法のようにも思えるのですよね。Acrobatだけヤフオク!なんかで売っ払うという手もなくはないですが、大した額にはなりませんよね。

ちなみにScanSnap、以前はWindows版(黒筐体)とMac版(白筐体)で製品が分かれていて、なぜかMac版にはWin版よりもバージョンが遅れたAcrobatが付属していました。その頃もMacユーザーを軽視しているっぽかったけど、製品を一本化した今では以前にも増してMacユーザーに冷たくなった気がします。

そもそもドキュメンテーション界隈の住人には既にAcrobatを持っている人も多いのだし、ScanSnapが2台目、3台目なんて購入層もいるのだから、いっそのことAcrobatは購入クーポンだけ同梱して本体価格を安くしてくれればいいものを。

で、BlotherのADS-2000もスペック的にはScanSnapと大差ないので、Acrobat抜きで安価な方が好ましいですよね。

いや、細かい点でいくと用紙送りの機構が旧式()だったりと多少は見劣りもするようですが、まあ値段が約半分だし、最上級を望まないのであればコストパフォーマンス的には優秀です。

※ 自炊に向いた性能の良いA4ドキュメントスキャナーはどれか?の「搬送性能と重送検知機能の比較」を参照

ScanSnapの他にもCanonの imageFORMULAなんてのも売れ筋ですが、セットできる原稿が30枚(ScanSnap iX500やADS-2000は50枚)。設置スペースが小さくて済む分、原稿枚数が4割も減っています。売価も38,000円〜と高いし。

なお、スキャンした画像をPDFにするには付属のユーティリティを使うわけですが、別途このようなアプリもあります。

Jisuiアプリアイコン

その名も「Jisui」で300円。大量のJPEGファイルをPDFにするだけのシンプルなアプリです。iPad Retinaの画面にピッタリ収まる解像度のPDFを生成してくれます。

私のFacebookページ:IT.FROGFISH.JP

良さげな自炊向け裁断機

本ってかさばりますよね。でも安易に捨てたり売ったりすると後で読み返せません。それが絶版本、希少本なら図書館や古本屋を探し回らないと再会できないし。

そんなわけで流行っているのが自炊。裁断してドキュメントスキャナーでPDFにすればHDDが壊れない限りデータとして取っておけます。家中の本をPDF化して捨てると、かなりすっきりするだろうな。

ちなみに漫画の単行本は電子書籍で出ることも多くなったけど、各方面への配慮からか紙の本よりも一巻分発売が遅れるものも多いので、電子書籍発売を待たずに紙の本を買って自炊してしまうのも手です。電子書籍、未来的だけどビジネス的にはまだまだ課題も多いようだし。

さて自炊の際にスキャナーと並んで必要なのが裁断機。本の背表紙側を切り落としてページをバラバラにする道具ですね。

私が知る中で一番良さそうだと思う製品がこちら。

一度に50枚しか切れないけど楽ちん

この製品の良いところは机の上に置いて座ったまま作業しやすいところ。円形の刃が付いた箱型のスライダを前後平行に動かすだけなので腕も腰も楽です。50枚を切るのにスライダを4往復半させる必要があるものの、それは大した手間ではありません。

ディスクカッタースリムDC-F5100の使い方

これがレバーを振り下ろす方式の裁断機だと腕の上下運動なので立ち仕事になり、腰や腕が疲れやすくなりますよね。機種によっては紙押さえの機構もなく、枚数が多いと裁断幅が斜め(一番上と一番下では用紙幅が違ってくる)になりがちだし。そして何と言っても10kgを超えようかという重量が…。

このタイプは一度にたくさん切れるけど、デカくて重くて、作業がしんどそうです

その点ディスクカッター・スリムはコンパクトかつ軽量で比較的安価。個人が自炊用に使うには必要十分でしょう。折り畳めない旧機種ならもっと安いし。

ということで私も購入してみました。なかなか快適です。

私のFacebookページ:IT.FROGFISH.JP

地球書店が閉店

昨日のスーパーボウル、実にあっっけない試合になってしまいました。事前の下馬評では断然ブロンコス有利だったのだけど。

まあ私はマニング兄弟はあまり好きではないので、若いウィルソン率いるシーホークスが勝って良かったかな。私の好みはランプレー中心にゴリゴリ攻めていくプレースタイル。パスの名手的なQBはちょっとね。


地球書店のアプリアイコン昨日メールが届き、地球書店がサービスを終了するとのこと。

地球書店は確かiPad発売開始後、割と早い段階でスタートした電子書籍ストアすね。

そう、電子書籍の難点の一つがこれ。紙の本なら出版社が潰れようが買った本屋が廃業しようが手元に残るけど、電子書籍はサービスが終了すると買った本が読めなくなるおそれがあります。

仮に端末にコンテンツをダウンロード済みでも、OSのアップグレードでアプリが動かなくなったら終わりです。iOSなんか古いAPIが容赦なく切り捨てられるので、将来のiOSではまったく動かないなんてことも。買ったコンテンツは事実上の消滅ですね。

NTTソルマーレがどれぐらい売り上げていたのかは知らないけど、この事態なのだし、電子書籍は小さいストアで買うのは不安だと、次第に世界的な大手の何社かに収斂されていくように思います。

ともかく私も日本でiBooks Storeが始まる前に地球書店で何冊か漫画本を買ってるので、6月30日までに全巻全ページのスクリーンショットを撮ってPDF化しなきゃな。

地球書店サービス終了のお知らせ
平素は「地球書店」をご利用いただき、誠にありがとうございます。
「地球書店」は2014年3月31日(月)をもちまして、サービスの提供を終了させていただくこととなりました。ご利用頂いておりますお客様にはご迷惑をおかけすることを深くお詫び申し上げますと共に、これまで本サービスをご愛顧頂きましたこと心よりお礼申し上げます。

【サービス終了日時】
2014年3月31日(月)AM10時

■今後の予定について
サービス終了後は、作品の新規購入及びログイン/ログアウト等、「購入済作品の閲覧及び再ダウンロード」以外のサービスはご利用頂けません。
また、「購入済作品の再ダウンロード」のご利用も2014年6月30日(月)で終了させていただきます。
※会員登録をされた方は、作品の閲覧にはログインが必要です。2014年3月31日AM10時までに必ずログインをお済ませ下さい。

■代替サービスについて
NTTソルマーレでは、スマートフォン/PC/タブレット向けに電子書籍書店「コミックシーモア」を提供しております。
ご希望のお客様には、2014年1月31日(金)AM11時までに「地球書店」でご購入頂きました作品の購入金額相当分の「コミックシーモア」ポイントを進呈させて頂きます。
→詳しくはこちらからご確認ください

長らくご愛用いただき、誠にありがとうございました。
今後とも弊社サービスをご利用いただきますよう、何卒よろしくお願いいたします。

★正しいリンク先に繋がらない場合
地球書店アプリを起動した状態で再度リンクを押していただくとリンク先に繋がります。
★地球書店アプリはAppStoreからダウンロードできます。

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配信元:NTTソルマーレ株式会社
※本メールは重要告知のためメルマガ配信を希望されてないお客様にもご案内させて頂いております。何卒ご了承いただきますようお願いいたします。

本メールは送信専用です。
お問合わせは「TOPページ→設定・ヘルプ」をご確認ください。

社会貢献するための資格

wordpress-logo先週来のAKB48の峯岸みなみさんの一件、正直なところ何ら興味もないのですが、けじめの付け方として、そこに行き着く考え方がグロテスクだなぁとは思います。

まあ、アイドルの商品価値という意味ではあるまじきことなのでしょう。もちろんモラルとか倫理ではなく、商売上の都合ってだけですが。

だったら、いっそのことその後の処遇を「リコール選挙」で決めればいいのに。

話は変わって、たまには真面目なことも書きましょう。

先日、仕事上の繋がりで「もっと知ろう、デイジー教科書を!」というシンポジウムに出席しました。

デイジー(DAISY)とは主に視覚障害者向けの音声読み上げ電子書籍の規格です。専用機やプレイヤーソフトウェアで再生することで、全盲の人はもちろん、弱視や識字障害を持った人が、耳で聞きながら読書をするという使われ方をしています。

ただし、シンポジウムの感想は「歯車の空回り感が強いなぁ」でした。残念ながら。

現状、教科書のデイジー化は有志のボランティアによって行われています。でも、本来なら国が責任を持って遂行すべきことです。

ではなぜそのようになっていないかといえば、国からの予算が下りないから。文部科学省、そして財務省が予算付けをしようとせず、そうは言ってもデイジー教科書を必要とする児童はいるため、しかたなく有志の方々が手弁当で頑張っているという状況が続いています。

でも、そういうやり方では永続性が担保されないのですよね。中核メンバーが何らかの理由で離脱すれば、たちまち体制が崩壊しかねないわけです。それは老老介護の悲劇に似ています。支える方が力を失えば、支えられている方も生命線を断たれるという。

その意味では、社会貢献活動に身を投じるには、ある程度の余力がある人が好ましいわけです。困っている人の役に立ちたいという思いは尊く、清貧の志は崇高でも、それは根性論に近い考え方です。会社であれば、零細企業が社会貢献活動の分野に軸足を置くのは好ましいとは言えないでしょう。

トロイア発見で有名な考古学者のシュリーマンが大きな成果を上げられたのは、まず大きく財をなした上で発掘作業に臨んだからだし、ビル・ゲイツが多くの尊敬を集めるのも莫大な富を基にケタ違いの額を慈善事業に費やしているからです。ちょっと残念な気もしますが、世の中、先立つものはお金なわけで。

先の零細企業の例で言えば、たとえ経営者にその方面への思い入れがあったとしても、せめて自身がいなくても事業が順調に回り、継続的に利益を上げられるぐらいになってからでなければ、社会貢献活動に多くの資源を割いてはいけないのだと思います。剛腕のワンマン社長が病気や交通事故で離脱したら遠からず会社が空中分解なんてことでは拙いわけです。

また、福祉のような社会貢献活動の分野で利益を上げていこうと考えるのも不健全でしょう。そもそもその予算の原資は税金であり、かつかつに運営されていことが多いので、そこに軸足を置いてしまうと企業の体力が付きづらく、社員への待遇も据え置きのまま年数を重ねれば、企業としての基礎体力が損なわれていきます。

ということで、社会貢献活動にいそしむための資格は投資行動と同じで「ちょっとやそっとのことでは揺るがないだけの余力を持っているかどうか」ではないでしょうか。違う言い方をすると、社会貢献活動に重きを置くためには、先ずは「それ以外の活動を軌道に乗せるべし」だと。

最後に。上記の通り、ボランティアが身を削るようにして教科書をデイジー化しているのは本来は筋の悪い話。これを好転させる鍵は「教科書に商品価値を持たせる」しかないと思います。広く売れるようにすると。

我々は何となく「デイジー教科書は視覚障害者のもの」という先入観を持ちがちですが、デイジー教科書を健常者に使ってもらっても良いはずです。法律的な垣根がなければ可能でしょう。iPadで読み上げてくれる教科書が、子供の学習意欲や理解度の向上が見込めるというなら、進んで買い与える親御さんは多いはずなので。

それこそ健常者の児童の親御さんの5組ぐらいにデイジー教科書が売れれば、障害者にも1セットがプレゼントされ、売り上げはデイジー教科書の出版社や制作者に還元されるといった具合の循環が作れたなら、社会の歯車がガッチリ噛みあって回っていくのだろうと。相変わらずボランティアの力を借りるにしても、出版社の下で作れば必然的にクオリティも上がりますし。

サラサウミウシではなくなったのか…

新しいウミウシ図鑑を買いました。中野理枝さんの『ベータ版日本のウミウシ』です。ダウンロード販売で3,150円。

ベータ版日本のウミウシの表紙

購入すると約61MBの低解像度版と700MBを超える高解像度版の両方がダウンロード可能になります。

PDFなのでiPadなどに入れてどこにでも持ち出し可能。文字検索もできるし、今どきの図鑑はこうでなくちゃ。

書籍としてはデザインやレイアウトには凝らず、シンプルな組版で質実重視の必要十分な作り。紙の図鑑のように1ページにたくさんの情報を詰め込まないため写真が大きく、拡大表示もできて、とても見やすいです。

また、すでに全1,123ページという力作ですが、ベータブックスという手法を採用していて、向こう3年間で10回程度の更新を予定しているとのこと。これも紙の本にはない利点ですね。中には写真入手待ちや掲載許可待ちの項目もあるので、次第に充実していくはずです。

ただし、難点もあってPDFの閲覧時にパスワードを訊かれます。この煩わしさは何とかして欲しいですね。

そして注目なのはこの図鑑が最新の分類に基づいていること。例えばかつてサラサウミウシと呼ばれていたこちらのウミウシ。

チリメンウミウシ

最近ではチリメンウミウシという別の種類になったとのこと。このように、かつて覚えた知識が古くなっている可能性があります。よって現役のガイドさんなんかは必読の一冊ですね。

同じく中野理枝さんの『本州のウミウシ』には定番感があるものの、これはもうところどころ内容が古くなったようです。

電子書籍の時代はまだ来ない

ONE PIECEの電子書籍版を買っていいものか迷っています。いや、自分の中での結論は出ているのですよね。「買ってはいけない」と。

理由は永続性が保障されないから。一度買った作品は半永久的に読めるようであってほしいものですが、現状ではオンライン書店の業者がサービスを停止したらユーザー認証が通らなくなり、本としての寿命が尽きてしまいます。

もし、閲覧の際にユーザー認証を経ない仕様になったとしても、iPadのOSのバージョンが上がって専用のビューワーアプリが起動しなくなれば(Appleは古いAPIを容赦なく切り捨てるので、往々にして起こり得る話)、そのコンテンツは単にメモリ容量を圧迫するだけのゴミデータと化します。

ONE PIECEの電子書籍で言うなら、Yahoo!ブックストアなりBookLiveGALAPAGOS STOREが向こう何十年もサービスを続けてくれればいいのですが、その保障はありせん。もちろん天下のYahooだし、BookLiveやGALAPAGOSにも錚々たる企業が出資、協賛しているものの、あてにはできないでしょう。特にBookLiveやGALAPAGOSは先行き怪しいと思うのですが、その話は別の機会に。

言い換えると電子書籍版は、電子書籍としての作品そのものではなく、業者がサービスを継続している期間中にその作品を読む権利を買うということ。この二つは持ち家と賃貸住宅ほどの違いがあります。

有償コンテンツであってもDRMの掛かっていないePubなりPDFで提供されればいいのですが、多くの有力コンテンツホルダーはDRMがないデータの流通を嫌うのですよね。その考えも解ります。紙の本ならコピーしても品質劣化した紙切れにしかなりませんが、デジタルデータは原本と同じ品質の副製品が作れるので。ePubを所管するIDPFはEPUB Lightweight Content Protectionという軽いDRMを提唱していますが、果たして日本のコンテンツホルダー側が飲めるかどうか…。

これまで「コンテンツが揃わないから電子書籍が普及しない」と「電子書籍が浸透しない内はコンテンツが揃わない」が鶏と卵の関係のように言われていましたが、私が考えるに、一番大きな課題は「固いDRMがなければ提供できないコンテンツホルダー」と「普遍性がないコンテンツはおいそれとは買えない消費者」の利益相反をどうやって解消するか。有効な策がないままコンテンツの数が増えても状況は大して進展しないでしょう。音楽のように有力な書籍コンテンツがDRMなしで販売されるようになれば、電子書籍市場も爆発的に拡大しそうなのですが…。

そしてこの先起こりそうなのは、「ある日突然業者がサービスを停止し、せっかく買った電子書籍が無駄になった」という事態に大勢のユーザーが直面すること。この2〜3年の間に電子書籍に乗り出したものの思うように売り上げが上がらずにギブアップを余儀なくされるオンライン書店が続出することは大いに考えられます。その際、顧客の購入履歴を別の業者に委譲し、閲覧環境の互換性も確保されればいいのですが、そうなるかは解りません。

まあでも、それが有望な解決策かなとも思います。つまり、買収に次ぐ買収で資産を漏らさず継承しながらオンライン書店が大手の2〜3社に集約されれば、DRMが掛かっている電子書籍コンテンツも安心して買えるようになるだろうと。委譲、移行がスムーズに行われれば、ピンチを絶好のチャンスに変えることもできましょう。

ユーザーにとっては選択肢が限らて寂しくなるものの、言わば都市の再開発みたいなものかと。駅前の特色のない個人商店が役割を終える一方で、郊外の大型ショッピングモールが需要の大半を吸収するような流れと同じですね。

とは言え、中小の業者もあらゆる手段を用いて必至に生き残りを図るので、諸外国はともかく日本では本格的な電子書籍の時代の到来はまだまだ先だと私は見ています。何年かの後、皮肉にも果敢にチャレンジした業者の大半が倒れ、礎となった暁に、ようやく花開くのではないかと。

ePubの不適切な使われ方

今月、ONE PIECEの第67巻が発売されました。発売日に買ってその日のセブ行きの飛行機内で読んだ私の感想は「また話を広げるのかよ」。果たして「JOKER」とは誰なのか。海軍もしくは政府に相当強い権力を行使できる人物だから、既出なら赤犬か五老星か、それともやっぱり新キャラなのか…。

何年後かのクライマックスに向けて何度か山を作らなきゃならんのでしょうが、もう作品長すぎ。そろそろ脱落しかけてます。


さて、今回はePubの話。電子書籍の標準規格のあれです。

ONE PIECE電子書籍のバナーONE PIECEには電子書籍版もあります。購入・閲覧環境の一つはYahoo!ブックストア、もう一つはBookLive。BookLiveの方はコンテンツのコンテナ(フォーマット)にePubを採用しています。ひょっとしたらYahoo!ブックストアもそうなのかな。

ただし、いずれも専用ビューワーで表示する仕様。そのアプリの挙動が怪しいからといってiBooksやStanzaなど思い思いのePubビューワーで読めたりはしません。

また、個々のコンテンツは容易には取り出せないようになっています。仮に取り出せてもガッチガチのDRMが掛かっているはず。当然ですよね。誰かが鍵を外してコピー版のePubが大量に出回ろうものなら、その販売業者は莫大な額の損害賠償訴訟を喰らいかねないので。「世は大海賊版時代。ONE PIECEだけに」ってわけにはいきません。

でも、この使われ方だとePubと言いつつも独自フォーマットと何ら変わりありません。ePub最大のセールスポイントである普遍性(プラットホームをまたいで好きなePubビューワーで読める)は一切享受できないのだから。

いや、専用ビューワーを作る方にはDRM以外のデータフォーマットを自分で考える必要がないというメリットがあります。でもそれはあくまでも作り手、提供者側の都合にすぎません。

ユーザーにePubとしての有益性を提供できないのであれば、たとえコンテンツの構造がePubの規格に則って作られていてもePubとうたうのは不適切。というか半ば悪質だと思います。標準規格を名乗ってさも永続性が保障されるかのように見せかけておきながら、ある日業者がサービスを停止しようものならユーザー認証が通らず、以後は一切読めなくなるわけで。

よって本来ならIDPF(ePubの所管団体)はePubとうたうための条件を明確に規定すべきですね。例えば以下の条件を満たしている場合のみePubと表記していいとか。

  • 特定のデバイス、ビューワー、サービスに依存しない

・少なくとも資本関係がない機関が提供する複数種類のビューワーで閲覧できること

・ユーザーがどのePubビューワーで読むかを選択できること 

つまり、中身がePub準拠であっても独自のDRMや囲い込みをした時点でePubと表記する権利を失うような。じゃないと将来に禍根を残すことになりそうです。 もちろんePubを独自拡張してePubとうたわずに展開するのはOK。Appleは実際にそうしていますし。

ONE PIECEの電子書籍

今週の金曜日にはONE PIECE 67巻が発売されますよね。私はジャンプの連載は読んでないので待ち遠しい限りです。

ONE PIECE電子書籍のバナーさて、そのONE PIECEは電子書籍としても刊行されています。iPadだとBookLiveというビューワーアプリを使う仕様で、着色された単行本が1冊473円。50ポイントのバックがあるので、紙の単行本とほぼ同価ですね。

私がONE PIECEを買うようになったのは頂上戦争のちょっと前から。今さらそれ以前の50冊あまりを買うのも気が引けていたのですが、電子書籍版なら場所を食わないので買い揃えても良いかな。紙の単行本を買って裁断して自炊PDFに変換するよりも楽だし。

例えば、小笠原行きの船旅では往復50時間あまりを要します。そんなときONE PIECEの全巻がiPadに収まっていれば、さほど退屈せずに過ごせますよね。

うん、買っても良いのだけれど、肝心のBookLiveアプリの出来栄えが悪すぎて…。現状、私の環境では起動しても最初のページをめくると落ちることが多く、試し読み版が20回に1回ぐらいしか読めないのですよね。

それに現時点では12巻までしか敢行されてません。Yahoo! Bookストア(iPadアプリはない)では63巻までいっているわけで。このあたりは政治力などにも依存しそうなので、ひょっとしたらいつまでたっても続きの巻が発売されないなんて話にならないとも限りません。

そうこうしているうちにYahoo! Bookストアや他の同類のiPadアプリがリリースされようものなら、BookLiveで買うと悔しい思いをし兼ねないし。もう少し様子見しましょうかね。