城ケ島の思い出

このたび知人が城ケ島のダイビングショップから巣立つとのこと。何事にも終わりは来るものです。名残惜しいでしょうが、良い思い出がたくさんできたようで、その点はなにより。

私が初めて城ケ島を訪れたのは約10年前の4月。当時の仲間が日帰りで潜りに行くということで車に乗っけてってもらいました。でも私はすでにドライスーツを手放していたため丘番です。そのときの仲間はちりぢりになって、もう長いこと会ってないなぁ…。

仲間の一行がボートに乗り込んで1本目のダイビングに出発するのを見送った後、近くを散策するとなかなか感じのいい磯を発見。当然ながら生きもの探しのスタートです。短パン&サンダル履きなので、そこそこ海辺を動き回れます。4月の海水温は低いものの生来の暑がりな私には気になりませんし。

その磯には貝採りに来たらしき人が何人かいましたが、おそらくお目当てのツブ貝の類いは見当たりません。目に付くサイズのものは既に取り尽くされていたのでしょう。その代わりに(?)アメフラシがたくさん集まってきていました。そしていたるところに黄色いウミソウメンが。そう、アメフラシの卵塊ですね。ウミソウメンが食用になり、美味だと言う人もいることは知っていたものの、食べ方までは知らなかったのでそっとしておくことにしました。

ウミソウメンを食べるのを諦めて他の生きものを探すと、いました、モンツキカエルウオが。それも水深わずか15cmの小さな岩穴に。こんなこともあろうかとデジカメをハウジング(懐かしいDIV製オーダーメイドの)に入れて持ってきていたので、おもむろに撮影を開始。カメラを持った手だけを水に浸けての水中写真撮影は初めての経験です。穴居性の魚なのでカメラを近づけても逃げないのですが、周りの岩が邪魔でなかなかいい具合に捉えられません。しかも水面直下は明るすぎて液晶モニタが見えない…。

結局、いい写真にはなりませんでしたが、グリーンがかった春先の海に潜った仲間は大して収穫もなかったとのことで、まったく潜らなかった私が一番の収穫を得たという貴重な体験をしました。

さて、二度目に城ケ島を訪れたのは5年前の春。馴染みのダイビングスタッフの最後のツアーだったので。もちろん私は丘番ですが、むしろそれを望んでいたぐらいです。新しいデジカメをマクロコンバージョンレンズを装着したハウジングに入れ、皆の出港を見送ってから、また同じようにカエルウオを探そうと喜び勇んで思い出の磯に出向いたところ、なんと辺り一面テトラポッドで埋め尽くされていました…。

イカ焼き
失意の中、イカ焼き食って帰ったんだよな

以来、私は城ケ島には行っていません。

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