アニラオの海の印象

台風27号、日本への最接近は来週半ばだと思うけど、その頃には920hPaなんて凄まじい勢力になっているやもしれません。みなさんお気をつけください。


日が経って忘れない内にアニラオの海の印象を書いておきます。

台風のせいでコンディションは万全からはほど遠かったものの、一定の感想を得ました。ひと言で言うなら「魚がすれてない」でしょうか。

例えばジョーフィッシュ。ソンブレロというダイブサイトのオリビアシュリンプがいる岩窟の左隣には砂地のスロープがあり、ゴールドスペックジョーフィッシュが1匹生息していました。

ゴールドスペックジョーフィッシュ
ゴールドスペックジョーフィッシュ。 思いっきり寄れるもんだから近寄りすぎてピントが向こう側の目にいっちゃいました

フィリピン人ガイドのニックさんがおもむろに近寄っていったと思ったら、巣穴から頭を出していたジョーフィッシュの喉元に人さし指でちょこんんとタッチ。するとジョーフィッシュが飛び出して近くの別の巣穴にお引っ越し。

ゴールドスペックジョーフィッシュ
あっさりと全身をさらしてくれます

ニックさんが元の穴を石で塞ぎ、もう一度タッチ。するとまた別の穴に移動します。

二番目の穴も塞いで三たびタッチしたら、ジョーフィッシュは最初の穴を塞いでいる石をくわえてどかそうとしました。もちろん全身はさらけ出した状態です。

これが他所のジョーフィッシュなら、人間が近寄っていくだけで穴の奥に後ずさりして潜ろうとするのですが、ここのは緊張感というか警戒感が薄いですね。

ゴールドスペックジョーフィッシュ
頭から撮るとなかなかシュールです

アニラオはダイビング向けにフィリピンで最初に開拓された地だと聞いていたものの、何十年もダイバーが入っている割に、魚達がすれていませんね。あるいは人馴れしているのか。ピグミーシーホースも浅い海にいるし、クダゴンベなんかもけっこう寄らせてくれました。

海況のベストシーズンは3月から5月でベタ凪だそうな。その頃にもう一度行かなければと思わせてくれるだけのポテンシャルを持った海でした。

アニラオのピグミーシーホース事情

強烈な台風26号が去ったものの、グアム近海には次の卵がスタンバイ中。順調に行けば27号となって、しかも26号とほぼ同じ進路を辿りそうな気配。要警戒です。


マクロ派ダイバーに人気な被写体の一つがピグミーシーホース。成長しても体長1〜2cmにしかならないこの魚を大写しにするのはなかなか骨が折れますが、挑み甲斐のあるテーマです。

特に私の105mmレンズでは寄るほどにボケやすいので、いまだに正面顔の撮影では成功していません。横顔は割と得意になってきたけど。

この魚の難しいところは小ささもさることながらウミウチワに擬態していること。一旦目を離すと肉眼では見つけられてもファインダー越しではなかなか再発見できなかったりします。

そしてもう一つの難点が深いところにいがちなこと。しかも足場がない場合もあります。

一昨年、マクタンに撮りに行ったときは、水深31mの壁面から生えたシーファンにいたので、片手撮りを強いられ肘を痛めました。プロでもないのに職業病なんて悲しいよな…。

前置きが長くなったけど、アニラオのピグミーシーホース事情を。初日のカバンコーブというダイブサイトでは水深22mの地点に黄色のピグミーシーホースがいました。まあ、レンベと同じぐらいの水深ですね。22mならけっこう長居もできます。

でも、三日目の最終ダイブで潜ったコアラというサイトでは水深13mにピンクの個体がいました。これはお得すぎるかも。私の中では最浅記録です。しかも砂地から上に生えたシーファンに付いているし、絶好の撮影条件です。

ピグミーシーホース
背中が汚れているけど、それが目印になります

とはいえ良いことはそうそう重ならないもので、私が撮り始めると他のチームが駆けつけてきたので、アップを撮る前に譲らざるを得ませんでした。しかもビギナーが混ざっていると、あっという間に砂を巻き上げて辺りをモクモクにしちゃうし。

まあ、アニラオはピグミーシーホースの撮影には最適な海の一つと言えましょう。これは収穫です。

オリビア

アニラオでの最初のダイブの前に「何が見たい?」と訊かれたので「オリビア」と答えました。それが目当てで行ったたわけじゃないけど、リゾートのTシャツにプリントされていたので「ああ、ここにはいるんだ」と知って。我がホームのマクタンの海ではまだ見たことがないのですよね。

で、そのオリビア、三日目にしてようやく見ることができました。正式名はオリビアシュリンプです。

オリビアシュリンプ

ソンブレロというダイブサイトの切り立った壁面にぽっかり空いた岩窟内の直径10cmぐらいの穴に潜んでいて。

ガイドが何やら指し示しているけど場所の雰囲気敵に「ウコンハネガイかな…」と思いつつ近寄って確認したら、このエビでした。体長は5cmぐらいあったかな。いや、もっと大きかったかも。

オリビアシュリンプ

オリビアシュリンプ

見ての通り、ハサミや頭の上がタワシ状で、足はストライプ、体には雲紋と呼ばれるマークがちりばめられているのが特徴。およそデタラメでポップなデザインを採用したエビです。

せっかくなので横向きも撮ってみたかったけど、穴の中にいたので無理でした。すぐに他のチームも駆けつけてきたし。

フィリピン航空がキャンセル

フィリピン航空のバナー今日のフィリピン航空、マニラ→成田便(14:30発)は台風26号のためキャンセルされました。私は昨日の同じ便でアニラオから帰ってきたのですが、もし今日の帰国を予定していたらマニラで足止めを食らっていましたね。危ない危ない。

まあ、台風が1日早く日本に迫っていたとしても同じだけど、ともかく私は助かりました。今日は会社を休めない事情があったし。

さて、代替の便は明後日の08:30マニラ発、13:55成田着。その足で会社に行こうにも着くのは夕方。もうこの日は仕事になりません。

ただし、今日のマニラ→成田便が明日の朝にずれ込むので、明日のマニラ行きは成田を14:55発と、いい感じの時間帯になります。私がその立場なら、いつものように早朝に自宅を出る必要もありません。マニラ着が18:35だから仮にアニラオに行くとしたら、何とかその日の内に現地に行き着くでしょう。

でも、マニラ経由でセブに行くとなると21:10発のフィリピン航空セブ行きかな。19:35の便はマニラでの入国審査の時間を考えると無理だし。それでも何とか明日中には着けそうですね。

ちなみに今日の9:30マニラ発のANA便を押さえていた私の連れは何ごともなく帰国できたみたいです。結局キャンセルされたのは1日5便の内、午後発のフィリピン航空のみ。その他のJAL、ANA、デルタ、ジェットスターはすべて午前発だったので台風接近前に成田に辿り着きました。

アニラオ帰り

昨日フィリピンのアニラオから帰ってきました。来春から羽田⇄マニラのANA便が飛びそうなので、マニラから行かれるダイビング拠点作りです。

あいにく滞在中に台風25号がルソン島を横断したため海のコンディションは悪かったものの、それでも三日間で11ダイブ潜れました。

で、恒例の写真紹介。まだ編集が終わっていないので、お手ごろな1枚から。

ピグミーシーホース
初日一本目に見たピグミーシーホース。水深22mのところにいました

体長1〜2cmの被写体を大写しするのが私の得意分野。そしてピグミーシーホースに出くわしたのはサウスレイテ、レンベ、アニラオと今年三箇所目。さすがに慣れてきたので足場のあるところで1分ほど貰えれば、このぐらいは撮れるようになりましたね。

そう、この写真は上下のトリミングなし。最初からこの大きさに撮ってます。