ショー・ヒ・ゼーの不思議

政治の話。今月末からの通常国会の争点の一つが消費税の増税議論。野田政権は「税と社会保障の一体改革」を掲げ、何としても増税にこぎ着けたいようですが、どうにも「増税に頼った社会保障のいったん改革」にしか見えません。財政危機と言いながら既得権は極力温存した上で帳簿の帳尻を取り繕うという魂胆が見え見えです。

残念に思うのは、一般的に有識者とされる人に賛成者がなんと多いことか。経済的に恵まれた立場の人は消費税の負担感が比較的小さいので、国の財政のテクニカルな面に目が生きがちなのでしょう。彼らはメディアで財政危機と増税の必要性を説けば仕事が増えますしね。

また、良く言われる「増税の前に自分たちが身を切れ」という論調も変な話だと思います。いや、もちろん議員定数の削減も公務員の給与引き下げもやってくれて良いのですが、それらは増税の前提条件としてはハードル低すぎですしょう。それで減らせるコストなんてたかが知れてます。

なお、私が見聞きした中でもっとも賛同するのは宮台真司さんの見解。「行政改革、産業構造の変革なしに増税したところで、お先真っ暗なだけ」というもの。

例えば、かつての事業仕分けの「2位じゃダメなんですか騒動」の時、ノーベル賞受賞者の小柴さんが「科学者には予算の1割しか下りてこない」と嘆いておられました。実に予算の9割が中抜き、ピンハネされていたわけです。仮にこれをゼロにできれば予算を半額にしても5倍の費用を科学者に渡せます。そんな例はそこらじゅうにわんさか眠っているはずです。いまだに続く天下りの因習(当然、多額の税金が注ぎ込まれている)や補助金ばらまき行政にメスを入れて切り落としてからでなければ増税による増収分も早晩食い尽くされ、経済にしろ財政にしろ負の連鎖でいっそう悪化するのは解りきっています。

聞くところでは、野田総理は自身の政治生命と引き換えに増税法案を通して朽ち果てる覚悟だとか。それが本当なら「死刑を覚悟に殺人を犯す人」みたいでタチが悪いよなぁ。かといって増税反対派とされる議員連中も信用できないし…。

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