Lucky Bag 2016の販売がないのはなぜ?

Lucky bagのイメージお正月恒例のAppleによる福袋(Lucky Bag)、2016年は販売されないとのこと。私は買ったことがないけど、毎年の風物詩だったので寂しいですね。本当にラッキーな人はMacBook Airなんかが当たっていたんだよな。

でも気になるのはそう決断した背景。店舗に行列ができるのが厄介だったにせよ、ネット販売もやっていたのだから本当の理由を勘ぐってしまいます。

そこで私が考えるに「今のAppleには目玉商品がないこと」じゃないかと。何を詰めても「今年はこんなものか…」と思われてしまうと判断したと。

2015年の新製品にはApple Watchや新型Apple TV、iPad Proがあるのに、どれもパッとしないので。

ちなみにそれらの製品への個人的な感想はこの通り。

  • Apple Watch ← 永らく腕時計をしてないので欲しいと思わない
  • Apple TV ← もはやテレビのためにお金を使いたくない
  • iPad Pro ← 使い道が思いつかない

私は1989年からのAppleユーザ。Macintosh SEから始まって、以後もちょいちょい何かを買ってきたのだけど、今ほど新製品が欲しいと思わないときはありませんでした。当然、スマホはiPhoneなのだけど「もはやAndroidでも構わないかな…」と思うし。

今のApple製品には革新がないというか、革新的に思わせてくれる演出がないというか。根っからのAppleユーザの私がそう思うのだから、Appleに思い入れが少ない一般の人ならなおのことそうかも。

2016年のAppleは厳しそうな気がします。

Amazonオーディブル

最近、Amazonオーディブルのバナー広告をよく見かけます。この夏に日本でも始まった書籍朗読音声の配信サービスですね。本を耳で聴こうという。

Amazon audibleのバナー

他方、似たようなコンセプトの技術にDAISY(Digital Accessible Information System)という規格・サービスがあるけど世間的にほとんど知られていません。なぜならそれが視覚障害者など印刷の本を読めない人向けだから。DAISYのコンテンツはそれらの障害者だけが利用可能です。

よって我々晴眼者はDAISYじゃなくAmazonオーディブルを使うしかありません。でもDAISYなら出版社の許可なしに書籍を録音図書化できる(障害者が本を読む権利を守るという思想によって)のに対し、Amazonオーディブルのコンテンツはオフィシャルのもののみ。よってDAISYにはあるのにAmazonオーディブルにはないタイトルが多数。

とはいえDAISYコンテンツがボランティアベースで作られる障害者向け無料サービスなのに対し、AmazonオーディブルはAmazonの息の掛かった万人向け有料サービスで、ダウンロード数に応じた利益分配が可能なのだから今後は出版社や著者の理解も進み、タイトルもハイペースで増えていくはず。しかも朗読には著名人やアナウンサーらを動員できます。

Amazon audibleのバナー

というわけでAmazonが障害者のオーディブルの会費を免除すれば、次第にAmazonオーディブルがDAISYの需要も食っていくでしょう。制作ボランティアの活躍の場が失われるけど、それはそれで良いことだと思います。障害者もハイクオリティの朗読が聴けるのだから。

まあDAISYには単なる録音図書の他にも、テキストや絵図も表示できるマルチメディアDAISYという規格があり、教科書などの用途には使われているけど、そちらは細々と続いていくことでしょう。