持家か賃貸か

wordpress-logo持家と賃貸、どちらが有利かという議論は永遠のテーマとも言われていますが私の中ではとっくに結論が出ています。断然、賃貸です。理由は「状況の変化に対応しやすいから」。

先日、ダイビング仲間のご夫妻が近々東京のマンションから山梨に引っ越すという話を聞きました。理由はまだ伺っていないものの、そのマンションは売るか貸すのでしょうね。確かローンがまだ10年くらい残っているはずだけど。まあ、転居先にも家を持っているか社宅があてがわれるとかなら貸し出せるか。

持ち家派の「賃貸だと払い続けても何も残らないが買えば資産になる」って考えも解らなくはないけど、東京圏ともなると多くの人は分譲住宅を30年とかのローンで買うことになります。でも今の時代、公務員でもなければ30年間もローンを払い続けられるとは限らないので、かなりのギャンブルです。自身が大丈夫でも家族に常時介護が必要となれば離職せざるをえなくなるかもしれないし。

そして何かの都合でいざ売ろうにも、マンションは買った瞬間に資産価値が3割下がるというし、よほどの良好物件でもなければローン残債を精算できるほどの額で売り抜けるのは無理でしょう。手放してもローンが残るわけです。

また、30年のローン返済が可能だったとしても、環境が変わっていくリスクもあります。最近の事例ではマンションのくい打ちデータ改竄の発覚だとか、Airbnbに感染して中国人観光客が連日大騒ぎするとか。100%自分のせいではないのに急に住みにくくなったりするわけです。これが賃貸ならいつでも逃げられます。

もっというと2035年には3軒に1軒が空き家という未来予測も出ています。ならば20年後の住宅向け不動産は飽和状態です。一部の優良地を除けば資産価値は大きく下がり、「安くするから借りてくれ」という借り手市場になっていることでしょう。当然、もっとも顕著になるのは人口が多い東京圏です。

よって冒頭のご夫妻が今の内に東京を離れるのは良い判断ですね。この先の東京圏は一極集中の副作用で高齢化が急激に進んでひたすら痛んでいきます。団塊の世代がリタイヤして税収が大きく下がる一方で病院や介護施設が大幅に不足するのが解っていながら、未だにオフィスビルやマンションばっかり建てているのだから救いがありません。病院建設はともかく、医者の養成には何年もかかるというのに。

ならば遅くとも10年以内には東京圏を離れるのが懸命だと思います。じゃないと「医者にかかろうにも、どこの病院もお年寄りの先客でいっぱい」なんてことになるので。