コモドに行きそびれそうな話

私には何年も前から目をつけておきながら諸般の事情で行きそびれている海がいくつかあります。その一つがコモド。何しろ爬虫類好きなもので。まあ、本当はこれが撮りたいと思ったのが発端だけど。

で、今年こそは行ってみようかと思い立ちました。きっかけは一月に参加したDive Dream Indonesia主催のツアー説明会で「5万円引き券」を貰ったから。

Dive Dream Indonesiaの5万円引き券

そのイベントでは入場時に渡された番号札で抽選があったのだけど、大勢のリピーターがいる中で、私を含めた初参加の10人くらいがVIPテーブルに集められていて、そのテーブルの面々に当たりが集中していたので作為的だったのでしょう。まあ主催者の意図も解ります。何とか一見さんをツアーに参加させたいのだろうから。

ちなみに私が欲しかった景品はインドネシアの魚類図鑑だったけど当たったのは機材レンタル無料券。要らないなぁ。どうせフル機材を持っていくわけだから。

でも、私の向かいに座っていた年配の男性が5万円引き券を当て、しかも彼は年間スケジュールが詰まってて有効期限内のツアー参加は無理だったので私が貰い受けたわけです。券には「譲渡不可」と書いてあったけど、一応貰っとこうと。

そして最近、Dive Dream Indonesiaに「この券は使えるか?」と問い合わせてみました。最初の返信は「譲渡不可なのでダメ」というもの。私が本来の当選者ではないことを知っていたようで。まあ想定内。ここからが交渉スタートです。「譲渡不可なのは知っていたけど誰が参加しても良いのでは?」と。結果、この点は突破できました。

ただし、券にはもう一つの付帯条件として「2名以上参加の場合のみ」とも書かれています。こちらがネックでしたね。日本からの参加だと前後に1日ずつ移動日が要るので最短の5泊6日ツアーでも8日間必要です。しかもゴールデンウイークなどの連休絡みでは券が使えない規定。とはいえ平日を丸々一週間休める仲間を探すのは困難。なるほどあのイベントで比較的自由が利きそうな年代の男性が当たったわけだ…。

さて、その先は話を進めていません。私一人でも有効なら何とか都合付けて行くつもりでいたけど、なまじ割引券を介在させたもんだから、今さら割引なしだと残念に思えてしまうのですよね。このまま参加したら「無効な割引券に釣られたやつ」ってことになるし。ボールは向こうに投げた形にして交渉は保留しました。

ちなみにツアー代金はバリへの航空券抜きで$2,405〜(+入境料$100)。クルーズってこともあって結構な額ですが、先方とて原価ギリギリでツアーを出しているはずもないので、「この券由来でまるっきり売り上げが立たないよりは、多少割引いてでも一人分売り上げた方が得策」との判断が働いてもよさそうなもの。私が先方の責任者ならきっとそうします。例えば「2名で5万円引きだから、1名ならその半分弱の2万円引きでどうですか?」と。

こちらから「私を参加させとけばblogでリポートを紹介するし、写真集のアプリやebookをリリースするから宣伝にもなりますよ」などと持ちかけても良いけど、そこまで食いつくのはやめておこうかと。バリへの往復航空券代も入れると35万円強。この予算を有効活用する選択肢はコモド以外にも多々あるから。例えば同じインドネシアでもレンベとか。

それに冒頭で紹介したビデオのLadybug(タルマワシの仲間)はコモドまで行かずともバリのトランベンでも割とあっさり見られることが解ったので、今となっては「いつか機会があれば撮ろうかな」ぐらいな感じです。コモドとバリの種では模様が微妙に違うらしいけど。

加えて、さすがにコモドドラゴンには近寄れないけど、マレーシアのシパダン島やマブール島には姿形が似ていて無毒のウォーターモニター(ミズオオトカゲ)が出没するし、かなり接近できるので、そちらの方が爬虫類好きは楽しめるのですよね。

Water monitor(ミズオオトカゲ)

というわけで、先方が小幅でもディスカウントを提案してこなければ、コモド行きは見送ることになりそうです。

密林の主

Hidden corallimorph shrimp(イソギンチャクモドキカクレエビ)。

Hidden corallimorph shrimp(イソギンチャクモドキカクレエビ)

このエビはついつい上から俯瞰して撮りがちになるけど、イソギンチャク風のサンゴの密林に潜んでいる感じを出すべく、横から撮ってみました。届いているストロボ光量が少ないけど。

こちらの図鑑は水中生物の英名を調べるときに重宝します。

SAANG

昨日TBSのアイ・アム・冒険少年を見ていたら、あばれる君がフィリピンの無人島でサバイバル生活をしていました。

与えられたのはナイフのみで食料は現地調達。そこで獲って食べてたのが貝。その中にはSAANG(サアン)も含まれていました。

このSAANG、フィリピン人が口を揃えて美味いと言います。私も昨年食べてみたけど、確かに美味いですね。サザエっぽい味と食感だったような。

SAANG(サアン)
とあるシーフードレストランの看板

凛々しい?

水中写真の撮影テクニックの一つが黒抜き。欧米のダイビング雑誌の写真ではトレンドっぽいけど、私はあまり撮りません。理由は不自然なことが多いから。

黒抜きは、簡単に言えばストロボ光が反射しないところで撮影時の露光量を小さくして撮るテクニック。絞りを目一杯絞ってシャッタースピードを上げるだけでなく、どこで撮るかが重要になります。

よって周辺や向こう側に何もないところで被写体をやや見上げるようにするのが定番ですが、そのためには被写体の生物を都合の良い場所に移動させる必要があったりします。そう、邪道です。普段、小高いところにいそうにない生物が黒抜きで映っていれば、この反則技の使用が疑われます。

加えて、普段じっとしていなさそうな生きものが黒抜きされている場合も、被写体の生物をいじって弱らせている可能性があります。水中生物の中には人の体温でも火傷する連中も少なくないし。

ああ、地球の海フォトコンで黒抜き写真の入選作をあまり見ないのはそのためかも。黒抜き写真には人為性があからさまな場合も多々あるから。

でも、もちろん浮遊する被写体を黒抜き撮影するのはありです。

もしくはスヌートを使って光を局所的に当てるか。それなら生きものを移動させずに黒抜きできます。

こちらは私には珍しく黒抜きで撮ったイシヨウジ。たまたまいいところにいたのでSMC-1も使って黒抜きしました。

イシヨウジ