デジカメに見る日本型モノづくりの終焉

先週、SONYが新しいコンパクトデジカメ3機種を発表しました。

  • HX300(光学50率ズーム)
  • WX300(光学20倍ズーム機で世界最小・最軽量)
  • TX30(10m防水で世界再薄)

正直、ガッカリです。まだこんなことを続けるのかと。まあ、SONYだけじゃないけど。

いや、もちろんそれぞれのカメラ自体は良い製品に仕上がっているのでしょう。高い技術力も垣間見られます。でも、結局のところ「スペック追求」なのですよね。でも、メーカーに訊いてみたいです。「サイズや性能が世界一だったら、いい写真が撮れるのか?」と。

他方、近年抜群の存在感を発揮しているのがGoPro。米国のカメラメーカーです。お笑い芸人がジェットコースターやバンジージャンプをする最に自分撮り用に装着するあれですね。

GoPro HERO3GoPro HERO3 ホワイトエディション

こちらはスペックではなく用途重視。例えばサーフボードやスノーボードに装着すれば、臨場感溢れるムービーが撮れたりします。それが受けて、GoProは比較的に低スペックながらも1人勝ちを続けているわけです。

思い起こされるのはSONYのウォークマン。あれも音楽を持ち運ぶという新しい楽しみ、使い方を提起したからこそ、時代を動かしたわけです。

このアプローチを応用するなら、私がSONYならびに日本のカメラメーカーに期待するのは、より作品作りに重点を置いた製品。月並みな機能を積んでおきながら「最高スペックを実現しました」ではなく、「このカメラなら、こんな楽しみ方、作品が撮れますよ」と言う感じの。

てなわけで、私はこちらのような製品の登場を心待ちにしています。どこのメーカーでも良いので開発して発売してくれないかな。

格安なRX100用水中ハウジング

サンコーレアモノショップからソニーCyber-shot DSC-RX100用防水ハウジングケースが発売になりました。

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40m耐圧。全機能対応でで19,800円

作りは見ての通り、Canonの純正ハウジング(ウォータープルーフケースとも呼ばれる)とそっくりの透明なポリカーボネイト製です。同じ製作業者に発注しているのかな。

しかも、シューベースはもちろんレンズポート前面には67mmのネジ径まで備えているので、余計な補助パーツなしでマクロコンバージョンレンズが付けられます。Canonの純正ハウジングは、最近ようやくシューベースが付いたところなのに。いきなり追い抜いちゃいました。

もちろんレンズポートのそばにはダイヤルが設けられていて、これを摘んで回せばコントローラーリングが回るのでしょう。私の好きなマニュアルフォーカスができますね。

唯一至らない点といえば、ストロボ光のインターセプトの仕組み。箱形のディフューザーを外すと剥き出しのソケットが2個現れます。ここに光ケーブルを差せば良いわけですが、ハウジングが透明なのでカメラ本体のストロボ光も漏れてしまいます。ともするとハレーションが起きやすいわけです。

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外部ストロボの利用時には工夫した方がいいかも

でも、外部ストロボを使う際はINONのクリアフォトシステムを利用すれば、ストロボ光を赤外線(光らないけど外部ストロボは反応する)に変換してくれるので大丈夫です。クリアフォトシステムもフィルムとシールだけなら安価だし。 ともかく、

このハウジングは仕様といい、お値段といい、絶妙な感じ。DSC-R100は現時点で最高の水中撮影向けコンパクトデジカメなので、これは買いだと思います。

ダイブビズショー2013の収穫(INONの新型レンズ)

INONのブースでもう一つ見つけたのがこちらの新型クローズアップレンズ。言うなれば「高拡大率ワイドマクロコンバージョンレンズ」って感じだったかと。うろ覚えですが。

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「レンズ周辺部までしっかり絵を捉えて、ダンゴウオなんかを撮る際は一眼よりもいいのが撮れる」なんて触れ込みで説明していました。

まあそこは話半分。理屈で考えれば、レンズ性能やイメージセンサーサイズのハンデがあるのでコンデジが一眼に勝ることはないでしょうが、一眼とは違う写り方だったり、他のクローズアップレンズを使った場合よりも印象的な絵が撮れるのかもしれません。

ただし、汎用性のあるコンバージョンレンズではなく、例によってカメラを選ぶようです。対応機種はCanon PowerShot S100/110。ひょっとしたら他の上級コンデジでもいけるかもしれませんが、そこは不明。ちなみに一眼に付けても使い物にはならないそうです。

価格は26,000円ぐらいと言っていたような。

2月の中旬からWebサイトで作例とともに発表するとのこと。楽しみです。

RX-100の水中ハウジング

DSC-RX100今、人気のコンパクトデジカメがSONYのDSC-RX100。なにしろ普段の写真はスマホで十分なことも多いので「デジカメ買うなら上位機種」という考えが働きますよね。

実はこのRX-100にもコントロールリングが備わっていて、マニュアルフォーカスも可能です。つまりマクロの水中写真に適した性能が備わっています。それどころかイメージセンサーが1インチのCMOSなので、他社のほとんどの上位機種よりも優位にあります。

というか、より大きな1.5型CMOSを搭載するCanon PowerShot G1 Xは最短撮影距離が20cmなので、5cmまで寄れてf1.8という明るいレンズを採用したRX100は画質優先ならば最強のマクロ撮影用コンデジと言ってもいいでしょう。

ただし、純正ハウジングがないため、このblogのお勧めに入れていいものか迷っていました。アルミ削り出しのハウジングはあったものの、さすがに高価なので。

でも、ここに来てようやく、もっと安価な水中ハウジングも入手できるようになりました。Ikelite製です。

Ikelite DSC-RX100
おそらく上部一番右がコントロールリングを回すダイヤル

Ikeliteは米国インディアナ州の水中ハウジングメーカー。外国人ダイバー(私から見て)が集結するカパライやサウスレイテやではよく見かけた記憶があります。海には遠い(湖はあるけど)インディアナが拠点ってのもアメリカの企業らしくて面白いですね。

この水中ハウジングの解説はこちらをどうぞ。見た感じ、フォーカスリングを回すには両手が要るようで。まあ、マクロ撮影時は体を安定させてじっくりと、ですね。外部ストロボの接続にも工夫が必要そうです。アーム類の展開はよくよく吟味した方がいいでしょう。

そんな感じで検討するなら的確なアドバイスが得たいところですよね。新宿西口の水中カメラ専門店アンサーは、私もお世話になっている面倒見のいいお店です。すぐそばにヨドバシカメラやヤマダ電機もあるので、カメラを買った足で水中ハウジングをアンサーで買うのもいいと思います。CanonのS110やOlympus XZ-2もいいけど、1段上の画質が欲しい人は、是非相談してみてください。

ということで、お勧め水中カメラにRX100も追加しておきました。

こんなカメラが欲しい(応用編)

私が欲しいカメラとは、要するにマクロまたはフィッシュアイの交換レンズを付けた一眼レフの撮影条件を再現するコンパクトデジカメです。それでいて小さく安価な。

スペック的には例えばこんな感じでしょうか。

  マクロ専用 コンパクトデジカメ フィッシュアイ専用 コンパクトデジカメ
イメージセンサー 1/1.7インチ以上
焦点距離(レンズ端から) 5cm 〜 ∞ 1cm 〜 ∞
撮影倍率 1:1 1:3
ズーム なし(あっても良いが)
フルHD動画撮影
Wi-Fi機能 あり
備考 拡張バッテリーパック装着可

純正ハウジングはあってもなくても。これほど水中撮影向きなら確実にサードパーティが用意してくれるので。

Wi-Fi機能は水中ハウジングを開けずとも撮影した写真や動画を撮り出すため。SDカード互換のEye-FiやFlashAirもいいけど、8GBを超える大容量タイプが存在しないので。

拡張バッテリーパックの装着機構はぜひ欲しいですね。フルHD動画を2時間ぐらい撮ってもバッテリーが残っていると嬉しいです。

で、もしこれらが発売されたら、きっと私は2台持ちで潜ります。今でもたまにやってます。例えばマクロの海にジンベエザメが出るようなサウスレイテとかでは。2台目はもちろん普通のコンデジですが。

ジンベエザメ
ジンベエザメ サウスレイテのジンベエザメ。もちろん餌付けはされていません。 ジンベエウォッチング中は一眼レフカメラは禁止とのことでした。 フィッシュアイのコンデジがあれば、もっと近寄っても全体を入れながら撮影できるかも

一眼レフの最大の利点はレンズを交換できること。裏を返せば、水中撮影ではマクロならマクロ、フィッシュアイならフィッシュアイと決め打ちになります。かといって一眼レフの2台持ちはアシスタントのいるプロでもないと厳しいところです。私の一眼レフのセットは7kg強。それが2倍になると考えるとゾッとします。

でも、コンデジ2台なら携行も苦にならず、スナッピーコイル等でBCのDリングに結びつけて手を離すこともできます。

さすがに画質は一眼レフに及ばないとしても、この二種類のコンデジが登場したら、アマチュア水中写真の世界にちょっとした革命が起きそうです。

差し当たり私はフィッシュアイ専用コンデジの方が先に欲しいかな。今の一眼レフと併用するために。