Windowsって高いよ

Windows 10がリリースされました。Win 7以降からは無料でアップグレードできるそうな。MicrosoftはWin 8 & 8.1の黒歴史を早く葬り去りたいのでしょうね。あれは明らかな失敗作だったものな。

Windows 10搭載PC

さて、私もWindows 10を試してみたいのだけど残念ながらWin PCを1台も持ってません。でもMacBook AirにBoot Campを使ってインストールできるので、先ずはOSを手に入れなければ。ただしWin 10は再安でも$119.99。高い…。

Macもかつては新OSが15,000円ぐらいしていたけど無償化されて久しいです。iOSもそうですね。もはやAppleユーザーの間では「OSはタダ」が常識になりました。よって私が今Windowsに出せるのはせいぜい5,000円。Win 8の時みたいに3,000円台で出してくれるかと期待したのですが、なさそうですね。

まあいいや。私はMacからWinに乗り換える気は毛頭ないし、確かめてみたいのは基本的な使い勝手と画面表示だから。特にスタートメニューやウインドウ、そして新たな標準WebブラウザのEdge。まさか日本語の表示フォントはもうMSゴシックじゃないですよね?皆がスマホでアウトラインフォントに慣れた今、あの貧弱なは文字はゲンナリするし。

Windows RTにはびっくり

今週の金曜日にWindows 8およびWindows RTを搭載したマシンの発売が開始されます。

私もWindows 8のRelese Preview版やらは使っていたのですが、さすがに新たなハードウェアを必要とするWindows RTに触れる機会はありませんでした。

そこでネットでWindows RTの記事を読みあさっていたところ驚愕の事実に突き当たりました。何とWindows RTでもデスクトップ画面に切り替わるのですね。てっきりWindows RTはタブレット用途に特化したOSだと思っていたので、これにはびっくりです。今までのWindowsアプリは動かないというのに…。何か役割があるのでしょうね。

Microsoft Surface
てっきりこんな画面だけで何から何まで完結するのだと思っていたら…

ということは、Windows RTとは「ポストPC時代を見据えて生まれ変わった新機軸のWindows」などではなく、あくまでも「ARMプロセッサ向け廉価版Windows 8(Windowsアプリ動作不可)」なわけか…。ひょっとして環境設定もコントロールパネルで行うのかな?

ならば万人向けのiPadとは違い、ターゲットは「PCほどのハードウェアパワーと多彩なアプリを必要としなくなったPCユーザー」といったところでしょう。ローエンド向けどころか、むしろ自分に何が必要で何が不要かを理解している達観したベテラン層ですね。

だとすると、パソコンなど使ったことがない高齢者に「今流行りのタブレットだよ」とプレゼントしても、直ぐに使いあぐねてしまいそう…。

Microsoftの株主にしても、今同社に望んでいるのはそんなマニアックな隙間製品ではなく、とにかく「競争入札でiPadと張り合え、クリスマス商戦で人々がiPadの比較対象にするモノ(のOS)」ではないかと。そうじゃないと、iPadおよびAndroidによるPC市場の侵食(というか非PC市場の寡占化)を食い止められないので。でも、これではMicrosoftのラインナップは、あまりリテラシーを持たない人たち向けの製品がぽっかり空位のままです。

まあ、Windows RTに関しては、特にマニュアル大国の日本では早晩解説本やビデオが発売され、街のパソコンスクールや公民館で教室が開かれるかも知れません。NHKやCSでも入門講座が放映されるかも。そうして経済が回るなら歓迎すべきことですが、そもそも、そういった勉強を必要とするIT機器が今さら広く受け入れられるかは疑問です。人々はどうしても取っつきやすいiPadと比べてしまうでしょう。

差し当たり世間では「PCメーカーからもiPadみたいな簡単タブレットが出た」と受け止められるでしょうから、私としては知人から購入を相談された場合に「誰でも割と簡単に使えるよ」などとは答えないようにしないと。

Windowsに腰砕け

私のお仕事の一つは絵書き。といっても絵画やイラストではなく、PCやiOS用アプリなどのアイコン作成なんかが主。もちろん多くはMac上で IllustratorやPhotoshopを駆使して描くのですが、Windowsアプリのアイコンを依頼された際は最終的にWindows上での表示 確認が必要になります。

そして下図はWindowsでVisual Basicを使った際に表示されたメッセージ。

警告ダイアログ
これって何なんだか。 メッセージの内容は成功だけど、バッテン印が付いているし…。

操作的にはMacで作成した.icoファイルを読み込ませたものの、うまくいかなかったようなので、「読み込み操作に関するエラー処理を正しく終了しました」という意味合いでしょうかね。へなへなと腰砕けになる思いです。

もっともWindowsってこんなことが多いのですよね。今回はVisual BasicなのでWindowsそのものではないものの、やはりMicrosoftの製品ですし。

先月、スティーブ・ジョブズの追悼イベントで茂木健一郎さんがWindowsをこき下ろして同席した西和彦さんを怒らせたそうですが、それが不穏当な発言だったにしろ、その根拠は解る気がします。例えば、Wordで作成した書類をプリントアウトすると画面では1ページに治まっていた文字が次のページに送り出されて2枚印刷されるなんてMacではあり得ない話です。

パソコン全盛の時代の不幸は大多数がMacではなくWindowsを使わざるを得なかったことでしょう。Windowsは知っている人が使う分には問題は起きなくても不慣れな人にとっては難しい代物です。対してMacの方は、あまり覚えることもなく使えるように作られています。何というか、同じパソコンでもWindowsはMacよりも高いリテラシーを要求するのですよね。

まあ、そうは言ってももはや主役はスマートフォン。先行してしのぎを削るiOSとAndroidにWindows Phoneが追いすがろうという図式で、前ほどパソコンが重視されることもなくなりました。パソコンは専門職の人が業務用に使うものと考えれば多少扱いが難しかろうが必須スキルと言えましょう。Windowsの世界はこれでいいのかも。難しい部分がなくなったら労働への対価もひたすら下がっていくのだし。

AndroidがiPhoneに勝つんだという妄言

AndroidがSymbianやiOSを抑えて世界のスマートフォンOSのシェアでトップに立ったようですね。

なるほどAndroid対iPhoneは多勢に無勢。かつてのWindows対Macのような構図にも見えます。

ただし決定的に違う点が。Windowsアプリは基本的にどのメーカーのPCだろうが自作機だろうが普遍的に動いたわけですが(Microsoftが最も注力していたところなので)、Androidではそうはいきませんよね?同じAndroid搭載だからといって、他で動いているAndroidアプリが動くとは限らないわけです。うろ覚えですが確かMS-DOSの時代にはそんなこともあったような…。

まあ、数の上ではAndroidがiPhoneを遥かに凌駕するかもしれません。でもユーザの満足度やらアプリ市場の賑わい、そして何よりもメーカーの収益性には雲泥の差が出るのでしょう。


アップルは失敗を繰り返しアンドロイドに負ける?

週刊ポスト2011年1月7日号によると、かの大前研一さんいわく「アップルは失敗繰り返しアンドロイドに負けると予測」とのこと。まあ、そう言えば注目は集められるでしょうからね。でも、ずいぶん的外れ、というかどうにも蒙昧な論評…。 せっかくの機会なので少し反論しておこうと思います。

OSは搭載されるハードの数を拡大したところが勝つのである。

まず、この認識が前近代的。大前さんの中では、かつての「パソコン市場ではMicrosoftが勝者でAppleが敗者だ」というデータが更新されていないのでしょうね。でも現実はというと、Microsoftが新しいものを生み出す力を失って久しいのに対して、Appleは新製品によるスマッシュヒットを連発し続けています。パソコンの話に限っても、停滞感が漂う”勝者”Windowsを尻目に”敗者”Mac OS Xは次期バージョンを準備中です。いわゆるパソコンの時代を現代の前史と考えれば恐竜とほ乳類のように例えることができるかもしれません。恐竜の時代は長かったものの、細々と命を繋げてきた方が後々繁栄を遂げるのだと。

ジョブズがスマートフォンで勝者になりたいなら、iOSをアンドロイドと同じくオープンソース、あるいはそれに近い方式にして誰でも自由に使えるようにし、SIMカードもフリーにしてユーザーがキャリアを自由に選べるようにすべきなのである。

これまた数を獲った方が勝者という古くさい硬直した考え方ですよね。確かに数字の上ではアンドロイドがiPhoneを圧倒していくでしょうが、そのアンドロイド陣営のメーカーは果たして成功者でしょうか?Appleよりも大きな利益にあずかれるとでも?Googleにいたっては端末のOSがiOSだろうがAndroidだろうが構わないわけですし。

しかも「iOSをオープンソースに」って、正気の分析とも思えない。そうやってiPhoneの世界観を無軌道なものにして、かつ粗悪なiPhoneもどきを乱造させるべだきとでも?まるで「程度の低い悪魔の囁き」みたいです。それこそジョブズに鼻で笑われそうな。

で、実際のところ「比較的マイノリティの座に追いやられるAppleが巨額の利益を得続けるのに対し、アンドロイドを採用したメーカーの収益性は…」という状況になるのではないですかね。Macに勝ったはずのWindowsを採用するメーカーはどこも儲かっていないのと同じ構図です。

まあ、何というか、大前研一さんはこの世界の論評するには相応しくない人物なのでしょう。いや、これを真に受けてしまいそうな読者に向けて、あえてトンデモな説を唱えてくれる人として編集部が白羽の矢を立てたのかな。