死亡時コスト

昨年末、私の弟が他界しました。ここで詳細を書くのは憚られるものの、自身が振り返るためと、誰かが検索して辿り着いた際に有益かもしれないことを書いておきます。主に「手順」と「急に必要になるお金」についてです。

まず、弟は朝方、外出中に倒れているのを通行人に発見されたので警察マターとなりました。日本人の8割は病院で亡くなるのでそのまま医師が死亡診断書を書く運びだけど、そうでない場合は警察による現場検証や事情聴取が入ります。第三者の介在が疑われれば事件となるわけです。

その日の昼、現場となった区域を管轄している警視庁池上署の方から私の携帯に連絡があり、遺体の身元確認が必要とのことで、午後に刑事さんが都内の私の仕事場に車で迎えにきてくれました。ちなみに電話番号の末尾が「110」の場合は例外なく警察専用の電話とのことなので、知っていれば迷惑電話ではないと識別できますね。

30分ほど走って池上署に到着し、遺体と対面。確かに弟でした。その後、担当の刑事の方と面談し、弟に関して私が知る事情を伝えてその日は帰宅。その後も警察では調査が続き、その結果次第で解剖が必要かどうか判断が下るとのことでした。

私としては不慮の死を遂げた身内のことであれこれ尽力してもらい恐縮する気持ちもあったものの、刑事からは「捜査に協力いただきありがとうございました」と言われました。そういうことなのですね。

翌日の昼前、自宅待機していた私の携帯にまた連絡があり、すぐに池上署に来て欲しいとのこと。その際「葬儀屋の手配を早急にお願いします」とも。私としては「まだ気持ちの整理がつかないし、いきなり葬儀などと言われても…」という思いだったけど、訊けば葬式うんぬんではなく火葬場の手配やら諸々を代行してもらうのに必要とのことでした。葬儀屋の知り合いはいないので、前日に警察から伺っていた業者に電話し、池上署で待ち合わせすることに。

署に行くと捜査結果の通達があり、第三者が介在した様子がなかったとのことで解剖も行われず、検視官からの説明を受けて、死亡証明をもらう運びとなりました。

次に、警察署の一室を借りて葬儀屋との打ち合わせ。先ほど頂いた死亡証明(死体検案書)を渡し、「葬式は不要、火葬のみ」という要望伝え、臨海斎場での火葬を手配してもらいました。その際、費用説明があり、金額は以下の通りでした。どちらも火葬当日の現金払いです。

  • 葬儀費用:¥387,720
  • 火葬費用:¥34,500

火葬費用はともかく葬式もしないのに葬儀屋に払う40万円弱は決して小さくない額だけど、納得するしかないですね。棺の急な手配や収棺、火葬日までの霊安、火葬場への運搬など人の死にまつわるあれこれを自身らで行うのは不可能だから。役所への書類の届出も葬儀屋の方が代行してくれるそうです。

棺はスタンダードタイプを選択。もっと安いエコノミータイプなんてのはないそうな。

火葬場は翌日は予約が取れなかったので翌々日に。そのため葬儀費用には葬儀屋での遺体の霊安費用が1泊分増えています。臨海斎場は大田区民用の火葬場なので、区外の利用者が使う場合はもっと値段が上がるとのことです。

実は遺体を九州の実家に搬送して向こうで火葬とも考えたけど、東京からだと30万円前後の費用がかかるそうで断念。翌日、九州から母と妹だけを呼び寄せ、翌々日に家族3人だけで見送りました。

ちなみに九州では火葬後の遺骨は部分採骨だけど東京では全量引き取りなのですね。大きな骨壷の箱は通常の風呂敷では包みきれないので売店で1,500円ほどの専用バッグを購入して持ち帰ることに。収骨の最後、埋葬許可証をいただきました。

さて、これで死亡に伴う臨時の出費は終わりかと思いきやさにあらず。後日、東邦大学医療センター大森病院から以下の費用請求がありました。

  • 入院診療費用:¥49,700

死亡当日、倒れているところを発見され、運ばれた救急病院における蘇生処置などの諸費用ですね。国民健康保険の30%負担が適用されてこの額です。もし無保険なら15万円を超えたわけだ。

よってこれらの合計の約48万円が病院外で死亡した直後に必要となる最小コストと言えるでしょう。もちろん他にも家族を呼び寄せる費用や賃貸マンションの引き払い費用等はあるものの、そういった事情は人それぞれ違うので省きます。

後日、国民健康保険から葬儀費用に対する補助が出ることを知りました。額にして50,000~70,000円とのこと。なかなかの額なので、いずれ手続きをします。

喫煙率が下がっても肺がんが増えている

先週土曜日のMXTV『田村淳の訊きたい放題』でジャーナリストの須田慎一郎氏が「喫煙率が下がっているのに肺がんが増えている」という説を展開していました。須田氏はヘビースモーカーらしく「喫煙と肺がんは無関係だから吸っても大丈夫」という主張です。

これ、たまに聞くけど嘘ですね。だって、肺がんって喫煙習慣があるときにだけかかる病気じゃないから。喫煙をやめた後に罹患すれば喫煙率低下と肺がんの両方にカウントされるし、肺がんになったのを機に喫煙をやめた場合も同様です。

喫煙率と肺がんの相関図

そもそも喫煙率が下がっているってことは、昔はそれだけ多くの喫煙者がいたということ。そして喫煙をやめても蓄積されたダメージが消えて無くなるわけではないのだから、喫煙率と肺がん罹患数が反比例しているなんて論理には無理がありすぎです。喫煙と肺がんの関連性を論じるなら、罹患者の喫煙経験がある人とない人の比率を見ないと無意味です。もし両者に差がなければ、関連性はないと言えるでしょう。もっとも喫煙は他の癌や疾病の原因となるのは明らかですが。

それにしてもジャーナリストっていい加減な仕事でも成り立つお気楽な商売ですね。まあ須田氏はジャーナリストというより、強面な風貌と気さくな人柄のギャップで売っているタレントみたいなもんだからな。

生活保護制度を考え直してみる

先日、小田原市で生活保護をめぐって一騒動がありましたね。それを受けてとあるWebサイトにてちょっとした議論になりました。

発端となった私の書き込みはこう。

生活保護は「働けず貯蓄もない人にはありがたいけど、所得や資産を隠してまで受給する気にはならない」が理想だろうから、ある程度、衣食住の現物支給に切り替えていくのがいいのでは?

今後も下流老人と呼ばれるような困窮者は増えそうだから、財政負担を減らすという意味でも。

対してある人からの反論。

役所が現物って、安く調達なんて出来ないじゃん。

・・・役人が半額弁当の調達にスーパーに並ぶシーンを想像してしまったw
絶対無いwww

そんなアホな。何か勘違いしておられます。よって私からの反論。

現物支給ってそういう意味じゃないですよ。実際には「衣・食・住それぞれにしか使えないバウチャー」みたいな感じになろうかと。

対してこれまた反論。

それも現金より高コストなんだよ。
店は換金にコストが発生するから、それは当然価格が上がる。

やはり伝わっていないようなので、また反論です。

奇異なことを。それこそシステマティックに処理できそうな分野だと思うのですが…。ひょっとして、これまた受給者が紙の金券で買い物し、それをお店の人が役所で換金するようなアナログなイメージをお持ちなのでしょうか?

ようやく私の意図を察していただけたのか、議論はこれで終わりました。

でも、せっかくなのでここで補足しておきましょう。私がイメージする現物支給による生活保護とは以下のようなものです。

  1. マイナンバーカードに電子マネー機能を持たせ、生活保護を電子マネーで給付する
  2. 利用には限度額を設ける
  3. 購入可能品目に制限を設ける

そもそも現金で支給するから不正受給を始めとする諸問題が起こるわけだし、日本は電子マネー決算先進国なので技術的に無理はないでしょう。当然、電子マネーの現金化は不可です。独自の規格になるのか(端末側の置き換えが必要)、それとも既存の電子マネー規格に相乗りさせてもらうか(既存規格と提携できるの?)は要検討ですが。

そして、対応のお店にて思い思いの買い物ができるようにします。ただし一定の制約下で。

2. は、「3日で5,000円まで」といった具合の利用制限ですね。たとえ残高以内であっても換金性が高い高額商品は買えなくすると。薬や一部の衛生商品は免除してもいいでしょう。

3. は、「たばこの購入は不可」「酒類は21時間あたり度数5%以内を500mlが1本まで」といった品目の制限です。生活保護受給者が健康を害せば自治体の負担が増えるのだから、それぐらいの節制はしてもらわないと。

もちろんマイナンバーカードなので利用状況はお上に筒抜けになります。不健康な物品の購入が目立てば指導が入るし、購入品目が偏っていて所得や資産隠しが疑われる場合は受給資格の再調査がなされます。それらを理解の上で、存分に使ってくださいと。

冒頭の話だと「現物支給」という言葉がミスリードを誘ったのかも。実際は「役所が認めたもの(認めないもの以外)だけに引き換えられる電子マネー」ですね。カタログから欲しいものを選べるギフトみたいな感じかな。

ちなみに私がいわゆる「タイガーマスク運動」を評価しないのは、一方的にランドセルを送りつけるから。施設の児童が本当にランドセルを必要としているかわからないし、そうだとしても欲しいのは別の色かもしれないし。あれって善意の押し付けというか、多分に自己満足ですよね。でも寄付にも用途を限定した電子マネーによる現物支給を導入できれば改善できます。

更に言うと、これは将来のベーシックインカムの前史、地ならしともなり得ます。何しろそう遠くない将来、多くの労働はAIに置き換えられ、多くの人が職にあぶれると予想されているので。例えば自動運転車が実用化されれば、トラックやタクシーのドライバーの多くは失業です。

興味深いことに、医者や弁護士のような高度な知的労働ですらAIに活躍の場を奪われそうです。人間よりもビッグデータと照らし合わせる方がよほど頼れるとばかりに。高学歴を誇る優秀な人物なども容赦なく淘汰されるわけです。

だったら所得がなくてもカツカツ生きられる社会に移行せざるを得なくなります。

謹賀新年

新年明けましてどうも。

ミミズク
干支用に雄鶏の写真なんて撮ってないので代わりにミミズク

私的には昨年はいくつか目標を達成できたけど、一方で大きなものも失いました。

よって今年は家族安泰のまま過ごしたいものです。

加えて世界が平穏であってくれればいいのだけど、アメリカの新大統領の手腕は未知数だし、何より国民がついていくかどうか。ドイツやフランス、そしてお隣の韓国の行方も不透明なので波乱の一年になる予感がします。

それでも大きな災害が起きないことを願うばかりです。

ほんでもって自身にとっては、どうか飛躍の年になりますように。

それから小ネタを一つ。酉年生まれは人口が一番少ないそうですね。過去2回のベビーブームから外れてたからだそうな。実は私も酉年の2月生まれ。当然ながら2月も人口が最小なわけで、干支+誕生月でいくと一番マイノリティなのかも。だからなんだってことでもないけど。

コンタクトレンズを調達

私は近眼だけどダイビング用のマスクに度を入れてないのでコンタクトレンズ(1日使い捨て)を装着して潜ります。

フィリピン滞在中にアンボン行きが決まったけど、その分のコンタクトレンズの予備がなかったので急遽神奈川県内の販売店にネットで注文したら、メーカー欠品につき出荷停止中とのこと。よって中1日の帰国日でなんとかする必要がありました。

もっとも調達の当てはあったのですが。今では大きなドラッグストアで エルコンワンデーというレンズが売ってるのを知っていたので。

エルコンワンデー

2軒回ったドラッグストアの内、クリエイトの方が安く、しかも5枚入り商品も取り揃えていたので、左右分を2箱ずつ購入。2,000円ちょっとです。

これで旅の準備が整いました。