小宮山厚労相のたばこ増税案は迷惑だ

小宮山洋子厚生労働大臣が年100円ずつのたばこ増税の案をぶち上げました。健康対策と言いつつも実際は「吸わない側の怨念」でしょうね。小宮山氏は以前からたばこ増税の必要性を訴えていたので、厚生労働大臣に任命されたことでいずれこの話が出るとは思っていましたが、さっそくですか。

私も吸わないのでたばこ税は目一杯上げてもらっても一向に構いません。常々マナーをわきまえている良心的な喫煙者には気の毒ですが、歩きたばこをはばからないような連中への逆風が強まるのは大いに好ましいと思います。悪質な喫煙者はたった一人でも周りの大勢に嫌な思いをさせますし。

ただし、民主党議員全般に言えることですが総じて発言が不用意。ただでさえ野田総理は「増税がしたくてしたくてしょうがない人」と見られているわけで、皆が増税先行を警戒している中で軽々に発言しようものなら本来は通る法案も通らなくなります。その意味で小宮山厚労相のたばこ増税案はありがた迷惑です。もっと周到に事を運んでくれないと。

そうそう、ダイビング業界には喫煙者がけっこう多いですね。何かを吸うのが癖になっているのでしょうか。もちろん喫煙は個人の自由ですが、職業的には考えものです。喫煙は血管を収縮させるため血行が悪くなって寒さにも弱くなるので。無類の暑がりの私としては、ガイドが寒いからとファンダイブを早めに切り上げられては敵わんですし。

たばこ税の大増税は自業自得でもあるよなあ

成田空港でリムジンバスを待っていると喫煙室の外で喫煙している人が結構目に付きます。あるときなどは若い女性が喫煙室の引き戸が閉まらないよう背中で押さえつつ、半身を外に出して吸っていました。アホな奴もいるものです。それって「さあ、また値上げするなり喫煙者への締めつけをきつくしてくれ」と言っているも同然じゃないですか。

喫煙者自身が辛いと思うほどのたばこの煙や匂いなら吸わない人はもっと不快に思うわけで、それが政治家を動かし、条例なり法律となって跳ね返ります。これを避けるには吸わない人を巻き込まないように配慮するしかありません。

その意味では今月からの大増税にしてもJTの戦略ミスによるところが大きいと言えましょう。一年前の時点で日本のたばこの販売価格は諸外国よりもかなり安かったので値上げの余地は大でした。ならばJTが自主的に50円なり100円なり値上げして、喫煙者に還元すべく喫煙設備の拡充や飲食店の分煙に回せばよかったものを、それをしなかったために無慈悲な100円超規模の大増税が科され、しかもその税収増分は相変わらず納得のいかない使途に使わてしまうわけです。先の成田の喫煙所にしても、ちゃんとお金をかけて空調と脱臭を良くしていれば喫煙者とて中で吸うはずで、嫌煙者のひんしゅくを買うことも無かったでしょうに。

増税が最もリーズナブルかつ効果的な喫煙抑制策なので、未だに歩きたばこを憚らなかったり所定の喫煙場所を外れて吸ってしまう愚かな喫煙者にとって大増税は自業自得。いや、それだけでなく良識的な喫煙者をも巻き添えにしてしまう点は罪作りです。

ちなみに喫煙関連で私が見かけた最もエグい光景は、十数年前の改修前のグアム空港でのこと。当時、新たな法律の施行で喫煙場所がなくなってたらしいのですが、誰かが男性用トイレで吸ってお咎めがなかったらしく、いつしか若い女性までもが男性用トイレに踏み入り、我々が用を足している背後で紫煙をふかすという有り様。中毒になると見境もなくなるのですね。

たばこ税増税が民主党政権唯一の成果

民主党政権が発足してから約1年が経過しました。振り返ってみると、この一年間はいったい何だったのかという思いです。鳩山総理の任期は評判の悪かった前任者三人よりも短いものでしたし、山積する諸問題に何一つ道筋を付けられずに時ばかりが過ぎ去っています。好評を博した事業仕分けにしても、成果を上げたというよりは「あれだけやっても無駄金はあれっぽっちしか出なかったじゃないか」という消費税増税論の正当化の理由に使われる始末です。

そんな民主党政権の唯一の成果、成し遂げた改革が「たばこ税の増税」。これだけは高く評価されるべきでしょう。自民党政権時代は数年置きに10~20円といったペースだったのが、一気に110円以上という値上げ幅で増税を決めたわけですから。

まだ禁煙する気のない喫煙者にすれば承服し難い話かもしれませんが、まあ時代の流れには抗えようはずもありません。JT調べで現在の日本の喫煙率は23.9%。実に国民の3/4までがたばこが吸えなくても一向に困らない人なのですから、その方向に進むのは当然とは言わないまでも必然でしょう。

よく聞かれる「取りやすいところから安易に…」という反対意見も的外れで、実際のところ多数派の声がそれを求めたからそうなったということだと思います。誰しも心無い他者の喫煙で嫌な思いをした経験を持っていますし、政治家諸氏は多数派の意向を具現化すべく動かざるを得ませんので。増税が必ずしも税収増に結びつかないわけですし。

もっとも世の中には、ちゃんと場所をわきまえて吸っている喫煙者も大勢いて、彼ら彼女らは基本的には無害な存在ですが、一方で相変わらず街中で歩きたばこをしてしまうバカどもも少なからずいたりします。でも、歩きたばこは「さあ、増税してくれ」と言っているに等しい行為です。なにしろ増税が最もローコストかつ直接的な抑制策なのですから。そいつらのせいで良識的な喫煙者も締めつけを食らう点が気の毒と言えばそうですね。とかくこの問題は「嫌煙者vs喫煙者」の利害対立ととられがちですが、実際のところは「非喫煙者&良識的な喫煙者vs悪質な喫煙者」だったりします。

他の事象に例えるなら、 歩きたばこはゴミ屋敷問題と酷似しています。主が「自宅の敷地に自分のものを積み上げて何が悪い」「法律に違反していない」と言い張ったところで、地域住民が承服しなければ、いずれ公的な制裁手段が執行されてしまうわけです。ゴミ屋敷の「美観を損なう」「臭い」「病原菌の温床になり兼ねない」「さらなるゴミの投棄を呼び込んでしまう」「自然発火して火事に発展し兼ねない」「子供の教育に悪い」といった問題点は、そっくり無法な喫煙者にも当てはまります。

さて、いよいよ10月から増税です。一日当り一箱300円を費やしていた人は、そのままのペースなら年間40,000円ほどの出費増になりますね。4万円と言えば東京~沖縄を往復したり、グアムやサイパンのツアーにも参加できそうな額です。でかいよなぁ。端から吸わない者からすれば他人事ですがね。

しかも、諸外国の水準と照らし合わせれば、おそらくこの先一箱600円ぐらいまでは歯止め無く上がるものと思われます。いや、外国でも上がり続けるので600円が当面の到達点とも言いきれません。そして、たばこ増税に積極的な国会議員が一定数以上いる以上、毎年俎上に上がります。今回は参院選への影響を避けて10月からの増税となりましたが、次の国政選挙は2013年の衆参ダブル(民主党政権が持ちこたえれば任期ぎりぎりまで解散しない)の線が濃厚。ならば政権与党としては増税の施行から選挙までの期間は長い方が好ましいので、おそらく2012年の春に今回と同等かそれ以上の増税が既定路線と見ていいでしょう。いよいよ一箱500円の水準を突破することになります。一日一箱の人は年間19万円も費やすことになる計算です。

何というか、もはやたばこも高価な嗜好品ですね。

水中では死ぬほど咽が渇く

私は喉が渇きやすい体質です。ダイバーの間では昔から「飴ちゃんを持参する」「ゼリー飲料の容器を持ち込む」といった工夫がなされてきましたが、私はApoloのbio-filterを愛用しています。ちなみにmicオリジナルの黒モデルです。

bio-filterとはスポンジ状のフィルタが入ったアルミ製の容器で、ファーストステージとレギュレータホースを中継するように接続して使います。エントリ前に毎回専用の注水器を使って注水穴から注水し(このときエアーが通っていると圧で注水機のノズルが吹っ飛ばされてしまうので要注意)、給水された水はスポンジに染み渡って、しばらくの間タンクからの乾燥したエアーに湿り気を与えてくれます。

そう、しばらくの間だけ…。その時々でも違うのですが、私の場合、bio-filterを使っても早い時ではエントリ後20分もすると口の中がカラカラになって海中で咳き込み始め、その後はもう大変です。海から上がると涙目になってゲーゲーえづきます。元来私は暑がりなため皆が言うように冷えでストレスを感じることはない(水温20度でも3mmウエットで余裕)のですが、このドライマウスには往生しています。というか、暑がりな体質(内蔵体温が高め?)だからこそ口腔内が乾きやすいのかもしれません。発売元のApolloさんには、手持ちのbio-filterと2連結して2倍の水分を供給できる拡張ボディ(こなんな風に使う↓)を販売してほしいと切に願います。

Bio Filter

Sea Pompそうそう、以前は喉乾き対策としてシーポンプなるアイディアグッズ(→)を愛用していました。

こちらはレギュレータホースの付け根に手榴弾型の水筒を取り付け、ホースに沿わせたチューブを通して水中で水を飲もうというもの。給水のための穴が空いた専用のマウスピースには押しボタンが付いていて、押すと少量の水が飛び出てくる仕組みです。

これは非常に重宝しました。湿り気のある空気ではなく、水そのものが得られたので。あるとき水の代わりにさんぴん茶を入れてみたら、えらく苦くて参りましたが…。

ただし、それほど便利だったシーポンプにも欠点がありました。水筒とマウスピースを繋ぐチューブがプラスチックだったため、収納時などに折れて破損しやすかったのです。そうして穴が開いてしまえば、水筒の水ではなく海水が供給されてしまいます。メンテナンスキットを購入して取り替えたりもしましたが、あの素材では破損するのも時間の問題でした。結局、定番商品として生き残ることは無く、いまでは入手困難なようです。

私のような咽乾きダイバーがどれくらいいるか解らないのですが、誰か「BCDの胸あたりに付けられて、吸った分だけ水が出て、蓋をしなくても海水が入らない逆流防止ストローが付いたダイビング用水筒」を開発してもらえませんかね?