生活保護制度を考え直してみる

先日、小田原市で生活保護をめぐって一騒動がありましたね。それを受けてとあるWebサイトにてちょっとした議論になりました。

発端となった私の書き込みはこう。

生活保護は「働けず貯蓄もない人にはありがたいけど、所得や資産を隠してまで受給する気にはならない」が理想だろうから、ある程度、衣食住の現物支給に切り替えていくのがいいのでは?

今後も下流老人と呼ばれるような困窮者は増えそうだから、財政負担を減らすという意味でも。

対してある人からの反論。

役所が現物って、安く調達なんて出来ないじゃん。

・・・役人が半額弁当の調達にスーパーに並ぶシーンを想像してしまったw
絶対無いwww

そんなアホな。何か勘違いしておられます。よって私からの反論。

現物支給ってそういう意味じゃないですよ。実際には「衣・食・住それぞれにしか使えないバウチャー」みたいな感じになろうかと。

対してこれまた反論。

それも現金より高コストなんだよ。
店は換金にコストが発生するから、それは当然価格が上がる。

やはり伝わっていないようなので、また反論です。

奇異なことを。それこそシステマティックに処理できそうな分野だと思うのですが…。ひょっとして、これまた受給者が紙の金券で買い物し、それをお店の人が役所で換金するようなアナログなイメージをお持ちなのでしょうか?

ようやく私の意図を察していただけたのか、議論はこれで終わりました。

でも、せっかくなのでここで補足しておきましょう。私がイメージする現物支給による生活保護とは以下のようなものです。

  1. マイナンバーカードに電子マネー機能を持たせ、生活保護を電子マネーで給付する
  2. 利用には限度額を設ける
  3. 購入可能品目に制限を設ける

そもそも現金で支給するから不正受給を始めとする諸問題が起こるわけだし、日本は電子マネー決算先進国なので技術的に無理はないでしょう。当然、電子マネーの現金化は不可です。独自の規格になるのか(端末側の置き換えが必要)、それとも既存の電子マネー規格に相乗りさせてもらうか(既存規格と提携できるの?)は要検討ですが。

そして、対応のお店にて思い思いの買い物ができるようにします。ただし一定の制約下で。

2. は、「3日で5,000円まで」といった具合の利用制限ですね。たとえ残高以内であっても換金性が高い高額商品は買えなくすると。薬や一部の衛生商品は免除してもいいでしょう。

3. は、「たばこの購入は不可」「酒類は21時間あたり度数5%以内を500mlが1本まで」といった品目の制限です。生活保護受給者が健康を害せば自治体の負担が増えるのだから、それぐらいの節制はしてもらわないと。

もちろんマイナンバーカードなので利用状況はお上に筒抜けになります。不健康な物品の購入が目立てば指導が入るし、購入品目が偏っていて所得や資産隠しが疑われる場合は受給資格の再調査がなされます。それらを理解の上で、存分に使ってくださいと。

冒頭の話だと「現物支給」という言葉がミスリードを誘ったのかも。実際は「役所が認めたもの(認めないもの以外)だけに引き換えられる電子マネー」ですね。カタログから欲しいものを選べるギフトみたいな感じかな。

ちなみに私がいわゆる「タイガーマスク運動」を評価しないのは、一方的にランドセルを送りつけるから。施設の児童が本当にランドセルを必要としているかわからないし、そうだとしても欲しいのは別の色かもしれないし。あれって善意の押し付けというか、多分に自己満足ですよね。でも寄付にも用途を限定した電子マネーによる現物支給を導入できれば改善できます。

更に言うと、これは将来のベーシックインカムの前史、地ならしともなり得ます。何しろそう遠くない将来、多くの労働はAIに置き換えられ、多くの人が職にあぶれると予想されているので。例えば自動運転車が実用化されれば、トラックやタクシーのドライバーの多くは失業です。

興味深いことに、医者や弁護士のような高度な知的労働ですらAIに活躍の場を奪われそうです。人間よりもビッグデータと照らし合わせる方がよほど頼れるとばかりに。高学歴を誇る優秀な人物なども容赦なく淘汰されるわけです。

だったら所得がなくてもカツカツ生きられる社会に移行せざるを得なくなります。

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