日本にも共和党が必要かも

来週、また総理大臣が替わるようです。自民党政権末期、郵政選挙の大量議席にモノを言わせて安倍→福田→麻生と1年ごとの政権たらい回しが批判されていましたが、やってることはそれと同じですね。

さて、民主党党首選挙、当初本命と目された野田氏はあまりの不人気振りに立候補すら適わなそうな情勢です。週刊誌で政権構想まで発表したというのに…。まあ無理もありません。与謝野氏と同じく財務省の傀儡のイメージが強いので。

いや、消費税率引き上げの必要性はさすがにもう多くの国民も理解しているはず。それでも「先にやるべきことをやってみせろ」ってなもんでしょう。それこそ民主党の公約だった天下りの禁止や公務員給与の2割削減、国会議員定数の削減などですね。一等地の公務員宿舎なんかもさっさと売り払ってもらわないと。それらをすっ飛ばして増税では「国が破産しても良いんですか?」と、国民の生活と国の未来をを人質に脅しているような話なので。

政権交代からの2年を振り返るに、つくづく「民主党は自由民主党の劣化コピーに過ぎなかったなぁ」と思えてなりません。かといってコピー元の方も賞味期限切れ感は否めないし…。

で、民主党がダメなら共和党。アメリカならそうですね。いっそのこと日本も倣ったらいいんじゃないでしょうか。小さな政府を標榜する有力政党があってもいいじゃないかと。つまるところこれほど財政赤字が摘み上がった原因の一端は税金で食っている人が多すぎるからでしょう。現役のお役人はともかく、天下りの元お役人までをも養わんがために、国中にさまざまな規制をこしらえて民間の活動を縛り、既存の大企業は守ってベンチャー企業の台頭の芽をことごとく摘む。そんなことをしてれば税収も増えず財政赤字が膨らむのは当然です。

日本人は社会主義的な行政に慣らされてきたので急に小さな政府と言われても不安を覚えそうですが、ふと気がつけば既にアメリカに次ぐ世界第二位の格差社会になっていたりします。もちろん安易に消費税などを増税して経済を萎縮させれば財政は更に悪化するわけで、ならば今までとは抜本的にやり方を変えないといかんのではないでしょうか。まあ惰性でズルズルといって落ちるところまで落ちれば一転して円安に振れるかもしれませんが、果たしてそれまで輸出産業が生き残っているか…。

新首相が誰になるかは解りませんが、よほどの功績を上げないとまたぞろ1年こっきりの使い捨てになります。というか国内外の経済が早急には好転しそうにないので、きっとそうなります。だとすると、その後は政界再編でしょう。そこで候補者一人一人が選んで別れれば良いのだと思います。大きな政府による保守的な利権政治の「新・民主党」か、小さな政府で徹底的な規制緩和とフェアな競争を推し進める「日本協和党」に。

東電救済法案は命取りになるかもなぁ

一昨日、原子力損害賠償支援機構法が参院でも可決され、成立してしまいました。

大ざっぱに言うと、これから原子力損害賠償支援機構ってものが作られ、そちらが賠償金を肩代わりして支払い、東電は借金を返していくのだそうな。

そう聞くと金融危機の時の銀行への資金注入みたいですが、事情は大きく違いますよね。銀行は…

  • 賠償の義務を負っていたわけではない
  • その後は運用益から返済した

でも東電の場合は電力を上手く運用して利ざやを稼ぐなんてことはできません。

原発問題は一向に収束する気配がなく、最近でも「セシウム牛」やら「セシウム米」が話題になるなど賠償見込み額は膨れ上がるばかりです。当面は保有資産を売り払い、給与カットの類いを続けるにしても、結局は電気代の値上げとして利用者にツケが回ってくるわけです。おまけに菅総理肝いりの電力買取法案まで成立した日にはコストが上積みされるのでまた電気代が上がります。

今必要なのは電気の世界にも競争原理を入れることですよね。よく引き合いに出されるケータイの世界のような。なのにこんな法律を作れば「参入障壁を堅持する」「新規参入は認めん」と言わんばかり。この「既存の機関を徹底的に守る」という慣習が日本の不景気を際限なく引き延ばしている大きな原因だというのに。

水は汲みに行くこともできますが電気は自然界から貰ってくることができません。その意味では人々にとって水道よりも電気の方が必要度が高いとも言え、その値段が上がれば家計にも産業にも響きます。これが円高なら輸出には痛手でも輸入には有利ですが、電気代が上がって嬉しい人はいません。また一つ企業を海外に押し出し、多くの企業を経営難に陥らせる要因をこしらえてしまいました。

結果、この国の経済はますます悪くなっていくでしょう。既得権に切り込まれないために経済を犠牲にしてでも消費税を上げたい財務省の悲願みたいなことが、原発事故を切っ掛けに経産省と与野党のタッグによってなされてしまったわけです。

結局、まともな政治家を国会に送り出してこなかったことのツケが、我々国民に経済的な凋落としてはね返ってくるのでしょう。

原発解散の信憑性

「死に体の菅総理は一か八かの原発解散を狙っている」という憶測があります。小泉政権が大勝した郵政解散になぞらえて「脱原発に伸るか反るか」の一点で総選挙をやってしまおうと。

姑息な彼のことです。入れ知恵された消費税増税プランを抱き合わせて民意を問おうとするやもしれません。つまり、脱原発に賛成票を入れると消費税増税に賛成したことにされてしまうわけです。

とは言え原発解散が実現する見込みはないと思います。理由は以下の通り。

  • これまで菅総理自身が原発問題に対する政治信条を表明していない
  • 民主党は既に原発推進の方針を打ち出していて起動修正していない
  • 菅内閣の支持率が小泉内閣の時に比べて圧倒的に低い
  • 菅内閣への不支持率が極めて高い
  • 野党が脱原発を示せば争点がなくなる
  • 被災地支援の遅さ、無策ぶりが不信感に繋がっている
  • 消費税の強行増税が国民の反感を買う

そもそも郵政民営化は小泉総理にとって数十年来の政治テーマでしたし、そのためには大臣の罷免すら断行しました。そして何よりも国民からの人気が抜群に高かったわけで、クソミソに叩かれている菅総理とは置かれている状況がまるっきり違います。

また、長年原発を推進してきた自民党にしても、いきなりの反原発は無理でも曖昧な条件付きの脱原発ぐらいのことは言えるはずです。民主党が党を挙げて反対せざるを得なかった郵政選挙のときとは違って対立軸にはなり得ません。

よって原発解散に踏み切ろうとも条件が整わず、仮に強行したとしても勝てる見込みはなかろうと。

菅総理は昨年の参院選に負け、地方選でも連戦連敗です。この上さらに大博打の解散総選挙でも負けたなら、史上最悪のダメ宰相として歴史に名を残すことになるでしょう。いや、既にもうそうなのかも。だからこそ奇跡の到来を待って辞め渋っているのかもしれませんが。

ああ、でも彼なら総選挙で惨敗しても総理の座にしがみつくかも…。

この際、原発は止めるしかないんじゃないかな

昨今のテレビなんぞを見ていると出演者が原発に対するスタンスを問われている場面に出くわしたりします。選択肢は3つ。

  1. 原発推進・・これまで通り
  2. 脱原発・・・段階的に縮小、廃止へ
  3. 反原発・・・速やかに廃止

私は心情的には2の脱原発。核燃料サイクルが不完全なままの上、あんな事故が起きてしまった以上、全部止めるに越したことはないものの、急に電力不足に陥って経済活動が落ち込んでも拙いので、代替手段が見つかるまでの繋ぎとしての原発は容認した方がいいのではないかと。もちろん安全対策は強化した上で。

とは言え一方でそんなソフトランディングが上手くいくとも思えないのですよね。仮に「代替の発電手段が得られるまでの期限付き」という条件で原発を容認しても、政府やら経済産業省が画策すれば代替の発電手段の発達を妨害できるので。

代替の発電手段として有力なのは火力はもちろん風力、太陽光、地熱など。メタンハイドレートも上手く使えるようになると良いですね。潮流発電なんてのも聞きました。どれか一つではなく地域特性に応じた組み合わせになるのでしょうが、普及、実用にはそれぞれクリアしなければならないハードルもあります。そこで、やれ補助金を出さないだの、規制に引っかかるだのと言い出せば実用化への発展を阻むことができましょう。つまるところ条件付き容認も原発推進もしくは現状維持と同じ意味になってしまうのではないかと。いわゆる原発村には大勢の経産省OBが天下っていたり、電力系労組は民主党の有力支持母体の一つだそうですし。

ということで、私は「みんなで貧乏になろう」的な考え方は嫌いなのですが、この際、定期検査に入った原発はどれも再稼働させず、全原発廃止に向かった方が良いように思えてきました。この国の最大の課題は財政再建であり、そのためには税金の不効率な使われ方と経済活動の阻害要因を取り除かないと。その手始めとして原発廃止はうってつけです。

それに国を挙げての節電作戦が功を奏して夏冬の電力需要ピークをなんとかやり過ごせば、省エネ機器の普及と相まって、そう遠くない将来に「どうやら原発止めたってやっていかれそうだぞ」というタイミングが来そうな気がします。「原発を止めたら大変な事になる」なんてのは原発利権マネーで食っている人たちの脅しにすぎなくて。そもそも原発抜きで電力が足りるなら原発は要らないはずですし。

不信任否決の勝者は菅ではなく小沢&鳩山?

昨日、TBSラジオの武田記者が先週末の国会での茶番劇の解説しておられました。

世間では「菅総理の騙しのテクニック、ミスリードに鳩山元総理以下が乗せられてまんまと不信任案否決に利用され、当の本人は無期限に居座ることに成功した」と理解されているようですが、実際の勝者は小沢&鳩山の方で、菅総理はもはや打ち首を待つ身とのこと。なるほどそういう見方もできますか。

菅総理、自ら首を差し出すまでは生き延びられるにしても、もはや無様な姿をさらすだけの死に体であることには代わりありません。そこで取り巻きの枝野氏、千石氏、岡田氏などは、菅総理の首を手土産に野党と手を組もうと画策している、これが大連立話の真相だろうと。

とは言え本当の勝者である小沢&鳩山連合にしろ次の一手に恵まれている状況ではないようで。

結局、「現執行部が敵陣に寝返ったような大連合」か「小沢&鳩山が裏で手を引いた大連合か」といったくだらない主導権争いになりそうな…。