先日、セブから成田空港に帰国した際、イミグレーションの一番奥に自動化ゲートがあることに気付きました。なるほど以前そんなのがあるって話を聞いた事があります。
仕組みとしては、事前に指紋を登録しておくと、ゲート前に備え付けのスキャナに旅券の顔写真ページを読み込ませて人物を特定し、次の機械で指紋を照合するだけで入出国が完了するようになるとのこと。スタンプが捺されないのが寂しいものの、なるほど便利そうです。
でも、隣の列から見ていたらこれがどうにも企画倒れのようで。機械の操作に不慣れな人が列に混ざっていたなら、ひたすら進行が滞ってしまうのです。審査官による手続きが一人あたり15秒ぐらいで終わるのに対し、自動化ゲートでは1〜2分かかているケースも少なからず見られました。しかも機械の使い方や指紋登録していない人が列に並ばないように案内するための係員が付きっきりです。何のための機械化・自動化なのだか…。
きっとITゼネコンがずさんな設計で、かつろくな実証実験も行わずに導入にこぎ着けたのでしょうね。専用ハードの開発・製造に膨大なお金を注ぎ込まれたでしょうし、照合システムなので裏では大規模なDBが運用されているはず。当然そこにもコストがかかります。それでこれかよと。機械化、IT化の典型的な失敗例ですね。
しかも運用に工夫が見られない点にも驚かされます。一般の列と自動化ゲートの列の間に仕切りを設け、しかも列に並んでいる最中にゲートの使い方を指南するビデオなんぞを見られるようにしていれば、もっとスムーズに事が進むのでしょうに。