護憲派からも改憲派からも何かと評判の悪い安保法案ですが、ついに高校生までが国会前で反対デモを起こすに至りました。何でも「これが後々の徴兵制に結びつくのではないか?だとすれば戦地に行くのは我々若い世代だ」とばかりに。裏で誰かが糸を引いて吹き込んでいる気がしないでもないですが。
徴兵制については安倍総理以下、与党や安保法案に賛成の人のほとんどが「あり得ない」と答えます。「本人の意に反した苦役は憲法に反する」「現在の紛争地活動で徴収兵は足手まといだ」と。まったくその通りでしょう。
ひょっとしてデモ参加者はイラク戦争以降のアメリカで「大学に行くために軍に入る」という若者がたくさんいることから連想しているのでしょうか。
でも自由と平等の国とも言われるアメリカは実はガッチリした階級社会であり超学歴社会。下層の家庭に育った人が上に食い込むには高い学歴が必要になります。
日本顔負け。アメリカの「超学歴社会」
日本人はなじめない、アメリカの超学歴社会
対して日本社会で階級を意識することはないし、学歴がどうしようもなく重視されるって感じもありません。もちろん新卒で競争力の高い有名企業等に就職したければ必要条件になるけど、大学に行かなければ人生に明るい展望が開けないわけでもないですよね。
中には大学で「好きな分野の学問を修めたい」「あの分野の研究者になりたい」といった思いの人もいるでしょうが、いったん社会に出てから夜間大学に通うという選択だってあるし、学位目的でなければネットで有名大学の良質な抗議を受講できたりもします。
つまり、日本では韓国みたいな制度的な徴兵もアメリカのような貧困層を見込んだ経済的徴兵もあり得ません。望まない人が戦地に駆り出される可能性はゼロです。
集団的自衛権の行使によって先々自衛隊がどこかの紛争地で米軍の後方支援を行って恨みを買い、国内でテロを起こされてしまう可能性もなくはないけど、直近の驚異は中国が南シナ海を支配下に置き、遠からず尖閣を含む沖縄もかすめ取ろうとしている点です。国防のために自衛隊の強化、重武装化が叶わないなら米軍との連帯感を強めるのは理に適っている話です。私はそれには憲法改正が前提であるべきだと思いますが。
結局のところ、あのデモ参加者達は短絡的な連想のデマで安保法案成立を阻もうとしているだけだと思います。オカルトや偽科学に似た、それっぽく思えるだけの。
行動力は評価するので、せっかくデモをやるんなら、「確かに一理あるよな」と言わせるような、もっと説得力のある論理で臨んでもらいたいものです。