LionのSafariは快適

先週、Mac OS X Lion Developer Preview 2が配布となりました。

Lionの新機能などについて詳しく書くことはできませんが、Safariが久々に軽くなっていますね。というのもここ半年かそこらSnow LeopardのSafariは異様に遅く(やたらと処理がつっかえる感じ)、たまりかねてGoogle Chromeに乗り換えたくらいなのですが、Apple純正のブラウザ一本で行ければそれに越したことはありません。

製品版のSafariもぜひこうであってもらいたいものです。

お金、お金、お金。今やるべきことは…

幸いなことに直接的な被災に遭わなかった我々が今やるべきことは、できる限り普段の生活を守ることでしょう。加えて、お金を送ること、そしてお金を使うことだと思います。どっちかというと後者の方が好ましいのかなとも。もし仮に我々が全財産をなげうって被災地支援にあててもらったとすれば、それはすごいサポートになるでしょうが、その先は心細くなり、下手すると力尽きかねませんので。

もちろん物資の買いだめなどは論外ですし、買い物も難しい現状があるにせよ、何となく買いそびれていたものを買うなど、意識してお金を使って経済を回すことが巡り巡って被災者、被災地への復興支援につながります。

日本人はどうもこんな時には娯楽や遊行を恥じ入るようなメンタリティがあるようですが、それらの産業にも少なからず従事者がいるわけで、そういったことを過剰に差し控えれば彼ら彼女らは生活の糧を失います。結果、被災地支援もままならなくなるわけです。善意が更なる経済的弱者を生み出してはいけません。うかれすぎず、さりとて萎縮せず、むしろ可能な範囲で積極的にお金を使うべきです。保身で財布のヒモを締める方が罪つくりなのだと。

まあ、さすがに開店前のパチンコ屋に並ぶ人などを見ると、それはどうかと思わなくもないですが。パチンコ台は少なからず電力を使いますしね。

それから義援金はできるだけ公的な機関に託すべきですね。今日、駅前に募金箱を並べながら大声を張り上げて募金を募っているおばちゃんを見かけましたが、善意の行動であるにせよ慎んでもらった方がいいです。

少し前のタイガーマスク運動の時は「不効率でも、やらないよりはずっとマシ」という理屈も成り立ちましたが、今回はそうではありません。個人や少人数の単位でどうこうしようと考えれば、かえって関係者の負担を増やしてしまいかねません。例えば、各人が家に眠っている毛布を届けようとするよりも、関連業者に大量の毛布を寄付してもらった方が実際にそれの入手に困っている人にとっても良いわけで。

お金はしかるべき機関に託して送りましょうね。そして、おかしなことにならないかを考えつつ、できるだけお金を使いましょう。

差し当たり、iTunes Storeを利用すれば、面倒な手続きもなく家にいながらかんたんに寄付金を託すことができます。


Lion始めました

新しいMacBook ProとともにMac OS X 10.7 Lionのプレリリース版が登場しました。

Appleの新製品は火曜日に発表されるのが常でしたが、今回は闘病中のスティーブ・ジョブズにエールを贈るべく彼の誕生日2月24日にしたようですね。もっとも新型iPadの発表は3月2日で水曜日。もう曜日は固定されないのかもしれません。

さて、そのLion。私もさっそくインストールしてみました。印象は「大して変わっていないようで、実は大きく変わっているなぁ」です。あまり詳しいことを書くわけにはいかないので、既に公開されている情報を元に説明すると、操作がかなりiOSっぽくなっています

中でも顕著なのはマウスやトラックパッドを使った画面スクロール。旧来、縦長のウインドウの表示しきれない下の方を見たい場合、ホイール/トラックパッドを上から下に操作していましたが、Lionでは逆、下から上になります。そう、iPhoneやiPadと同じ操作です。でも、iPadでは自然にできていることでもパソコンでやるとかなり違和感があるのですよね。慣れるのに時間がかかりそう。Adobe Illustrator のCS4→CS5のときのような苦しみ(?)を皆が味わうことになるのか…。

他にも大きく変わった点は、OSがアプリケーションとして提供されたことでしょう。Lionのプレリリース版はMac App Store経由で手に入れるのですが、これまでのようにOSのインストールに外部メディアは必要なく、ディスク上に置いたままアプリのように起動するだけです。というか、DVDに焼いてからインストールを試みたら失敗しました。おそらくインストールに先駆けてデータを展開する場所が必要なのでしょう。でも、確かにこの仕様ならMac App Storeで販売できますね。Lionの店頭パッケージは販売されないのかもしれません。まあ、さすがにインストーラアプリが入ったディスクをフォーマットしてのインストールはできないようですが。

それから新機能のAirDropにも注目。ワイヤレスのファイル転送の仕組みですね。何の設定も要らず、あたかもアメフトでQBがレシーバーを探してパスを投げるときのように、待ち構えた(同じくAirDropを動かしている)誰かのマシンにファイルを送りつけることができます。受け手は受け取らずに辞退することも可能です。先々AirDropのiPhoneアプリも登場すれば、iPhone → Macのデータ転送はかなり楽になりそうです。

もう一つ、大きく印象が変わったのがデスクトップピクチャ。デフォルトは富士山の写真になったようです。なぜ富士が選ばれたのかは解りませんが、宇宙の絵の後継として霊峰が相応しいとされたのかもしれません。

細かいところはたくさん変わっているのですが、守秘義務契約に触れてもいけませんし、夏の発売までには変わることもあるでしょうから、このあたりに留めておくことにします。

ePubが枝分かれ。Appleの試みは謀反か?

AppleがiBooks 1.2で絶対レイアウトのePubをサポートしたのだそうで。ある仕様のファイルをePub内に追加しておくと1,200 x 1,700ピクセルの仮想ページ上でcssによる要素の絶対位置指定が有効になるのだそうな。

とは言え、そもそもePubは「どんなデバイスでも表示できるようレイアウトを固定しない」が基本コンセプトのはず。ページサイズの固定やら絶対位置指定を許したらそれはもうePubではないような…。

でも個人的には歓迎します。それもありだろうと。「使えない標準規格」より「使える独自規格」の方がよほどあり難いと思うので。まあ、ePubは文芸書に限れば使える部類でしょうが。

世の中(特にIT業界)には標準規格好きの人がいますよね。やれ「自社が開発を止めても、半永久的にドキュメントが読める」などと言って。解らなくもないですが本末転倒だろうと。後世に残せるかどうかを気にする前に、後世に残すべき作品を送り出さないことには始まりません。標準規格準拠でも駄作なら見向きもされず、逆に魅力的な作品なら独自の作り込みであっても人々は何とかしようとするわけです。もちろん魅力的な作品が標準規格準拠なら言うことなしですが、えてして斬新なコンテンツを世に送り出す際は、既製の枠組みを無視せざるを得ないかったりします。他人と違うことをするチャレンジャーが新たな潮流を作り出すわけです。

実際のところAppleの市場支配力と浸透力によってiBooksの固定レイアウトコンテンツを定着させてしまえば、それが当たり前になってしまうと思うのですよね。

それに、今なら固定レイアウトの電子書籍はPDFが最有力ですが、PDFは仕様が複雑かつ冗長で動作が重かったり、DRM面が不十分だったりとデメリットも目立ちます。確かに便利ですが多くを追い求めすぎだろうと。でももし固定レイアウトによるePubが市民権を得れば、電子書籍用途では少なからず代替されるかもしれません。そうして新たなツール/サービス市場と仕事が生まれるわけです。

もっとも、デバイスによって搭載するフォントが違うので、PDFのように普遍的に同一な表示結果とはならないはずですが、もしWebKitに標準的なフォントがバンドルされるようになれば…。

てなわけで私はAppleの試みに賛成です。ぜひ文芸書向けスタンダードePubに並び立つ規格に育て上げ、iBooks以外のePubビューワーでも意図した通りに表示されるように持っていって欲しいと思います。

AndroidがiPhoneに勝つんだという妄言

AndroidがSymbianやiOSを抑えて世界のスマートフォンOSのシェアでトップに立ったようですね。

なるほどAndroid対iPhoneは多勢に無勢。かつてのWindows対Macのような構図にも見えます。

ただし決定的に違う点が。Windowsアプリは基本的にどのメーカーのPCだろうが自作機だろうが普遍的に動いたわけですが(Microsoftが最も注力していたところなので)、Androidではそうはいきませんよね?同じAndroid搭載だからといって、他で動いているAndroidアプリが動くとは限らないわけです。うろ覚えですが確かMS-DOSの時代にはそんなこともあったような…。

まあ、数の上ではAndroidがiPhoneを遥かに凌駕するかもしれません。でもユーザの満足度やらアプリ市場の賑わい、そして何よりもメーカーの収益性には雲泥の差が出るのでしょう。