Mac App Storeの返品のその後

あきらめかけていたMac App Storeでの返品が利き、クレジットカードの引き落としが無くなったわけですが、その後の報告を。

半月ぶりにMac App Storeを起動してみたところ、購入履歴の中にはAppe Remote Desktopが「インストール済みとして」残ったままです。アプリを削除してみたら「インストール」ボタンに変わります。どうやら今回の購入のキャンセルは引き落としだけの処置で、それ以外の情報、例えばApple IDと購入履歴の紐付けを変更するものではないようです。

だったら返品後も違法に使おうと思えば使えますね。もちろん私はやりませが。

いや、ひょっとしたら新たに何かを購入するとクライアント側の情報も更新されるといったことなのかもしれませんが。

まあ、Store外購入アプリの認識なども含めて、Mac App Storeにはもう少し進化してもらいたいところです。


Mac App Storeの返品が利いた!!

今日、Appleから返信メールが届き、Mac App Storeの誤発注が無事キャンセルされました。 下記、メールの引用です。

平素よりiTunes Storeをご利用いただきまして誠にありがとうございます。サポートチームアドバイザーの●●と申します。

現在iTunes Storeが大変ご好評をいただいており、多くのお客様から非常多くのお問い合わせをいただいておりますため、こちらからの返信が遅れ、長らくお待たせしてしまいましたことを心よりお詫び申し上げます。

お客様から、ご購入されるつもりのなかったアイテムについて、キャンセルのリクエストを頂きました。こちらの件で、大変ご心配のことと存じます。 お客様の問題が解決するまで、私が最後までお手伝い致しますので、どうぞ宜しくお願いいたします。

お客様からのお問い合わせを検討させていただきました結果、お客様が購入された「Apple Remote Desktop」(オーダー番号:MGVLJ84379)の 9,000円を返金させていただきました。App Store 販売規約では購入した商品を返品・交換することはできませんが、今回は 1 度だけの例外として対応させていただきました。

クレジットカードでご購入いただいていますので、決済いただきましたクレジットカード会社を経由して返金をさせていただきます。ご返金は翌月、もしくは翌々月となりますので、ご利用いただいたクレジットカード会社の明細をご確認ください。(クレジットカード会社によって決済期日が異なりますので、具体的な返金日程についてはお手持ちのクレジットカード会社へ直接お問い合わせ下さい。)

この通り特例処置だそうですが、まあ何であれ一安心です。私のAppleへの信頼度も増しました。

思うに、問い合わせのメールを送ったのが1月7日(Mac App Storeの開店後すぐ)だったのが良かったのかもしれません。アプリを買って使ってみてからのキャンセルではないことが明らかだったと。

それから、ひょっとしたら私が長年のMacユーザであることも手伝ったのかな。これって意外に意味を持っているフシがあるのですよね。例えば昨年の夏、iPad Camera Connection Kitが品薄で流通しておらずApple Storeでも納期3週間待ちだった頃、待たされる覚悟でApple Storeに注文したらあっさり数日後に届きましたし。

実際、私のApple Storeのアカウントには何台ものMacやiPod、iPhone、iPadなどの購入履歴がわんさか登録されているはず。それで、Apple側が「ここでキャンセルに応じとけば、こいつは気を良くして今後も製品を買うに違いない」とまで考えたかは解りませんが、まあ今の私の心理状態はそうだったりします。差し当たりApple Remote Desktopの9,000円が返金されるなら、近いうちに同じ値段のApertureあたりを買ってみようかなと。Mac App StoreのアプリもDockから引っ張り出してみます。幸か不幸か1クリック購入の仕様も把握できましたし、買わないときは意識的にサインアウトするようにしておけば不意のアクシデントで誤発注することもありませんので。 そうそう、メールには以下の文言が。

今後のAppleとiTunes Storeでのサービス、システム改善のため、お客様から貴重なご意見、ご要望、ご不満等がございましたら、ぜひ下記のフィードバックページにてお知らせお願い致します。

https://regist.apple.co.jp/feedback/itunes/

だそうです。私もリクエストや改善案をせっせとフィードバックしようと思います。

Mac App Storeは非常に危険です!!

昨日、待望のMac App Storeがオープンしました。

Mac App Storeのイメージイラスト

日本時間の7日2時と伝えられていたものの、6日の23時前にはすでにMac OS X 10.6.6へのアップデータがリリースされていました。これをインストールするとDockの左から2番目にMac App Storeのアイコンが追加されます。

Mac App Storeのアイコン

さっそく起動してみるとiTunes 10に続いてタイトルバー左上がまた見慣れないボタン配置。古くからのMacユーザとしては違和感を受けるのですが、そこはまあいいか。

タイトルバーの左上

さすがにアプリの品揃えはまだ寂しく、噂されたiWork ’11も間に合わなかったのか、Keynote、Pages、Numbers、どれも現行バージョンでした。まあ、ラインナップに関しては次第に充実していくはずなので気長に見守りましょう。

さて本題。Mac App Storeをちょっと使ってみて問題、しかも深刻だと思う点を見つけたので報告します。それは「高価なアプリを無意識に買わされてしまう危険性がある」です。

まず手始めに「Solitair Gratest Hits」を落としてみました。無料アプリですがApple IDとパスワードを訊かれ、それらを入力するとダウンロードが始まります。完了するとDockにアイコンが追加されアプリが自動的に起動したため、しばしお馴染みのカードゲームに興じてしまいました。

次に、これまた無料の「SketchBook Express」をダウンロードしてみました。再度Apple IDに対するパスワードを入力し、ダウンロードが完了。

さらに何かを落としてみようと「トップ無料」や「トップ有料」のカテゴリを物色し、何気なく「Apple Remote Desktop」をクリックしたところ、いきなりダウンロードが始まり、起動してしまいました。気になって「購入済み」を見てみると、やはり購入履歴が追加されています。買う気などなかったのに。無料アプリの場合はApple IDのパスワードを訊ねるくせに、9,000円もする有料アプリの場合はスルーとは何とも不条理な…。

もう少し詳しく言うと、「トップ有料」などのランキング表示エリアは幅が狭いため「Apple Remote Desktop」のように文字数が長いアプリにマウスカーソルをかざすと、このように表示が変わります。

隠しボタン非表示

↓↓↓

隠しボタン出現

つまり、アプリ名をクリックしたつもりでも、寸前に「¥9,000 購入する」ボタンが表示され、これをクリックしてしまったわけです。

それでも通常ならアプリの紹介ページに切り替わるので、そこで購入を踏みとどまれますが、iPhoneのApp Storeでも、一度Apple IDのパスワード認証を通過すると、その直後に別のアプリをダウンロードする際にはパスワードを訊かれませんよね。今回のケースもこれと同様のロジックで、直前にSketchBook Expressをダウンロードしていたため認証がパスされてしまったのでしょう。

これがiPhoneのApp Storeの場合なら、表示スペースとの兼ね合いもあって、「¥230」といった価格ボタンのタップ→「今すぐ購入」ボタンのタップ、という2段階構えになっていますが、Mac App Storeの場合、「¥9,000 購入する」ボタンをクリックしてしまうと、いきなりパスワード認証の工程に進んでしまいます。そのため先の理由で認証免除になっていれば無条件に購入手続きを踏んだと見なされるのでしょう。Macアプリ場合、数千円〜数万円という価格付けもありうるわけですから実におっかない話です。

それと、今回は買う気がなかったApple Remote Desktopが起動されたを見ていたので気付けたのですが、例えば該当の操作の直後に席を立ち、しばらく時間が経過して戻ってきたら、そのことに思いが至らないかもしれません。そうして後日、身に覚えのないレシートのメールが届き、代金が引き落とされると。

で、そもそも購入する気はなかったのでApple Remote Desktopはすぐに終了させ、購入をキャンセルしようと考えました。でもMac App Store自身にはそれらしい仕組みが見当たりません。ならばとAppleのサイトのサポートページを覗いてみるも、さすがにMac App Store用の問い合わせ先はまだ用意されていないようでした。

仕方なくiTunes Storeの問い合わせフォームに事の顛末を書いて送信。現在、返信を待っているところです。少々のやり取りと時間がかかるのはやむを得ないとしても、まさかこの理由(偶然起きたスキミング事故のようだ)による購入のキャンセルができないなんてことはないでしょうね?

図らずもMac App Storeを使い始めてから1時間足らずの内に「穴」を見つけることになったわけですが、これでAppleがどう対応してくれるのかや、前々から知りたかったアプリのライセンス関連の仕様の一端を把握することができるかもしれません。「返品」するにしてもアプリはMacにインストールされているわけですし、アクティベーションOFFなんかの仕組みも盛り込まれているのでしょうか。

差し当たりMac App Storeの有償アプリに関しては1ステップだけでは購入に至らないよう早急の改善が必要でしょう。

続報は追って書き込むつもりです。

MacのFront Rowの使い勝手を改善する

Macを買うとさまざまなアプリケーションがバンドルされてきます。本家なのでiTunesも最初から入っていますし、iPhoto(写真管理アプリ)、辞書(国語、和英・英和)、プレビュー(PDF簡易編集アプリ)なども付いてきて、およそ市販のソフトウエア製品を買う機会がないほどです。その点、Windowsはメーカーによってもマチマチですよね。

さて、Macの標準アプリの一つにFront Rowがあります。簡単に言うとMacをApple TVにするアプリでしょうか。Macに保存された音楽やムービーを再生できる他、ネットにアクセスして映画の予告編(米国の)を片っ端から観ることもできます。

Front Rowのアイコン

アプリを起動するとMacの画面が黒くなり、このようにFront Rowメニューが表示されます。一応キーボードでも操作できますが、別売のリモコンを使うとテレビ感覚で使えてとても便利です。

Front Rowの画面

さて、このFront RowはいかにもAppleのデザイン、わずかなリモコンボタンによる簡単メニュー操作で使えて良いのですが、一つ不満がありました。それはiTunesで管理している動画にアクセスできない点です。いや、できるのですが、iTunesで録画番組名ごとに的確に分類していても、 Front Rowではすべて「Movies(ムービー)」メニュー下にフラットにリスト表示されてしまうのです。 そのため何百、何千も動画をコレクションしていると検索が著しく悪くなってしまいます。

で、これがずっと不満だったわけですが、実に簡単な方法で解決できることに気付きました。具体的には以下の通り。

  • Finderで下記のフォルダのエイリアスを作って「ムービー」フォルダ内に入れる。

ミュージック > iTunes > TV Shows

こうするとFront Rowの「Movies(ムービー)」メニュー下に「TV Shows」が現れ、iTunesにおけるテレビ番組管理が忠実に反映されますね。

で、懸案事項を解決できた点は嬉しいのですが、Appleが最初からエイリアスを作っていてくれても良いような話だと思ったりもしました。

過剰品質が自分たちの首を絞めているのではないか説

昨日、会社の人とBiND for WebLiFEをめぐって議論になりました。

BiNDの良い点は、その人が言うには、

  • 見栄えの良いWebページが簡単に作成できること
  • OSやWebブラウザによる見栄えの違いを吸収してくれること

なのだそうです。でも、私にはどちらにも異論があります。

確かにBiNDでは簡単な操作だけで見栄えの良いWebページが作れるのですが、一方でUNDOがろくに機能しないばかりか、ちょっとした操作がサイト全体に波及しかねないため、よくよく慎重に事を運ばないと容赦なく崩れていきます。意外におっかないアプリだったりするわけです。まあ、このあたりはトレードオフですね。地雷を踏まない進み方を体得すれば、無難に目的地に到達できるようになるのかもしれません。

そしてもう一方。確かに世間ではいまだにIE6なんかを使っている人が少なからずいたりします。「IE6は使ってはいけない」はICT界の人には常識でも、それ以外の人は問題とも思っていないわけです。そこで「現実がそうなのだから対応せざるをえない」と考える人も多いと思うのですが、そもそもそれが問題なのではないかと。

具体的にはユーザがIE6で表示しようとしたら、例えばこんなメッセージを出すべきなのだと思います。

IE6をお使いのみなさまへ

Internet Exproler 6は開発元であるMicrosoftによるサポートが終了しており、使い続けるとセキュリティ面での問題が発生することが考えられます。
恐れ入りますが、より新しいバージョンのInternet Exprolerか、他のWebブラウザを使ってアクセスしてください。

そうじゃないと社会が進歩していきません。実際、Yahoo! JAPANのようにこれをちゃんとやっているサイトもありますよね。ならば、まだユーザがいるからとIE6にまでサイトの互換性を確保するのは、IE6を推奨、容認し続けていることになってしまいます。しかも余計な工数をつぎ込んだ上で。これはもう馬鹿げた過剰品質の一例と言えるでしょう。

過剰品質といえば、日本は新幹線をカリフォルニアなどに輸出しようとしていますよね。なんでも「新幹線は15秒単位で運行スケジュールが決められていて、これ以上ないほどの品質を誇っている」のだと。でも、仮にカリフォルニア州がそれほどのシステムを導入してしまったら、運行やメンテナンスにもそれ相当の人員が常時必要となるわけですよね。かの地で日本人のような時間の感覚を持った人を多数雇い続けるのは、果たして現実的なことなのでしょうか。

結局、15秒単位で厳密な運行スケジュールが立てられる鉄道システムよりも、平時はせいぜい15分程度しか遅れなければ御の字と言えるぐらいのシステムの方が好まれるのではないかと。財政難の折り「ハイコストな高性能」よりも「リーズナブルな必要十分」の方が選ばれるのは当然です。

品質の向上に心血を注ぎ、お金をかけすぎるのは、一見美得なようでも、まわりまわって自分たちの首を絞めているのではないかと思った次第です。