電子書籍の時代はまだ来ない

ONE PIECEの電子書籍版を買っていいものか迷っています。いや、自分の中での結論は出ているのですよね。「買ってはいけない」と。

理由は永続性が保障されないから。一度買った作品は半永久的に読めるようであってほしいものですが、現状ではオンライン書店の業者がサービスを停止したらユーザー認証が通らなくなり、本としての寿命が尽きてしまいます。

もし、閲覧の際にユーザー認証を経ない仕様になったとしても、iPadのOSのバージョンが上がって専用のビューワーアプリが起動しなくなれば(Appleは古いAPIを容赦なく切り捨てるので、往々にして起こり得る話)、そのコンテンツは単にメモリ容量を圧迫するだけのゴミデータと化します。

ONE PIECEの電子書籍で言うなら、Yahoo!ブックストアなりBookLiveGALAPAGOS STOREが向こう何十年もサービスを続けてくれればいいのですが、その保障はありせん。もちろん天下のYahooだし、BookLiveやGALAPAGOSにも錚々たる企業が出資、協賛しているものの、あてにはできないでしょう。特にBookLiveやGALAPAGOSは先行き怪しいと思うのですが、その話は別の機会に。

言い換えると電子書籍版は、電子書籍としての作品そのものではなく、業者がサービスを継続している期間中にその作品を読む権利を買うということ。この二つは持ち家と賃貸住宅ほどの違いがあります。

有償コンテンツであってもDRMの掛かっていないePubなりPDFで提供されればいいのですが、多くの有力コンテンツホルダーはDRMがないデータの流通を嫌うのですよね。その考えも解ります。紙の本ならコピーしても品質劣化した紙切れにしかなりませんが、デジタルデータは原本と同じ品質の副製品が作れるので。ePubを所管するIDPFはEPUB Lightweight Content Protectionという軽いDRMを提唱していますが、果たして日本のコンテンツホルダー側が飲めるかどうか…。

これまで「コンテンツが揃わないから電子書籍が普及しない」と「電子書籍が浸透しない内はコンテンツが揃わない」が鶏と卵の関係のように言われていましたが、私が考えるに、一番大きな課題は「固いDRMがなければ提供できないコンテンツホルダー」と「普遍性がないコンテンツはおいそれとは買えない消費者」の利益相反をどうやって解消するか。有効な策がないままコンテンツの数が増えても状況は大して進展しないでしょう。音楽のように有力な書籍コンテンツがDRMなしで販売されるようになれば、電子書籍市場も爆発的に拡大しそうなのですが…。

そしてこの先起こりそうなのは、「ある日突然業者がサービスを停止し、せっかく買った電子書籍が無駄になった」という事態に大勢のユーザーが直面すること。この2〜3年の間に電子書籍に乗り出したものの思うように売り上げが上がらずにギブアップを余儀なくされるオンライン書店が続出することは大いに考えられます。その際、顧客の購入履歴を別の業者に委譲し、閲覧環境の互換性も確保されればいいのですが、そうなるかは解りません。

まあでも、それが有望な解決策かなとも思います。つまり、買収に次ぐ買収で資産を漏らさず継承しながらオンライン書店が大手の2〜3社に集約されれば、DRMが掛かっている電子書籍コンテンツも安心して買えるようになるだろうと。委譲、移行がスムーズに行われれば、ピンチを絶好のチャンスに変えることもできましょう。

ユーザーにとっては選択肢が限らて寂しくなるものの、言わば都市の再開発みたいなものかと。駅前の特色のない個人商店が役割を終える一方で、郊外の大型ショッピングモールが需要の大半を吸収するような流れと同じですね。

とは言え、中小の業者もあらゆる手段を用いて必至に生き残りを図るので、諸外国はともかく日本では本格的な電子書籍の時代の到来はまだまだ先だと私は見ています。何年かの後、皮肉にも果敢にチャレンジした業者の大半が倒れ、礎となった暁に、ようやく花開くのではないかと。

ダイビング用のちょっとした便利グッズ

100均でこのコップを買ってみました。

シリコーン折りたたみコップ
シリコーン折りたたみコップ もちろん100円商品です

引き伸ばすとこんな感じ。

シリコーン折りたたみコップを展開したところ
シリコーン折りたたみコップを展開したところ さすがに材質はアウトドアショップに売っている本家よりかなり安っぽいけど必要十分

で、何に使うかというと、ダイビング前にバイオフィルターに水を充填するときの水受けです。専用の注水ボトルに水を吸い上げやすくなるよう、いったんコップに注ぐと。海の現場ではマグカップの類いがあるとは限らないので。これなら使わないときはぺったんこになるので荷物に忍ばせておくのも楽だし。

安価なフルHD水中ビデオカメラ

先日、SONY NEX-5用の水中ハウジングを発売したサンコーが今度は水中で使えるHDビデオカメラを発売しました。21,800円(税込)。

20M防水FULLHDビデオカメラ

手のひらの中に収まるサイズなので、例えばダイビングショップのガイドスタッフがサービスで水中内外での映像を撮るなんて使いかたにはもってこいかも。

20m防水とは微妙な感じですが、実際はどうなのでしょうね。控えめにうたっているだけで30mぐらいまでいけたりするのかな。20m(3気圧)より深く行った途端に破壊されるなんて造りにできるなら、そちらの方が感心しますし。昔の潜るんです!みたいに深場にいくとボタンが押せなくなるけど壊れたりはしないとかかな?

それにしても、サンコーにはダイバーはいないのでしょうね。それほど防水性を強調していながらサンプルムービーには水中の映像がないので。だったらテストモニターでも募集すればいいものを。「実機一式を1週間貸すので、合計10分以上の動画を撮ってYoutubeにアップすること」とかって条件を付けて。

まあ、そこはいかにも気合いの入っていないサンコーのこと。これのための人件費や手間ひまは発生させず「21,800円なので、人柱感覚で買ってみて」ってなもんでしょうかね。

防水でコンパクトなフルHDビデオカメラの新製品としてはSONYのHDR-GW77Vがあるものの、こちらはお値段が5万円以上する上、水深5mまでの防水耐圧なのでダイビングで使うには別途水中ハウジングも必要になります。

うん、SONYのHDR-GW77Vは川遊びやシュノーケリングの用途向きですね。

だったら、ダイバーはいっそのことフルHD動画撮影が可能なコンパクトデジカメにした方が懸命でしょう。

私の現時点のお勧め機種はこれ。 アフィリエイト広告を貼ってみたものの、辿ってみると実売価格はもっと安価ですね。 Amazon、横着しているなぁ。

カメラ用フロートが届いた

個人輸入したカメラハウジング用のフロートが届きました。

商品$40に対して送料$35。微妙な感じだけど、まあ日本では流通していないようなので。

商品の内容物セット
内容物一式。一番奥はインドネシアのレンベの紹介カード

フロートのブロックは写真だとふわふわなスポンジにも見えますが、実物はけっこう固い素材で出来ています。まあそうじゃないと水圧に潰されますからね。

さっそくハウジングに装着してみました。

フロート装着例
フロートの装着例

フロートの奥行きは52mm。この通り105mmマイクロレンズ(マクロレンズ)用のレンズポートにぴったりサイズ。60mmマイクロレンズとかだと奥まってしまいますね。ならばクローズアップレンズの脱着は面倒になるかも。

ああそうだ。これによりストロボはレンズポートのすぐ横に持ってこられなくなりました。なので、ちょっと狭いところにカメラを突っ込んで撮る際は、フロートを外す必要がありますね。

さて、一番重要なのは水中でのバランス。さっそく今週末、沖縄で試してくるつもりです。

円高なので

また為替が円高に振れてきましたね。差し当たりギリシャが絶食療法的な緊縮路線を受け入れる決断をするまで歯止めはかからないかも。ギリシャとてよもや世界中を巻き込んで無理心中を決め込むようなことはないと思うのですが。仮にユーロを離脱すればハイパーインフレでもって緊縮政策のときよりも苦しくなるのだし。

sx-fb10
マクロポート用フロート

さて、我々庶民はこんなときには輸入品を買うのがよかろうと。今回は前々から欲しかった一眼レフの水中カメラ用フロートを個人輸入することにしました。

マクロレンズポートに巻いて浮力を稼ぎ、水中重量を軽減する製品です。これがあれば片手撮りも楽になるでしょう。ネットで探したのですが国内での取り扱いが見つからなかったのですよね。

購入先はいつも水中動画を楽しませてくれているBackscatter(カリフォルニアのダイビング用映像機器販売店)にしました。「日本にも送れるか?」と訊いたら大丈夫ってことだったので注文。商品が$40、送料が$35とのこと。クレジットカードの請求日のレートを80円と仮定して6,000円。この勢いだともっと安く買えるでしょう。さすがに使用感は実際に海で使ってみないと解らないものの、まあ良い買い物になったと思っています。

で、もう少し円高が進むようなら今度はダイビングコンピュータを輸入しようかな。今のダイコンはそろそろ電池が切れそうだし、やっぱり輸入品だから安価に電池交換できるかが怪しいので。