ダイブビズショー2012リポート

ダイブビズショー(DIVE BIZ SHOW) 2012に行ってきました。ちなみに私は前身のダイビングフェスティバルの頃から10年以上かかさず見学しています。いやぁビッグサイトでさんざん酒が飲めた昔が懐かしい。あの頃は八重山ブースで泡盛を振る舞われ(くっと空けると気前よくお代わりをくれた)、メキシコブースでテキーラをご馳走になり(私の頭を両手で持って笛を吹きながら振ってくれた)、午前中からご機嫌になれたのですよね…。

さて、一通り回った中から抜粋して紹介しましょう。

INON

発表されたばかりの「WP-DC43」の他にも強力なクローズアップレンズ「UCL-100LD」が展示されていました。

UCL-100LD

例によってカメラを選ぶようですが、UCL-165よりもさらに大写しにでき、かつ収差も見られないという説明でした。ちなみにCanon PowerShot S100はOKな機種です。夏前には発売されるでしょう。

比較写真(UCL100LD & UCL-165)
左がUCL-100LD、右はUCL-165を使って撮影

他にもワイドコンバージョンレンズの新製品が置かれていました。 こちらのディスプレイは半ばお遊び。アームの新製品の拡張性の高さをアピールしています。

カメラセットのディスプレイ
クジャクのオスみたい。実用性は…

そして壁に貼られていたポスター。

ポスター
悪ノリっぽい強引すぎる構成ですがメガフロートアームのおかげで片手でも楽に持てるのだとか。 重さは感じなくとも水の抵抗はすさまじそうだけど…

なお、INONのスタッフには「フロートアームやストロボに装着できる浮力調整用パーツを出してくれ」とリクエストしてきました。太いフロートアームだとストロボ位置の調整に制約が出るという話をして。例えばマシンガンの給弾ベルトみたいなものにエアカプセルをいくつか装填して浮力を細かく調整できるといいですよね。

SCUBAPRO

展示されていたJET FINのストラップが見慣れないものに。カバーに通したスプリングになっています。訊くと今後JET FINはすべてこれに置き換わるそうです。

新型Jet Fin
Jet Fin(中央)のストラップがラバーからスプリングに変更されています

なお、スタッフには、JET FINのスプリングストラップのメンテナンスがしやすくなるよう「ストラップの付け根のパーツはボルト締め仕様に替えてくれ」とリクエストしておきました。 また、見慣れないダイブコンピュータの新製品も展示されていました。

MERIDIANダイブコンピューター
MERIDIAN

FLコーポレーション

今年の新製品(?)は「マイフレックス・エクストリーム・ホース」。いわゆるフレックスタイプ。軽い上にしなやかなのでスーツケースに詰める際も楽ですね。

マイフレックス・エクストリーム・ホース
袋もジップロックとして再利用できるそうな

レギュレータ用8色、BCD用8色、オクトパス用10色(黄色が2種類加わります)とのことでした。これ良いですね。ホースの交換タイミングで買おうかな。

なお、ダイブコンピュータのZOOPにはオレンジモデルが追加されていました。海外では少し前から売られていたものが日本でも発売されるようです。

Zoop(オレンジ) SunFun

柔らかく、かつヘビーデューティなドライスーツが新発売になるそうです。アメリカ海軍や韓国軍が採用しているのだとか。

Sanfanのドライスーツ

また、ウェットスーツは山本化学工業(生地メーカー)の社長いわく、従来品と比べて40%暖かいそうで。本当かどうかは解りませんが。

Sanfanのウエットスーツ

Sea&Sea

ホームページで予告されている新型ストロボYS-D1は2色展開でした。

YD-D1

なお、RICOHのデジカメ向けハウジングを5月ごろに投入するようです。単焦点カメラですが水中撮影用ならそれもありですね。

MDXハウジング

村上商事

アクアペイントを初めて見たのが昨年のダイブビズショウだったのですが、今年の面白グッズはこれ。

安全祈願の鈴とタンク
安全祈願の鈴とタンク

Epoque World

LEDライト。コンパクトな1,000ルーメン機が18,000円ぐらい。悪くないです。

Mod.EL-1000L HP

このメーカーはイマイチ信頼できませんが、ここまでコモディティ化した製品なら買っても良いかも。

MOBBY’S

またもやすごい色のウェットスーツが混ざっていますね。

MOBBY'Sのウェットスーツ

Fisheye

NEX-7用のハウジングが出ていました。

NA-NEX7

先週家電量販店で触ったときは気付かなかったのですが、NEX-7のEVF(電子ビューファインダ)は横にパンすると画像が流れますね。わずかに遅れて表示される感じ。被写体に向けてから覗けば気にならないものの、EVFを覗いたままカメラを動かしたときは像が気持ち悪いです。ハウジングのせいではないけど、NEX-7のEVFの反応速度にはちょっとガッカリ。けっこう高いカメラなのに。

他にも、同社が扱っている新しめのハウジングとライト類は一通り展示されていました。

ワイドはどうしよう

私はマクロ派ダイバー。自身の好みで行くときはマクロが充実した海、その指向性の強いショップを選びます。

とは言え誰かに誘ってもらったとき、ショップツアーに参加するとき(誰かのお別れツアーなど)、あるいは仲間の誰かからのリクエストを受けてプランを立てるときはその限りではありません。前回のようにマブールに潜りに行ったら予想外にシパダンの日が多かったりということも…。

現状、マクロを捨てて潜るときはSONY CyberShot HX5VをSeatool製ハウジングで使っています。2年前の同社最上位機種なので性能的に特に不満はありませんが、せっかくの海でNikon D7000を寝かせておくのも。私のNauticam制ハウジングではカメラをセットしたまま簡単にレンズを交換できますし。

HX5Vで撮ったバラクーダのトルネード
HX5Vで撮ったバラクーダのトルネード HX5Vで撮ったバラクーダのトルネード。どうにも面白みが乏しい…

そこで追加レンズの選択肢を物色してみます。

まず、ズームレンズは却下。私にとっては中途半端な代物なので。そもそも海の中だとストロボ光は1mかそこらまでしか届かないわけで、被写体を発色良く撮ろうとすれば近寄るのが鉄則。光が届きにくい以上、ズームをかければ鮮明さが失われるの水中で高倍率ズームは無用です。十分に寄った上でのズームなら有効ですが、それだったらマクロレンズの方が何かと有利ですし。

しかもズームレンズでは撮影倍率が1/3以下(多くのズームレンズではそれ以下)に小さくなります。ならば効果的なのは大きな魚の全身を入れたいときぐらいでしょうか。あるいは水中での記念撮影か。でも、そんな用途ならコンデジの方がよほど取り回しが良いわけです。わざわざデジイチでコンデジ風の絵を撮っても…。

ということで、海用にもう一本レンズを選ぶならやっぱりフィッシュアイ系ですね。当然ながらズームレンズよりもさらに広範囲を写せてダイナミックさを追求できますし、マクロレンズ以上に被写体に接近して撮れるのでワイドの海でも壁面に寄れたり安全停止を兼ねて棚上で時間を使う際にワイドマクロを楽しめます。被写界深度がきわめて深いので、ピントのことを気にせず絵作りに集中できますし。

目ぼしい候補はこちらの二つ。

  • Nikon AF DX Fisheye-Nikkor 10.5mm f/2.8G ED


Nikon AF DX Fisheye Nikkor ED 10.5mm F2.8G ニコンDXフォーマット専用

  • SIGMA 10mm F2.8 EX DC FISHEYE HSM

 
シグマ 10mm F2.8 EX DC FISHEYE HSM デジタル専用 ニコン用

どちらも似た仕様で実売価格も同じぐらいですが、撮影倍率はNikonが1/5でSIGMAが1/3.3。マクロ(大写し)指向の私にはSIGMAの方が良さそうです。 ならば次に決めるのはレンズポート。3通りある中で最も安いのがNA 200ドームポート(59,850円)とNAエクステンションリング(13,650円)の組み合わせ。

8.5' fisheye dome port #18802(NA 200ドームポート)
NA 200ドームポート
Extension ring 10(NA エクステンションリング10)
NAエクステンションリング10

私はワイドには大してこだわりがないので、これで十分です。

でも、レンズと合わせて15万円コース。いつになったら買えるかは解んないや…。

NEX-7用とV1用の水中ハウジング

歳の瀬になってFisheyeのサイトにNauticam製SONY NEX-7用とNikon 1 V1用の水中ハウジングのページがアップされました。

NEX-7用の方は海外の水中写真系サイトでちらほら見かけていたものの、V1用は私は初めて見ました。共に1月25日発売となっていますが、まあNauticamのことなので数ヶ月遅れるでしょう。

v1ハウジング

V1ハウジング(デフューザー装着)気になるV1用水中ハウジングの仕様ですが、アクセサリーポートから発光信号を横取りするのではなく、カメラに装着した外付けストロボ(スピードライト)の光をスルーさせるようです。筐体が大きくなるものの、コストが増す余計な回路や発光部を増やさない判断をしたようで。そのためハウジング単体でも接写なら外部光源なしで撮れますが、この通りデフューザー(拡散版)はやたらと大きくなってしまいました。

まあそれ以外はいたって普通の造りですね。ビューファインダの窓も液晶モニタ用との一体型。マスク越しにちゃんと覗けるかは解りません。

かつては「水中カメラといえばNikon」だったのでNauticamがV1用の水中ハウジングを出すのは予想通りでしたが、果たしてそれが報われるかは疑問です。なにしろ対応レンズがまったく出そろっていないので。マクロレンズが追加される頃には後継のV2が発売されているなんてことは十分にありそうで…。

対応水中ハウジングが出るといってもV1は現時点ではダイバーにはちょっと勧め難いカメラです。

NauticamがSONY NEX-7用水中ハウジングをアナウンス

香港の水中ハウジングメーカーNauticamがSONY NEX-7用の水中ハウジングを開発中だそうです。SONY向けにはNEX-5/5N用も出しているので順当でしょう。

そしてこのNEX-7用は、現時点のミラーレス機用ハウジングとしては最高峰となりそうです。

注目は背面パネルの仕様。 NA-NEX7ハウジングのCAD画像(背面)

まずはLCD/VFの切り替えレバーがある点に注目。コンパクトデジカメがよりパワフルなデジイチよりもバッテリーの持ちが悪いのは主に液晶画面をファインダ代わりに使うため。ならばファインダを持たないミラーレスカメラも同様です。

私が使っているデジイチのNikon D7000はフラッシュを焚きながら600枚ほど撮影してもバッテリーは余裕で残っています。つまり2日間6ダイブぐらいならバッテリの充電は不要です

水中で使う以上、ハウジングを開け閉めする機会は減らしたいのでバッテリーの消耗は抑えたいところ。NEX-7のビューファインダは電子式ですが、それでも大きな液晶画面よりは圧倒的に費電力が少ないはずです。

NEX-7単体ならビューファインダに目を近づければ自動的に液晶画面がOFFになるもののハウジング越しではそのセンサーが効かないので、ビューファインダと液晶画面のどちらを使うかを手動で切り替えられるのはあり難いです。

また、ビューファインダに当たる部分には丸い筒状のパーツが仕込まれています。詳しいことは書かれていないものの、仕様には

Optical correction for electronic viewfinder.

とあるので、同社のスーパービューファインダ(視度が調整できる)同様とはいかないまでも、拡大レンズにはなっているのかな。そしてマスクのガラス面にピッタリくっつければ明るい水中でも表示が見づらいなんてことがありません。

ちなみに同社のPanasonic Lumix GH2用ハウジングはビューファインダと液晶画面の窓が一体でした。 NA-GH2ハウジング(背面)

逆にNEX-7用ハウジングで気になる点は以下の通り。

  • アクセサリシューがレンズポートの中心点からズレている
  • ビューファインダもレンズポートの中心点からズレている
  • 対応マクロレンズが30mm(35mm換算で45mm相当)しか用意されていない

すべてNEX本体側の都合ですね。

2番目に関しては、ひょっとしてビューファインダを左目で覗くとレンズポートがちょうど顔の中心に来るのかな。だったら慣れればかえって使いやすいかも。もちろん人一倍顔が大きかったり平均よりずっと小顔の人には当てはまりませんが。

NEX-7用ハウジングの売価は$1,850。同社製他機種のレートからして日本では定価19万円ぐらいかな。レンズポートやハンドルグリップ類を入れると25万円コース。まあ本体13万円(私のD7000よりもかなり高価)のカメラを買う人なら周辺機器への投資もケチっちゃいけませんよね。

それと発売日は1/15とのことですが旧正月が近いのでどうなることやら。なにしろNauticam社では今年の旧正月明けに多くのスタッフが出社してこなかったそうで…。

Nauticam NA-D7000Vには驚いた

DEMA Show 2011にてNauticamが水中ハウジングの新製品NA-D7000Vを展示していたようです。よもやNikon D7000用のハウジングを新たに投入してこようとは。これが予告されてた「三つの新製品」のうちの一つですかね。

Nauticam NA-D7000V(1)

Nauticam NA-D7000V(2)

Dive Photo Guideから転載

私も愛用している前作NA-D7000ハウジングとの違いは以下の通り。

  • 十時ボタンの真ん中とInfoボタンが黒→赤
  • 十時ボタンと録画開始ボタンの位置変更
  • ブラケットの搭載
  • メインコマンドダイヤルの位置
  • HDMIケーブル対応

まず、ボタンの色や位置はどうでもいいです。ブラケットの搭載も同様。そうまでしてハウジングとハンドルを固定しなくても撮影には差し支えなさそうなので。 でも、メインコマンドダイヤルの位置変更は羨ましいかな。NA-D7000は背面側についていたので右手親指は回転運動を強いられたのですが、D7000Vでは上面になったので親指を左右に動かすだけで操作できます。つまりカメラ本体のメインコマンドダイヤルと同じです。最初からこうしてくれてたら良かったのに。

そして何といってもHDMIケーブル対応が目玉。要するにより大型かつ高精細な外付けモニタを繋いでNikon D7000をフルHDの水中ビデオカメラとして使おうという狙いですね。こんな感じ(↓)で外部モニタと接続するのでしょう。

Nauticam NA-D7000V(3)
モニタのハウジングとGH2用ハウジングの新製品。 「NA-GH2V」ではないの?

なるほど私のD7000用や他のNauticam製ハウジングにも謎のボルト箇所があるのですが、始めからこういう使い方を想定していたのですね。さすがだ。 確かに一眼レフでの動画撮影は昨今のトレンド。先日はCanonから「4K一眼レフビデオカメラ」とでも呼ぶべき新機軸の製品が発表されましたし。 もっとも私のD7000は105mmマイクロレンズ仕様にしてあるのでとても動画を撮る気にはならないのですが(三脚でも使わないと手ブレが増幅されるはずなので)、なるほどプロならそもそも撮影技術が高い上、海中に三脚を立てるのもありでしょう。もちろんワイド系のビデオ撮影にも十分使えそうです。

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DEMA Showのリポートへのリンクを以下に張っておきます。

DEMA Coverage- Day 1

DEMA Coverage- Day 2

DEMA Coverage- Day 3

DEMA Coverage- Day 4