ポンポン島殺人事件の影響

私たちがシパダン(宿泊はマブール島)に行く6日前の11月15日未明、マレーシアのポンポン島にて謎の武装勢力(一説ではフィリピン系イスラム過激派とも)がリゾートに侵入し、台湾人ご夫婦の夫を射殺し奥さんを拉致する事件が起きたそうな。最初から台湾人を狙ったのか、たまたま台湾人だったのかは不明です。その後、奥さんがどうなったかも解りません。せめてどこかで開放されていればいいのですが…。

そういやシパダン・マブールの海域では、昔から稀にこの手の話が聞かれますね。その度に短期的に渡航禁止になっていたような…。

そのポンポン島はマブール島からボートで1時間弱の距離にある島。さしあたりポンポン島および周辺のリゾートでは警備体制が厳しくなっているとの話でしたが、シパダンウォータービレッジでは微塵も感じませんでした。

マレーシア海軍兵?
かつてのカパライで見かけた光景。今回はまったく見かけませんでした

タクロバン空港壊滅。もはやサウスレイテダイビングは絶望か…

台風30号の爪痕はすさまじく、レイテ島のタクロバン空港が壊滅状態のようですね。悲しいです。

壊滅したタクロバン空港
こちらはmsn産経ニュースから拝借した写真

一昨日も書いたけど、タクロバン空港はサウスレイテに潜りに行く際に利用します。私も過去2度使いました。今回は道路が冠水したどころではなく、大津波の被災地と同様、鉄筋の建物以外が消え失せています。

大雨で車が通れないほど冠水するのだから極端な高潮には耐えられませんよね。もちろんフィリピンの地方都市だから粗末な家屋も多いけど、比較的頑丈な建物すらやられているので、とてもそんなレベルじゃなかったわけだ。

在りし日のタクロバン空港
2011年3月の様子。タラップから撮影。ターミナルまでは歩きです

空港の元の姿はこんな感じ。奥の緑屋根の建物がターミナル。それが上の写真のような無残な姿に…。

建物の内装はこの通り簡素な作りでした。

かつてのタクロバン空港の内装
そりゃ、風速90mの突風ともなるとひとたまりもないやな…

慎んで犠牲者のご冥福をお祈りするとともに、人々の生活基盤の早い復旧を願ってやみません。託せる募金活動が始まったら微力ながら私も支援させていただきます。

大物狙いの海なので私は行ったことがないけど、セブ島北端のマラパスクァもこっぴどくやられたという話も聞かれます。被害が小さければ良いのだけど…。

さて、気になるのはダイビングサービス。「こんなときに遊びのことを考えるな」と言われるかもしれませんが、サービスを提供してくれてきた人々の生活もあるので。

ジンベエザメスイム(餌付けされていない)で有名なサウスレイテは被害は少なかったようですが、タクロバンの空港も街も壊滅したわけだから、もはや陸の孤島状態です。島外からのダイビング客を迎え入れるどころの話ではないはず。

サウスレイテのジンベエザメ
サウスレイテのジンベエザメ

仮にセブ島からオルモック(タクロバンよりも西の港町)へのフェリーが出たとしても、道路には瓦礫があふれ、道中でガソリンの給油もままならないとすれば、サウスレイテのソゴッドベイまで辿り着けませんよね。サウスレイテに大型フェリーも着けるような港はあるのかな…。

いずれにしてもレジャーで行くには無理があるので、彼の地の多くのダイビングおよびジンベエスイムは閉鎖を余儀なくされるかもしれません。とても残念です。

ニチリンダテハゼ

プロ野球の日本シリーズ、東北楽天ゴールデンイーグルスが讀売巨人軍に勝利しました。楽天市場のセールが楽しみだ。

正直、楽天がそんなに強いって印象はないのだけど、ぶっちぎりでリーグ優勝したジャイアンツを倒したのは、もうセパの実力差が大きく開いてるってことなのでしょう。

実際、セリーグは「讀売巨人軍と愉快な仲間達」みたいなもの。どれだけ負けても2部リーグに落ちることもないし「10年で5回は巨人が優勝」なんて構造を続けていればそうなるのは当然です。


アニラオのニチリンダテハゼ。例によって遠目からにじり寄りながらのアプローチ。

ニチリンダテハゼ
まずは遠めで1枚。背びれが立っている瞬間を狙うのが定石です
ニチリンダテハゼ
ハゼの様子を見ながら少し近寄ってもう1枚
ニチリンダテハゼ
さらに近寄って撮影。これが最短距離かな
ニチリンダテハゼ
寄りすぎてしまうとこうなります。レンズの先から13cmぐらいかな。 ピントが目の後ろに行ってますね

ロングノーズホークフィッシュ

今年は台風が容赦ないですね。10月も後半だというのに27号が発生。伊豆大島などに大きな被害をもたらした26号と似たコースを辿ると見られます。

しかも21日の時点で中心気圧が925hPaという予想。日本への最接近がその2〜3日後なので910hPaなんて強烈な台風が襲うやも。まだ先日の大雨で地盤が緩んでいるだろうし、コース次第ではまたもや甚大な被害をもたらしそうです。

さらには太平洋の海水温が高いので、これで打ち止めでもなさそう。事実、マリアナ諸島の付近では28号の卵が産まれようとしています。

地球温暖化や海水温の上昇傾向が進んでいる以上、毎年こうなるのでしょうかね。たまらんです。


アニラオのクダゴンベ。英名はLongnose hawkfishというそうな。

クダゴンベ
構図はこちらの方がいいけいど…
クダゴンベ
写りはこちらに分があります

赤いチェック柄が人気のこの魚、アニラオではかなり接近できました。この通り、尻尾が画角から見切れているし。

一緒に潜ったタンク数70本ぐらいの男性が容易に見つけるものだから、船に上がって「名人ですね」と話しかけたら「前回同じとこで潜って居場所を覚えてた」だそうな。そう、彼はパシフィコアズールリゾートの常連さんでした。

アニラオの海の印象

台風27号、日本への最接近は来週半ばだと思うけど、その頃には920hPaなんて凄まじい勢力になっているやもしれません。みなさんお気をつけください。


日が経って忘れない内にアニラオの海の印象を書いておきます。

台風のせいでコンディションは万全からはほど遠かったものの、一定の感想を得ました。ひと言で言うなら「魚がすれてない」でしょうか。

例えばジョーフィッシュ。ソンブレロというダイブサイトのオリビアシュリンプがいる岩窟の左隣には砂地のスロープがあり、ゴールドスペックジョーフィッシュが1匹生息していました。

ゴールドスペックジョーフィッシュ
ゴールドスペックジョーフィッシュ。 思いっきり寄れるもんだから近寄りすぎてピントが向こう側の目にいっちゃいました

フィリピン人ガイドのニックさんがおもむろに近寄っていったと思ったら、巣穴から頭を出していたジョーフィッシュの喉元に人さし指でちょこんんとタッチ。するとジョーフィッシュが飛び出して近くの別の巣穴にお引っ越し。

ゴールドスペックジョーフィッシュ
あっさりと全身をさらしてくれます

ニックさんが元の穴を石で塞ぎ、もう一度タッチ。するとまた別の穴に移動します。

二番目の穴も塞いで三たびタッチしたら、ジョーフィッシュは最初の穴を塞いでいる石をくわえてどかそうとしました。もちろん全身はさらけ出した状態です。

これが他所のジョーフィッシュなら、人間が近寄っていくだけで穴の奥に後ずさりして潜ろうとするのですが、ここのは緊張感というか警戒感が薄いですね。

ゴールドスペックジョーフィッシュ
頭から撮るとなかなかシュールです

アニラオはダイビング向けにフィリピンで最初に開拓された地だと聞いていたものの、何十年もダイバーが入っている割に、魚達がすれていませんね。あるいは人馴れしているのか。ピグミーシーホースも浅い海にいるし、クダゴンベなんかもけっこう寄らせてくれました。

海況のベストシーズンは3月から5月でベタ凪だそうな。その頃にもう一度行かなければと思わせてくれるだけのポテンシャルを持った海でした。