太陽系第9惑星

カリフォルニア工科大学の天文学者が太陽系第9番目の惑星が存在する証拠を発見したそうです。その可能性は昔から語られていたけど、いよいよ確かなことが確認されるときが来るのかも。楽しみです。星の名前は何になるのでしょうかね?

9th-planet of solar system

ちなみにかつてこの惑星の存在を描いたSF漫画もありました。星野之宣さんの名作『2001夜物語』です。

劇中に登場する第10番目の惑星(当時はまだ冥王星が惑星だった)は唯一逆方向に公転しており、何と反物質で構成されていました。よって我々の世界のあらゆる物質(常物質)と接触すると核爆発すら及ばないすさまじい爆発が起こります。

この神に刃向かうようなまがまがしい星は天王星、海王星、冥王星に続いて魔王星(ルシファー)と名付けられ、この魔王星の発見と反物質のコントロール技術の獲得により、人類は遂に外宇宙に繰り出すためのエネルギーを獲得します。

未読の方には是非お勧めしたい名作です。

九州佐賀国際空港

1月16日、有明佐賀空港の名前が九州佐賀国際空港に変わりました(以降「佐賀空港」と表記)。

九州佐賀国際空港

国際空港とは大きく出たな。まあ国際線が飛んでいるわけだから、そう名乗っても良いでしょう。まだ上海便とソウル便だけだけど。

佐賀空港は1998年に開港したものの永らく微妙な存在でした。なにしろ交通の便が悪く福岡空港の方が都合がいい佐賀県民も多いぐらいだし。でもようやく活躍の場が与えられつつあるようです。LCC空港化によって。

そう、福岡国際空港がレガシーキャリア中心、佐賀空港はLCCという棲み分けでいいと思います。佐賀空港は主に中国や東南アジアからのインバウンドを受け入れると。

ちなみに佐賀空港からは福岡市、長崎市、熊本市、そして佐賀県内の武雄、唐津、嬉野といった温泉地に車でそれぞれ100分以内で行かれるので、多方面への観光客需要を見込んだ外国のLCCにとっては福岡空港に就航するより魅力的かもしれません。

佐賀空港の展開計画
YOMIURI ONLINEより
なお、佐賀空港では今後も路線の拡充を画策しているのだとか。個人的には東南アジア路線に期待しています。セブパシフィック航空かフィリピン航空傘下のPALエクスプレスのマニラ便が就航してくれる嬉しいです。

というのも私は今は神奈川在住だけど実家が福岡と佐賀の県境にあります。そして五輪後の東京圏は高齢者の増加で急速に住みにくくなるので頃合いを見計らって帰りたいと思っています。大都会の成れの果てのくたびれた東京圏に居続けるよりも、福岡経済圏に身を置いた方が快適に暮らせそうなので。でもその後もフィリピンにはダイビングに行くだろうから、空路の選択肢が増えてくれればありがたいなと。実家からは福岡空港の方が近いのだけど航空券が安ければ佐賀空港を使うのもいいなぁ。

スネイプ先生死去

ハリー・ポッターの映画シリーズでセブルス・スネイプを演じていたアラン・リックマン氏が死去しました。リックマンは劇中で最も複雑な背景と秘密を持つ人物を見事に演じていました。ご冥福をお祈りします。

でも私にとってはスネイプ先生よりも前のこちらの方が印象深いかな。

Galaxy Questの1シーン
Galaxy Questの1シーン

Galaxy Questのアレクサンダー・デーン及びドクター・ラザラス役です。二役あるのはこの映画が劇中劇だから。

リックマンは劇中に存在する往年のテレビ番組『Galaxy Quest』でドクター・ラザラスという異星人役を演じたアレクサンダー・デーンという俳優という、これまた面倒くさい設定です。もちろんGalaxu QuestはStar Trekのパロディなので、いわばミスター・スポックを演じたレナード・ニモイですね。

しかもデーンはテレビ放映の終了から何年も経っているのに、ラザラス役でファン交流イベントに引っ張り出されることにウンザリしていて、特に決まり文句の「By Grabthar’s Hammer, you shall be avenged!(グラブザーのハンマーによって、お前は復讐されるのだ!)」を忌み嫌っています。

ちなみに映画の方のGalaxy Questは、テレビ番組を歴史的ドキュメンタリーと信じ込んだ異星人に救援を求められ…。

とにかく愉快なので、リックマンのファンならずとも一見の価値ありです。Amazonでは品切れだけどTSUTAYAで借りられるでしょう。

東京はやっぱり狂ってる

wordpress-logo今年11月、築地市場が豊洲に移転します。問題山積みらしいけど。

なお、築地の跡地は五輪まではバスターミナルとして利用し、その後にスタジアムやショッピングモールに再開発する建設計画がていますね。なんと愚かしい。スポーツ報知が報じたってことは巨人軍も東京ドームから移転させたいのか。

でもその頃の東京圏には後期高齢者が175万人増加しており、65歳以上の人口が26%も占めると予想されています。まあ足らないからとわざわざ銀座に介護施設を作る必然性は薄いので商業的な再開発自体は否定しないけど、大規模な介護施設はどこかには建てなきゃいけないわけで、もっと先に検討することがあるはずなのに。

結局、商業効率が最優先で金儲けには熱心だけど福祉はそっちのけ。こんなことだと団塊世代が皆後期高齢者となる2025年頃の東京圏では介護離職者が大勢出ていることでしょう。

東京消滅

東京消滅―介護破綻と地方移住

増田寛也元岩手県知事の新著『東京消滅―介護破綻と地方移住』を読みました。人口統計などに関するデータを元に分析されており、2025年後には東京圏で介護破綻が始まるのだそうな。由々しき事態です。

とは言え、ちょっと論理的におかしいと思う箇所もあります。何だか東京圏の高齢化問題を、どうにかして地方の問題に拡大解釈しようとしているような。

例えば表紙をめくった折り返し(ONE PIECEなら尾田栄一郎さんのジョークが載っているところ)にはこのようにあります。

若者の集まる街、東京。そんなイメージは過去の物になるだろう。2015年から25年にかけて、東京圏では75歳以上の高齢者が約175万人増加する。東京圏には医療・介護施設が不足しており、将来、介護施設を奪い合う事態になりかねない。地方の介護人材がさらに東京圏に集中すれば、「地方消滅」に拍車がかかる。東京発の日本の危機を脱するため、地方への移住を含めた解決策を提言する。鎌田寛氏らとの対談も収録。

途中までは良いけど「地方の介護人材がさらに東京圏に集中すれば」って前提がおかしいでしょうよ。そもそも低賃金の介護士は不人気職業なのだし、その担い手に地方の人材を見込まれてもなぁ。

また、ページiiにもこうあります。

東京圏における後期高齢者の急増は、東京圏における介護人材の需要を著しく高めるが、東京圏だけでその需要を満たすことは不可能に近い。仮に、地方から介護人材を得ようとすれば、これまで以上に大量の若者が地方から流出することになり、結果「地方消滅」が一気に加速する。東京圏の高齢者問題は、地方の存続をかけた問題でもある。

これにも疑問。「東京圏だけでその需要を満たすことは不可能に近い」という理由はP.21に書かれていて、もちろん土地の制約です。東京圏は地価が高いし、そもそも入手可能な土地が少ないから。でも、どうにかして待遇を上げて地方から介護人材を集めようにも受け皿がなくては無理なので、やはり施設の拡充が専決事項。それが解決しない内は「東京圏の高齢者問題は、地方の存続をかけた問題でもある」はずがなく、単に東京圏が介護破綻するだけです。

そしてP.26にはこうも書かれています。

一方、地方の一部地域では、近い将来、高齢者人口も縮小する中で医療・介護需要が減少していくことが見込まれており、地域雇用を担ってきた医療・介護分野の縮小により、人材の東京圏への流出に拍車がかかるおそれがある。

でも、これも穿った見方です。そもそも地方で介護をやっている人は実家があったり家族がいたりしてその地に愛着があるから低賃金でも働けるのであって、「お前ら職に溢れたんだから東京圏に来て介護しなさい」なんて誘いにはおいそれと乗れません。何とか地元に残る手段を探すか、東京に出るにしても家族を養えるように介護よりも待遇の良い別の仕事を探すことでしょう。今後は様々な業種で人手不足が起こるのだし。

増田氏は以前に『地方消滅 東京一極集中が招く人口急減』を出したものだから、強引でも地方が消滅する方向に話を持っていきたいのでしょうかね。元岩手県知事といっても東京都出身だし。

なお、彼は日本創生会議の座長でもあり、「東京圏高齢化危機回避戦略」として高齢者の地方移住を提言しました。一部から「姨捨山」などと揶揄されたあれです。そりゃそうでしょう。名指しされた地方にしてみれば「東京圏の尻拭いのように、要介護高齢者を押し付けられても…」って気にもなります。これまで地方の過疎化、高齢化を尻目に一極集中の恩恵をさんざん享受しておきながら、いざ東京に危機が迫ってきたら地方にも分担させて希釈しようという魂胆が透けて見えるので。つまるところ彼はどこまでいっても東京目線、東京優先の人なのでしょう。

ちなみに私の予想は増田氏の言い分とは逆です。いや、東京の介護破綻は確実に起きるけど、それで地方が消滅することはなく、むしろ急速に暮らしにくくなった東京圏に見切りをつけて地方に本社を移す企業や東京を避けて起業する人がポツポツ出てくるのではないかと。そう、率先して移住するのは要介護の高齢者ではなく主に現役世代とその家族です。誰だって希少な医療機会を高齢者と奪い合うような生き方はしたくないだろうから。他にも保育所が足らない待機児童の問題もあるし。

とはいえそうして移るのはほんの一部。潤うのも中堅都市の中心部ぐらいだろうけど。