Nikon D7000の拙い仕様を見つけてしまった

沖縄でのダイビング中にNikon D7000カメラを水中写真用に使う場合の拙い仕様を見つけてしまいました。いや、何もD7000に限った話ではないのかも。

この日の3ダイブ目の早々にカメラに挿したSDメモリカードの一枚が不調になり、以後は撮影とプレビュー表示ができなくなってしまいました。コノハガニやキンチャクガニなど私がぜひとも撮りたかった生きものがたくさんいたというのに…。

D7000にはSDメモリカードを二枚挿入できます。そのため私はカードスロット1に大容量のSDHCカード、カードスロット2にEye-Fiカードを入れて使っています。撮った際、RAWとJPEGの両方を作り、一枚16MBのRAWファイルをSDHCに、軽いJPEGファイルをEye-Fi振り分けて保存すると。こうしておけば水中ハウジングを開けることなく写真をiPadに転送できるので。でもそのEye-Fiカードがエラーを起こしたわけです。そしてD7000は片方でもカードがエラーになるとカメラとしてはお終いになるという仕様。

これが陸上ならエラーカードを取り出すだけで解決します。必ずカードを2枚挿さなければならないわけではないので。でも水中ではそれができません。

もちろんエラーを起こしたのはカメラ本体ではなくEye-Fiカードなわけですが、SDカードの故障なんてことは十分にありうる話。それに引きずられてカメラが撮影不能になるというのはいかがなものかと。

というわけでNikonには、カードスロットを複数持ったカメラなら、エラーのカードを見捨てて生き残っているカードのみを使って撮影・保存を続けるようにしたファームウェアをリリースしてくれるよう、要望を出してみるつもりです。

超・初心者向け『デジイチ水中写真 虎の巻(3) 撮る』

<<前回(超・初心者向け『デジイチ水中写真 虎の巻(2) モード設定)』

いよいよ撮り方のコツです。合い言葉は「撮っては調整、撮っては調整」。

前回、デフォルトの設定値を決めました。でも、デフォルトはあくまでもデフォルト。当然、上手くいくときもあれば、いかないときも。よってその時々で臨機応変に設定し直してやる必要があります。

ファインダを搭載したデジイチの場合、ファインダを覗いて撮るのが基本ですが、それでも撮影直後の液晶プレビューをONに設定しておきましょう。シャッターを押したら1秒ぐらい液晶画面にプレビューが表示される機能ですね。その分余計にに電力を消費することになりますが、撮った写真の明るさをその都度確認するために使います。

露出が足りない写真
露出が足りない写真 露出が足りないオオモンカエルアンコウの写真。 半透明のカクレエビをくっきり撮ろうとf20にしたままだったので。 まあ、ストロボを炊いておけばRAW現像時に回復できなくはないのですが、 なるべく適性露出で撮りたいですよね

そうして新たな被写体や撮影場所といったシチュエーションが変わるごとに試し撮りして、暗ければ以下のどれかを行います。

  • 絞りを開ける(f値を小さくする)
  • シャッタースピードを遅くする(手ブレに気をつければ1/60ぐらいまでは下げてもいいでしょう)
  • ISO設定値を上げる
  • 外付けストロボの光量を上げる
  • もう少し被写体に近づく(ストロボ光を十分に届かせる) 

どの方法がいいかはその時々で違うのでここでは断定できませんが、上から二つが常道でしょうかね。四つ目は上のような40cm級のオオモンカエルアンコウには使えませんし。 でももし小さい被写体なら、5番目の近づくやり方が有効だったりします。 ともかく「1発OKならラッキー。そうでなくても2枚目からは調整して成功率を上げる」という心構えですね。 これがプロや上級者ならそのときどきで瞬時に適切な絞りとシャッタースピードの組み合わせが判断できるのかもしれませんが、今の私にはまだ無理な芸当なので。

超・初心者向け『デジイチ水中写真 虎の巻(4) デジイチかコンデジか』>>

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裸のiPhoneが完全防水になるらしい!

こういうニュースを見つけました。これでiPhoenをお風呂やトイレに落としても大丈夫。それどころか海面付近のシュノーケリング程度なら、むきだしのiPhoneだけで水中写真やビデオが撮れるかも。

理論としては、

内部の電子回路をナノの皮膜で完全に覆うことで高い防水性を実現する

のだそうです。当然ながら充電や信号の通信性は損なわれたりはしないとのこと。

もし顕著なデメリットがないのなら、私は是非カメラを防水加工して欲しいです。水没しても平然としている一眼レフカメラなんて素晴らしすぎです。

でも、フィルムを貼る方式らしく、対応機種が限定されているということは、おそらく加工には本体を分解する必要があるのでしょうね。これが機器を丸ごと特殊な溶液に何時間か浸けておくだけでOKなんてことになるといいのですが。

ともかく継続的に注目したい技術です。

超・初心者向け『デジイチ水中写真 虎の巻(2) モード設定』

<<前回(超・初心者向け『デジイチ水中写真 虎の巻(1) 交換レンズの選択』)

私のカメラセット(D7000 & AF-S VR MICRO-NIKKOR 105mm f/2.8G IF-ED)の場合、ハードウエアの設定項目は以下の通りです。

  • カメラのモードダイヤル
  • カメラの絞り
  • カメラのシャッタースピード
  • カメラのフォーカスモード
  • 交換レンズのフォーカスモード
  • 交換レンズの手ブレ補正

それぞれデフォルトの設定値は以下の通りとします。ただし、カメラとレンズが違うなら通用しないかも知れません。

カメラのモードダイヤル:

「M」。マニュアルのM、つまり露出とシャッタースピードを自分で決めるわけです。

マニュアルというといかにも難易度が高く思え、初心者の内はオートに頼りたくなりますが、現実は逆。私の経験では水中ではオート系は上手くいかないことが多いので。ちなみにここでいう「オート」とは露出とシャッタースピードをカメラが自動調整してくれる機能のことで、オートフォーカスのオートとは別物です。

オートの場合、人間の目ほど感度が良くないカメラは海中では晴天下の浅場でもなければ周りが暗いと判断して、絞りを目一杯開放するかシャッタースピードを遅くします。ちゃんと外部ストロボを使っているなんてことは考慮してくれません。

INON製やSEA & SEA製など水中用に開発されているストロボが測光した結果をカメラ側に通知してカメラが自動調整するようになると良いのですが、現状そうはなっていないので、絞りとシャッタースピードは自分で調整した方が確実です。

ああ、そういう発展のしかたはありかもしれませんね。つまりカメラとストロボが双方向で光通信を行い、暗い水中でもフルオート撮影を可能にするという。

でも双方に送受信の機構を積むのは難しいので、カメラが水中での外部ストロボ併用時の測光具合をシミュレートできるといいですね。

よって大光量のビデオライトで煌々と照らしているのでもなければモードはM。

カメラの絞り:

「f11」。こちらを基準にしつつ、その時々で調整して撮っていきます。

カメラのシャッタースピード:

「1/125」。こちらを基準にしつつ、その時々で調整して撮っていきます。

カメラのフォーカスモード:

「M/A」、マニュアル優先オートというやつです。Nikon製以外のレンズだと「AF」でしょうか。

Nikon D7000の取説には

AFレンズでマニュアルフォーカスをする場合は、必ずカメラのフォーカスモードセレクトダイヤルをMにしてください。フォーカスモードセレクトダイヤルがAFのままマニュアルフォーカスをすると、故障の原因になります

とあるものの、レンズ(AF-S VR MICRO-NIKKOR 105mm f/2.8G IF-ED)の取説にはカメラは「AF」に設定しろと書いてありますので。他の最近のレンズでも同じだと思います。このあたりはNikonの悪い癖ですね。解りづらくてしかたがありません。

よって、もし水中でオートフォーカスが利かない場面に出くわしたらカメラのフォーカスモードセレクトダイヤルを疑ってみると良いでしょう。私の水中ハウジングは外部からアクセスできるように作られているので、水中でも変更ができます。

交換レンズのフォーカスモード:

同じく「M/A」。

交換レンズの手ブレ補正:

OFF。ONにしたいところですが、3m以上先を撮るのでなければ効果はないばかりか水中では悪さをしかねないと聞いたことがあるので。マクロレンズで撮るのはほとんど50cm以内ですし。

なお、私のハウジングではレンズのモードは切り替えられないので、セットする段階で確認する必要があります。

超・初心者向け『デジイチ水中写真 虎の巻(3)>>

超・初心者向け『デジイチ水中写真 虎の巻(1) 交換レンズの選択』

<<(超・初心者向け『デジイチ水中写真 虎の巻(1) はじめに』)

一眼レフやミラーレスのカメラを初めて使う人がまず戸惑うのがレンズ選び。カメラ本体の方は各人で意中のメーカーや機種があったり、相談したダイビングショップやカメラ店のスタッフが具体的な製品を勧めてくれたりしますが、レンズの方は水中で主に何を撮りたいかで違ってくるので自分で選ばないと。

最初にボディと交換レンズがセットになったレンズキットを買うと割安ですが、私の独断と偏見から言えば標準ズームレンズは水中では無用の長物。あんまり寄れなかったり、被写体が小さくしか写らないから。大きく写そうとズームをかければ青かぶりな写真を増やすだけです。

よって水中用には以下の二系統から選ぶのが良いかと。

  1. マクロレンズ
  2. フィッシュアイレンズ

小さな被写体を発色良く大写しにしたければマクロレンズ(Nikonの呼び方はマイクロレンズ)、ジンベエやマンタ、イワシ玉などの巨大な被写体や地形をダイナミックに写し込みたならフィッシュアイレンズという具合ですね。

でもフィッシュアイは慣れないと使いこなせそうにないので(しっかり寄らないと思いっきり淋しい写真になりがち)、初心者には難しいのではないかと。広範囲を写し込む特性上、撮影場所を選びます。そう、透視度が高い南国リゾートとかですね。

さしあたりNikonかCanonなら60mmぐらいのマクロレンズから始めるのが無難ではないでしょうか。PanasonicかOlympusなら45mmマクロ。共に35mm判換算で90mm相当の画角が得られます。マクロレンズならズームレンズよりも拡大倍率も大きく、かつ被写体にかなり寄れます。

私はカクレエビが撮りたくて105mmから始めたものの慣れるまでに時間がかかりました。いや、今だにファインダー内で被写体を見失うこともあります。しかもワーキングディスタンスが20cmほど必要なのにコンデジの頃の癖で目一杯近寄りたくなるし。

こうやって商品を並べてみると、Canonのレンズが安いのですね。おまけに短くて軽いし。Eos Kissという名シリーズもあることだし、Canonでセットを組めばNikonよりも安価でコンパクトになりそうです。

意外にもマイクロフォーサーズ用のレンズが一番高価なのか…。

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