Dive Award 〜 新生ダイビングサービス 〜

春は無情な別れの季節。昨日でコナミスポーツのダイビング事業が終了しました。これがエイプリルフールのネタだったら良かったのだけど…。

私は1993年春からの会員で、過去20年間あったものがなくなってしまうのは非常に悲しいことです。近年はほぼ毎日立ち寄れたし、ジムや大浴場を利用した後に少し話してから帰るといった具合に、もはや生活の一部になっていたので。もちろん仲間が集える場所だったり、機材のオーバーホールや最新の海況情報交換など、ダイビングサービスとしても重宝していました。

これまでも数多くの歴代スタッフの旅立ちを見送ってきたものの、今回は完全消滅。しばらくは味気なさを覚える日々が続くのだろうな…。

コナミ側はスタッフ全員の雇用継続を約束したようですが、当然ながら職種は変わります。時に職場も。

それでも正社員はある種の配置転換ですみますが、アルバイトスタッフはせっかく何年もかけて頑張って時給を上げてきたのに、新たな部署では新人と同じ最低レベルからの再スタートを提示されたとのこと。これまでの貢献がなかったことにされ、培ったスキルも無価値と評価するような会社からは当然辞めていきますよね。

結局、新百合ヶ丘店の4人は散り散りになり、誰一人として残りませんでした。せめてアルバイトスタッフ2人の時給は例外的にでも維持してやれば良かったものを…。

さて、去るものがあれば新たに訪れるものも。コナミによる「受け皿すら用意しない全顧客切り捨て」という無慈悲な仕打ちを見兼ねた旧コナミスポーツ所属インストラクター有志によって新しいダイビングサービス《Dive Award(ダイブアワード)》が設立されました。

Dive Award logo

本日より浜松店が稼働し、今月中旬には津田沼店、そして6月1日から武蔵小杉店がオープンする予定とのこと。ツアーの予定表はひと月ぐらい前に貰っていました。残念ながら新百合ヶ丘店はないものの、武蔵小杉なら私もそう遠くないので時おり顔を出せそう。津田沼店と浜松店には縁がないかな。

武蔵小杉という場所はコナミのダイビングスクールがあった三店舗(横浜、川崎、新百合ヶ丘)の会員の利便性から割り出したのでしょうが、確かに神奈川県の拠点としては良い選択のような気がします。JRの湘南新宿ライン(葉山に乗り換えなしで行かれる)や伊豆急行のスーパービュー踊り子号(下りは3号のみ、登りは10号のみだけど)も通っているし、副都心線で埼玉方面とも繋がりました。まあ、海に行く各人は電車派ばかりではないし散り散りに住んでいるのだけど。

なお、東京店の計画は未定。順当に考えれば飯田橋ですが、都内はさすがに競合も多いのでどうなるか…。

Dive Awardの立ち上げに参加するイントラの面々はコナミ(東証1部上場企業)の100%子会社のコナミスポーツでそれなりの待遇を保障されていた正社員たち。それを捨てて新たな出発を決断したのだから肩入れしたくもなるというもの。

で、新しいお店は「Award(授与)」という名前からして、ライセンスはもちろんダイビングの楽しみを与えていくことを標榜しているのでしょう。私としても顔なじみのインストラクター達が始めたお店なので、微力ながら応援していくつもりです。

さしあたりナイトロックスがもう少し広く普及すれば(どこでも頼まないでも選べるぐらいになれば)、エンリッチのライセンス講習を受けても良いし、そこそこ魅力的なショップツアーがあれば代金が高くても参加しましょうかね。

近年、自分で空と宿と海を手配して、なるべく人が少ないタイミングを見計らって潜りに行くようになってから、新しい仲間が増えていないことに気づきました。ダイビングの仲間はさまざまな理由で次第に減っていく傾向にあるので、たまには補充しないと。

それと私が協力できそうなのは写真の提供。アマチュアながら私もフォトコンの末席にはコンスタントに加われるくらいにはなったので、宣材や雰囲気作りのためには惜しむことなく提供するつもりです。

そうしてお店を盛り立てれば、いつかは新百合ヶ丘店を出してもらえるかも知れないし、多くの反対の声を押し切ってダイビング事業を切り捨てたコナミにもちょっとは後悔させてやりたいから。

今回、コナミが密かに出資しているのでなければ、Dive Awardの立ち位置はフリー。つまりコナミのライバル関係にある企業やスポーツクラブとの提携も可能です。

それってコナミスポーツが20年以上にわたって自社(エグザス時代を含む)の元で培ったダイビング業務のノウハウと人脈、そしてユーザーコミュニティーをそっくり商売敵に献上するってことに他なりません。

やっぱ固定客がついてて、それなりに儲かる事業を切り捨てるなんてことはやっちゃいけないんだよ。本筋なら分社か、せめて事業売却して「経営からは手を引くけど顧客サービスはなるべくそのままに」ってのが良心的かつ無難な話だったわけで。

もっとも、コナミスポーツはともかく親会社のコナミにとってはスキューバダイビングはコアコンピタンスから外れてるってことかもしれません。その客も現役会員は数千人程度だから、たとえ恨まれようとも構わんとばかりに。

でも、人体や生態系と同じで、案外、無用と思える機関、種を取り除いたら予想以上の副作用が出たりするもの。ダイビングはコナミの主戦場であるエンターテイメントや余暇の充実といったジャンル、主力分野とも近しいのだし…。

まあ、そうじゃなくともDive Awardが向こう何十年も存続できるように。そう、信頼していたお店が無くなり、馴染みのスタッフと会員コミュニティが(不採算事業でもなかったはずなのに)雲散霧消する様を見るといった経験はもうしたくないのでね。

それはそれとして、今回、コナミに残ったダイビングスタッフが社内で発言力を得て、いずれまたコナミスポーツ内にダイビングサービスを復活させてくれると嬉しいのだけど。


追記(2014-07-02):

公開後1年以上が経っても、このエントリにアクセスがあるので書いておきます。Dive Award浜松店は昨夏よりbe Diveに生まれ変わり、今でも稼働中です。

一方、Dive Awerd武蔵小杉店は…、話が消えてそれっきりですね。でもDive Award津田沼駅前店精力的にツアーやイベントを行っているようです。

コナミスポーツ新百合ヶ丘店のダイビングカウンター跡地は応接スペースみたいになってますが、使われているところは滅多に見かけません。

Adobeからのアンケート

Adobe-Creative-CloudAdobeからアンケート調査の依頼が届きました。普段ならこの手の面倒ごとは無視するのですが、今回は当たれば嬉しい額のQUOカードが提示されていたので答えることに。当選倍率0.019倍だけど。

指定のサイトにアクセスすると、使っているAdobe製品についてあれこれ訊かれたものの、どうやら核心は「あなたはどうなればサブスクリプションに参加しますか?」みたいでした。なるほどAdobeは最近パッケージ版を廃止してダウンロード販売のみにしたし、次のCreative Suite 7をどう展開するか思案中なのでしょう。

そのAdobeのサブスクリプションプラン『Adobe Creative Cloud』は、月額5,000円(Adobeの旧製品ユーザーは初年度3,000円)ですべてのAdobe製品の最新版が使えるというもの。Cloudといいつつアプリはローカル環境にインストールするのでオフラインでも使えるし、便利そうなクラウドサービスもいくつか提供されます。一見するとお得です。

でも、実際のところ使うアプリは各人で偏るのですよね。私のようにUIデザインやドキュメンテーションが専門なら、Illustrator、Photoshop、InDesign、それにAcrobatがあれば十分。その他のビデオやらオーディオ関連、あるいは動的なWebサイトの構築、運用支援といった分野のアプリは使う機会すらありません。

中にはDTPもDTMもビデオもWebも何でもござれって人もいるのかもしれませんが、残念ながら私は違います。そのためAdobe Creative Cloudには加入していません。

Adobe CSのアップグレード周期が2年で、CS5→CS6へのアップグレード代は約10万円だったので、「月5,000円ずつの12万円ポッキリでどれでも使い放題」は割高です。

しかもサブスクリプションだと、契約を止めたらアクティベーションが通らなくなるので、以後は過去の制作データをいじれなくなります。でも、買い切りなら以後のアップグレードをパスしても互換データを半永久的に扱えます。その両者は「近所の漫画喫茶の会員証を持っている」と「こち亀の全巻を持っている」ぐらいの違いがあります。

というわけでAdobeの「あなたはどうなればサブスクリプションに参加しますか?」には以下のように答えました。

  • Illustrator、Photoshop、InDesign、Acrobatだけで半額以下のプランが提供される
  • 任意の数のアプリだけのセットで割安なプランが提供される

古い小話の「1個1,000円のメロンが2個なら1,500円。どうだ?」「じゃあその500円の方を1個ください」ってなもんです。

謎のダイビングサービス?

このblogにも時おり風変わりな広告が表示されます。最近目に付いたのはこれ。 一見、普通のダイビングサービスのテキスト広告ですが、書かれているURLがそれっぽくありません。どう見ても電気屋さんです

不思議な広告
うん、確かに激安ツアーだ。「伊豆ファンダイビング10円」だもんな…。 誰かカンマの使いかたを教えてあげないと

リンクを辿ってみるとそれっぽいお知らせページが表示されるものの、1階層上に登ると真和電気のサイトに辿り着きます。「電気工事のことなら真和電気にお任せください。」といった普通の電気工事屋さんです。それでいてイメージ写真はことごとく水中写真(それもヘルフリッチやバファローフィッシュの正面顔などもある)だし、ダイビングツアーなんぞも開催しているわけだ。

で、ここからは勝手な想像。かつてダイビングショップに勤めていたインストラクターが埼玉の実家の電気屋さんを継ぎつつ、余暇と副業を兼ねてダイビングサービスも実施しているとかかな?

まあ、そのパターンも悪いとは言わないものの、マクロ生物の写真を撮りたい私としては、できれば休日だけのガイドではなく、潜る海の最新状況を実際に見て把握している現地常駐ガイドに案内をお願いしたいものです。

エアーピルエクスプレス改め

3/11時点では、マニラ⇄タクロバン間はフィリピン航空とエアーピルエキスプレス(AirPhill Express。フィリピン航空の子会社のLCC)のコードシェアとして運行されていました。機体はフィリピン航空だけど、ターミナルやスタッフはLCCのエアーピルエキスプレスを活用することで、コストを下げているのでしょう。

フィリピン航空とエアーピルエクスプレスの共同運行便
機体はフィリピン航空
エアーピルエクスプレスの機内サービス
LCCといいつつも1時間ちょっとのフライトに機内サービスがあります。 コーヒーはお湯の入ったカップとインスタントの粉が渡されました

よって注意点は以下の通り。

・ターミナルが違う

日本からマニラに行く場合、フィリピン航空なら第2ターミナル、JALは第1ターミナルに到着します。

タクロバン行きの便は第3ターミナルなので、どちらで行くにせよ荷物を持って移動しなければなりません。ターミナル間に鉄道やシャトルバスの類いはないので、移動には車を手配する必要があります。

ちなみに成田からのANA便は第3ターミナルに着くものの、夜の到着なのでその日のうちに乗り継ぐことはできません。

・預け荷物の重量制限は10kg

エアーピルエキスプレスは預け荷物の重量制限は10kgです。フル機材を持ったダイバーには到底足りません。

ただし、エアーピルエキスプレスでは+15kgの重量枠を買えます。事前購入なら1,000ペソ(約2,400円)。25kgは微妙だけど、団体なら合算してもらえます。

なお、成田と名古屋以外からのリピーターダイバーは、きっとフィリピン航空のスポーツプラスに入っていることでしょう。こちらは+20kgまで預けられます。

よって航空券を購入する際、個別の手配が可能ならスポーツプラス会意はフィリピン航空で、それ以外はエアーピルエキスプレスの便として買うのが良いでしょう。

どちらで買っても乗る飛行機は同じです。エアーピルエキスプレスはフィリピン航空と同じマイレージサービスを採用しているのでマイルを貯め損なうこともありません。

…などと書いていたら、3/15付けでエアーピルエキスプレスは「PAL Express(パルエクスプレス)」というブランド名に代わり、フィリピン航空との統合がさらに進んだようです。

ちなみにオレンジ色を基調としたエアーピルエキスプレスのWebサイトはフィリピン航空カラーの紺色に変わっています。内容はほぼ同じのようですが。

と、ここで一つ疑問が。

・便が遅れたときは待ってくれるの?

例えば成田→マニラが遅れたとき、同じフィリピン航空どうしなら多少は待ってくれていました。逆にタクロバン→マニラが遅れたときも然り。でも、これからはそういった時間の融通もなくなるかもしれませんね。

まあ、フィリピンではいろいろローカルルールがありそうだから、確かなことは解らないけど。

サウスレイテからの長い道

サウスレイテのツアー、往路(計18時間)も長かったけど帰りはもっと。

朝6:55のマニラ行きの飛行機に乗るためリゾートを1:30に出発。車で走ること約2時間半。さすがに夜中は道が空いていますね。

ほんでもって国内線に乗り、定刻の8:10にマニラ空港に到着。ちなみにこの日はタクロバン空港のX線検査機が故障していて、手荷物のセキュリティチェックも皆無に近い状態でした。

さて、日本行きの国際線は関空行きが14:25発で成田行きが14:55。何もない空港で6〜7時間は長すぎです。しかたなくマニラの水族館(MANILA OCEAN PARC)で時間を潰すことに。

道中、マクドナルドで朝食を。ちなみにフィリピンでもマクドナルドの呼び名は「マクド」。関西やフランスと同じですね。

フィリピンのマクドナルドの一品
せっかくだからローカルメニューを頼んでみたら…
マクドナルドの甘辛のひき肉ソーセージと卵とライスで
甘辛のひき肉ソーセージと卵とライスでした
まあ、水族館の後は普通のマニラ経由での帰国と同じです。14:55の便でマニラを発ち、20:10頃に成田到着。21:00の最終バスに乗り、自宅に着いたのが23:30頃。リゾートを発ってから足掛け21時間ってところですか。

道中小まめに睡眠は取れてたけど、移動に丸一日近く掛かってるので、その後は6日ぶりのお風呂に浸かりながら6時間ほど眠ってしまいました。

今回はなかなか楽しかったけど移動が面倒な旅だったなあ。もう一回行こうと思うまでには、しばらく日数がかかりそうです。