「男系はカルト」というカルト

漫画家の小林よしのり氏が天皇制に関して以下のように発言しておられます。

彼らは頭が悪すぎて、一神教みたいに「男系絶対」の宗教に陥っている。
日本に「原理主義」があると思い込んでいるから、もはやカルト信者なのだ。

私にしてみればこれもまたカルトに思えるのですが。なぜそんなに男系に反対したいのだろうかと。保守に対する過激な革新かな。

週刊SPA! 2019年 5/14・21 合併号の記事も読んでみたものの、小林氏の主張もちょっと現実離れしている気がするのですよね。

例えば彼が最大の問題として挙げているのが「愛子さまが女子だからというだけの理由で皇太子になれない」です。でも、もし仮に法改正で愛子さまが皇太子になられるなら、ご結婚のお相手探しは難航を極めるはず。2,600年(一応)の歴史で初めての女系天皇の始祖となられる方の元への婿入りに相応しい男性なんて見つかるでしょうか?民間から皇室入りして皇后相当の役割を期待されるのだろうし。お世継ぎを設けるのが天皇の大きな役割なのに、皇室の永続を狙う策が愛子さまを難しい立場に追い込んでしまうようでは本末転倒です。

そして、男系であるべきことに明確な根拠があるかはともかく、古来からの伝統には理屈を超えたところもあるのだから、この先も変えることに抵抗感を抱く人は少なくないような気がします。ましてや自民党の支持基盤からすると、愛子さまがご結婚され皇室を出られるまでに皇室典範の法改正ができるものでしょうかね?

私は女系でも構わないけど国民の大多数の賛成が得られず法改正できないと見ているので、そこに労力を使いすぎるのは適切ではないと思っています。「将来、結婚して皇室を離れることになる」と思われておられるであろう愛子さまに「天皇になっていただくかもしれない」というのは酷な話に思えるし。

悠仁さまがご健在なら今のままでも皇室消滅は70年くらい先。もちろん万が一の事態がないとは言えないけど、天皇と皇嗣の時代が30年くらいは続くと見る方が妥当だし、その30年間のうちには悠仁さまがご成婚され、お子様を持たれるかもしれないのだから、それまで結論を出さなくてもいいと私は思うのですよ。旧皇族が廃止され側室制度もない今、皇室の存続が危ういのは必然なので、悠仁さまにすべてを託して結果がどうなっても受け入れようと。

令和に想う

2019年5月1日、さしずめ今日は令和元日といったところでしょうか。

令和

私は今年の1月1日の方が改元に相応しいと思っていたけど、まあいいでしょう。上皇が安らかな日々を送られ、新天皇の下で令和が良き時代となるよう願っています。日本も世界も。

さて、新天皇は59歳。ということは令和は長くとも30年程度ですね。皇嗣となられた秋篠宮様は先々の即位を辞退されるようなことをおっしゃったものの、それは令和がいつまで続くかにもよります。あって欲しくはないし、天皇は健康面にも万全を期しておられるはずですが、それでも深刻な病にかからないとも限りません。

また、令和が長く続き、皇嗣ではなく悠仁様が即位されるとしても、そのときに次代の皇太子がおられるかはわかりません。今さら側室制度というわけにもいかないし、一般的には不妊の原因が男性側にあることも多いと言われています。

そこで女系天皇や女性宮家の議論が持ち上がるのだけど、いつまでたってもまとまらない可能性が高いのではないかと。

ちなみに私の意見は「悠仁さまに一蓮托生」です。なすがままに。どのような未来になっても受け入れると。ならば結果的には男系に限られる現行制度に賛成ということになるか。

とはいえ先々の悠仁様が子宝に恵まれ、男子が複数人生まれることが最も好ましいわけで、そのために社会がどうなるべきかというと「少子化対策の促進」ではないかと。具体的には教育費と子供の医療の無償化の徹底。日本中どの自治体でも子供を産み育てるための経済的な負担がなくなるような。仮に低所得のシングルマザー家庭であっても子供が貧困に陥っているとは実感しないレベルの支援が必要です。

経済負担さえなければ多く産みたいと願う夫婦や女性は少なくないのだし、その後押しと空気感ができれば不妊に対する医療分野でもニーズが増えることで進展があり、もしかしたら日本の天皇制の継続に大きな助けとなるかもしれないのだから。

もちろんそれが取り越し苦労であっても出生率が改善するだけでも喜ばしいことです。

SoftBankが禁煙に

SoftBankが従業員に対する就業時間中の禁煙を発表しました。来月から段階的に実施されるそうです。まあ必然ですよね。デメリットは多々あっても喫煙が企業にもたらすメリットって皆無だから。

禁煙マーク

ガストやジョナサンなどを運営するすかいらーくホールディングスも店舗を全面的に禁煙化するそうです。もはや喫煙率18%未満。だったら吸わない層を重点的に狙った方がビジネス的に得策だから。

ただし物議を醸しそうなので、この流れに対する典型的な異論・反論への模範解答を書いておきます。

喫煙者差別だ

企業は望む人材を得る権利があります。よって禁煙化は差別ではなくSoftBankなりの適材の登用手段。彼らは喫煙壁のない人材の方が好ましいと合理的な判断を下しただけです。

世の中の企業はSoftBankやすかいらーくホールディングスだけではないので、嫌なら他社に転職するなり、入社希望を出しましょう。

吸わない人も菓子を食べたり、コーヒーブレイクするじゃないか

だったら「席でたばこを食え」、あるいは「たばこをお湯で溶いて飲め」ってところですね。持ち手部分もあってちょうどかき混ぜやすい形状をしているし。

喫煙休憩の問題は定期的に長らく離席すること。その間、客からの電話に出なかったり、話したい議題があっても戻ってくるのを待つことになり、業務に支障が出るから。

それはトイレが長い人にも当てはまるけど生理現象だし、たいていは毎時間でもありません。また、喫煙者もトイレには行くし、中毒による禁断症状の中和とは事情が違います。

しかも近年、喫煙室を設けず屋外の非常階段の踊り場などを喫煙所に見なしている企業も多いかと。よって盗聴器を仕掛けるのも容易。場合によっては企業秘密や個人情報が漏洩しやすくもなるわけです。

加えて喫煙エリアの清掃の費用も生じます。それは誰も喫煙しなければ生じない企業側の負担です。

飲食店は分煙で十分

東京都は来年4月から従業員のいる飲食店を禁煙と決めました。これに対して「禁煙の可否が店頭に掲示されていれば十分なはず」と言う向きもあります。でもそれは的外れ。そういうことじゃないのですよね。

確かに「喫煙可能店」と必ず掲示させ「非喫煙者の雇用不可」と「未成年の利用不可」も義務付ければ飲食店内の受動喫煙は防げます。にも関わらず条例がそうならなかったのは「狙いが違うから」に他なりません。あの条例の真の目的は、はっきり言ってしまえば「喫煙率の抑制」です。

いまだに街で歩きタバコ、あるいは所定の場所以外で喫煙しているクズが少なからずいます。たばこを持った右手をドアの外に出したクズドライバーなども。でもそういう輩を取り締まるのは不可能。よって喫煙しづらい環境を作づくりで卒煙を促し、喫煙率を下げてゲリラ的な受動喫煙の機会を減らすという都の意思表示です。

中には「人気のないところで吸う分には構わないはず」なんて勝手な振る舞いをするクズもいるけど、たばこの臭い有害物質は紫煙が消えた後も風下に流れたり中空に留まります。よって所定の場所以外で吸えば圧力としては跳ね返るわけです。自業自得ですね。

まあ、歩きタバコを厭わないクズ喫煙者のせいで、時と場所をわきまえた良識的な喫煙者が巻き添えを食う構図ですね。そんなクズがいなければ「飲食店は分煙でよし」となっていたかもしれないのだから。

喫煙率は下がっているのに肺がんになる人が増えている

肺がんになる人が増えているのは単に高齢化が進んでいるからで、喫煙が肺がんやその他の健康被害とは無関係というパラドックスの証拠にはなりません。

そもそも元喫煙者が肺がんになれば、喫煙率低下と肺がんの両方にカウントされるわけです。

喫煙は権利

その通り。ただし他者を巻き込む権利はありません。そして権利には責任が伴います。喫煙は他者を巻き込まない限りにおいてご自由にどうぞ。

たばこを規制するなら酒も

意味不明。飲酒運転を始め、酒にも問題点はあるけど、そのルールは別途決められるべきものだから。

沖縄県民投票の結果を受けて

辺野古への新基地建設の是非を問う沖縄県民投票の結果が出ました。

三択になったことで票が割れると見る向きもあったけど、蓋を開けてみれば、知事選を上回る43万票、投票者の71.7%が反対と出たのだから紛れもない民意と言えます。まあ予想通り。そもそも二択の時でも実質的に四通りの選挙行動(賛成・反対・白票・棄権)があったのだから「どちらでもない」も大勢への影響が出ようはずもありませんでした。

(資料写真)辺野古新基地の工事=2019年1月28日(小型無人機で撮影)
沖縄タイムスより

さて気になるのはこの先。玉城県知事は結果を安倍首相やトランプ米大統領に通知するわけですが、まあ首相は無視でしょう。国防の都合上、米軍基地を沖縄に押し付けたままにした方が何かと都合がいいから。普天間を口実に埋め立て工事を続けるに違いありません。

県外に移転先を求めようにも引き受けてはありません。どこかに沖縄に同情的な首長がいたとしても、沖縄県民より自身の選挙区の住民を優先せざるを得ないから。

よって活路は米国政府のみ。トランプ大統領に「71%が反対しているような新基地への移設は考え直さざるを得ない」と言わせれば成功です。米国側にしてみれば、その気がなくても「辺野古ではなくグアムに」をチラつかせるだけで日本からの譲歩を引き出せるのだから、そうなる可能性はあるでしょう。米軍が移るかも不透明な新基地に前のめりになった挙句に梯子を外されたとなれば、一転して安倍政権への逆風となります。

いや、そもそも安倍総理の言う「普天間の返還のために辺野古は必須」は「辺野古が完成するまでは普天間の運用を認める」に他なりません。一見正論を吐いているようでいて実は住民の生活を売り渡し米国に媚びているわけです。トランプ大統領が「America First」なら安倍総理も「Me too」とばかりに。日本の首相なら日本第一であるはずなのに。

よって、ここは辺野古以外の解決策を探すべきです。先日の朝まで生テレビでは中谷元氏が「鳩山政権ですら辺野古しかないと結論づけた」と言っていたけど世の中の情勢は変わるものです。長引けば見直すのは当然です。また、宮家邦彦氏は嘉手納基地との統合案に「軍種が違うので無理」と言っていたけど、何も空軍と海兵隊を統一組織にする必要はないわけです。米軍基地とはいえ日本なのだから「辺野古はもう作れないので既存基地敷地内で共存しなさい」と言えばいい話。それなら辺野古歓声よりもずっと早く普天間の返還も成されるだろうし。

だいたい「マヨネーズ状の土壌改良ができるかも怪しい」などと伝えられてしまった辺野古に快く米軍が移ってくれると考える方が能天気すぎます。「莫大な予算をつぎ込んで、環境を破壊して作ったのに使われず、普天間基地は存続」なんてことになるのがオチです。まあ、そういう結論が出る頃には安倍政権はとっくに終わっているだろうけど。

ふるさと納税で思うこと

大阪府泉佐野市が打ち出したAmazonギフト券をふるさと納税の返礼にした100億円還元が物議を醸しています。

泉佐野市のAmazonギフト券をふるさと納税の返礼にした100億円還元

中には「知恵を絞った結果だから問題ない」という人もいるけど、さすがにAmazonギフト券はアウトでしょう。地場産品ではないばかりかAmazonはどれほども税金を払わない外資企業なわけだし…。

でもこれには思い当たる節が。いわゆる「品格が欠如した横綱の振る舞い」みたいなものかと。相手をがっちり組み止めての横綱相撲が期待されているのにエルボーを繰り出したり、千秋楽で変化したり。そりゃルールには書かれていないけど、だからってやれば大顰蹙を買い、ひいては人気も落ちかねないわけです。

まあ泉佐野市は横綱といより、ふるさと納税成金みたいなものだけど、指導の対象ですよね。せめて市内で使える地域通貨的な金券にておけと。