沖縄県民投票の結果を受けて

辺野古への新基地建設の是非を問う沖縄県民投票の結果が出ました。

三択になったことで票が割れると見る向きもあったけど、蓋を開けてみれば、知事選を上回る43万票、投票者の71.7%が反対と出たのだから紛れもない民意と言えます。まあ予想通り。そもそも二択の時でも実質的に四通りの選挙行動(賛成・反対・白票・棄権)があったのだから「どちらでもない」も大勢への影響が出ようはずもありませんでした。

(資料写真)辺野古新基地の工事=2019年1月28日(小型無人機で撮影)
沖縄タイムスより

さて気になるのはこの先。玉城県知事は結果を安倍首相やトランプ米大統領に通知するわけですが、まあ首相は無視でしょう。国防の都合上、米軍基地を沖縄に押し付けたままにした方が何かと都合がいいから。普天間を口実に埋め立て工事を続けるに違いありません。

県外に移転先を求めようにも引き受けてはありません。どこかに沖縄に同情的な首長がいたとしても、沖縄県民より自身の選挙区の住民を優先せざるを得ないから。

よって活路は米国政府のみ。トランプ大統領に「71%が反対しているような新基地への移設は考え直さざるを得ない」と言わせれば成功です。米国側にしてみれば、その気がなくても「辺野古ではなくグアムに」をチラつかせるだけで日本からの譲歩を引き出せるのだから、そうなる可能性はあるでしょう。米軍が移るかも不透明な新基地に前のめりになった挙句に梯子を外されたとなれば、一転して安倍政権への逆風となります。

いや、そもそも安倍総理の言う「普天間の返還のために辺野古は必須」は「辺野古が完成するまでは普天間の運用を認める」に他なりません。一見正論を吐いているようでいて実は住民の生活を売り渡し米国に媚びているわけです。トランプ大統領が「America First」なら安倍総理も「Me too」とばかりに。日本の首相なら日本第一であるはずなのに。

よって、ここは辺野古以外の解決策を探すべきです。先日の朝まで生テレビでは中谷元氏が「鳩山政権ですら辺野古しかないと結論づけた」と言っていたけど世の中の情勢は変わるものです。長引けば見直すのは当然です。また、宮家邦彦氏は嘉手納基地との統合案に「軍種が違うので無理」と言っていたけど、何も空軍と海兵隊を統一組織にする必要はないわけです。米軍基地とはいえ日本なのだから「辺野古はもう作れないので既存基地敷地内で共存しなさい」と言えばいい話。それなら辺野古歓声よりもずっと早く普天間の返還も成されるだろうし。

だいたい「マヨネーズ状の土壌改良ができるかも怪しい」などと伝えられてしまった辺野古に快く米軍が移ってくれると考える方が能天気すぎます。「莫大な予算をつぎ込んで、環境を破壊して作ったのに使われず、普天間基地は存続」なんてことになるのがオチです。まあ、そういう結論が出る頃には安倍政権はとっくに終わっているだろうけど。

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