ゾンビランドサガの続編に望むこと

遅ればせながらゾンビランドサガにハマっています。私はアイドルアニメなんかにはなんら興味がないのだけど、ゾンビランドサガはそんな範疇からははみ出しまくってて。なんというかゴールデンカムイにも通じるような「何でもありの濃ゆすぎるエンタメ作品」ですよね。

ゾンビランドサガ

そこで続編では私の実家がある佐賀県最東端の基山町もぜひ登場させてほしいなと。

基山は県内で最も平和な街とも言われていて特徴は乏しいのだけど、例えば丸幸ラーメンセンターなんかは劇中で使えそうだし、出身の有名人にはキングダムの作者である原泰久氏やどぶろっくがいます。

そしてゾンビランドサガでフランシュシュの面々をゾンビとして蘇らせたらしいのが徐福。その徐福を2,200年ほど前に不死の秘術を探させるべく日本に派遣したのは秦の始皇帝、嬴政です。そんな感じでなんとか話を繋げてくれないかな。キングダムを見た徐福が「本物はこんなにカッコ良くはなかったぞ」と言うとか。

ゾンビランドサガ

私は知らないアニメの類はなるべく見ないことにしています。続きが気になると面倒だから。でも、時には何かの拍子に見かけてしまい全話を見ずにはいられなくなることがあります。今回は『ゾンビランドサガ』です。2018年の作品らしいから3、4年遅れですね。続編のゾンビランドサガリベンジが去年の放送か。

ゾンビランドサガのロゴ

ちなみに初見は第5話のガタリンピックのワンシーンでした。それがゾンビランドサガだとは知らず「なんで有明海のローカルイベントをわざわざアニメにしているのか…」と不思議に思ったのを覚えています。で、後日Amazon Prime Videoでそれっぽいこの作品を見つけて見てみたらハマってしまって。

何しろ「ゾンビ女子7人がアイドル活動を通じて佐賀を救う」というぶっ飛んだ設定を始め、個性溢れるキャラクターの面々、秀逸な楽曲、そして佐賀のご当地ネタの数々。よくもまあ佐賀縛りでこれだけの話を展開させたもんだと感心しきりです。しかも、練りに練られてしっかり組み立てられていますよね。愉快なコメディでありながら時折泣かせてくれるし、何から何まで完成度が高いです。

それに私も実家が佐賀にあるので親近感が湧きます。残念ながら佐賀の最東端、ほぼ福岡経済圏なので作品には登場していないけど、割と近い鳥栖の駅前不動産スタジアムが出てきますね。

でも、先月2年弱ぶりに帰省した際は、ゾンビランドサガの痕跡はどこにも見かけませんでした。もっと佐賀中のあちこちでアピールしていることを期待していたのだけど。よってフランシュシュはまだまだ佐賀をこれっぽっちも救ってはいませんね。放送期間の直後とか、唐津や佐賀市内とかに行けば何かしら見られたのかもな

以下はゾンビランドサガで私が好きな点などを。

生き生きしたゾンビたち

佐賀の化身らしき徐福(佐賀に伝承がある)の超常的な力で蘇ったとされるフランシュシュの面々が死んでいながら実に生き生きと描かれています。彼女らはしっかり寝食をとっているけど、そこはゾンビ。どうやら寒さと痛みは感じず、大ダメージを受けても意に介さず、体の一部が分離しても位置を戻せば治るようですね。

巽の作戦会議

陰鬱な地下室、檻の前にパイプ椅子を並べて毎回コントのような作戦会議が行われます。当初、巽の台詞がよく聞き取れず好きではなかったけど、見返しているうちにハマってきました。例えば、佐賀の人口を訊かれた巽の返事が「少なめ…」とか。

楽曲

作中では巽が作っていることになっている楽曲の数々はお見事。多くの曲の歌詞はゾンビらしく生死に関わる内容だったりします。しかも巽が「よか、よか、よかったい」と仮歌詞を歌いながら作曲しているのが何とも。

あと、ボーカルが6人いるのもフランシュシュの強みですね。ハモりは少ないけど代わる代わる畳み掛ける高度な曲進行を可能にしているし、普段は控えめな性格の4号純子の歌声が最も力強いってのもいいギャップを作り出しています。

ステージパフォーマンス

これまたお見事。カメラアングルやらキャラクターの動きからして、実際に踊っているダンサー達をモーションキャプチャで3D撮影して2Dアニメにしているのかな。

それにしても今時の声優さんたちは大変ですね。現実のライブイベントでは実際にあんな感じの衣装を着て、10代の女の子のように歌って踊ることを求められるのだから。まあ、オーディションで選ばれて納得づくなんだろうけど。

伝説の山田たえ

メンバーでただ一人、自我が目覚め切れていない0号山田たえは天然かつ天才肌。言葉を話さず、物事をどこまで理解しているのかも不明だけど、それでいてプロ級の見事なドラム演奏を見せてくれます。そして無類の勝負強さも。彼女がフランシュシュを非凡なアイドルグループにしています。

指からビーム

感電した状態で『目覚めReturner』を歌うとサビのところでフランシュシュ全員の人差し指からビームのような光が放出されるのが最高です。

他にも電気ポケモンみたいな放出技が出るし、こればっかりは最強のアイアンフリルにも真似できない芸当です。

クリフハンガー

ゾンビランドサガリベンジのラスト、悲願の駅前不動産スタジアムでのチャリティライブコンサートを成功させ「フランシュシュの挑戦は続く」的な大団円で物語が終わるパターンかと思いきや、エンディング曲明けにインディペンデンスデイを彷彿させる巨大宇宙船からの地上攻撃らしきシーンが差し込まれています。後日、映画化が発表されてたし、フランシュシュが異星人による侵略から佐賀を救う話になるのかな?彼女らはもう死なないもんな。

でも、映画で完結しないでほしいです。できればシーズン8ぐらいまでテレビシリーズが続いてほしいなと。

佐賀の描写

ゾンビランドサガリベンジでは明治時代の初め、佐賀の乱の失敗で没落して名前を失った佐賀の様子が5号ゆうぎりの生前の過去として描かれています。

今日、佐賀が一際地味な県であるところは万人が知るところだけど、幕末から明治維新の初めの頃は肥前藩(佐賀藩、鍋島藩とも)として薩長土肥の一角に名を連ねる雄藩だったのですよね。まあ、佐賀が強かったのは長崎のマネジメントを担っていて西洋の事情に先んじていたからだろうけど。

そんなわけで、伝説の花魁ゆうぎりを身請けした「日比谷の旦那」が佐賀出身だったのも、ゆうぎりがやはり佐賀出身の大隈重信らに嘆願の手紙を送っていたのも納得です。ちなみに幕末の福岡は破産寸前だったかと。

一つ弁明すると、あの頃消滅した県は佐賀だけではないのですよね。廃藩置県では当初305もの県が設置され、以来あちこち統廃合がなされたわけだから。

DUNE 砂の惑星

DUNE 砂の惑星

18日(月)、DUNE 砂の惑星を見てきました。月曜日なので1,100円。座席が間引きされた今の映画館は快適ですね。左右の席は必ず空席という。まあレイトショーだからか、そもそも観客が15人ぐらいだったけど。

で、映画の感想はというと、これをどう評していいものか考えあぐねています。

まず、映像の大半が暗いのですね。まるで露出不足で撮った水中写真みたいに。それが眠気を誘ってきます。

そして、前知識がない人には理解するのが難しいのではないかと。例えば作中で何度も登場する「クイザッツ・ハデラック(クイザッツ・ハデラッハ)」というキーワードは、知らないと何が何だかわからないでしょう。同じく、ベネ・ゲセリット、シャイ=フルードなんかも。

また、皇帝もナビゲーターもギルドもまだ登場せず。そしてフェイドも。

というわけで、私の中ではかつてのデビッド・リンチ版の方がエンタメ性が高く、面白い作品だった気がしています。当然ながらストリー展開はほぼ同じだし、それでいてベネ・ゲセリットなんかも実に分かりやすいビジュアルで登場します。

リンチ版、一般的に失敗作と言われることが多いけど、当時の事情からして無理もなかったのですよね。CG技術は未発達だったし、2部作に分けるという発想もななかったから、とんでもない予算をつぎ込みながらも尺たらずで終盤にかけて深みのないダイジェスト版みたいなストーリー運びになってしまって。

とはいえ世間の評判がどうであれ楽しんだもの勝ちなわけです。そしてヴィルヌーブ版との対比でリンチ版の評価が上がるかも。

まあ、ヴィルヌーブ版についてどうこう言うは後編も見てからだな。その後半、てっきり前半と一緒に撮影が済んでいるのかと思いきや、これからだそうな。前半がヒットしなければキャンセルもあり得たのか…。

JUNK HEAD

今年もKAWASAKIしんゆり映画祭が開催されます。そして気になる出し物の一つが『JUNK HEAD』。人形をちびちび動かして撮ったストップモーションムービーです。

KAWASAKIしんゆり映画祭 JUNK HEAD

これ、ずっと見たかったのですよね。堀貴秀氏が監督・原案・キャラクターデザイン・編集・撮影・照明・音楽・絵コンテ・造形・アニメーター・効果音・VFX・声優・etcとほとんど全役を務めた半ば狂気めいた作品で気になっていたから。

でも、イオンシネマ新百合では上映されてなかったのだけど、いよいよ新百合上陸(?)です。スケジュールは以下。

  • 10月31日 (日) 10:00
  • 11月7日(日)10:00

楽しみだ。

新百合ヶ丘は神奈川県内では横浜、川崎を筆頭にして何番目かの規模の駅だけど、コンパクトな街ながら映画館が二つあるのが強みです。何しろ日本映画大学や昭和音楽大学なんかもあるアートの街なので。

Dune 砂の惑星

Dune/砂の惑星

先日、『Dune/砂の惑星』の新しいトレーラーが解禁されました。米国の公開は10月22日に延期されたので日本の方が先になるのですね。

私もDuneのファンで、昔、原作小説も読んで、AIを排した102世紀の世界観に魅了されたものです。クイザッツ・ハデラッハ(超越者)、ベネ・ゲセリット(修道女秘密結社)、フレーメン(砂漠の民)、スティルスーツ(体から出る水分を100%リサイクルする砂漠の民のタイトな服)、モアディブ(救世主の呼び名)、メンタート(人間コンピュータ)、ナビゲーター(ワープ航行を担う奇形化した超能力者)、ヴォイス(声で相手の行動を強制する超能力)、サンドワーム(超巨大な砂虫)、そしてメランジ(長寿や超能力をもたらす宇宙で最も貴重なスパイス)…。

かつてのデビッド・リンチ版の映画も彼らしい独特の悪趣味な雰囲気があって大好きなのだけど、どうにも無理やり詰め込んだ感があり、ストーリー展開でバランスの悪い作品だった感は否めません。当時、最高額の予算で作られたのだっけ。

そして、『ポドロフスキーのDUNE』もAmazonプライムビデオで見たけど、まあ、あれはちょっと…。リンチ版とは違う方向で異色さが際立っているけど、頓挫して制作されなくてよかったと思います。きっとリンチ版以上のこっぴどい失敗作になっていただろうから。

そこでドゥニ・ヴィルヌーヴによる今作に期待するのだけど、ちょっとだけ気になってることが。以下、少々ネタバレを含みます。

フェイド・ラウサは?

リンチ版ではスティングが演じていたフェイド・ラウサ。ある意味、ハルコンネン陣営におけるポールのカウンターパート的な人物なのだけど、キャストが発表されていません。シークレットなのか、あるいはラバン(デイブ・バウティスタ)にキャラクターが一本化されたのか…。

アリアは?

ポールの妹のアリア役も発表されていませんよね。

上映時間は?

原作がある以上、ストーリーは大きく変えようがないわけで、一連の物語が2時間、ないし3時間に収まりますかね?まあ、二部作や三部作とかにしてくれてもいいけど。

というかフェイドやアリアの見せ場は話の後半だから、やっぱり二部作構成でしょうかね。両者とも後編に出てくると。

トレーラーから推測するに、今作はアトレイデス家が敵の陰謀によって崩壊し、砂漠に逃げ延びたポールがゲリラのリーダーになってハルコンネン軍とゲリラ戦を繰り広げるあたりがクライマックスになるのかも。

ガーニーはジョシュ・ブローリン

最後に小ネタを。

今作だとアトレイデス家の剣術師範で楽士ガーニー・ハレック役はジョッ・シュブローリンです。サノスの。

でもリンチ版ではパトリック・スチュワートが演じていました。まだジャン・リュック・ピカード艦長になる前です。エンタープライズ号で宇宙を駆け巡り、カターンの笛を吹くよりも先に、遠い宇宙の戦士になって、リュートみたいな楽器を弾いていました。