トランスフォーマー/ダークサイドムーン

トランスフォーマーのポスター

7/29日(金)のレイトショーで映画『トランスフォーマー/ダークサイドムーン』を観てきました。21:15〜00:05という強引な時間帯だったもののシネコンのそのスクリーンはほぼ満員。

本作の感想は「前半は退屈だったけど後半は面白かった」でしょうか。例によって3時間と長い作品の前半は今回の話の筋立てと寒いギャグを交えたサムの近況説明に終始します。

話は1960年代に遡り、米ソの宇宙開発、アメリカの月有人探査は未知な飛行物体(実態はトランスフォーマー艦)の月への不時着が発端だったことが語られます。ちなみに後ほどバス・オルドリン元宇宙飛行士が登場しますが、演じているのは本人ですね。

一方でサムは地球と人類を2度も救ったにも関わらず、オバマ大統領から勲章を貰っただけ。大学を出ても就職できていないという話が長々と続きます。いや、これも後に判明する黒幕との関係性の伏線になっているのですが、この辺りがとてもかったるくて…。

さて、物語は次第にオートボットとディセプティコンの戦闘に移っていくのですが、正直、巨大ロボットのプロレスは見ててどっちがどっちかも良く解りません。いや、原色カラーリングがオートボットでメタリックがディセプティコンで、本作は決定的な一撃はスロー再生になっているのですが、それでも何がなんだか。ちなみに私がちゃんと見分けがつくのはオプティマス・プライム、バンブルビー、メガトロン、スタースクリームの四体だけだったりします。

今回、オプティマスは装備がパワーアップされてて、ジェットパックをトラックのトレーラーに変えて帯同しています。一方でメガトロンはボロ切れをかぶって砂漠で隠遁生活を送っています。ただしオートボットと地球人との同盟関係は脆く、そのためメガトロンの策略によって追放の憂き目に。オプティマスはそれを見通した上で甘んじて地球を去るのですが…。

まあでも最後は勧善懲悪でめでたしめでたし。

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カーズ2のポスター

翌日、今度は1日遅れで初日を迎えた『カーズ2』を見ようと思ったものの、近所のシネコンではレイトショーをやっていませんでした。一番遅い時間でも18:30〜。お子様連れ客シフトですかね。あるいは馬鹿げた節電の一環か。時間が合わないのもそうですが、大人1枚が1800円+300円(3D料金)ってのもどうかと。

この辺りは日本の映画産業のビジネスモデルの弱点ですね。数ヶ月後にはDVDも3,000円に満たない価格で発売され、レンタルDVDもある割には料金が高すぎなので。ダイビングで海外に行く際の飛行機でも見られそうですし。

マイティ・ソー

映画『マイティ・ソー(原題:Thor)』を見てきました。同じMarvelの前作『X-MEN ファースト・ジェネレーション』とはうってかわって、お気楽なヒーロームービーです。何しろ神様ですからね。

マイティ・ソー

以下、ネタバレ多数。

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人種・人権問題の色が濃いX-MENのような重苦しさはなく、笑えるシーンも多数。中でも一番笑ったのが、砂漠で発見されたハンマーを囲んでヤジ馬連中がバーベキューをやっていたところ。確かにアメリカ人ならやりそう。フットボールスタジアムの屋外駐車場みたいなノリで。ちなみにハンマーを引き抜こうとして荷台を持っていかれたトラックのドライバーはスタン・リーですよね。

それから追放されたソーを探しに地球にやって来た4人のコスプレ行進もほほ笑ましく、ソーがシールドのコールソンに親近感を表すシーンなども感慨深いです。北欧神を信仰していたバイキングゆかりのアイスランドの命名ルールでは、ソー・オーディンソンは「オーディンの息子ソー」という意味だったりします。コールソンならコールの息子ですね。

本作では足が不自由なドナルド・ブレイク医師に身をやつすくだりは割愛されているかと思いきや、ジェーンの元彼としてこの名前が登場。おまけにソーの偽名としても使われます。この辺は原作を知っている人はニヤリとしてしまいますよね。

さて、前々から気になっていたのが固有名詞の発音。ソーはトールの英語読みと聞かされていましたが、ジェーン(ナタリー・ポートマン)らは「トール」に近い音で読んでいるように聞こえました。

同じくハンマーの名前は「ムジョルニア」と表記されていますが、こちらは北欧風のまま「ミョルニル」でしたね。

最後、エンドロールの一番下に「ソーはアベンジャーズとして戻ってくる」の一文が。アイアンマン、ハルク、ソーが出そろい、今月後半には米国で『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』が公開されて、いよいよアベンジャーズメンバーのビッグ4(ビッグ3+1)が出そろいます。

そういえば、本作でソーがシールド警戒下にあるハンマーの奪還を試みた際、狙撃体制に入っていたボーガンの男はアベンジャーズメンバーのホークアイですね。

そして最後の最後、ニック・フューリーがからむ伏線を張ったところで映画が終了します。しかもロキが手ぐすねを引いていて…。なるほどソーとの戦いに敗れて異空間に吸い込まれたロキが飛ばされた先がミッドガルド(地球)だったのを見たためヘイムダルはソーに地球に行く方法があると告げたのか。

うん、愉快な作品でした。でも3D上映する必然性や相乗効果はまったくなかったかと。300円釣り上げるためだけの処置に思えてなりません。

さて、キャプテン・アメリカでどこまで話が進むのか。きっとアベンジャーズの結成シーンで終わるのではないかと予想するのですが、ともかく、その先はMarvelユニバースのクロスオーバーが見られそう。楽しみです。

でも、キャプテン・アメリカ、何で日本は10月公開なんだろう…。

X-MEN first class

映画『X-MEN ファースト・ジェネレーション(原題:X-MEN First Class)』を見てきました。実は二年ぐらい前、制作の噂が出たときから楽しみにしていたのにうっかり沖縄行きを入れてしまい、初日に見損ねたのですよね。

さて、以下は本作のネタバレ大量です。まだ見ていない人は読まないでおくべきでしょう。

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X-MENシリーズの第5作目は前作のクライマックスよりもさらに前の時代、キューバ危機(1962年)の頃の物語です。過去にたもとを分かち、敵同士でありながら互いに友情を持ち続けているプロフェッサーXとマグニートーの若き日の出来事が描かれています。私が昔のアニメ作品などで断片的に知り得た限りのX-MENとはいくつもの設定が変えられていますね。

Professor XMagneto

若き日のチャールズ・エグゼビアはジャン・リュック・ピカード艦長然とした晩年のプロフェッサーXとは違って随分チャラい感じです。対照的に若きエリック・レーンシャーはミュータントパワーこそ未開発であるもののマグニートーそのもの。なにしろ強制収容という強烈に暗い過去を背負っていますので。

裕福な家庭に生まれ、知性にも恵まれ、幼い頃に自身のテレパシー能力に気付いていたチャールズは、エリックを含む他のミュータントの教師役を買って出ます。

Mystique本作で最も重要な役割を担ったのがレイブン(後のミスティーク)でしょう。彼女はチャールズの妹として育ちます。あまり必然性のない設定のように思えますが、「ミュータントは誇り」「ありのままを受け入れよう」というレディー・ガガ的な思想でもってマグニートーに寄り添うことになる心の揺れ、振れ幅を体現しているのですよね。ちなみに半世紀後、変身能力を失ってもスーパーモデル級の容姿を保っていられた理由が明かされました。特殊な細胞を持つ彼女の場合、老化のスピードが遅いのだそうで。

Dr.Mactaggert次に驚くのがモイラ・マクタガート女史。本作ではなんとCIAの諜報員でした。3作目にもマクタガート博士として登場してましたし、てっきりお医者さんだと思っていたのですが、医官的な諜報員でしょうか。わざわざ同姓同名の別人ってことはないでしょうから、騒動に巻き込まれ、チャールズと親しくなったことでミュータント問題に取り組むべくCIAを退職して遺伝子学者になった秀才といった感じでしょうかね。

HAVOKそれから親子シリーズが三組。まずアレックス・サマーズ(ハボック)は原作ではスコット・サマーズ(サイクロップス)の弟ですが本作では親世代として登場します。同じサマーズ姓でやはり赤色の破壊光線(オプティックブラスト)を放つので、父親への設定変更でしょう。自分の意志で破壊光線を発射できる分、サイクロップスよりも洗練されているとも言えましょう。

VANSHEE同様にバンシーが第2作目に出てきたサイリーン(学園が襲撃を受けた際、超音波を伴って叫んでいた少女)の父親となるはずです。こちらは父娘でまったく同じパワーかな。

さらにもう一人、アザゼルがナイトクローラーの父親ってのも決まりですね。母親はもちろんミスティークで、この点は原作通り。悪魔的な外見とは裏腹に誰よりも善良な心を持った息子は父からはテレポート能力と器用な尻尾を、母親からは異形の姿と青い皮膚を受け継ぎました。

AZAZEL

SHAWそして圧巻はセバスチャン・ショウ。チャールズやエリックよりも上の世代のミュータントです。正直、私は途中までエリックが彼を憎む理由が解りませんでした。エリックがアルゼンチンでナチの残党二人を私刑し、ナントカ号って船を襲撃するくだりでも「何で?」と。なるほど、アウシュビッツでエリックの母を射殺したメガネのあいつがセバスチャン・ショウだったのですか(私はしばらく経たないとガイジンの見分けが付かないもので…)。ああ、だからこそショウはエリックのミュータントパワーにも動じず着目し、能力を開発しようとしたのですね。「自分はナチとは違う」という発言にも納得です。同じ選民思想でも支配者階級は金髪碧眼のアーリア人種ではなく自分たちミュータントであると。悲しいかな彼の地位とテレパシー遮断ヘルメットはマグニートーに奪われてしまいますが。

ちょっと解りにくいのは、爆発、破壊光線、銃弾、打撃とあらゆる物理的攻撃が通じないショウが突如無力化された点。エリックがショウのヘルメットを奪うことに成功したので、チャールズが遠隔地からフリーズの技をかけたのですね。第2作目の自然史博物館で来場者全員を固めたあれで。

そして終盤にチャールズが背中に銃弾を受け、下半身不随になって後の物語に繋がります。一つ大きな矛盾は第4作目でフェニックスパワーを秘めた少女ジーン・グレイを訪ねた際の彼はまだ歩けてたこと。どっちかって言うと前作の方の設定ミスでしょうが。

で、私の感想を言うと「終盤は盛り上がって面白かった」です。違う言い方をすると「前半は凡庸」かな。CIAでチャールズが皆に稽古をつけているあたりまでは割と退屈な感じだったなぁと。でも、一通り把握してからまた見返すと違う印象になりそうな気がしますが。

途中、ウルヴァリンは実に解りやすく登場したもののスタン・リーの姿は見つけられませんでした。今回もどこかに出演していると思うので、DVDが出たら改めて探してみるつもりです。


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SPACE BATTLESHIP ヤマト

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映画『SPACE BATTLESHIP ヤマト』を観てきました。映画館に行くと劇場スタッフがヤマトコスプレ。ハリーポッターなんかを見に来た人にヤマトも観とこうかと思わせる狙いでしょうか。Podcastによると公開初日はTBSの受け付けもそうだったらしいし、気合い入ってますね。

さて、作品の感想ですが、「まあ、わざわざ観なくても良かったかな…」です。あくまでも私の感想ですが。

例えば、古代進が木村拓哉でしかないと感じられること、CGのヤマトもパチンコのCMに見えてしまうこと。あとは、いかにも昔の作品のリメイクでストーリーの無理やり感が目立ってしまいます。

昔から思っていたのが、人類が宇宙に進出している2199年の未来にあって、クルー全員が日本人で固められている点は不自然すぎるだろうと。ひょっとして原作には「その頃、日本以外は壊滅」なんて設定があったりするのでしょうかね。

それに上映時間の都合でしょうが、往復30万光年の旅があっという間に終わってしまう点。スタートレックのヴォイジャーが7万光年を7年かかって帰ってきたのに…ってのは余談ですが、ヤマトのワープはスタートレックのそれよりもかなり高性能なのですね。あの船体に水や食料なんぞをどれほども詰めなさそうですし、推進や砲撃の燃料は何なのだろうと。あれほど強烈な波動砲の反動をどう逃がしているのかも不明です。ナンセンスなアラ探しですが。

それから何万光年も遠くのガミラスが、はるばる地球を攻略しに来るというのも…。こちらはもっと近くに適正惑星がなかったってことなのでしょうね。

あとは、どうしても私が直近に観ていたSF作品『BATTLESTAR GALACTICA』と比較してしまいます。空母機能を持った戦艦一隻と、いわゆる飛行機型の艦載機としての戦闘機という点が似ているので。そうすると情熱的で喧嘩っ早い森雪は奔放で快楽主義のエースパイロット・スターバックには及ばないなぁと。もっとも同じ「宇宙の旅モノ」のヴォイジャーやGALACTICAは連ドラであって複数年にわたり計何十時間も与えられていたわけで、その点は差し引かないと。

でもまあ、ヤマトには宇宙を横断する旅の壮大感はなくて、どちらかというと近所まで行って帰ってくる潜水艦ドラマみたいな雰囲気。そしてクライマックスはお決まりの死を覚悟した志願と特攻。事前に解っていたとは言え、原作のプロットを守る以上、こんな感じにしか作りようがなかったのかもしれません。

逆に良かった点。古代進がどうしても木村拓哉にしか見えないのとは逆に緒形直人の島大介は実にしっくりいってた感じがします。


SPACE BATTLESHIP ヤマト スタンダード・エディション 【DVD】

iTunesの映画配信はアンチBlu-rayの表明だ

グラン・ブルー 完全版&オリジナル版 -デジタル・レストア・バージョン- Blu-ray BOX 【初回限定生産】マレーシアへの旅行中はインターネットなし生活だったので、日本に帰ってきて初めてiTunesで映画配信サービスが始まっていたことを知りました。

差し当たり映画の品揃えは予想以上に多かったものの、まだまだ不十分な感は否めません。

iTunesの画面
いきなりグラン・ブルーが入っているところなんか渋いなぁ…

とは言え、こうして口火が切られた以上、流れは止められないでしょうね。特に近所にDVDレンタル屋さんがない地方なんかでは重宝されそうです。Apple TVは8,800円と安価ですしね。願わくばDVD化されていないVHSオンリーのタイトルや80年代のミュージッククリップ各種が販売されるようになってくれると嬉しいのですが…。

さて、AppleがBlu-ray陣営に名を連ねてから久しいものの、MacへのBlu-rayドライブの採用はいっこうになされてきませんでした。まだDVDよりも高価だということもありましょうが、おそらく最大の理由は「インフラさえ整えばネット配信の方が好まれるはず」と踏んでいたからなのでしょう。いや「iTunesの普及度を活かしてネット配信に誘導した方がAppleとしては断然美味しい話だから」という思惑と言った方が妥当かな。

加えて先に発売されたMacBook AirにはOSの再インストール用USBメモリが同梱されています。また、年明け早々にもMac App Storeが開始される予定です。ならば、今後発売されるMacの一部、もしくはすべての機種が光学ドライブを搭載しないで出荷されるようになるかも知れません。来夏のMac OS X 10.7 Lionにしても、USBメモリ版かダウンロード販売(別途外付けストレージが要りそうだけど)のみで提供される可能性もあるでしょう。コストは上がるものの、CD-ROM/DVD時代の終焉を演出する効果が見込めますので。

また、Appleがmobilemeとは比べ物にならない大々的なクラウドサービスを開始するのは時間の問題とも見られています。確かに映画なら個々人のHDDに保存させるのではなく、クラウド上に置いて閲覧件を買ってオンデマンド的に使ってもらう方が合理的で、かつ顧客の繋ぎ止めにも有利ですよね。

ともかく、いよいよAppleはBlu-rayというか光学ドライブの類いをバッサリ切り捨てに掛かっているのだと私は思います。

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