ポンタ健在?

10年以上前、座間味のとある海域(阿嘉島 や安室島の近く)には「ポンタ」と命名された人懐っこいサザナミフグがいて、ダイバーに愛嬌を振りまいていたという話を聞いたことがあります。その頃のダイビング雑誌にはよく登場していたような。

もちろん初代のポンタはとうの昔に天寿をまっとうしたわけですが、いました、今回も人懐っこいサザナミフグが。

サザナミフグ

砂地の上を移動中に左側から視界に入ってきたかと思うと、どんどん接近してきます。でも私のカメラはレンズ前のワーキングディスタンスが20cmほど必要なので、あまり迫ってこられても具合が悪いのですよね。もちろんレギュレータ越しに「来るな」と言っても聞き入れてはくれません。

サザナミフグ

しかたなく自分が後ずさりするもののダイバーに興味津々なのかニッコニッコしながら遠慮なく距離を詰めてきます。

サザナミフグ

あまりに寄ってくるので尻尾を軽くつまんでやると、くるっときびすを返すものの、また直ぐに戻ってきます。もう一度尻尾をつまんでも、すり抜けはするものの、やっぱり笑顔で近寄ってくるのですよね。

てなわけで、格好の被写体なのに狙えて撮った写真がありません。

サザナミフグ
強いて選ぶならこれが最高傑作かな

かつてのポンタの血統を受け継いでいるのか、あるいはここの海のサザナミフグという種にその傾向があるのかは解りませんが、ともかく遊んでくれました。それも写真が撮りづらいぐらいに…。

私はこの個体を「ポンタ53世」と名付けたいと思います。

座間味のエビ

今月最後のダイビングは座間味。朝9:00泊港発のクイーン座間味で島に渡り、この日は2ダイブ。 とりあえず一番よく撮れた写真から。

スザクラエビ
スザクラエビ。エビ図鑑の表紙にできそうな感じかと

それからアカスジシラヒゲエビ。

アカスジシラヒゲエビ
この子はウツボをクリーニング中でした

さらにはニセアカホシカクレエビ。

ニセアカホシカクレエビ
ニセモノ呼ばわりとは気の毒なネーミングだ

それからオトヒメエビ。

オトヒメエビ
オトヒメエビ レギュラーメンバー。岩の下を覗けばヒゲが見えるので簡単に見つかりますよね

那覇空港のナポレオンフィッシュ

会社終わりで羽田空港に向かい、ANAの航空機で那覇空港に到着。さっそく水槽チェック。向かって左側の水槽にはナポレオンフィッシュがいるので。

が、さすがに23時だと眠そう。棚の上に鎮座して動きません。

眠そうなナポレオンフィッシュ
眠そうなナポレオンフィッシュ iPhone 4Sで撮影。iPhoneは水槽にピタリと押し当てやすくていいですね

でも、自然界なら海の中は18時ぐらいで夜になるのに夜遅くまで明るい空港内は気の毒だなぁ。まあ、狭い箱の中で飼われている時点でそうなのですが。

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ちなみに夕方の便で先に沖縄入りしていた仲間は自身の結婚式のために帰郷していたスリムクラブの真栄田賢さんと同じ飛行機だったそうな。このたびはご結婚おめでとうございます。

沖縄のカキイレドキが終わった瞬間

沖縄のダイビングショップにヘルプに行っていた知人が帰ってきました。月末、また行くようですけど。

さて、その沖縄ですが、やはり例の台風の三連休(私も行きそびれた)を境に空気感が変わったようです。ダイビングショップはもちろんホテル、タクシー、飲食店、物産店のすべてが商売上がったり。まあそうですよね。よりによって三連休ずっと近隣に台風が停滞する予報が出たのでは。実際には暴風雨も一瞬で、おおむね天気は安定していたみたいですが。もっとも海況の方はやっぱり…。

で、その台風以降、気温、水温とも下がって、すっかり秋っぽくなったようで。とは言えそこは沖縄。東京でもいまだTシャツ一枚、水温19℃でも3mmウェットスーツの私にはまだまだ夏同然。

てなわけで来週末から行ってきます。微力ながら沖縄経済に貢献してこようと。というか半ば写真の修業ですが。

今度こそ台風が来なければいいけど。

さあみんな海に行こう!

私の知人が何人か3連休にかけて海外にダイビングに出かけます。彼らも以前は年に何度もリゾートに出向くような感じではなかったのだけど最近はそうですね。そういう私も同様。前は年に1~2回、南の島に行かれれば満足だったのが今では年間6回を越えるペースで海外や沖縄に足を運ぶようになりました。

各人で事情は違うにせよ共通の背景はいくつかありそうです。

1. 円高が進んで海外旅行に割安感がある

もっともこれの信憑性は怪しいですね。一方で燃油代も上がっていますし。例えばパラオのクルーズ船ツアーは円安だった昔の方が圧倒的に安価でした。なにしろクルーズ船は一度の航海に何万ガロンもの軽油を使うので。陸ステイのツアーはそこまでではないにせよ、ダイビングボートにも例外なく燃油が必要です。

2. 経済の停滞で休暇が取得しやすくなった

この影響は確実にありましょう。多くの業界で、かつての休日を休めないほどの忙しさがなくなったはずです。

3. 総じて物欲が減退している

実際、私は欲しいと思うモノが少なくなりました。とはいえ消費への意欲はあるので「そうだ、南の島にダイビングに行こう」となるわけです。以前は何十万円もするAV機器を背伸びしてでも買ったものですが、今はもう。

4. デフレで物価が下がった

今や40型の液晶テレビが5万円、Blu-rayレコーダが3万円、パソコンに至ってはケータイよりも安価というありさま。衣料ではUNIQLOが国民の制服であるかのように幅を利かせ、牛丼は300円していません。日用品の多くが100均で揃い、必要十分で選んでいけばモノを買うときの負担感は確実に低下しています。

所得が横ばいだったとしても住宅ローンや子供の教育費などを抱えていないなら、経済的な余力を他に振り向けやすくなったと言えそうです。

5. 潜在的なストレス

難しい時代に差しかかり、多くの人が癒しを必要としているのだと。ダイバーなら意識が海に向かうのは当然でしょう。

6. 大震災の影響

これもありそう。つまり、あのとてつもない震災によって、あらためて人の命のはかなさとモノを持つことへの羨望や執着が薄れ、人々が「買うなら心に残る体験を」という考え方に変わったと。

7. 環境変化への警戒感

これは私だけかも知れませんが、昔よりも海が劣化している気がしてなりません。劣化という言葉は不適当かもしれませんが、温暖化や環境破壊によって海の中は確実に変化しているのを感じます。古いダイバーが顔を合わせたときによく出る会話が「パラオのブルーコーナー、昔ほど面白くなくなったよね…」だったりしますし。

この先どうなっていくかは解らないものの、温暖化で珊瑚が死滅するだけでも生物相が大きく変わりかねないので「今のうちになるべく楽しんでおこう。10年後、20年後のダイビングは今ほど面白くはないかもしれないから」という思いが働きます。

もちろんこれらは私のダイビング仲間という限られた人たちに当てはまりそうなだけで、もっとサンプルを広く集めたら違ってくるかも知れません。

ただ「もはや日本はモノ作り偏重でやっていかれる段階じゃない」ということは言えそうです。幸いなことに行き渡り感もありますし、人々が必ずしも物質的な豊かさを望まなくなったのだと。

もしそうなら今後は良質なサービスとの結びつきが薄い製造業は生き残りが難しいかも。単にモノを作って売るのではなく、素晴らしいユーザー体験をもたらすためのモノを買ってもらわなくては。

折しもスティーブ・ジョブズ氏の訃報が伝えられましたが、彼がAppleで成し遂げたことが、まさしくそれだったのだと思います。