PowerShot S100は最強の水中コンパクトカメラだ!

関連エントリ:Canon PowerShot S120の進化 今、ダイバーの間で最も人気のカメラはOlympus XZ-1。


OLYMPUS デジタルカメラ XZ-1

1/1.63型とコンデジの中では最大級のセンサーサイズを持ち、純正の水中ハウジング(防水プロテクター)も用意されているので高画質な上にコストパフォーマンスは抜群です。


OLYMPUS デジタルカメラ XZ-1用 40m防水プロテクタ PT-050

あえて不満点を挙げるとすればフルHD動画が撮れないことぐらい。まあOlympusは遠からず後継のXZ-2を出してこの課題はクリアするものと思われます。2月にCP+が開催されるので、早ければその前には発表されるでしょう。

ただし対抗馬が不在なわけではありません。私が最近気になっているのはCanonのPowerShot S100。

 
Canon デジタルカメラ PowerShot S100

XZ-1と同クラスの1/1.7型センサーを持ち、フルHD動画も撮れる最新機能てんこ盛りのコンデジです。もちろん純正の水中ハウジング(ウォータープルーフケース)も用意されています。


Canon ウォータープルーフケース WP-DC43

残念ながらCanonの純正水中ハウジングは相変わらずコンバージョンレンズ用のネジ径はもちろんアクセサリシューすらない中途半端な代物ですが、きっとINONが救済策を打ち出してくれると思います。

さて、PowerShot S100の最大の特徴はレンズの周りにコントローラーリングが設けられている点。リングにはユーザーが「ISO感度」「露出」「ホワイトバランス」などから好きな設定項目を割り当てられるのですが、その中に「マニュアルフォーカス」があります。つまり、コンデジでありながらデジイチでマクロレンズを使うときのように手動で微妙なピント調整ができるのです()。

※ Olympus XZ-1もマニュアルフォーカスが使えますが、デジイチの操作性に似せたコントローラーリングではなく、背面のダイヤルを回す方式だそうで。ハウジングの背面パネル仕様は未確認ですが、あまり使いやすくはなさそう…

マニュアルフォーカスが使えるカメラとしては以前からCanon PowerShot Gシリーズがありましたが、あちらはどうにも進化の袋小路に入ってしまった感は否めません。もはやミラーレスカメラよりも重いし…。

で、量販店でS100を試してみたところ、なかなか使えそうでした。あらかじめメニューでコントローラーリングに「MF」を割り当て、カメラを被写体に向けてリングを操作します。すると液晶画面の中央に拡大イメージが表示されました。コンデジのマニュアルフォーカス対応機にはお馴染みの機能ですね。展示物の液晶表示の写真を撮るのははばかられたので再現図で説明するとこんな感じ。

再現図
こんな風に 液晶モニタの中央に部分拡大イメージがオーバーレイ表示されます

拡大イメージの精度もまずまず。従来、コンデジでのマクロ撮影時にピントを確認しようにも液晶モニタの精度が荒くて大ざっぱにしか確認できなかったところが、リングをグリグリやったときのピントが合ったり合わなくなったりを判別できました。

もちろんデジイチでマクロレンズ(Nikonならマイクロレンズ)を使うときのような倍率(フルサイズ機で等倍、APS-Cなら1.5倍)はないものの、必要なワーキングディスタンスは僅か3cm(ちなみに私のD7000は約20cm)。加えてコンデジなのでズーム機能が使えます(掛けすぎると手ブレの心配が出てきますが…)。スームをかけると寄れなくなったり、クローズアップレンズを併用するとズーム可能な範囲が限られたりするはずですが、ともかく使い方次第でかなり被写体を大写しにできそうです。

というわけで個人的にはOlympus XZ-1よりもCanon PowerShot S100の方が断然魅力的だと思います。マクロ撮影に使うコンデジとして現時点では最強と言ってもいいでしょう。

ただし、コントローラーリングを操作するためのつまみが左側にある純正ハウジングでは操作に両手が必要になるので、お値段は張るもののSeatool製やNauticam製の水中ハウジングで使った方がいいですね。それらはコントローラーリングを右手で操作できるようになっている上、レンズポート前のネジ径とアクセサリシューもあるので、大仰にアームを展開しなくても外部ストロボやライトを接続できます。

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昨今、コンパクトデジカメのポジションはケータイのカメラに侵食されっぱなしでしたが、このPowerShot S100は面白い差別化の方向性を打ち出せた気がします。マクロ派ダイバーに限ってのことかもしれませんが…。

関連エントリ:Canon PowerShot S120の進化

オリンパスは生き残れるか?

案の定、オリンパスがどえらいことになってきましたね。もはや上場廃止は避けられないとばかりに際限なく売り浴びせられて株価は惨憺たるものですし、今後も株主からの訴訟など厳しい会社運営が予想されます。

とは言え、本業が不調で窮地に陥ったわけではないので買収を狙う会社は少なくないはず。なにしろ内視鏡分野で世界シェア7割らしいので。もっとも買うとうしても同社がウミを出し切ってからということになりますが。

そして、もし他の企業が傘下に収めるとなった場合、赤字続きのカメラ事業まで持ち続けるかは疑問です。オリンパスにとってはカメラはアイデンティティの拠り所的な意味合いがあったようですが、医療機器事業を主眼に置いた買収であればカメラ事業は必要ない気がします。コンパクトデジカメ市場はとっくに飽和状態ですし、人気のPEN/PEN LITEにしても一眼カメラ市場で大きなシェアを獲れているわけでもありませんので。内視鏡用途に技術の還流などがあるのかもしれませんが、このままカメラの新製品を出し続けるのは賢い選択には思えません。オリンパスが自力で再建する場合でも赤字のカメラ事業は重荷になるだけです。

折しも同社は新製品のOLYMPUS SH-21を発表したばかりですが、ことここに至っては遠からずカメラ事業の売却を余儀なくされるのではないかと思います。その場合の受け皿はやっぱり韓国もしくは中国の企業でしょうかね。

我々ダイバーのOLYMPUSカメラの所有率は高いのですが、「OLYMPUS PEN」が1~2年後には「SAMSUNG PEN」とか「HAIER PEN」になっている可能性もまったく無い話ではないと思います。いや、SAMSUNGなら「GALAXY PEN」かな。

まあ、もしそうなってもある日突然サポートが終わるなんてことはないでしょうから、オリンパス製品が好きなら買ってもいいと思うのですが、私ならOLYMPUS XZ1とほぼ同サイズのイメージセンサを搭載したCanon PowerShot S100にするかな。XZ1と違ってフルHD動画も撮れるし、カメラの使い勝手はキヤノンの製品の方が好きなので。

例によってCanonの純正ハウジングには仕様的に難があるものの(シューベース、コンバージョンレンズ用のネジ径、光ケーブル接続用の穴がない)、そのうちINONあたりが何とかしてくれるでしょう。

WP-DC43 PowerShot S100用ハウジング
PowerShot S100用純正ハウジング。 レンズポート側面のダイヤルは何に使うんだろう?

PEN LITE3用水中プロテクタの仕様

フィッシュアイのblogにOLYMPUS E-PL3と専用水中プロテクタ(ハウジング)のレビューが載りました。

PT-EP06L LEDライト点灯イメージ気になっていたレンズポート周りの4個のLEDライトですが、その光量はフォーカスライト程度とのこと。ならば外部光源なしでウミウシに目一杯寄って撮るなんてことは難しいかも。撮れるけど暗いとか。だとすると残念だなぁ。このプロテクタは拡散版が付いていて内蔵フラッシュ(外付けだけど…)の光を通す仕様ですが、被写体に近づきすぎるとフラッシュ光がレンズポートにケラレるはずですし。

いや、そもそもこのプロテクタの対応レンズは14-42mm標準ズームレンズのみらしいので、そのようなマクロ指向というわけでもなさそう。もちろん前面の67mmネジ径にクローズアップレンズを付ければマクロっぽい撮影はできますが、そもそもスームレンズ+クローズアップレンズならコンデジと大して変わらないような…。その使い方なら同じOLYMPUSのXZ-1の方がよほど簡便でしょうし。

それに、そういうことだったらプロテクタには最初から交換レンズポートも用意しといてくれないと。他のレンズを使いたい場合はLED4個付きの手の込んだ作りのレンズポートが無駄になるわけで。

いや、そもそも水中でLEDのフォーカスライトを使うのは被写体までせいぜい50cmかそこらの距離の撮影時のみでしょう。ならば以下の2種類のレンズポートを選べるようにしてくれればいいのに。

  • 14-42mm標準レンズ用レンズポート(LEDなし)
  • 45mmマクロレンズ専用レンズポート(LED付き)

自社で用意するのが厄介ならレンズポート別売にしてサードパーティに補完を任せても良いのだし。これとかこれみたいな。

マリーンプロダクトの清水さんはこの仕様でいけると判断したのでしょうかね。それともメーカー側が「レンズポートは1種類で…」と押しきったとか?

個人的にはちょっと納得がいかない仕様でした。

OLYMPUS PEN LITEの水中カメラセットがより完璧に!

フィッシュアイのサイトにOLYMPUS PEN LITE用ハウジング向けの新製品が掲載されていました。私のファーストインプレッションは「おう、これであのハウジングも完璧になるんじゃない?」です。

その新製品とはレンズポート2種類。

ZENレンズポート2機種

この通り純正ハウジングのレンズポートと換装するものです。純正ハウジング、ポートの接合箇所に継ぎ目はあるもののボディと分離不可能かと思っていたら、どうやらそうでもなかったようで。  

PEN LITE用ハウジング
PEN LITE用とPEN LITE-2用のどちらのハウジングにも付けられるらしい

通常、一眼カメラのハウジングはボディとレンズポートが別売になっていて、使いたいレンズに合わせて最適なポートを買い求めるわけですが、OLIMPUSは無条件に単一仕様のレンズポートを付けて発売してきました。おそらくコンデジ風に簡便に使わせたいと考えたのでしょうが、どうにも中途半端な印象は否めず。でもこれでレンズ特性を活かした撮影ができるようになりますね。特にドームポートのワイド撮影では視界がぐっと広がりそうです。

ただし、お値段は張ります。ドームポートなんかハウジング本体よりも高価だったりしますし…。

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オリンパス PEN Lite3の発売日が決定

毎年この時期はデジカメの秋の新製品発表ラッシュ。ダイバー注目のオリンパス PEN Lite E-PL3の発売日もアナウンスされました。意外に早くて9月3日だそうです。来週末ですね。

気になるのは例のハウジング(水中プロテクタ)の発売時期。レンズポートの周りに4個のLEDが付いたこれの。

PT-EP06L LEDライト点灯イメージ

メーカーのサイトは「2011年秋発売予定」のまま。イメージも3D画像から変わってません。どうせならフルセットで買って値引き率を大きくしてもらいたいという人も少なくないでしょうから、発売はなるべく早い方が良いと思うのですが。

今ごろ沖縄のマリーンプロダクトでは新品のPEN LITE3と試作機のハウジングがあれこれ試されていたりするのかな…。