最も濃密な海外ダイビングツアー計画

先月の3連休がらみの3泊4日でパラオに行くと言っていた知人は結局サイパンに行って帰ってきたようです。出発の数日前、私と話をした時点では「ミステリーツアー」として主催者からダミーの行き先を聞かされていたのでしょう。そりゃそうですよね。3泊4日でパラオとなるとJALチャーター便とはスケジュールが合わないので潜れるのは2日目だけ。しかもコンチネンタル航空でのグアム経由になりますし(曜日によってはヤップも経由します)。

さて、海外にダイビングに行く際は日数がポイントになります。3泊4日で2日間潜れる海外となると、やはりサイパン、グアム、フィリピンですね。出発を早朝か前日の夜にすればサイパンやグアムなら3日潜れます。去年はそれをやりました。金曜日の夜出発のデルタ航空でサイパン入りし、3日潜って火曜日(祝日の次の日)の早朝便で帰国、その足で出社するパターンです。勤め人にとって限られた休暇を有効に活用するためには有利な日程と行き先を選ばないと。

そうして見つけたのがこちら。

行き先:マレーシア、サバ州
宿泊&ダイビング:シパダン近辺
出国予定:羽田空港01:35(集合は前日の夜)
帰国予定:羽田空港23:05
期間:5日間(月曜・土曜)もしくは6日間(月曜・水曜・金曜)
旅行会社:ジスコ・ボルネオ旅行社

この方面のツアーの良いところは何といっても日程をフルに有効活用できる点。初日は羽田空港に23:20集合、翌01:35に出発なので東京近郊か らは会社終わりで向かえます。土日休みの人は土曜日の夜に出発するのはもったいないので金曜日からの6日間コースあたりがお勧めですね。ちなみに成田空港 からのツアーなら曜日を自由に選べるものの、潜れる日数は1日少なくなるとのこと。

旅の概要はこんな感じ。金曜日は出国手続きのみ、翌土曜 日が機内泊でマレーシアへ。コタキナバル空港に着いたら国内線でタワウ空港に飛び、その後も車とスピードボートを乗り継いで正午前(時差が1時間あるの で)にはリゾートに着きます。時間帯は違うもののマニラからフィリピンの地方都市やグアムからミクロネシア各地に飛ぶパターンと似た感じですね。長距離移 動はそれなりに大変ですが、その日の内にチェックダイブを済ませ、ダイビングサービスによってはもう1ダイブ(サンセットセルフ)も可能です。

続 く日曜、月曜、火曜はガイド付き3ダイブ+セルフダイブができます。セルフダイブには追加料金も発生しませんし、オプションのナイトダイブが用意されてい るリゾートもあります。5泊6日といいつつ実質5日間の日程で4日間、計10~14ダイブ(毎日セルフを1本ずつとして)かそれ以上潜れるわけです。

帰国日もお昼前に現地を出発。パラオやサイパンのように夜の一番眠い時間帯に空港に向かったり、フィリピンの地方都市のように早朝から起き出して移動する必要はありません。

加 えて到着日の朝食以外の全食付き。昨年利用したカパライリゾートの食事はビュッフェの食べ放題で日本人の口にも合い、帰りの日のお昼には軽いお弁当も持た せてくれました。滞在中ほとんど現金を使う機会もなく(シパダンの入域料は現地払いになるかも)、食う・寝る・潜るののんびりダイビングです。その分、現 地のスーパーマーケットや市場を散策するような時間もありませんが。

そして帰国日を祝日に当たるようにすれば二日間の休暇取得だけで6日間のツアーに参加できます。カレンダーを見ると直近では11月23日(水)が祝日です。

と いうことで11月のダイビングはマレーシアのマブールに決定。18日(金)~23日(水祝)の日程です。今年の潜り納めかな。お隣のカパライとの両睨みで したが、全室が水上コテージで人気のカパライリゾートが先に埋まり、マブールの水上コテージも早々と埋まっていたので、今回はマブール島のロッジ利用にし ました。

マブール島の鳥観写真
マブール島。マクロ派ダイバー憧れのダイブサイトの一つ

また、金曜日ではなく水曜日からの6日間ってもありですね。それだと木曜と金曜を休んで月曜日に帰ってくるパターン。水曜日の祝日は再来年の3月までないものの、ハッピーマンデーのおかげで月曜日の祝日が来年は6回あります(1月9日、4月30日、7月16日、9月17日、10月8日、12月24日)。今回のマブールの手応え次第では、そのどこかでまた行く気になるかも知れません。

マレーシア航空、コタキナバル→羽田便の初フライトに乗りました

2010年11月16日、羽田⇔コタキナバル(マレーシア)が就航となったのですが、当然ながら羽田から飛ばせるためには羽田に機体を持ってきておく必要があります。というわけでカパライツアーの帰国はコタキナバル⇒羽田の初フライト便でした。

話を遡ると、帰国日の朝10時過ぎにカパライリゾートを出発。ボートで1時間ほどかけて波止場に。そこから陸路で約1時間走りタワウ空港に。14:44発の国内線に搭乗してコタキナバルに飛びました。

ただし、タワウ発の飛行機が少々遅れたためコタキナバル到着時にはすでに羽田便の搭乗開始時刻。急いで出国手続きをした後、ダッシュで搭乗ゲートに。どうも正規の通路じゃないらしい裏道を走らされたあげくパーティ会場に到着。なるほど就航記念の式典が開かれていたのですね。残念ながら間に合いませんでしたが。そんな感じだったので手荷物検査もなし。

ゲートを抜ける際にはレイをかけてくれたり記念品を手渡されたり。

セレモニーの後
ゲート外には伝統舞踊の衣装を身にまとった人がたくさん
お偉いさん達
お偉いさんかな
新品のマレーシア航空機
飛行機は羽の先が曲がった真新しい機体

ボーイング737 800型の飛行機にはそのまま歩いて搭乗。シートは往路と同じく横3席+3席なのですが、この通り革張り風でした。天井もカッコいいですよね。2001年宇宙の旅の宇宙船の内壁みたい。 後方の光景 前方の風景はこんな感じ。 前方の光景 ちなみに照明はこの写真のようなホワイトからブルーに切り替わることがあります。 天井のライト 液晶パネルが埋め込まれたシートにはUSB端子が付いていてiPhoneを充電できます。 液晶モニタ そればかりかエコノミークラスでもシート下にはコンセントが付いていますね。一見マレーシア流のB3BF型かと思いきや、こうして見ると日本のようなA型プラグも挿せそうな感じです。試しませんでしたが。 シート下のコンセント そして機内食はこちら。 なかなか美味しかったです。 機内食

なお、この日の搭乗率は7割とのことで、しかも私の席の隣とその隣も空いていたので、3席を一人で使うことができました。クッション3個を敷いて横になれてラッキー。ちなみに私の席は15Aだったのですが、前列の14が非常口に接しているため他より足もとが広くなっていました。もし座席指定が可能なら14列が狙い目です。

そうして22:35に羽田到着。ジャスト5時間でした。でも、ここからは長く、イミグレーションまで延々と歩かされますね。まあ、その先は成田の場合と大差ありません。

最後に、機内預けの荷物を受け取って大きな扉を抜けるともう京急線の駅が見えるのですが、コンコースに下るエスカレータはけっこう長いので、駅が近いからと悠長に構えていたら電車を逃しかねないので要注意です。

カパライ総括

今回のカパライツアーを振り返ってみて。

事前に訊いていた通り、カパライは極上のリゾートでした。気持ちのいい水上コテージ、全食が食べ放題のビュッフェ。しかも毎回のメニューも美味しくて。

クリスマス装飾

ダイビングも充実。結局4日間で15dives(内、ガイド付きは13dives)潜り、追加ダイビングフィーも無し。毎回の機材のセッティングはお任せ。タンクを背負って歩くのもハウスリーフに潜る際に桟橋まで移動するときだけ。その上、海の中の生物相も豊かです。ハウスリーフデすら他所のダイビングリゾートからボートで訪れて潜っていくほど。せっかく羽田・コタキナバル便が就航したことですし、近々ぜひまた行きたいと強く思いました。

でも、注意事項もありますね。差し当たりビギナーを連れて行くのはためらわれます。世界各国からダイバーが終結するかの地でのダイビングスタイルは、ガイドがガイディングしかやらない国際スタンダードスタイル。日本や海外の日本人向けダイビングショップのように残圧を確かめたり、深度に気を配ってくれたりといった面倒は見てくれません。

また、今回は終始濁りが入っていました。総じて透視度10m以下といった感じ。よってちょっとしたきっかけで仲間を見失います。実際、6人 or 8人チーム+ガイドで潜っていて各人が何度かはぐれましたし。

まあ別の時に行けばまたコンディションは違うはずですが、より悪い場合もあるはずなので、やはりビギナーは安易に連れていかれません。いや、ビギナーでも残圧と水深、そしてはぐれたときの対処ができる人なら良いのですが。もしくは面倒見の良いイントラに同行してもらうか。私はマクロ撮りのカメラ派なので、あまり他人のケアはできませんし。まあ、ビギナーの方々はショップ主催のイントラ動向ツアーに参加するのがいいでしょうね。

で、以下は今回のウミウシ特集(抜粋)。

アカフチリュウグウウミウシ

アンナウミウシの仲間?

カグヤヒメウミウシ

イロウミウシの仲間?

ミラーリュウグウウミウシ

知らないウミウシ

カエルアンコウフィーバー

カエルアンコウ1
30cmクラスのカエルアンコウ

ダイビング三日目と四日目はシアミル、マブール、カパライでのダイビング。 シパダンほどダイナミックな海域ではなく、正直、どこがどうという記憶も残っていないのですが、まあいつもの癖でマクロ系を探しながら潜りました。 と言いつつ、カエルアンコウには感激したりして。

カエルアンコウ2
さらに同サイズの別個体
カエルアンコウ3
別の種類の。かなりぶれちゃった…
カエルアンコウ4
赤いのもいれば…
カエルアンコウ5
青いのも

いやぁ、素晴らしい海域でした。

リゾートホテル評(カパライリゾート)

カパライリゾートでの宿泊は水上コテージ。まあ、すべての客室がそうなので。

私が利用したのが4号室。外観はこう。

水上コテージの玄関

内装は板張り。ベッドは一室につき3台。今回は二人で利用しましたが。

コテージの内装

エアコンはなく、天井でサーキュレーターが回っています。それでも快適です。

内装(サーキュレータ)

バスタブはベランダ際。大きな扉を開けると海を見ながら入れます。

バスタブ

そのベランダはこんな感じ。

ベランダ

4号室のベランダは西向きなので夕日も見られます。

夕日

水面を見下ろすと、ダツ、エイ、ゴマモンガラなんぞがふんだんに見られます。そして亀も。夜は亀が呼吸しに上がってくるところが見られますね。

サービス面で言うと、お部屋の冷蔵庫とテーブルに飲み水の容器があって、なくなるとベッドメイクのタイミングで給水してくれます。

難点は、スタッフに言わないとタオルを取り換えてくれないことぐらいでしょうか。まあ、それでも極上のリゾートという印象でした。