iTVはクラウド型なのか?

最近の噂を総括すると、Appleは9月中旬にスペシャルイベントを開きAppleTV改めiTVを発表するとのこと。iTVは16GB程度のフラッシュメモリを搭載したクラウド型のデバイスで$99、HD(720p)動画に対応ですか。私の予想(というか願望)は「320GBのHDDとWi-Fiルータ機能を搭載し、Win PCやMacの代わりにiPhone/iPad/iPodの母艦になりうるセットトップボックス」なので、ちょっと違う方向性ですね。

でもAppleは巨大なデータセンターを建設していたので、確かにクラウド型というのも信憑性が高いように思えます。現状だとmobilemeユーザへの割り当てはデフォルトで20GBですが、一気に「無料の広告ありプランでも50GB、有料の広告なしプランなら500GB」といったサービス形態に拡充されるのかもしれません。

またクラウド型の利点として、コンテンツのバイナリデータではなく、視聴権、閲覧権を売ることもできますよね。権利を買った音楽やビデオは、いつでも何度でもダウンロードして楽しむことができると。これならディスクスペースを圧迫せずに膨大な市販コンテンツのコレクションを持つことも可能になります。しかも盗難や故障、バックアップの心配も要りません。

それに、SDやHDで買った映画のフルHD版が出たら小額でアップグレードできるとか(かつてのiTunes Plusのときのように)。コンテンツをコレクションをしていて悩ましいのは、何と言ってもメディアの世代交代でしょう。20年ほど前は映画はVHSやレーザーディスクで買うものでしたが、次第にDVDに置き換わり、今日ではBlu-Rayが勢いを増しています。でも、お気に入りの作品だからと、その都度買い直さなければならないというのもナンセンス。それに主流になることなく消えていったメディアも多々ありますし。物理メディアに縛られるのは個人的にはもう勘弁願いたいものです。そう考えると、Appleが頑にBlu-Rayドライブを搭載しないことにも納得がいきますよね。商用コンテンツはオンラインで買うなり借りるべきだと彼らは考えているのだと。やはり私はBlu-Ray機器は買わないでおこうと思います。

ああ、でもHDDはともかく、Wi-Fiルータの機能は搭載しておいて欲しいなあ。

iPhoneがdocomoの回線で使えるようになる?

日本通信株式会社が輸入iPhone/iPadをdocomo回線で使えるようにするとのこと。まあ、いいでしょう。MVNOではあってもdocomoがiPhoneの国内販売権を手に入れる話とは違うので。と言うか歓迎します。

私は東京デジタルホン→J-Phone→Vodafon→Softbankと継続的に10年以上使ってきましたが特に愛着はありません。むしろSoftbankにはやや不信感を抱いています。二年前にiPhone 3Gが発売された際、前日になって予約を一方的に取り消されましたし、翌日その店舗の抽選に並んだものの外れ。しかも抽選の前には店員が「外れても次回入過分の予約が可能」と言っていたにも関わらず、抽選後には「予約不可」と。まったく統制が取れていないだけでなく、接客業としての基本教育すらなされていないことが見て取れました。その頃のSoftbankには、その手の風評がたくさんありましたよね。今はどうかは解りませんが、嫌な思いをした時の印象は強く、後々まで記憶に残るものです。

そういうわけでiPhone/iPadの取り扱いにライバルが現れ、Softbankに緊張感が生まれることは好ましく思います。こちらが流行ればSoftbankは懸案のインフラの増強計画を強化せざるをえないでしょうから。私はちょうど白モデルを待っていたところなので興味深く動向を見守っていきたいと思います。

ただし、気掛かりは輸入iPhoneが壊れた場合。Appleは通常、外国で買った同社製品も修理対象にしているようですが、さすがに輸入iPhoneだと銀座や渋谷のAppleストアで即時交換とはいかないでしょう。輸入業者に託すも、繋ぎの代替機も貸してもらえずに修理待ちなんてことであれば、ちょっと契約するのがおっかないです。このあたりがこのサービス最大の課題かなと。

Appleの驚くべき新製品って何だろう?

少し前の話になりますが、Appleは「年内に驚くべき新製品を投入する」と述べたのだそうな。大方の予想ではテレビ分野だろうとのことですが、私もそう思います。音楽(iPod)、電話(iPhone)、本(iPad)ときたわけですから。

私の予想は、現行のApple TVの機能を持ちつつ、新型Mac miniに似た筐体の「iTV」ではないかと。ただしMac OS XではなくiOSを搭載。しかもAirMacの無線LANルータ機能が内包された。

iPhone/iPadの弱点は母艦を必要とすることです。現状、Windows PCかMacがないとOSのアップデートやコンテンツのコレクションができません。とは言え、iPhone/iPadのために高価なMacを買ってもらうのは少々無理があります。でも、安価なiTVが母艦の役割を果たせば問題は解決します。320GBくらいのHDDがあれば一家4~5人のライブラリやiPhone/iPadのバックアップを保存できるのではないでしょうか。もちろんiTVの操作は無線LANで繋いだiPhoneやiPadのiTVアプリから行います。製品発表会では「これで家庭にパソコンは要らなくなった!」と言ってのけるとか。

惜しむらくはiPhoneやiPadに赤外線通信機能が備わっていないこと。一般的なテレビのON/OFFができませんので。

Illustrator CS5に馴染めない…

私の本業はソフトウエア製品のGUIデザインおよびドキュメンテーション。なのでほぼ毎日2Dデザインワークの三種の神器(Adobe Illustrator、Photoshop、InDesign)を使います。

1年半ごとのお約束ということでAdobe CS5も早々にアップグレード版を導入して利用しているのですが、困ったことが一つ。Illustratorの座標です。CS4までとは上下の考え方が入れ替わってしまいました。

Illustratorでイラスト類を描く場合、数量指定によるオブジェクトの移動を多用することになるのですが、以前はマイナス値を指定すると下方向に移動していたのが、CS5では上方向に変更されてしまいました。InDesignと同じ考え方ですね。IllustratorはInDesignよりもずっと歴史の古いアプリですが、本格的な電子書籍時代の到来を見据え、その中核に位置づけるべきInDesignに仕様を合わせたのでしょう。下から上に書き進む言語はありませんので、下方向がプラスの方が自然です。

とは言え10年以上もIllustratorを使ってきた身としては、操作が体に染みついているため、ついつい昔ながらの数値を指定してはやり直す、ということを繰り返してしまいます。InDesignでは問題なく使えていたのでIllustratorが同じ考え方を採用すればすんなり馴染めそうなものなのですが、不思議なことにIllutratorとInDesignが不統一だった頃の方が上手く使えていました。

ひょっとしたら元の方式に戻す設定があるのかもしれませんが、まだ見つけていません。それに今後も考えると新しいやり方に慣れないといけないようにも思います。でも、そのときは随分先になるかも知れません。ああ、ストレスだ…。

iPhoneをdocomo回線で使いたくはない

docomoがSIMロックを解除していく方向だそうですね。「閉鎖的だ」とのレッテルを貼って世間のSoftbankへの風当たり、プレッシャーを強めようという作戦でしょうか。「消費者は通信会社を自由に選べるようになるべきだ」と。

一見ごもっともな話に聞こえます。確かに選択の自由があるのは好ましいことです。でも、もし政治主導でiPhone/iPadのSIMロックが解除されたなら、それこそ皆docomoに流れますよね。仮に「Softbank回線の方が1,000円安いです」などと言われても、多くのiPhoneユーザは「1,000円の差なら繋がりやすい方が良い」と考えるはずです。結果、docomoが勢いづいてSoftbankが失速すれば競争が阻害されてしまいます。両者の契約者数の比率はおよそ56:22と、いまだダブルスコア。弱い方のSoftbankがiPhone/iPadという類い稀な武器を持っているからauを含めた三つ巴の競争が成り立っているわけで、SoftbankがiPhone/iPadの事実上の独占権を失えば、遠からず彼らは死に体となって、後はdocomoのやりたい放題にもなりかねません。

と言うことで、私はiPhone/iPadがより繋がりやすいdocomo回線で使えるようになるのではなく、インフラが整備されてSoftbank回線のままで今よりも格段に繋がりやすくなることを強く願います。差し当たり東京の地下鉄を何とかしてもらいたいものです。