ランドールズ・プラウンゴビー

お馴染みのニチリンダテハゼ。もちろんレンベにもいます。

ニチリンダテハゼ

連れの一人は「パラダイスゴビー」と呼んでたけど、ざっと調べたら「Randall’s Prawn Goby」または「Orange Stripe Prawn Goby」って英名表記が出てきました。

まあ、セブのマクロ写真派ダイビングサービス『パラダイスゴビーズ』がニチリンダテハゼのマークを使ってるからなぁ。

それと、これまで共生ハゼは「Shrimp Goby(シュリンプゴビー)」だと思ってたけど「Prawn Goby」の方が正しいのかな。Shrimpは小エビ、Prownは中型エビだから、確かに10cmぐらいにもなる共生のテッポウエビはPrownでしょうし。

ちなみに大型エビはもちろん「Lobster」です。

ウミウシカクレエビのペア

レンベのウミウシカクレエビのペア。ナマコに付いていました。

ウミウシカクレエビのペア
先日の写真の個体とは背中の白い模様の形が違いますね

見てのとおり、ちょっと浮遊物の多い写真。これではゴミ取りもしても大して効果なし。

そう、レンベはひたすら黒い砂地なので、何かの拍子に巻き上がったりするとこういう写真になってしまいます。

ウミウシライダー

レンベのウミウシカクレエビです。

ウミウシカクレエビとニシキウミウシ

ウミウシカクレエビとニシキウミウシ

前々回のマクタンではジャノメナマコについていたけど、今回のレンベでは名前の通りニシキウミウシに乗っていました。やっぱこうでなきゃ。写真の見栄えが違うもの。

ニシキウミウシとウミウシカクレエビ
私のカメラでニシキウミウシの全体を撮ろうとすると、こういう暗い写真になりがちです

ちなみにウミウシカクレエビは「ウミウシに隠れるエビ」ではなく、「ウミウシに付いているカクレエビ」です。  

カラダカラキノコガハエルダケ

レンベにはモジャモジャの生き物が多かったりします。へアリーフロッグフィッシュ、ヘアリーシュリンプ、ヘアリーオクトパス。ゴーストパイプフィッシュですら毛が生えていました。 そして極め付けはこちら。

謎のカニ
体長は1〜2cmだったかな

毛ではないけどイソギンチャクだかヒドラだか、とにかく妙なものが体中に生えています。

イソギンチャクを手に持ったカニ(キンチャクガニ。Boxer Crab)や背中に背負ったカニ(カイカムリ。Urchin Crab)などはよく知られているけど、どちらとも違います。まるで昔の怪獣映画の『マタンゴ』やワンピースの『カラダカラキノコガハエルダケ』を食べたルフィみたい。

はたしてこれが共生なのか装飾なのか、それとも自前なのかよく解りません。

レンベの海の特徴

レンベの海、以前Animal Planetでレンベ特集を見て知っていたのですが、見事にダークグレーの砂地ですね。なんでも主に砂と火山灰と生活ゴミで構成されているのだとか。まあゴミの量はマクタンの海とさほど変わらないかな。

なるほど、サウスレイテの「リトルレンベ」もそんな感じでした。トロピカルとは到底言いがたいグレーの砂地に珍しいマクロ生物がわんさかいるという。聞けば火山灰が海の生物層を豊かにするらしいし。

ロングステイすれば違う趣きのサイトにも連れて行ってもらえるのかもしれないけど、2日間7ダイブ潜った限りでは白い砂のサイトはなかったかな。

なお、レンベでは大物といえる魚も見かけませんでした。せいぜい50cm級の朱色のハリセンボンぐらい。基本、マクロに特化した海ですね。大物が見たければマナドに留まって潜ると良いでしょう。

レンベを象徴する魚がバンガイカーディナルフィッシュ。いたるところに生息していました。幼魚はクマノミが共生するイソギンチャクの周りでよく見かけますね。

バンガイカーディナルフィッシュ
体長1〜2cmの幼魚はよくイソギンチャクの側で身を守ってます
バンガイカーディナルフィッシュ
成魚になると活動域が広がります。 体長も5cmを超える頃には可愛さが失せ、ちょっとした迫力さえ出てくるので、 この写真にタイトルを付けるなら『スラウェシ番外地』かな

このバンガイカーディナルフィッシュ、もともと300kmほど南西のバンガイ島の固有種でしたが、国外の水族館向けに輸送中にアクシデントで生体が入ったビニール袋が破けてレンベの海に放流され、またたくまに繁殖したのだとか。

レンべで他に特徴的なのはタコが多いことでしょうか。何種類ものタコをたびたび見かけます。インドネシアではタコを食べる習慣がないのかも。フィリピンの海ではタコはあまり見ないのですよね。

フィリピン人、食える海産物は何だって食うらしいですね。ボホールの市場ではマンタが売られていたり、4〜5年前にはまだ目撃例が40体目ぐらいで希少価値の高いメガマウスシャークが浜に打ち上げられた際も、一報を聞いた研究者が駆けつけたときには、すでに食い尽くされていたというし。

レンベ、マクロ好きにはたまらないけど、そうじゃない人が行くと愕然とするような海でした。