Adobe製品は2台のマシンで使える

フランス大統領選、猿小路さんが負けちゃいました。この先、どうなっちゃうんでしょうかね。また超円高に振れようものなら、細々と食いつないだ日本の輸出企業はいよいよ断末魔でしょうか。何とか大事に至らずに持ちこたえて欲しいものです。


さて今週の金曜日にAdobe Creative Suite 6が発売されます。CS6へのアップグレードを検討するにあたり、改めてAdobeのライセンス規約を確認してみました。

抜粋すると以下の通り。

  •  2台目のコンピューターはポータブルマシンまたは自宅で使用するホームコンピューターである。
  •  1台目と2 台目のコンピュータを同時に使用しない。
  •  2台目のコンピュータでソフトウェアを使用できるのは、1 台目にライセンス認証をしたコンピュータでソフトウェアを使用するユーザーに限定される。

つまり会社で買った製品を自宅のマシンで使ってもいいわけです。もちろん会社の了解は必要ですが、昨年の大震災の経験もあり、きっと在宅勤務用として許可してもらえるでしょう。重さと紛失時のダメージを考えると会社のMacbook Proを毎日持ち帰って次の出勤時に持ってくるのも遠慮したいところです。

これがセコい会社なら「2台までで使えるなら1ライセンスを2人で…」と考えるかも知れませんが、それはライセンス違反。不正使用に当たります。あくまでも「同一人物が使う2台まで」が条件のようです。1人がiMacとMacbook Proとかで同時に利用するのもダメですね。

ま、今の会社を辞めない限りは会社で購入したCS6を自宅でも合法的に使えるってことだ。自宅での作業用に10万円前後の製品を自分で買わなくて済むのはありがたいです。なにしろリゾートのダイビングツアー1回分だもんな。今年は出費がかさんでどうにもお金がないし…。

Adobe税の時期が巡ってきた

Adobe CS6のイメージ画像Adobe Creative Suite 6が5月11日から発売になりますね。さすがはソフトウエア界のコングロマリット。またぞろ手広く製品を拡充してきました。

Adobe CSは私にとってもメインの仕事道具なのですが、毎度このタイミングは悩ましかったりします。何しろAdobeはけっこう大きなバグを直さないまま新しいバージョンを投入してくるし、新バージョンでもそのバグが直ってなかったりするので…。

ちなみに私が個人で所有しているのはCS4 Design Premium。同じ位置づけのDesign & Web Premiumへのアップグレード代金は119,000円。会社で購入してあるのがCS5 Design Standardなので94,000円(Design Standard→Design Standard)。会社の方は自己負担ではないにしろ、決して安くない買い物です。

他にも月額5,000円のCreative Cloudという手がありますね。すべての主要製品の最新版が使えて年間6万円、2年間で12万円とCS4 Design Premiumからのアップデートとほぼ同額(しかも既存バージョンのユーザーは初年度3,000円/月とのこと。ならば2年間で96,000円)。Adobeとしてはこちらに多くのユーザーを動員したいでしょうね。アップグレードをスキップされることがないから。

でもなぁ、Creative Cloudにしてしまうと、将来的に契約を止めたら一切使えなくなっちゃいますよね。仮に1年後「仕事で使うことは無くなったけど、たまに趣味でPhotoshopを使いたい」なんてことになっても契約を止められないわけです。

私はバリバリのグラフィックデザイナーでも多才なマルチクリエイターでもないので、もはや使うアプリと機能は限られているのですが、だからこそIllustratorの64bit化によるパフォーマンスの向上といった基礎的な進歩には心引かれるものがあります。

他にもFireworksのCSS3作成やFlash Pro→HTML5出力なんかも楽しそう。CS6は今どきの目ぼしいトレンドの足並みが揃った節目のバージョンっぽいので、ここはバージョン上げとかなきゃなんないかな。

てなわけで今のところパッケージ版を購入するって方向に心が動いています。ただし、2年と言わず4年かそれ以上は引っ張るってことで…。

最後に、気になったのでSKUごとのデスクトップアプリをまとめてみました。Creative Cloudはこの他にも特典があるようです。

  Creative Cloud Creative Suite
Desin & Web Premium  Desin Standard
Photoshop® CS6 Extended  
Photoshop® CS6    
Illustrator® CS6
InDesign® CS6
Acrobat® X Pro
Flash® Professional CS6  
Flash Builder® 4.6 Premium Edition    
Flash® Professional CS6    
Dreamweaver® CS6  
Fireworks® CS6  
Premiere® Pro CS6    
After Effects® CS6    
Audition® CS6    
SpeedGrade™ CS6    
Prelude™ CS6    
Encore® CS6    
Adobe Muse™    
Edge    
Bridge CS6  ○
Media Encoder CS6  ○

Adobe Photoshop ElementsがMac App Storeに登場

ふとMac App Storeを立ち上げてみたらAdobe Photoshop Elements 9 Editorなる製品が登録されていました。本家Photoshopの姉妹品ですが、ともかくAdobeもMac App Storeを使うようになったのは興味深いところです。

Mac App Storeのスクリーンショット

6,900円という価格はApertureと同じですね。Adobeは売り上げから2,070円をAppleに持っていかれるわけですが、それでもやらざるをえなかったのでしょう。Macbook Airに続きMac miniでも光学ドライブを捨てたApple。さすがに唯一ではないものの事実上標準のアプリケーションストアで売らないことにはMacユーザの目には止まらないという自体になりかねませんので。

ならばこの先のAdobe CS6がどうなるかは要注目。相変わらずパッケージ版と自社サイトでのダウンロード販売をメインに据え続けるかもしれませんが、Mac App Storeもまるっきり無視はできないでしょう。

ただし、一つのApple IDで2台を超えるMacにインストール可能という点はAdobeには容認しづらいかも。また、Win版とMac版で売価が違ってくるのも拙かろうと。

とは言え多くのMacユーザがMac App Stoeしか見なくなったら…。ただでさえ小粒な定期アップグレードの繰り返しで人々のAdobe CSへのアップグレード意欲は下がりきっていますし。

Adobeにはもう付いていかれないかも

AdobeからAcrobat Xが発表されました。私もAcrobatは頻繁に使うのですが、正直ありがたくないアップグレードの連続に辟易しています。

まず不信感を抱かせてくれるのが発売時期とアップグレードの方針。AcrobatはAdobe Creative Suite(以後CSと表記)にも付属する製品です。そのAdobe Creative Suiteはこの春にアップグレードされCS5となりました。そしてAcrobat Xの発売は12月。開発スケジュールの関係でCS5には入れられなかったにしても、CS5の購入者には無償アップグレード権が供与されても良さそうなものです。

過去の例の通りAcrobatの新バージョンを含めたCS5.5が出るようなら、11月までにCS5を買った人はAcrobat 9、12月以降にCS 5.5を買った人はAcrobat Xを有することになり、仲間内でのバージョンの不一致という面倒なことも起こりかねません。それにCS5購入者に対して半年かそこらで最新版でなくなる製品を抱き合わせで売った点も腹立たしいところです。

それから悪意すら感じるのが製品案内にある64bitに関する記述。FAQには「Acrobat Xファミリーは64bit対応ですか?」の問いに「はい。」とあり、Windows環境では確かに64bit対応をうたっているものの、Mac OS X上で64bitアプリとして動作するかどうかには触れられていません。ということは、おそらく64bit対応はできていないのでしょう。だとすると、数千ページ規模のPDFを扱うと容赦なく落ちるという現象は相変わらず改善されていないものと思われます。Mac OS向けの体験版は用意しないとのことですし、ちゃんと「Macの場合は64bit動作に非対応」と書くべきでしょう。

もっとも、私はもうAdobeに期待することはあまりありません。既に所有する現行バージョンが使い続けられれば仕事には事足りますし、目ぼしいバグを潰さないまま、小粒で「そりゃ誰かは使うかもしれないけど…」的な機能追加とGUIの変更でアップグレード版とする手法には、ほとほと愛想が尽きました。

いっそのことAdobeはMicrosoftの傘下に入り、Adobe CSをWindows版のみで展開してくれてもいいとさえ思います。その際、Mac版チームを分社化してくれればもう言うことなし。各製品をWin版とMac版で同じように振る舞うようすることに相当な無理があるように見えますし、その際、割を食うのは決まってMac版なので。

ああ、だとすると私がAppleに期待するのはMac OS Xの遺棄でしょうかね。サブセットとして血を分けたiOSの方をMacで動作させるのに相応しいスケールに育て上げて、ソフトウェア開発に使えるAPIも一新し、あらゆるサードパーティ製アプリのリスタートを促すような。

MicrosoftがAdobeを買収?

まだ単なる噂、勝手な憶測の段階みたいですが、MicrosoftとAdobeの間で何らかの話し合いが持もたれたのは事実のようで。大した結論も出ないまま話が流れる可能性が一番高いのではないかと思いますが、買収ほど劇的な結論はなくとも、包括的な業務提携みたいな声明の発表にこぎ着けるぐらいのことはあるかもしれません。

実際、MicrosoftとAdobeには似た点もうかがえます。例えば、共にソフトウエア製品が肥大化しすぎて身動きが取れず、数年置きに小粒な機能追加とGUIを変更しただけのものを新バージョンといって売り出しているところなど…。

WindowsとCreative Suite、共に市場ではまだ堅調に支持されていますが、いつしか空気だか水だかのような「あって当たり前の存在」に祭り上げられ、両社のプレゼンスは低下するばかりの様にも見えます。その一方で、Appleは「もはやパソコン全盛の時代は終わり、スマートフォン、タブレット機の時代が来るんだ」というメッセージで人々を洗脳することに成功しつつあるようにも思えます。

そして厄介なことに、かつてのWindowsのポジションをGoogleのAndroidが占めるようになりました。この先パソコンよりも有望なカテゴリでトップ2の枠に入り損ねたMicrosoftが起死回生策を探しているのは間違いありません。

でもなぁ、Adobe CSの各製品群、Flash文化、PDF。どれを取り込んでみたところで、携帯デバイス向けの市場でGoogleを追い落とせるかは疑問です。FlashとSilverlightの一本化などということに意味があるものか。両者ともHTML5への注力は表明しているのですし。

ああ、両者が組めばMac版のOfficeとAdobe CSの販売を差し止めるという戦略的な方策は取れなくもないですが、時すでに遅し。Appleは軸足をiOS側に移していますし、ユーザから見てOfficeにしろAdobe CSにしろ現行バージョンのままでも、おそらく支障は出ないのですよね。

Micorosftは純粋にOSの出来栄えを地道にアピールしていくしかないように思います。Adobeは昨今のその雑な製品展開を改めないことには、やはり既存ユーザから見放され兼ねない(多くが申し合わせたかのようにアップグレードを控える)のではないかと。