なるほどePubが目指すところは…

海上忍氏の『来るべき「EPUB 3.0」を整理する(1)』を読んで、ようやく解った気がします。ePubがどこを目指しているのかが。簡単に言うと「DRMがかけられるWebパッケージ」なのでしょう。

よく知られているようにePubの中身はWebみたいなもの。そしてWebは良くも悪くもモノの価格を失わせました。そして最も顕著なのが情報、次にコンテンツ類。「もはや情報なんかタダで当然」と言わんばかりに無償提供か安価での提供を強いられてしまっています。コンテンツ類も非合法なものまでが氾濫してしまっています。

ならば、Webページをひと塊にして鍵をかけて、お金を払った人にだけが開けられるような鍵をを掛けて売ろうと考えるのも当然。いや、海上氏の記事にはDRMの話は出てきませんが、ePub規格の背景にはきっとそんな思惑が働いているんじゃないかと思います。

で、私の個人的な予想はこうです。

確かにePubはデファクトスタンダードとして広く普及する。
けれども玉石混交、無軌道に枝分かれして次第に収集がつかなくなる。
Webがそうだったように。

Nikon D7000用ハウジングがもう一つ誕生

老舗の水中ハウジングブランドNautilusからもNikon D7000用のハウジングが登場するようです。

Nautilus製D7000ハウジング(前面)

Nautilus製D7000ハウジング(背面)

お得意のアクリルハウジングですね。価格は以下の通り。

TypeS:¥98,000
TypeDX:¥149,000
TypeEX:¥169,000

3モデルの仕様の差が解らないのですが、いずれにしてもNauticam(ノーティカム)の1/2~1/3の価格と魅力的。

とは言え、このクラスのカメラには、もっと堅牢な印象の金属ハウジングが相応しいような気がしないでもありません。

そして、NautilusからはPanasonic LUMIX GH2用の水中ハウジングも出ますね。

Nautilus Nikon D7000用ハウジング(前面)

Nautilus Nikon GF2用ハウジング(背面)

こちらはPanasonicでは一応フラッグシップ機の位置づけですが、そこはお手軽さ優先のマイクロフォーサーズ。アクリルハウジングでカジュアルに行くのもいいかもしれません。今のところお値段の表示がないもののNauticamよりは圧倒的に安くなるはずです。GH2の評判はすこぶる良いみたいですし、既存のレンズで納得できるなら、良い選択肢のように思います。

最後に、NauticamのCanon 60D用ハウジングは発売予定が2月にずれ込んだようですね。

Nauticam 60Dハウジングのバナー

ならば同社のGH2用は4月ごろかな。

Nauticamハウジングの新製品はLUMIX GH2用!

12月10日発売の月間ダイバーP.119にさらっと予告が掲載されていました。Nikon D7000用ハウジングが発売となったNauticam(ノーティカム)の次回作はCanon EOS 60D用、その次はPanasonic LUMIX GH2だそうな。「世界最速AF」ってやつですね。私が期待するSONY α55はスキップされたのでしょうか…。

LUMIX GH2

D7000用ハウジング、税込330,750円ですか。
カメラがほぼ同じサイズのNikon D90用が262,500円、ギミック的にほぼ同じハウジング構造のCanon EOS Kiss X4用が273,000円だったのと比べると予想以上に高価でした。
原材料の価格が上がっているのでしょうかね。

さて、そうなると購入候補としてLUMIX GH2も検討しなければなりません。ちなみに60Dは別段D7000に勝るものではないと思うので却下。

マイクロフォーサーズはセンサーサイズ的にAPS-Cに劣るわけですが、そのあたりは置いておくとして(きっと自分には十分なレベルなので)、一番気になるのは対応レンズ。具体的には35mm換算で100mm以上の中望遠マクロレンズの有無です。

早速調べてみたところラインナップにあるマクロレンズは45mm F2.8のみ。35mm換算で90mm(APS-Cは1.5倍だけどマイクロフォーサーズは2倍)なのでハゼなんかを狙うにはちょっともの足りません。あんまりレビュー結果もよろしくないようですし…(AFの速度が遅く、MFも厳しいそうで)。

別途60~75mmクラスのマクロレンズが発売されるのを期待したいところですが、来年2月ごろには間に合わないかな。まあ、でも既にマクロレンズが一本あるだけでもNEXよりは有利ですね。

お値段はSONY NEX5よりもサイズがある分だけ高くなるでしょう。原材料費が上がっているなら18~20万円くらいになるのではないかと。今のところD7000に軍配が上がりますが、GH2も一応動向を気にかけてみようと思います。

SONY α55にも水中ハウジングが出ないかな?

来年、水中撮影用にデジタル一眼カメラを購入するにあたってはNikon D7000を第一候補に挙げつつも、実はまだSONY α55に未練があったりします。なにしろD7000よりも筐体もお値段も小さくまとまっていますので。それに私にとっては初めてのデジ一。もしα55の画質がD7000に及ばなくても、きっと満足してしまうでしょうから。 α55 さて、α55用のハウジングとしてはSeatoolが早々に開発意向をアナウンスしたものの、続報はまだ出てきていません。DEMA SHOWへの出店などで人員を取られたりして、捗っていないのでしょうかね。 で、他にも無いものかとネットを探してみたところ、どうやらIKELITEが出しているようです。

IKELITE α55ハウジング(前面)

IKELITE α55ハウジング(背面)
カメラの底にあるインジケーターっぽいギミックは何なのだろう?

相変わらず物凄い造りだとは思います。なにしろ透明ポリカ製の箱の中身がスッカスカで、何とも大振りなハウジング筐体にでき上がっていますので。ああ、でもひょっとしてその分の浮力が上手く効いて水中では扱いやすいなんてことになっているのかもしれませんが、どうでしょう?

お値段はボディ$1,500、100mmマクロ用のレンズポートが$175なので計14万円とちょっと。実に素晴らしい。もしNauticam(ノーティカム)などアルミ削り出しのメーカーが出すなら、この2倍ぐらいしそうですし。

とは言え悲しいのが国内で扱っているお店がなさそうなこと。ハワイ辺りに出向けばフツーに買えるのでしょうかね?

でも、さすがにこのクラスのハウジングの場合、現地購入や個人輸入するには不安が大きすぎます。ちょっとしたパーツの摩耗で水没して、修理に出そうものなら往復2~3ヶ月待たされて、しかも高額な修理代を請求されたなんてことになると目も当てられませんし。どこかIKELITEの国内販売代理店を買って出てくれませんかね?

Chrome、Lion、iOS、Android… 〜OSの話〜

Chrome PC

Google Chrome OS搭載PCが来年半ばにも登場するようですね。当初今年の秋と言われていたので、半年あまりずれ込む形ですが、まあ良いでしょう。かつてはOSのアップデートにすら業界を挙げて一喜一憂していましたが、もはやPCの世界ではOSうんぬんが語られることがめっきり少なくなりましたのでね。

来年半ばといえば、ちょうどMac OS X 10.7 Lionも発売になる頃です。もっともChrome OSとLionはあまり競合しなさそうですが。当面、Chrome OSのライバルは巨大シェアのWindowsでしょうね。

かねてから私はパソコンのOSは、以下のように修練されていくのが理想的だと思っていました。

  • ビジネス ← Linux
  • ホビー ← Windows
  • クリエイティブ ← Mac OS X

決まり切ったことしかしないビジネスユースなら、その気になれば何でもできてしまうWindowsではなく必要十分に仕立てられたLinuxを使う方が理に適っています。

それでも豊富なWindows資産への依存やLinuxのつかみ所の無さからWin→Linuxのシフトは一向に進んでないわけですが、Chrome OSによっていよいよ状況も変わるのではないかと。少なくとも日本以外では。

以前に聞いた話だと、日本ではIT投資の減価償却が終わると「ようやく収穫の時期がやってきた」と考えるのに対して、欧米では数年間単位でITシステムをリプレースしていくのが一般的なのだそうで。減価償却が終わる頃には次のタームが始まるということですね。だとすれば、どうにもならないWindows系資産がない限り、Chrome OSへの移行は割とスムーズに進むのではないでしょうか。

他方で日本では「10年前に開発したWindowsアプリが業務の命綱」みたいな風潮が根強く残っているとも聞きますし、そう簡単にはいかないかもしれません。悲しいかなこの国はベンチャー企業が跋扈して産業界の新陳代謝が活発になされている状況とはほど遠いですし。数年後、外国人から「日本の企業はまだWindows使ってるの?」と驚かれることになるのかもしれません。

実際、セキュリティやコンプライアンスの観点からしても、汎用PCに汎用OSを載せて社員に支給するよりもクラウドサービス専用端末を割り当てる方が何かと無難でしょう。要は全業務をクラウド上でまかなえるところまで持っていけるかどうか。そこで諸外国と日本とでは大きな温度差が生じかねないようにも思えます。

で、OSの話で言えば、近年の話題の中心はモバイル、それもスマートフォン分野。iPhoneがバカ売れしている一方でAndroidの躍進も凄まじいものがあるのだとか。まあそこは、かつてのMac or Winの構図と同様、数の上ではAndroidがiOSを凌駕するのでしょう。

アンドロイドキャラクター

さて、「遠からずそこにWindows Phone 7が食い込んでくるだろう」と見る向きもありますが、それはどうでしょうかね。もはや時すでに遅しの感がしないでもありません。既にかつてのWindowsのポジションをAndroidが占拠してしまっているのではないかと。後発でも採用端末を増やせるか、法人客を囲い込めるか、アプリ開発者を多く引きつけられるか…。何かと競争条件は厳しそうです。もし豊富なWindowsアプリがケータイで動くようになっても嬉しくはないですしね。私はMicrosoftはシェアこそ保ちつつもプレゼンスの面では今後急速に力を落としていくのではないかと見ています。

そうそう、先日SONYがGNUstepがベースのデジタル家電アプリプラットフォームを発表していました。そのニュースを読んでの私の感想は「ああ、10年前にやっていれば良かったのに…」です。そうしてOSを必要とする自社製品すべてに搭載するぐらいの取り組みを行っておけば、今ごろはライセンスを供与する側になっていて、今日の凋落は免れたかもしれないなあと。例えば、BD関連機能を省いたPS3をネットトップとして投入したり、BDレコーダに独自OSを組み込んで磨きをかけたり、VAIOをWindows版と独自OS版の両睨みで展開するといった展開ですね。もっとも当時はMicrosoftに席捲されて死に体寸前のAppleを見せられていたわけで、自前OSを持つことの重要性なんぞを理解することが難しかったのかもしれませんが。