ロングステイフェア2015

東京ビッグサイトで開催されたロングステイフェア2015に行ってきました。

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なぜ行ったかと言うと、まあ興味があるから。なにしろこの先の日本は暮らしにくくなりそうなので。地方で過疎化が進む一方で、地方から労働力を奪い続けてきた東京圏では高齢者の割合がとんでもなく増えます。「人が少ない街」と「人は多いけど大して消費もされず、それでいて社会保障とインフラ維持の費用は目一杯必要な街」のどちらに住むのも厳しかろうと。

会場ではCebu Potのブースがあり、スタッフの池田源成さん(愛称「おにぎり君」)がいたので話し込みました。私もセブには15回くらい行っているので共通の知り合いもいます。

私が彼に質問したのは「ネットさえあれば日本にいなくてもいい仕事をしている場合、セブで暮らすなら月々いくらぐらい必要か?」です。もちろんそれなりのインターネットインフラとセキュリティも確保されていなければなりません。

答えは「あちらで勤めている日本人の平均的な収入は手取りで40,000ペソ(11万円)ぐらい。それでやっていかれているので目安になるだろう」とのこと。ただしIT企業が集積しているITパーク近辺だと部屋代だけでも7万円くらいは掛かり、もっと外れに住めば安くなるものの、ネット環境が悪くなるそうで。それも雨が降ったら不通になるようなレベルに。まあ当然ですね。

よって快適に過ごすなら月15万円ぐらい、余暇にダイビングなどもと考えると20万ぐらいは見ておいた方がいいらしいです。ならば日本に住むのとそんなに変わらないかな。円安ペソ高が進んだので3〜4年前からすると物価5割り増しって感じだからなぁ。

ちなみに「40代、50代でも現地で仕事は見つかるか?」とも訊いたら「ある」とのこと。ただしコールセンターがほとんどで、今どきは語学留学生が応募するためそれなりに競争となるようです。多くは4〜5人、有力求人に対しては30人以上の応募があるそうな。よってロングステイする場合は「お金が尽きたら現地で仕事を探そう」なんて楽観的に考えず、コンスタントに稼ぎ続けられるような状況を作ってから行くべきでしょう。

最後はセブに行った際にCebu Potのオフィス(Henry Hotel内)に立ち寄る約束をして帰ってきました。訊くとスタッフは年間360日ぐらいはあちらにいるそうなので、そういう訪問も歓迎のようです。

Appleからリジェクトを食らった件

先日リリースしたiOSアプリ『FROGFISH.JP』、実は2件の理由でAppleからリジェクト(却下)を食らいました。

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FROGFISH.JP

よがたみちあき

¥0

1件目は他のプラットホームへの言及があったこと。テキストのページに「このアプリの電子書籍版もあるのでiBooksストア、Google Playストア、amazonでダウンロードしてください」と書いていたのが規定に触れたようです。

よってそれらを削除して再提出したものの2件目のリジェクト。理由は「電子書籍はiBooksで出すべし」というものでした。昔は電子書籍風のアプリも審査を通っていたけど、いつのまにか規定が改正されたようですね。

しばし考えた結果、Appleに異議を申し立てることにしました。以下はその際の文です。Google翻訳を駆使して作成して作った大雑把な英文だけど、まあ何とか通じるかと。

> 2.21 - Apps that are simply a song or movie should be submitted to the iTunes store. Apps that are simply a book should be submitted to the iBooks Store

I ask you to re-examin, because my app is not a simple or general e-book. I'm sure that this app is suitable as iOS app.

Indeed, the screen of the app looks like e-books, such as EPUB on iBooks. However, It offer some unique experience to users in really simple way.

My ideas are follows.

  - The page turning different from the e-book ( horizontal and vertical ).

  - Handling of text that overflows from the screen.

  - Language switching of content ( follow the OS settings ).

Please flick up while when you are looking at any photograph page. Description page of the photograph will appear. In other words, there is a hierarchy between pages. It is content everyone should always see,  or content that only people that it needs to see. Of course, it is up to individual reader. It can not be realized on EPUB.

For example, some readers will browse only photos in my app as photo album. But, another readers will be used as encyclopedia  or photography guide book by vertical flick.

Moreover, the text-based page is variable size. Therefore font size is not too small even on small screen device. And readers can read by scrolling as Web browser. Readers not be bothered to page turning during the reading. And readers can return to primary photograph page just by down flick.  In EPUB, sometimes, rediscovery of the original photograph page is troublesome.

In addition, the language of the content will switch depending on the language setting of the iOS. In English or Japanese. This is a feature that many iOS apps offer commonly. However, if I want to achieve it in EPUB, I must publish a book for each language.

Thank you.

日本語だとこんな感じ。

> 2.21 - シンプルな音楽や映画はiTunesストアに、シンプルな電子書籍はiBooksストアに提出しなければいけません。

再審査をお願いします。なぜならこのアプリは単純、あるいは一般的な電子書籍ではないからです。私はこのアプリがiOSアプリとして相応しいと確信しています。

確かに表示内容はEPUBのような電子書籍と似ていますが、実にシンプルな方法でアプリ特有のユーザー体験を提供しています。

私の独自のアイディアは以下の通りです。

  - 電子書籍とは違うページめくり(横方向と縦方向)

  - 画面から溢れるテキストの扱い

  - 言語切り替え(OSの言語設定に従う)

写真のページを表示しているとき画面を上にフリックしてください。その写真の説明が表示されます。つまりページ間には階層があります。それは誰もが見るべき内容と必要な人だけが見る内容の違いです。もちろんその選択は読者にゆだねられています。これはEPUBでは実現できません。

例えばある読者はこのアプリを写真集として閲覧するでしょう。でも別の読者は図鑑や撮影ガイドとして使うかもしれません。

しかも、テキストベースのページはサイズが可変なので、デバイスによって文字が小さくなりすぎることがありません。そして読者はWebブラウザのようにスクロールしながら読めるので、ページめくりに煩わされることはありません。加えて下フリックで写真ページに戻れます。EPUBでは写真ページの再発見はしばしば面倒になります。

更に表示言語はiOSの言語次第で日本語か英語に切り替わります。これは多くのiOSアプリが普遍的に提供している機能です。しかしながらEPUBでやろうとすれば言語毎に別の本として出版する必要があります。

ありがとうございます。

結果、異議申し立てから3日弱かかって無事リリースとなりました。

辺野古やめればいいんだよ

wordpress-logo翁長雄志沖繩県知事が辺野古基地の建設承認を取り消しました。無理筋だけど私は一定程度評価します。辺野古の工事は一旦止めてよりよい解決策を模索すべきだと思うので。

ただし、翁長氏の言う「基地を県外に」には同意できません。まさに領土をかすめ取られようとしているのは沖繩なのだから。政府の強引さや本土の無関心さに不信感はあっても、自衛隊を重武装化して配備できるのでもなければ在沖米軍を薄くするのは愚かです。

政府筋および有識者によれば、普天間の代替基地については過去あらゆる選択肢を検討した結果、辺野古に決まったのだそうな。鳩山元総理もさんざん迷走した末に辺野古ってことになったし。

でも、これほど反対の声が大きいのだから、本命は諦めて第2、第3の案を再検討する方が懸命だろうと。さもなくば沖繩と日本国政府の亀裂がますます深まってしまいます。

さしあたり日本政府が辺野古への移設を続行したいのであれば「辺野古が良くて嘉手納への統合やキャンプ・ハンセンではダメな理由」を明確にしてほしいものです。

東京の10年後は社会主義

先週の土曜日、テレビ朝日で放送された『池上彰のニュースそうだったのか !!』を見ました。

この日のテーマは国の主義。資本主義⇄社会主義、民主主義⇄独裁という話のおさらいです。混同されがちな共産主義は経済システムの定義なのでここには入りません。

『池上彰のニュースそうだったのか !!』2015.10.10放送より
『池上彰のニュースそうだったのか !!』2015.10.10放送より

番組を見て思ったのは「東京圏、あるいは日本もこの先、社会主義的な色合いが濃くなるだろうな…」ということ。原因は持たざる高齢者の増加です。地方から労働力をかき集めて発展してきた東京圏には高齢者とこれからリタイヤする世代が圧倒的に多いけど、持ち家率は5割以下。しかも年金の給付水準は下がっていくので、食い詰める人が続出します。

豊かな都市とて中低所得労働に支えられて成立しているのだし、地価が高い東京圏で家を持てなかったことを自己責任と片づけるわけにもいきません。問題を放置すれば社会不安が果てしなく増大するので、持たざる高齢者は公的に支える必要があります。

また、日本の子供の貧困率は先進国で最悪レベルとのこと。実に1/6の子供が該当するという統計も出ています。こちらの原因は親世代の労働環境の悪化。ワーキングプアは少子化の大きな原因でもあるし、子供世代が十分な教育を受けられなければ後の国力低下を招きます。それも10年後といった近未来に。

とはいえ各人、世帯すべてに生活保護を給付していては財政がパンクするので、どの自治体でも現物支給に切り替えることになるでしょう。公営住宅やフードスタンプですね。住居費と食費の負担がなくなれば低収入でもやっていかれます。もちろん住民の負担は増えるのだけど。

その必要性が解ってるならさっさとやればいいのですが、行政が重い腰を上げるのは危機が差し迫ってからになろうかと。都議会や市議会で、その主張をする候補が当選するのは問題が表面化しだしてからだろうから。そのタイミングは五輪後で、下流老人の激増に直面した東京が口火を切って…ってことになるのかな。

あと10年もすれば東京での暮らしぶりは大きく変わっていそうです。住民税などが地方よりも大きく上がって。