ライトフィールドカメラを水中で使いたい(ピント合わせ編)

LYTRO社のロゴLytroのライトフィールドカメラ(Light Field Camera)の話を聞いてからというもの、そのことで頭がいっぱいです。

原理がよく理解できないのですが、従来のカメラはどかにフォーカスされた(もしくはどこにもされていない)像を保存するのに対して、ライトフィールドカメラはその瞬間の光の具合を保存する感じでしょうかね。そのため撮影時にはピント合わせをしなくてもいいのだそうで。差し当たり、これを水中撮影に使えば思いっきり歩留まりが上がるのではなかろうかと期待します。

最近の私の水中カメラはNikon D7000 & AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED。いわゆるハゼ撮り用の中望遠セットです。性能的には満足しているのですが、なにぶん私(デジ一初心者)のスキルが追いつかず…。

実際、海の中ではオートフォーカスが結構迷います。まあ無理もありません。海底にはサンゴだのイソギンチャクだの、いかにも機械には判別がつきづらそうな模様に満ちていますので。魚や甲殻類にしても変な形だったり風景に溶け込んでいたり。そのためシャッターボタンの半押しだけではフォーカスが迷いまくって一向に落ち着いてくれないことも。マニュアルフォーカスの修業をするべきですね。

でも、ライトフィールドカメラならそういった苦労も要らなくなるはずです。ピント合わせは後からなので。それこそiPad用上で「ここが見たい」「次はここ」といった感じのタップだけで思い思いのフォーカシングが可能になるのではないかと。だったらオートフォーカスで撮った際にイソコンペイトウガニを狙ったつもりがウミトサカにピントが合ってたなんて失敗もなくなりますし、「魚の場合は目に、ウミウシの場合は触角にピントを合わせるべし」という基本テクニックも簡単にクリアできます。

ピグミーシーホース(黄色)
ピグミーシーホースの黄色個体。サウスレイテで撮影。 この通り、周りのシーファンに溶け込んじゃってますが、 こんな感じの写真でもタップすればバッチリ目にピントが合うんだろうな…

本当にライトフィールドカメラが触れ込み通りの写真撮影ができて、かつ我々にも手が届く価格帯で販売されるとしたら、写真の世界はひっくり返るんじゃないでしょうか。

もちろんピント合わせだけが良い写真を撮るための極意ではありませんが。

これでもうピンボケ写真はなくなる???

LYTRO社のロゴ米国のLytroって会社が年内にもライトフィールドカメラ(Light Field Camera)なるものを発売するそうな。

あちこちで紹介されたので詳しい説明は譲りますが、要は「後からフォーカス位置を変えられる写真が撮れる」ということらしいです。

サイトのサンプルで試した限り、1枚の写真からこんな感じのバリエーションが得られます。

写真1(手前)写真1(中間)写真1(奥)

写真2(手前)写真2(中間)写真2(奥)

どちらも元の写真に対して手前、中間、奥の被写体にピントを合わせてみました。なかなかいい感じです。今の世の中にこんなに凄いテクノロジーが存在し、しかも市販まであと一歩という状況だとは知りませんでした。

当然ながらライティングと手ブレまではケアしてくれないにしても、ピント合わせの問題から開放されるなら実に画期的ですよね。特に水中ではNikonのD7000(最新の位相差ロジックを搭載しているはずですが)でもかなりフォーカシングに迷うことがありますし。

どうやら資本には困っていないようなので、この時期にこの情報が流れたということは製品化に目処が付きつつあるといったところなのかな。Lytro社によるとカメラを一般消費者にも手の届く価格で売りたいそうなので、高くても数千ドルってところでしょうか。自身が買えるかどうかはともかく、その時が楽しみです。

ダイビングビジネスのコスト

先々週、那覇ステイ慶良間でダイビングをして思ったのは「ちょい厳しいかな」でした。何でかというと、ボートが乗り合いだったから。そう大きくない2階立てのクルーザに3〜4軒のダイビングショップ、20人あまりのゲストという混雑ぶりだったので。居場所に困る上、エントリ&エキジットも慌ただしいのですよね。

ちなみに私が通っているセブのショップは基本的に乗り合いをさせません。原則1チーム1ボートです。1人で行けば私のためにスタッフ数人がかりでボートを出してくれます。聞けばあの辺のダイビングショップはどこもそうなのだと。大型店のパシフィック・セブ・ダイビング(パシフィック・セブ・リゾート内)は一度に何組ものゲストを受け入れるようですが、それでも所有する8隻のボートにそれぞれ各組を振り分けます。使うのが収容力のあるクルーザではなく細身のバンカーボートという事情もあるものの、一番の理由は人件費の安さでしょうね。子供の頃から海に慣れ親しんだフィリピン人スタッフを安く雇えるので。もちろんショップを構える不動産も安価です。

なお、セブでのダイビングはいわゆる「殿様・姫様」スタイル。ただただ潜るだけ。セッティングからタンク交換、機材洗いまですべてお任せ。エキジットもフィンとBCを脱ぎ捨ててからラダーを上がる楽ちんさ。

つまり、こういうことかと。

  • 人件費などが安いのでゲストが少数でも経営が成り立つ
  • 時にゲスト1人にスタッフ5人といった体制でもOK
  • それでいてダイビング費は国内一般価格よりも安く設定できる
  • 手厚い快適なダイビング体験を提供することでリピータ利用が期待できる

翻って沖縄、というか国内ではさすがにそうもいきませんよね。ダイビングガイドが高給取りだという話は聞いた事がありませんが、フィリピンとは比べようもありません。しかも天候、気温、水温的にも沖縄は不利です。なにしろパワフルになった台風が到来しますし。

ならば来るものは拒まず。ゲストも定員いっぱいまでは受け入れようというもの。そうじゃなきゃダイビングショップの経営が成り立たないわけで。まあこればっかりはしかたがないですね。

今回は梅雨明け前でまだゲストは少ない時期かと思って6月の第2週を狙ったのですが。でもおかげで例年なら梅雨明け直後にあたる今週末は台風5号に見舞われそうな気配。我ながら毎度お天気運だけには恵まれています。

PENTAX Qが登場

PENTAXのミラーレスカメラPENTAX Qが発表されました。レトロ調のボディでレンズは「Qマウント」と呼ばれる独自規格ですね。

1/2.3型CMOSセンサーを搭載していて、「一眼カメラの下位クラス」ではなく「レンズ交換式コンデジ」とでもいうべき製品のようです。

一般的に写真の画質はセンサーの大きさに左右されるところが大きいので、その面では他のミラーレスよりは不利かと思いますが、この小ささと軽さに魅かれる人は多いかもしれません。

ちなみに「世界でいちばん小さい一眼(フラッシュ内蔵レンズ交換式カメラとして)」の触れ込みで先週登場したPanasonic LUMIX DMC-GF3と比べるとこんな感じ。

GF3とQのサイズ比較画像

重さの差は40g程度ですが結構小さいですね。加えて小さいセンサーを採用した分だけレンズも小さくできるので使用時にはもっと差が出ます。

さて、新しいカメラで私が気になるのは水中でも使えるかどうか。自身で買う余裕はないものの、他者に奨めていいものかは見極めておきたいので。

ストロボポップアップしたQ差し当たり純正の水中ハウジングは用意されていませんが、光学製品なのでオーダーメイドで作ってしまえば水中でも使えないはずはありません。ただし、このポップアップストロボに対応するには、ハウジング左肩に大きな空間が必要になりますが。

ハウジングの有無はひとあず置いとくとして、一番の懸案はレンズでしょう。こちらは水中撮影に向き不向きがあろうかと。

現時点では対応レンズが5種類。その中にマクロレンズはありません。ならば水中で使って面白そうなのはFISH-EYEレンズくらいでしょうか。コンバージョンレンズ無しでもコンパクトなフィッシュアイセットが組めるようになります。いや、でも他のカメラ構成と比べたら力不足かな。

また新たな情報が出てくれば再考もしますが、今のところPENTAX Qは水中で使って嬉しいようなカメラではないですね。水中用に限って言うならこの機種よりも見慣れたコンデジの方が使いでがありそうです。

Nauticamの新作はPEN Lite 2!

つまんない政治関連の書き込みが続いたので軌道修正。楽しいスクーバ・ダイビングのお話を。

正直、これには意表を付かれました。私も使っているNauticam(ノーティカム)製ハウジングの新製品は順当に考えてCanon Eos Kiss X5用だろうと踏んでいたのですが、意外にもOlympus PEN Lite E-PL2(通称PEN Lite 2)になるようです。昨日付けでフィッシュアイのサイトにバナーが表示されていました。

Nauticam EPL2ハウジングのバナー

なぜ意外だったかといえば、PENには純正のハウジン(防水プロテクタ)があるため。希望小売価格も71,000円(税込74,550円)と安価です。

PNE LITE2用防水プロテクタ

いや、でもNauticamは良いところに目を付けたのかも。と言うのも純正のハウジングはボディ部分とレンズポートが一体成型で、ズームレンズもマクロレンズも同じ大口径のレンズポートを使うことになるからです。

Olympusとしてはカメラのコンパクトさを強調すべくコンデジ風ハウジングのお手軽さを取ったのでしょうが、それだとレンズ交換式カメラの特性を殺してしまうのですよね。長いレンズは使えないか、もしくは短いレンズを使う際に四隅がケラレてしまいます。ああ、だからマクロレンズでもケラレないように大口径のフラットポートを採用したのか。

でもそれってハウジングが無駄にデカくなる上、将来新たなサイズのレンズが発売されることも想定していないということですよね。

で、Nauticamのサイトを見てみるとこんな写真が。

NA-EPL2-with-ports-USA

4種類のレンズポートが見て取れます。やはりレンズ交換式カメラのハウジングはこうでないと。マクロレンズは最小サイズのレンズポート、ワイド&ズームレンズはドームポートで使うのが最良です。もちろんレンズの新製品が出てもポートを変えれば対応できます。

価格はおそらくハウジングのボディのみで14万円前後だろうと。アルミ削り出しなので。レンズポートはマクロ用が3万円くらいかな。PEN lite 2 ボディの実勢価格が約6万円、パナソニックの45mmマクロレンズが7万円弱。マクロセットだと30万円ぐらいですか。まあ、でも純正ハウジングの中途半端さ、割り切りに満足できない人には良い選択肢になるでしょう。

さて、Nauticam製ハウジングのラインナップ、SONY αNEX-5、Panasonic LUMIX DMC-GH2、Olympus PEN Lite E-PL2とミラーレス系が増えてきました。ひょっとしたら次回作もPanasonic LUMIX DMC-GF3になるのかも。これが世界のトレンドなのでしょうかね。

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