パソコンって何だったんだ?

昨日、iPad 2が発表されました。前回も書いた通り、私が特に注目しているのはiMovieです。残念なことに現行iPadは動作対象外だそうですが…。

ともかくiPadがHDビデオ編集という「重たい」「パソコン向き」とされてきた分野に足を踏み出したのは、コンピュータの歴史における数十年ぶりの革新とさえ言えるかもしれません。

前回の重複になりますが、フルHD動画やRAW写真を撮るカメラマンは、カメラの3インチかそこらの画面で我慢できなければ出先にパソコンを持参するしかありませんでした。でも、iPadでフルHD動画やRAW現像の取り込みと編集ができるようになればパソコンは要らなくなります。これは画期的です。

おそらくこの手の話、つまり「パソコンでやるのが当たり前だったことがiPadで事足りてしまう」といった例が今後たくさん出てくると思います。

そう遠くない未来、「パソコンって何だったんだ?」あるいは「何でパソコンみたいに小難しいもので、あんなことをやっていたのだろう?」と思う日がきっと来ると私は確信します。


iPad 2、こうなれば買うんだけど

ジョブズがそれなりに元気そうに見えて何よりでしたが、iPad 2は思いのほか順当なアップブレードに留まった印象です。

予想外だったのは背面にHDカメラが付いたこと。iPhoneとは違ってiPadをデジカメ代わりにするのは無理があるのでFaceTime用の前面カメラのみになるだろうと見ていたのですが。もっとも背面カメラの実用性、有り難みは誰かのアイディアを待たないと何とも言えません。

また意外だったのが白モデルの登場。ならばiPhone 4も出せなくはない状態なのでしょうが、iPhoneのモデルチェンジ(おそらく6月発表)も近いことですし、白いiPhone 4はこのまま幻になるのでしょう。

そして残念な点は一部で噂されたRetinaディスプレイ搭載ではなかったこと。まあ、あのサイズのRetinaはまだ高価なのかもしれません。人気のiPadと言えどiPhoneほどは数が出ませんし。

そんなわけでiPad 2で最も魅力的に思えるのはアクセサリのiPad Smart Coverだったりします。お風呂のフタのような構造の。背面は保護してくれないものの、iPadぴったりサイズの薄型スタンドと考えると、なかなかのアイディア商品だと思います。iPadスタンドは飛行機で映画を見るときの必需品ですし。

でも、iPad 2、食指が伸びるかと聞かれると、どうにも…。

いや、iMovieを使えば出先でHDビデオが取り込めるのはナイス。私の場合、海にはMacを持参する気にならないため、これまでCybershot HX5Vで水中のHD動画を撮っても、ショップに戻ってテレビを借りるか、帰宅するまで大画面では見られなかったのですが、iPad 2ではその場で取り込んで、写真同様に撮れたてを仲間でわいわい言いながら見れたりしますね。だったらもう一息。RAWファイルの読み込みと現像がiPadでできるようになると嬉しいところです。

ということで、私はiPad版のiPhotoもしくはApertureが出ればiPad 2を買いたくなると思います。


NTT、フレッツ光で隠れ値上げ!

松沢神奈川県知事が東京都知事選に立候補。じゃあ石原都知事は神奈川県知事選に回る?

NTTが6月から戸建て住宅向けフレッツ光で新料金プランを導入するそうな。実は私も対象だったりします。引っ越してきた当時、他のサービスは圏外だったもので…。

さて、新料金プランは基本料金が2,800円、上限5,800円の従量制。確かに通信量が少ない人は割安かもしれません。新興住宅地なんかはそもそもメタル回線が引かれておらず、割安なADSLが契約できなかったりしますしね。

でも、これまでは5,200円で使い放題プランのみだったので、新プランに変更して際限なく使うとかんたんに通信量の上限を超えて確実に600円値上げになってしまいます。何と言うか、今回のこの新料金プランは一見安くなるように見せかけて料金プランを変更させ、うっかり使いすぎてしまった人から差額をせしめようという魂胆に思えてなりません。やっぱ上限は従来通りの5,200円でないと。

それに、そもそもが大容量・高速通信をうたっているフレッツ光でライトユーザにのみに恩恵がある新サービスは疑問です。この新プランに合致するのは留守がちの人ぐらいじゃないかと。

と言うか、多くの人にとってオーバースペックだったからこそ、契約数が伸び悩んでいるのでしょうから、条件付きで安くなるプランを導入したところで、どれほども契約者は増えない気がします。もっと大胆な値下げじゃなきゃ。

結局、お役所体質企業がやっていることなのでしょう。

懐かしのMac互換機に思いを馳せる

私の家の押し入れの角に大きな箱が二つあります。一つはパソコン、もう一つが17インチCRTモニタです。押し入れにはまだ余裕があるものの、今後使うあてもなく無駄に空間を占めているので、この際捨てようかと。

通常、PC類の廃棄には費用がかかりますが、最近では無料回収業者もあるようです。なるほど、古い機械ほど希少金属をふんだんに使っている傾向があるため成り立つのだそうで。都市鉱山ってやつですね。

ちなみにパソコンの方は知る人ぞ知るAkia製Mac互換機。13年くらい前、Macにはサードパーティ製互換機があったのですよね。ジョブズがAppleに返り咲いてすぐに止めさせちゃいましたが、当時、本家よりちょっと高性能なものが割安に買えたので飛びついたのを覚えています。HDDが80MB、RAMも4MBぐらいで約50万円だったかな。

思い起こせばあの頃のAppleは最悪の状況でした。Windowsに押されてシェアは激減し、起死回生策だった互換機路線も自分たちの首を絞める始末。しかも次世代OSの開発もことごとく頓挫し、ほとんど命運は尽きたかという有り様でした。振り返るに、もしあのタイミングでジョブズがNeXT STEPを引っさげて復帰していなければ、Appleの歴史は前世紀中に終わっていましたね。差し当たりMac互換機はAppleにとっては「封印したい過去」みたいなものでしょうか。名残惜しいけど、もう起動もしないので捨てちゃいます。

Lion始めました

新しいMacBook ProとともにMac OS X 10.7 Lionのプレリリース版が登場しました。

Appleの新製品は火曜日に発表されるのが常でしたが、今回は闘病中のスティーブ・ジョブズにエールを贈るべく彼の誕生日2月24日にしたようですね。もっとも新型iPadの発表は3月2日で水曜日。もう曜日は固定されないのかもしれません。

さて、そのLion。私もさっそくインストールしてみました。印象は「大して変わっていないようで、実は大きく変わっているなぁ」です。あまり詳しいことを書くわけにはいかないので、既に公開されている情報を元に説明すると、操作がかなりiOSっぽくなっています

中でも顕著なのはマウスやトラックパッドを使った画面スクロール。旧来、縦長のウインドウの表示しきれない下の方を見たい場合、ホイール/トラックパッドを上から下に操作していましたが、Lionでは逆、下から上になります。そう、iPhoneやiPadと同じ操作です。でも、iPadでは自然にできていることでもパソコンでやるとかなり違和感があるのですよね。慣れるのに時間がかかりそう。Adobe Illustrator のCS4→CS5のときのような苦しみ(?)を皆が味わうことになるのか…。

他にも大きく変わった点は、OSがアプリケーションとして提供されたことでしょう。Lionのプレリリース版はMac App Store経由で手に入れるのですが、これまでのようにOSのインストールに外部メディアは必要なく、ディスク上に置いたままアプリのように起動するだけです。というか、DVDに焼いてからインストールを試みたら失敗しました。おそらくインストールに先駆けてデータを展開する場所が必要なのでしょう。でも、確かにこの仕様ならMac App Storeで販売できますね。Lionの店頭パッケージは販売されないのかもしれません。まあ、さすがにインストーラアプリが入ったディスクをフォーマットしてのインストールはできないようですが。

それから新機能のAirDropにも注目。ワイヤレスのファイル転送の仕組みですね。何の設定も要らず、あたかもアメフトでQBがレシーバーを探してパスを投げるときのように、待ち構えた(同じくAirDropを動かしている)誰かのマシンにファイルを送りつけることができます。受け手は受け取らずに辞退することも可能です。先々AirDropのiPhoneアプリも登場すれば、iPhone → Macのデータ転送はかなり楽になりそうです。

もう一つ、大きく印象が変わったのがデスクトップピクチャ。デフォルトは富士山の写真になったようです。なぜ富士が選ばれたのかは解りませんが、宇宙の絵の後継として霊峰が相応しいとされたのかもしれません。

細かいところはたくさん変わっているのですが、守秘義務契約に触れてもいけませんし、夏の発売までには変わることもあるでしょうから、このあたりに留めておくことにします。