久しぶりのサイパンの海は…

三日間の天候はそれぞれ晴れ、曇り、雨。私は台風を退けるほどの強度の晴れ男なのですが、それでも雨女には敵わないようです。いや、今回は引き分けかな。

もっともダイバーにとって空模様はさほど重要ではなく、せいぜい海の中が少し暗いのが残念な程度。と言え早朝のグロットが土砂降りだった時は悲しいものです。午前中、晴れていれば青の洞窟よろしく、水底がコバルトブルーに光って美しいのですが、頑張って115段を上り下りするも、1ダイブ終始暗く、まったく目覚めていない海では…。こんなことなら早起きしなきゃよかった…。

昼間のグロットは、地元の子供たちの恰好の遊び場

たくさん潜りたいという連れのリクエスト通り、ラウラウ、オブジャン、グロット、ウイングビーチなど3日で12本潜ったのですが、総じて外した感があります。私はサイパンは4回目だったのですが、今回がもっとも収穫が少なかったなあと。7月という季節柄か、それともたまたまそうだったのか、あるいは温暖化の影響なのか。とにかく生物が少なかったのが印象に残りました。まあ、おなじみのチンアナゴやアキアナゴは健在でしたが。

ガーデンイール
ガーデンイールは居ーる
ネズミフグ
夜のネズミ
グロット蛸
グロット蛸

それとサイパン人達のタコへの執着が強いこと強いこと。どうやら彼らはタコには目がないらしく、居場所を教えてあげるとガイドの仕事もそっちのけで穴に手を突っ込んで延々と探り続けます。訊くと「ガーリック・タコ、オイシイ!」だそうで。彼らが獲る分には許されるようです。時折、海から上がったらBCDのポッケから足が出てることがあるのだとか。でも、困ったことに私がミミック系のスラッとしたタコを見つけて写真を撮ろうとしたときも、横から猛然と手を伸ばして突っ込んで見事に逃がしてくれました…。

おもしろ水中写真(#1)

私のダイビング仲間に「写真の善し悪しは機材で決まる!」と言い放った人がいます。いや、正確には「良い機材じゃないと良い写真は撮れないでしょ」でしたが言わんとすることは同じです。

まあ、その時は居合わせたビギナーダイバーの女性たちを前にして単に見栄を張ってみたのかもしれませんが私は即座に否定しました。「写真で重要なのはスキルとセンス、そして運だ」と。実際、今までに彼が撮った写真でぐっと来るものは記憶にありませんし。

もちろんセンサーが大きい点だけを取ってみてもコンデジより一眼レフの方が純粋な写りは上でしょうし、AF性能や動く被写体への対処の面など何かと優位なわけですが、それでも良い機材なら無条件に良い写真が撮れるわけではありませんよね。同じ海に潜ってプロが5万円のコンデジセットで撮った写真は彼が50万円以上もするカメラセットで撮った写真にきっと勝ちます。より多くの人を魅了するだろうと。プロと機材自慢なだけの素人では肝心の絵作りの着想やスキルに雲泥の差があるはずなので。もちろん飛びっきりの幸運が彼だけに味方すれば話は別ですが。

で、そう言う私のスタンスはというと「おもしろ写真」を追求する感じでしょうか。内心、名だたるフォトコンに入選できるような完成度の高い写真を撮ってみたいとは思うのですが、スキル不足は自覚しつつも、あまり熱心に勉強する気がなくて…。

で、下の写真は私のおもしろ写真ストックから。

アヒルちゃんを狙うナポレオンフィッシュの写真

2003年11月のパラオ、ポイントは多分ブルーコーナーです。一緒に潜った人がBCDの肩にアヒルちゃんをくくり付けてたら、ブルーコーナーの主のようなナポレオンがずっと付きまとっていたので人物が写らない画角でパチリ。写真はクリアじゃないものの、飛び出た目が釘付けな感じの面白い絵になりました。

ちなみにこの当時のカメラははCanon PowerShot A60という200万画素機。同じ1/2.7型CCDサイズで320万画素だった上位機種よりも絵がいいという評判で買ったように思います。

HX5V + iPad

5月末の発売日にiPadを購入し、6月のセブ旅行に持参しました。主に飛行機内で映画を見るためと撮った写真の確認用です。

iPadの写真

その日のダイビングを終え陸に上がると、さっそくApple iPad Camera Connection KitのSDカードリーダーを使って撮ったばかりの写真データを吸い上げてみます。SDカードをセットするだけで「読み込みますか?」のダイアログが出るので操作は簡単です。ただし、次の日に同じことをしたら、前日の分もダブって読み込まれてしまいました。この点はAppleの改良待ちですね。

iPadの9.7インチの画面は3.0インチの液晶では難しい細かなディテールまで確認できます。ただし、デジカメの液晶で見る限り良い感じの写真が、iPadでは眠たくてガッカリすることも多々あります。もちろんiPadのせいではないのですが。

それに、皆で画面を囲んでこの時はああだったこうだったと話すのも楽しく、撮った瞬間の記憶が鮮明な内に反省点を見つけ作戦を立てられるのがメリットです。ラップトップパソコンでも同様のことはできますが、iPadの方が取り回しが楽だったりバッテリの持ちが良かったり。皆に写真を見せるときも、置き場所にとらわれないiPadの方が有利です。私にとってiPadは撮影旅行の必需品になりました。

ただし、現在のiPadではHX5VのフルHD動画は読み込めないようです。iPadではファイルのブラウジングもできませんので、こちらは帰宅後にMacのiMovieなどを使って撮り出す必要があります。それとフルHD動画は現行のiPadでは再生できないみたいですね。

HX5Vの弱点?

下の写真は体長30cm以上もあろうかというでっかいカエルアンコウ。

オオモンカエルアンコウ(黒)

タイトル:「顔面成長ホルモン」
露出補正:-2
露出時間:1/160
Fナンバー:4.5
ISO感度:800
レンズ焦点距離:10.09cm

この通り背景が白くぶっ飛んでしまってます。もちろん強力ライトを当てているわけではありません。ツバメガイのときもそうなのですが、AF対象の黒い色を暗さと誤認してしまうのか、どうもHX5VのPオートで黒い体色の被写体を狙うと液晶表示が一気に明るくなり、シャッターを切るとこんな写真が撮れてしまうようなのです。なるほどISO感度は800になっていますね。設定値は125だったのに。ちなみにこの現象は陸上でも再現できます。

遠からず改善されたファームウェアが提供されるといいのですが、当てにはならないので、次に似た被写体を撮るときには違った設定、別の撮影モードを試してみようと思います。

水中でのCyber-shot HX5Vの使用感

本来ならデジカメを新調したら慣熟訓練をすべきところを、先のマクタンの時はついつい無精して、ろくに取説も読まずにぶっつけ本番。そのため海にエントリーし、まずはと「おまかせ撮影モード」で撮ろうとして初めてストロボ強制発光の設定がないことに気付きました。なるほど、ストロボを焚くかどうかもおまかせってことなのでしょう。

ならばとモードを「Pオート」に切り替えて撮影開始。こちらなら強制発光の有無やISO感度、露出補正、ホワイトバランスなどを設定できます。設定は電源OFF後も引き継がれるので一度決めてしまえば以後は楽です。適当に設定したら上手くいった感があったので、結局マニュアルモードなどは試さずじまいでした。後で振り返ってみると露出は-2.0ではなく、もう少し開放しといても良かったようにも思いますが。

で、HX5Vを実際に水中で使用した感想は「なかなか良さそうだ」です。最新の設計と高感度Exmoreセンサーのなせる技なのか、スキルは向上していないのにカッチリとした絵が撮れる割合が増えて歩留まりが上がった気がします。 そして感激なのは何といってもマクロへの切り替えが要らないこと。それまで使っていたPowerShot G9では、いちいち通常モードとマクロモードを切り替えてやる必要があったのですが、HX5Vでは近い被写体に寄るだけで自動的にマクロモードに切り替わります。まあ、最近のデジカメでは当たり前の仕様ですね。そもそもマクロモードに切り替えるかどうかは純粋にカメラの都合だったわけで、ようやく本来のあるべき姿になったんだなという思いです。3年以上前のデジカメを使っている人は、そろそろ買い替えてみるのもいいのではないでしょうか。

次なるメリットは、ISO感度のダイヤルが無いこと。PowerShot G9では何かの拍子にダイヤルが回ってしまい感度が目一杯上がってザラッとした画質の写真が撮れてしまうことが何度かありました(下の写真)。

クマドリカエルアンコウ(黄色)
せっかくのFrogfishがISO1600では…

自身の不注意と言ってしまえばそうなのですが、コンデジはコンデジ。わざわざ一眼レフっぽい設定機構を設けることが本当に良いのかは疑問です。HX5Vのように、フラッグシップ機でありながらもほぼフルオートで撮ることが前提の潔い仕様の方が私は好きです。もっとも、HX5VのPオートでもISO感度が固定されるわけではないようなのですが。