Kindledで文字を正しく表示できるようになった

mascot of FROGFISH.JP以前から写真集電子書籍の制作に取り組んでいます。

当面の課題はiOS版のKindleアプリで表示が崩れることへの対処でした。KindleにはiBooksアプリやGoogle Playブックスアプリでは起きない不具合が多々あるのですよね。

中でも一番気になるのは文字が二重に表示されたり、英文の単語間が詰まったりする点。

Kindleのもくじの表示例
Kindleのもくじの表示例

でも、この現象の原因が解りました。フォントに『源ノ角ゴシック』を使っていたためです。

源ノ角ゴシックはAdobeとGoogleが開発したオープンソースフォントで、Extra LightからHeavyまで7種類のウエイトが用意されていることと、ライセンス的に電子書籍に埋め込んで配布できることが理由で採用しました。でもそれが拙かったようです。いや、繰り返しになるけどiBooksとGoogle Playブックスでは大丈夫なので、単にKindleとの相性問題なのですが…。

結局、和文をヒラギノ角ゴシックに、英文をHelveticaに置き換えることであっさり解決。ヒラギノ角ゴシックはOS X Yosemite(OS X 10.10)まではウエイトが3種類しかないけど、今秋登場のOS X El Capitan(OS X 10.11)では10種類に増えます。もちろんライセンス的にも電子書籍に埋め込み可能なので、電子書籍はヒラギノでいくほうが無難でしょうね。

ただし、そこで疑問。iBooksとGoogle PlayブックスはEPUB3.0(固定レイアウト)に埋め込まれたフォントのサブセットを使って忠実に表示する仕様ですが、EPUBをmobiに変換してから表示するKindleではそうなっていません。ヒラギノとHelveticaはMacやiPad/iPhoneにも載っているのでKindleアプリでも表示できているけど、ヒラギノを持たないAndroid版のKindleアプリや本家Kindle Fireで表示させたら、また別の不具合が発生するのではないかと。

この点は要検証です。でも、そのためにAndroidデバイスやKindle Fireを買う余裕は私にはないんだよな…。

Kindle Comic Creatorが成功するようになったけど

Kindle Comic Creator IconKindle Comic CreatorでPDFから変換したmobiをiPadのKindleアプリで表示させたら変な風に表示される件、原因が解りました。確認用に使うべきなのはmobiファイルではなく一緒に生成されるazkファイルとのこと。

なるほど以前そんなことを読んだ記憶があるけど試行錯誤を繰り返す内に忘れてしまっていました。なにしろKindleアプリはiTunesのファイル転送でmobiを渡しても表示してくれるのですよね…。

両ファイルフォーマットの違いは調べてないけど、後から思うにmobiが出品用でazkがそれをKindle表示用に調整したものなのかな。

よってmobiではなくazkのファイルを転送したら、ほぼ想定通りの表示になりました。FROGFISH.JPのページ数を約1/3に間引きしたドラフト版では成功です。

次に全304ページのフルバージョンのPDFを変換したazkファイルで試したところ、ダメですね。Kindleアプリが書籍一覧の画面で固まるし、何か操作しようとするとアプリが落ちます。

成功した方のPDFは65.4MBで失敗した方は95.5MB。30MBの違いが明暗を分けるのか。

でもPDFをそれ以上軽量化すると写真の画質が見て解るぐらいに劣化します。他の用途ではともかく写真集では致命的です。

しかも変換後のazkおよびmobiファイルの容量は238.5MB。もし仮にKindleアプリで正常に扱えるようになっても、このサイズの電子書籍を読者にダウンロードしてもらうのは無謀です。EPUBなら画質を落とさずに61MBで収まっているのだし。

やっぱりFROGFISH.JPのように写真100枚以上の写真集制作にはKindle Comic Creatorは使えない気がします。

amazonがKindleプラットフォームでEPUB埋め込みフォントでテキストを表示し、アルファチャネル(半透明)を含む画像を正しく描画できるようになるのを待つしかないですね。

Kindleは鬼門

以前から写真集電子書籍の制作に取り組んでいます。といってもあまり凝った作りにはせず、デバイスを開店しても常に1ページ表示でOKということにしています。

よって制作もSigilに代表されるEPUBエディタで要素をゴリゴリいじることはせず、Adobe InDesignで最終形のファイルを書き出せることが前提です。

差し当たりiBooksストアとGoogle PlayストアにはInDesignで書き出したEPUB3.0(固定レイアウト)をそのまま出品できることが解っています。いや、amazonにも。Kindleダイレクトパブリッシングという専用サイトでEPUBファイルをアップロードすれば自動的にKindleフォーマット(mobi)に変換してくれるので。

ただし、そうやってamazonに出品した電子書籍『FROGFISH.JP』Kindleアプリ(iOS版・Mac版)で表示に問題があるのですよね。

問題点は二つ。

  • EPUB埋め込みのフォントが使われていない(表示が崩れる)
  • アルファチャネルを持った画像がベタ塗りで表示される

Kindle Comic Creator IconそこでKindleダイレクトパブリッシングに問い合わせたら「Kindle Comic Creatorを試せ」とのこと。Kindle Comic Creatorは画像の束からKindleフォーマット(mobi)を作るアプリです。PDFからmobiを作ればそれらの問題は出なくなるだろうと。

そこで、Kindle Comic Creatorを使ってFROGFISH.JPのPDFを変換したmobiを表示させたらこうなりました。

Kindle Comic Creatorで作成したmobiの表示例
Kindle Comic Creatorで作成したmobiの表示例

PDFの2ページが1ページに小さく割り付けられています。これでは閲覧に堪えません。確かにフォントは正確だし、アルファチャネル付きの画像(右下の赤いカエルアンコウマーク)も正常だけど…。

Kindle Comic Creatorの使い方が悪いのかもしれないけど、あれこれパラメータを変えてみたものの正解を見つけられませんでした。常に単ページ表示のmobiは作れないのかな。

でも、そもそもKindleアプリの方がフォントと画像を正確に表示できればKindle Comic Creatorの都合は無視できるのですよね。

Kindleが電子書籍埋め込みのフォントを使えない理由も、アルファチャネル付き画像を表示できない理由もないはずだから単に未対応だったのではないかと。早く直して新バージョンのアプリを出してもらいたいものです。