7か5か、それが問題だ

先週、SONYのミラーレス一眼カメラNEX-7とNEX-5Nが発表になりました。

「7」はαのマジックナンバーなので11月発売予定のNEX-7にはこれでもかという意欲が込められています。例えば2,430万画素のセンサー。CanonやNikonではフルサイズ機にしか搭載されていないのに、それを載せてくるとは(しかもα65にも)。これはもうセンサーメーカーとしての強みですね。

もっとも写真の善し悪しは画素数だけでは語れないもの。果たしてAPS-Cに2430万画素が相応しいのかどうかはプロのレビューを待ちたいところです。

それに来週発売で比較的安価なNEX-5Nが必要十分ならNEX-7を待たずにこちらを選択しても良さそうにも思います。前モデルの1,420万画素→1,610万画素に上がっていますし、ISO感度も拡充されました。外寸もスペック表で見る限り約110.8×58.8×38.2mmと前モデルとまったく同じ。形も同じなら既に販売されているハウジングが使えます(要確認)。

ソニー デジタル一眼α NEX-5 ダブルレンズキット ブラック NEX-5D/B

NEX-5Nビューファインダしかも今回、NEX-5Nには外付けのビューファインダが用意されました。NEX-7の内蔵ビューファインダは筐体背面の左上にあるためレンズと目の位置がずれてしまいますが、NEX-5Nのビューファインダはレンズと一直線の位置に付きます。前モデル用のハウジングは使えないものの、こちらの方が水中でマスク越しに覗き込んだ際に被写体を探しやすいはず。

と思いきや落とし穴が。NEX-5Nはストロボ非内蔵。この外付けビューファインダをスマートアクセサリーターミナル(ホットシュー)に付けると外付けストロボが使えなくなってしまいます。これは水中撮影では致命的です。いや、ビデオライトを使うという手はありますが…。

結局、以下のようなトレードオフになるのかな。

  • 発売が遅く、ファインダがレンズと一直線上にないNEX-7
  • せっかくの外付けビューファインダが使えないNEX-5

オーダーメイドならビデオライト前提でビューファインダ構成のハウジングを作ってもらうのも可能ですが、順当に考えてストロボが優先されるでしょうね。レディーメイドのNEX-5N用ハウジングは現状のNEX-5用そのままか、微妙な改造に留まると思います。外付けビューファインダは無かったことにして。

欲を言うとNEX-7の内蔵ビューファインダがレンズの真後ろにあるか、ストロボ内蔵のNEX-7のスマートアクセサリーターミナルにもビューファインダが付けば文句なしだったのですが…。

ビューファインダ重視ならPanasonic LUMIX GH2という選択肢もありでしょう。既にNauticamからハウジングが発売されています。

Nauticam LUMIX GH2用ハウジング
GH2用ハウジングの背面

でも、そもそもファインダにこだわる人ならミラーレスよりCanonかNikonのデジイチの方が相応しい気も。そちらならNauticamの素晴らしいスーパービューファインダが使えますし。

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INON製LUMIX GF2用ハウジングの虚しさ

INONからPanasonic LUMIX DMC-GF2用の水中ハウジング『X-2 for GF2』が発表されました。

GF2 housing

例によってレンズのフォーカス調整はダイヤルではなくレンズポートを回す方式。
グリップを握った手で上手く操作できるのかな…

ただ、悲しいことにPanasonicは既にGF2の後継機であるGF3を発表済みなのですよね。先に発表されたNauticam NA-EPL2もそうですが、専用のオプション品を発売する頃には既にカメラ本体の新製品が出ているというのは実に虚しい…。

もちろんGF3発表後もGF2は流通していて価格も手頃になっていますが、日進月歩のデジタル機器の分野では新製品があるのに旧製品を買うことに抵抗感を覚える人は少なくないのではないでしょう。特に今回は半年でのモデルチェンジ(通常は1年周期)だったので、GF2には何か欠陥があったのではという憶測も働きますし。

もちろんデジカメを水中で使うユーザは全体の内のほんの一部でしょう。でも、そこには根強いニーズがあるわけで、Panasonicが順製品を出すつもりがないのであれば、手を上げたハウジングメーカーと協調して、もっと早いタイミングで対応ハウジングの発売をアナウンスできるようにしてもらいたいものです。

Panasonicは水中ハウジングメーカー泣かせだ

LUMIX GF3

PanasonicからLUMIX DMC-GF3が発表されました。前モデルのGF2が半年前に発売されたばかりなのに、ひところのコンデジ並のモデルチェンジの早さです。さほど大きな進歩はないものの、最近GF2を買った人は愕然としているかもしれません。

そして困っているのは水中ハウジングメーカーかな。さしあたりPanasonicとは懇意でGF1用を発売していたINONあたりは対応ハウジングを準備中だったのではなかろうかと(未確認ですが)。で、発売にこぎ着けない内にモデルチェンジ。GF3路線に変更するにしても、サイズや操作機構も異なるのでまるっきり設計のし直しです。

一眼系カメラメーカーとしては圧倒的に後発なので数を打ちたいのも解らなくはないですが、こうポンポン新モデルを投入されては「定番感」が生まれません。

LUMIX G3というか今回同時発表(国内)となったLUMIX DMC-G3は果たして必用なのか疑問です。位置づけとしてはGH2の下位モデルですよね。半年置きにGシリーズとGHシリーズで交互にモデルチェンジするのはいかがなものかと。

いや、同社最上位のGHシリーズの方をテコ入れするべきかな。やや大型にしてホールド感を良くしつつ、より大型のバッテリを採用するような感じで。

ともかく水中カメラを検討している人から言わせてもらえばハウジングが発売された頃にはモデルチェンジでは敵いません。もう少しサイクルを長くするか、あるいはINONなどにモックを早く渡して開発を先行させ、製品発表時には他社製オプションとして対応水中ハウジングを発表するようなことをして欲しいものです。

それとレンズの充実。特にマクロ、60mm〜75mmあたりを早急に…。


Panasonic デジタル一眼カメラ LUMIX GF3 レンズキット エスプリブラック DMC-GF3C-K

Nauticam GH2用水中ハウジングが素晴らしい点

Nauticam GH2用ハウジング 既報の通り、Nauticam(ノーティカム)からPanasonic LUMIX DMC-GH2用の水中ハウジングが登場しました。

値が張ることを除けばなかなか良さそうに思えたのですが気になる点も。それはレンズポート。Nauticamのサイトにはマクロ写真が掲載されていながら左のドームポートの写真しか載っていないのですよね。まさかこれでマクロ写真が撮れれるの?

と思いきや、読み進めると以下のような説明がありました。

The port system for GH2 expands upon the existing port system for the NEX-5 housing, adding additional ports for the superb Panasonic Lumix m4/3 lenses. Olympus m4/3 lenses and Leica m4/3 lenses can be used with this camera as well, further expanding the lens choices. Lenses initially supported include the Lumix 14-42mm, the Lumix 14mm/2.5, the Lumix 8mm Fisheye, the superb Lumix 7-14mm, the Leica 45mm macro, Olympus 14-42mm, and Olympus 9-18mm. Zoom gears are available for the zoom lenses listed here.

3メーカー競合でスペックが重複しているものも含まれますが、対応レンズポートも順次投入されていくのでしょう。

ワイド系が充実していてマクロレンズ(ちょっと短いけど…)も既に存在している点は同カテゴリ機のSONY NEX-5よりも断然上。一機種でワイド派からマクロ派までをカバー可能とは頼もしい(レンズ交換式カメラなら、本来そうあるべきですが…)。荷物の物量的にも、これなら何種類もレンズシステムを持ち込んでダイビングポイントによって使い分けることもできそうです。

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Nauticam LUMIX GH2用水中ハウジングが登場

Nauticam GH2用ハウジング

香港の水中ハウジングメーカーNauticam(ノーティカム)からPanasonic LUMIX DMC-GH2用の水中ハウジングが登場しました。昨年末、月間ダイバー誌上でアナウンスされてから実に半年を置いての登場。私はてっきりキャンセルされたのだと思っていたのですが。Panasonicのことなので、この秋にもGH3が発表されないとも限りませんし。

米国では6月10日出荷開始だそうなので、Fisheyeのサイトでも近日中にアナウンスされるでしょう。

対応レンズのラインナップがお粗末で骨董品的なニコノスレンズを引っ張り出してこなければならなかったSONYのNEX-5とは違って、マイクロフォーサーズの方はそこそこレンズも揃っています。水中で使えるものは限られますが。

Nauticam GH2用ハウジング(背面)で、GH2用の水中ハウジングは結構かっこいいですね。カメラ本体の小ささに合わせてキュッと締まっている感じです。ただしNauticamの売りの一つであるスーパービューファインダは付きません。

でもコンパクトなのでハウジングの重量は1.3kg。カメラとレンズ、レンズポートを合わせても3kg未満に収まりそう。ハンドルとINON S-2000ストロボを2個を付けても4kgちょっとかな。いわゆるデジイチのハウジングはデカすぎると思っている女性なんかには良い選択かもしれません。男性でもこの重量なら片手撮りできそうです。

Panasonicにはよりコンパクトで安価なLUMIX DMC-GF2というモデルもありますが、あちらは極限までサイズを切り詰めているので性能的には劣りそう。ちなみにGF2用にはPromo’s roomの対応水中ハウジングが発売されています。

GH2の用ハウジングの価格は$2,100ですか。国内販売価格はFisheyeの取り分が乗っかって19.8万円ぐらいかな。LUMIX GH2の本体と45mmマクロレンズ(35mm換算で90mm相当)の構成で約15万円。足して35万円。カメラのストロボ光は遮断されるので(光ケーブルポートは着脱可能かもしれませんが)別途外部ストロボが必用です。出費の額としては小さくないものの、まあ本格的な写真を趣味にするダイバーにとっては割と手ごろな部類と言えるでしょう。コンデジでは到達不可能な領域に踏み出せますし。もちろん高価な機材とてスキルとセンスを補ってくれるものではありませんが。


Panasonic デジタル一眼カメラ GH2
レンズキット(14-42mm GH2 F3.5-5.6標準ズームレンズ付属)
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