PanasonicがもうGF5を出しやがった

Panasonicがミラーレスカメラの新製品『LUMIX DMC-GF5』を発表しました。前のモデルのGF3は昨年7月の発売だったので、9ヶ月でのモデルチェンジ。その前の6ヶ月よりは長いけど、このコンパクトデジカメよりも短いサイクルはどうなんだか。

LUMIX DMC-GF5(シャンパンゴールド)
シャンパンゴールド

いや、一般ユーザーは歓迎でしょう。最新設計の新機種を買うも良し、世代交代で安くなる旧機種を買うも良し。

でも困るのが水中ハウジングのメーカー。寸法とスイッチの場所が同じだったら良いのですが、GF3→GF5では高さが0.5mm減り、厚みが4.3mm増えています。高さはともかく厚みに関しては設計しなおさなければなりません。もちろんハウジングのケースの外側のスイッチ類にも微調整が必要でしょう。

Panasonicは相変わらず水中ハウジングメーカー泣かせ。まあメーカーの方は同社の矢継ぎ早の新製品投入を見越していて、もはや受注してからの生産という流れで対処しているはずですが、ようやく製品を市場投入して、いよいよ収穫の時期と思ったそばから、また次の製品の開発を余儀なくされるわけです。

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LUMIX GF3 マクロセット

行きつけのダイビングショップで知人の後輩ダイバーが最近購入したPanasonic LUMIX GF3で試し撮りしていました。レンズは45mmマクロ(35mm換算で90mm相当)。被写体は例のウミウシガチャガチャ


Panasonic デジタル一眼カメラ LUMIX GF3 ダブルレンズキット エスプリブラック DMC-GF3W-K

Panasonic デジタル一眼カメラ マイクロフォーサーズ 交換レンズ H-ES045

私も少し使わせてもらいましたが、なかなか良い感じです。筐体サイズはPowerShot Gシリーズぐらいだし、レンズ前5cmぐらいまで寄れますね。ちなみに私のNikon D7000は105mmマイクロ(35mm換算で157mm相当)を付けた場合で約20cm。5cmまで寄るにはINON ULC165M67を使う必要があります。しかもピント合わせが極端に難しくなるし。


INON UCL-165M67 水中クローズアップレンズ

液晶画面で見た限りでは、ギアを回してのマニュアルフォーカスは良好、ボケ味もなかなかのものでした。あのサイズでデジイチが成立するのですから、なるほどミラーレスが人気なのも解ります。

なお、その人は新宿の水中カメラ専門店アンサーでプロモ・ファクトリー社製の対応ハウジングを注文してきたそうな。受注生産品なので納期に約2週間ほどかかるらしいです。

LUMIX GF3も液晶画面をファインダ代わりに使うため、さすがにバッテリの持ちは悪そうですが、それ以外は総じて私のカメラセットよりも圧倒的に扱いやすそう。ウミウシ写真の出来栄えなんかではいきなり負けちゃうかも。

ま、いいけど。完全マクロ指向の仲間が増えると何かと都合がいいし。

NauticamがSONY NEX-7用水中ハウジングをアナウンス

香港の水中ハウジングメーカーNauticamがSONY NEX-7用の水中ハウジングを開発中だそうです。SONY向けにはNEX-5/5N用も出しているので順当でしょう。

そしてこのNEX-7用は、現時点のミラーレス機用ハウジングとしては最高峰となりそうです。

注目は背面パネルの仕様。 NA-NEX7ハウジングのCAD画像(背面)

まずはLCD/VFの切り替えレバーがある点に注目。コンパクトデジカメがよりパワフルなデジイチよりもバッテリーの持ちが悪いのは主に液晶画面をファインダ代わりに使うため。ならばファインダを持たないミラーレスカメラも同様です。

私が使っているデジイチのNikon D7000はフラッシュを焚きながら600枚ほど撮影してもバッテリーは余裕で残っています。つまり2日間6ダイブぐらいならバッテリの充電は不要です

水中で使う以上、ハウジングを開け閉めする機会は減らしたいのでバッテリーの消耗は抑えたいところ。NEX-7のビューファインダは電子式ですが、それでも大きな液晶画面よりは圧倒的に費電力が少ないはずです。

NEX-7単体ならビューファインダに目を近づければ自動的に液晶画面がOFFになるもののハウジング越しではそのセンサーが効かないので、ビューファインダと液晶画面のどちらを使うかを手動で切り替えられるのはあり難いです。

また、ビューファインダに当たる部分には丸い筒状のパーツが仕込まれています。詳しいことは書かれていないものの、仕様には

Optical correction for electronic viewfinder.

とあるので、同社のスーパービューファインダ(視度が調整できる)同様とはいかないまでも、拡大レンズにはなっているのかな。そしてマスクのガラス面にピッタリくっつければ明るい水中でも表示が見づらいなんてことがありません。

ちなみに同社のPanasonic Lumix GH2用ハウジングはビューファインダと液晶画面の窓が一体でした。 NA-GH2ハウジング(背面)

逆にNEX-7用ハウジングで気になる点は以下の通り。

  • アクセサリシューがレンズポートの中心点からズレている
  • ビューファインダもレンズポートの中心点からズレている
  • 対応マクロレンズが30mm(35mm換算で45mm相当)しか用意されていない

すべてNEX本体側の都合ですね。

2番目に関しては、ひょっとしてビューファインダを左目で覗くとレンズポートがちょうど顔の中心に来るのかな。だったら慣れればかえって使いやすいかも。もちろん人一倍顔が大きかったり平均よりずっと小顔の人には当てはまりませんが。

NEX-7用ハウジングの売価は$1,850。同社製他機種のレートからして日本では定価19万円ぐらいかな。レンズポートやハンドルグリップ類を入れると25万円コース。まあ本体13万円(私のD7000よりもかなり高価)のカメラを買う人なら周辺機器への投資もケチっちゃいけませんよね。

それと発売日は1/15とのことですが旧正月が近いのでどうなることやら。なにしろNauticam社では今年の旧正月明けに多くのスタッフが出社してこなかったそうで…。

Nauticamの新製品を予想する

香港の水中ハウジングメーカーNauticamが今週末のDEMA Show 2011に出展します。ちなみにDEMA Showは毎年米国で開催されている世界最大規模のダイビング関連のイベントです。

さて、Nauticamはそこで3種類の新製品を発表するのだとか。

Nauticam will also debut three major new products – to be announced at the beginning of the show. 

当然、アクセサリではなくハウジングだと思うのですが、予想するにこんな感じかな。

  • SONY NEX-7用
  • NIkon 1 V1用(もしくはJ1用)
  • ???

まずNEX-7の線は固いのではないかと。既に対応ハウジングを投入しているNEX-5/5Nの上位機種ですし、ここにきてようやくマクロレンズ(30mmだけど)も投入されました。

NEX7はタイの大水害でもって出荷が延期されましたが、仕事の遅いNauticamのこと、その点は半ば歓迎しているのではないかな。注目はカメラの発売前なのでモックが展示されるかどうかですね。

 
NEX-7 ソニー デジタル一眼カメラ ボディ

次にNIkon 1 V1。こちらも私は固いと見ています。なにせかつて「水中カメラといえばNikon」だったので。Nauticamは昨年NEX5用ハウジングを出すにあたり、ニコノスレンズを引っ張り出してきたぐらいですし。

また、発売時期は未定ながらレンズのラインナップにはしっかりマクロレンズも入ってたので、いずれ水中カメラとしても条件が整ってくることが期待できます。V1+外部スピードライトの構成だとハウジングがいびつになるので、やっぱアクセサリベースから発光信号を横取りするタイプかな。


Nikon デジタル一眼カメラ Nikon 1 V1 薄型レンズキット ブラックN1 V1ULK BK

さて、もう一機種の予想は難しいところ。私の願望はLYTROなのですが、さすがに発表されてからまだ日が浅いので違うんじゃないかと(NauticamからLYTRO用ハウジングが出たら、少々高くても私は買ってしまいそうだ…)。

ならばPentax Q?。Nikon 1同様、レンズ交換式コンデジという感じのカメラですが、どうでしょうね。水中ハウジングという高価なオプション製品の対象としては、ちょっとマイナーな感は否めません。このカメラを水中で使いたい人がどれほどいるか…。最初からフィッシュアイレンズが用意されているところは感心しますが。

ということで、3番目はPanasonic LUMIX G3用かな。マイクロフォーサーズ向けにはNauticamも既に5種類のハウジング(LUMIX GH2/GF2/GF3、OLYMPUS PEN LITE2/3)を出していますし。


Panasonic デジタル一眼カメラ LUMIX G3 ボディ エスプリブラック DMC-G3-K

あるいは大穴としてCanon EOS-1DXって線も考えられます。LYTRO同様、発表から日が経ってませんが、プロユース志向のNauticamのこと、最上位クラス用のハウジングを出してみたいと思っても不思議ではないので。カメラ本体とハウジングだけでも軽く100万円を超えそうですが…。

Canon デジタル一眼レフカメラ EOS-1D X ボディ

PromoからLUMIX GH2用ハウジングが登場

Promo’s factoryからPanasonic LUMIX GH2用の水中ハウジングが登場しました

Promo GH2用ハウジング(前面)

例によってレンズポートはフロントパネルごと交換する仕様。Oリングによる接合部分が1ヶ所しかなく、その分水没の危険性とメンテナンスの手間が減るという仕組みです。

Promo GH2用ハウジング(パネルオープン)
私が知る限り、ビューファインダを内蔵したミラーレスデジイチカメラは今のところPanasonicのGH2とG3のみ。GH2はその二つの上位機の方です。ビューファインダは特に明るい水中で液晶が見づらいときに威力を発揮してくれます。

マイクロフォーサーズ規格なので出遅れ感のあるSONYのEマウントと違って対応レンズもそこそこ揃っています。45mmマクロは35mm判換算で90mmに相当しますし。

また、フラッシュ内蔵なので普通のデジイチと同じ感覚で使えます。ミラーレス機にはフラッシュ外付けの機種もいくつかありますが、うっかり家に置き忘れてきたりすると目も当てられませんので内蔵は嬉しいところです。

なお、同社のハウジングは樹脂製なのでアルミ削り出しのNauticam製ハウジングよりも軽く、安価になるはずです。

というわけでPromo’s factoryのPanasonic LUMIX GH2用の水中ハウジングは良い選択なんじゃないでしょうか。塗装次第でシャア専用水陸両用カメラにもできます。

惜しむらくは、そう遠くない時期に次のLUMIX GH3が出てしまうんじゃないかという憶測ができること。GF3はGF2の発売からわずか半年で出ちゃいましたし。多くの人は新設計のカメラを買いたいでしょうから。

それと、どうせならより小振りかつ安価で発売が新しいG3の方のハウジングを出して手軽さをアピールした方が良かったのではないかと思うのですが、プロカメラマンのこだわりでしょうかね。どうなの鎌田多津丸さん?