マクロ向きコンデジ比較

マクロ撮影をする際の条件の一つはマニュアルフォーカスが使えることでしょう。例えばウミウシを撮る際にピントを触覚にカッチリ合わせるにはオートフォーカスだけでは不十分な場合が多いので。

液晶画面が頼りのコンパクトデジカメでもマニュアルフォーカス機能を使えばどの機種でも液晶画面内にフォーカスポイントが拡大表示され、カメラ操作もしくは自身が前後してピントを微調整できます。 再現図

マニュアルフォーカス使用時の表示イメージ

その観点から目ぼしい4機種を選んで比較してみました。

メーカー Olympus Canon Nikon
製品名 XZ1  PowerShot G12 PowerShot S100 P7100
センサーサイズ 1/1.6インチ 1/1.7インチ 1/1.7インチ 1/1.7インチ
有効画素 1,000万画素 1,000万画素 1,210万画素 1,010万画素
F値 F1.8~F2.5 F2.8~F4.5 F2~F5.9 F2.8~F5.6
光学ズーム 4倍 5倍 5倍 7.1倍
シャッタースピード 60~1/2000 15~1/4000 1~1/2000 8~1/2000
ISO 100~6400 80~3200 80~6400 100~3200
最短撮影距離 1cm 1cm 3cm 2cm
液晶モニターサイズ 3インチ 2.8インチ 3インチ 3インチ
液晶モニター画素数

61万

46.1万 46.1万 92万
撮影枚数 320枚 370枚 200枚 350枚
動画画素数 1280×720 1280×720 1920×1080 1280×720
動画フレームレート 30fps 24fps 24fps 24fps
マニュアルフォーカス操作 背面スクロールダイヤル 背面ホイール 前面コントローラーリング 背面マルチセレクター

GPS機能

なし なし あり なし
110.6mm 112.1mm 98.9mm 116.3mm
64.8mm 76.2mm 59.8mm 76.9mm
奥行き 42.3mm 48.3mm 26.7mm 48mm
重量 275g

351g

173g 395g
発売日 2011/2/18 2010/10/7

2011/12/8

2011/9/22
純正水中ハウジング PT-050 30,000円  WP-DC34 25,000円 WP-DC43 25,000円 なし
他社製水中ハウジング XZ-1 89,000円  Recsea G12 99,800円 WHC-S100 68,000円  Recsea P7000 99,800円
FIX G12 99,000円  FIX S100 69,800円  FP7000 58,000円 

製品の細かな使い勝手までは解らないのですが、こうして並べるといくつか着目点が見えてきます。

まず、発売日が古いCanon PowerShot G12は選びづらいです。コンデジで1年以上モデルチェンジがないということは後継機の登場が近いか、もしくは製品シリーズとして行き詰まっている可能性があります。もはやスペック的にはこれといって際立ったものもありませんし。

同じく微妙なのがNikon P7100。液晶モニターの高精細さが良いのですが、それ以外の点では特筆するべきものはありません。7倍ズームも水中で使う限りは無用の長物です。そして何よりも本体のサイズが。今どきのミラーレスカメラ(レンズは除いて)よりも大きくて重いってのは、どうなんだか。

そしてOlympus XZ-1。純正品の水中ハウジング(防水プロテクター)の完成度がCanonの2機種用を遥かに凌駕しているのでセットを安く上げるには良い選択です。ただしハウジングの写真を見た感じでは背面のホイールを回す機構がないので、マニュアルフォーカスを使うには他社製の高価なハウジングが必要になるかと。

また、発売から丸1年が経とうとしているので、同社が例の件で致命的なダメージを受けていないなら、遠からずXZ-2が発表されると思われます。多分、XZ-2ではフルHD動画の撮影が可能になるでしょう。ひょっとしたらXZ-2ではカメラ前面のリングにマニュアルフォーカスを割り当てられるようになるかも。そうであればレンズポート横のダイヤルを回してフォーカスを調整できます。XZ-1を買うにしてもXZ-2発表後の方が値下がりが期待できますし。

以上の理由から、現時点ではCanon PowerShot S100を他社製水中ハウジングで使うのが最も良い選択だと思います。コンパクトなS100はバッテリーも小さいため撮影枚数だけは少ないものの、それ以外はおよそ最強クラスのスペックを誇ります。レンズの明るさにしてもOlympusのF1.8〜に近いF2〜を実現していますし。最短撮影距離にしても被写体に外部光を当てることを考えれば1cmまで寄れる必要はないわけです。

ハウジングをRecsea WHC-S100とNauticam FIX S100のどちらにするかは好き好きですが、カメラを両手持ちで使うなら左手でもコントローラーリングを回せるRecseaの方が良いですね。逆に左手側にアームを展開し、カメラのコントロールをすべて右手で行いたいならNauticamでも良いかもしれません。

Facebook logo 私の写真のFacebookページ:FROGFISH.JP

冬の海への憧れ

私のダイビング仲間の何人かが伊豆方面の年末年始ツアーに参加しています。今夜は「年またぎミッドナイトダイブ」なんかが予定されているそうで。寒そ…。

もちろん私は不参加。ドライスーツを持っていないので。胸囲が110cmぐらいあるためレンタルというわけにもいきませんし。明日は新年早々ジムで筋トレ初めかな。片手30kgずつのダンベルベンチプレス。

さて、この冬も伊豆の海でダンゴウオの目撃情報がちらほら聞かれるようになりました。日ごろ数mmサイズの被写体を多く撮っている私ですが、3mmのウエットスーツしか持っていないので海でダンゴウオを見たことがありません。当然ウミウシが増えてくるさまや水温が低いときだけに見られる種類も。

ミゾレウミウシ
『人面ウミウシ』 私が見たことがあるのは温かい海の種類ばかり

私もドライスーツ(シェルタイプ)を持っていた15年ぐらい前はときどき冬の海にも潜っていたのですが、当時のウミウシは「ちっさいナマコ」みたいな扱いだったのでガイドも積極的に探して見せてくれるなんてことはなく、ほとんど見た記憶がありません。増してやダンゴウオなんて存在すら知らなかったし。

その後、筋トレで体が大きくなって着られなくなったのを機にドライスーツは手放し、以後もこしらえていません。

そうか、ダンゴウオか。ぜひとも私のD7000+クローズアップレンズで撮ってみたい気はします。確かにチャレンジのし甲斐がある被写体です。そして仲間の誰よりも上手く撮れる自信もあります。

ドライスーツをオーダーメイドで新調すると15万円〜。私は生来の暑がりで寒いのも割と平気(水温20℃なら3mmウエットで余裕)なためセミドライスーツやロクハンでも良さそうですが、セミドライで10万円〜、ロクハンだとその半額ぐらいでしょうか。ああ、ロクハンなら手が届かなくはないかな。

でも、幸いにして上司の理解があり休暇が取りやすい私は冬の海でお金を使うよりも、その何回分かの予算でもって南の海に赴く方に魅かれます。魚類発祥の地のフィリピンにはダンゴウオはいないけど、5mm大のカエルアンコウやピグミーシーホースなんかは見られるし。

それにまとまった人数が集まるイベント系のツアーなんぞに参加した日には、往々にして見たいもの撮りたいものに集中できない傾向が。チームにビギナーがいても無難なスキルまで達していればOKですが、講習生と一緒にされるのは論外です。他の客がいない平日に行けばリクエストも通って自由が利きますが、やっぱり休暇は南の海のバケーションのために残しておきたいのですよね。

うん、まとまった臨時収入でもない限り、やっぱ冬とか春の海には潜れないや。今のところそのあてもまったくないなぁ。さすがにスーツ類だと海外から安く輸入できないし…。

ウミウシ写真の歴史

先日、馴染みのダイビングショップで私よりもさらに古いベテランダイバーの方と話をしていて、ウミウシについての話題になりました。「昔はウミウシなんて意識してなかったよな」と。ダイビング黎明期はもちろん、太古の昔からいたはずなんですがね。

シラナミイロウミウシ
これまた先日のセブ・マクタンにて撮影

ダイバーの間でもウミウシが注目されだしたのはここ10年ちょっとではないでしょうか。思い起こしてみると昔のダイビング雑誌にもウミウシの写真なんてものはほとんど載っていなかったような。ダイバーはそんな生きものがいることは知っていても、20世紀の内はヒトデやナマコ寄りの存在だったかと。

おそらく日本でウミウシが注目され、皆が好んで探し始めたのはウデフリツノザヤウミウシをピカチュウと呼び出した頃からかな。ポケモンのアニメが始まったのが1997年。ピカチュウの人気が広く浸透したのがその1〜2年後。うん、ウミウシブームはその頃からかもしれません。

また、その間にカメラがフィルムからデジカメに置き換わったことが大きい要素かも。かつての「Nikonos」「MoterMarin」「潜るんです」といった銀塩カメラ(レジャーダイバーの手が届く価格帯の)はマクロ撮影が不得手だった上(ワイドだって得意とは言い難かったったけど…)、1ダイブで最大36枚しか撮れなかったためウミウシにフィルムを割く人は少なかったはずです。

それがデジカメの時代になり、枚数の制限から解き放たれるとともに接写にも強くなりました。かつては一眼レフだけのものだったオートフォーカスも使えるようになりましたし。デジカメから始めたダイバーはそれが当たり前なわけだ。良い時代になったものです。

ウミウシのガチャガチャ

お昼休み、何気なく池袋の東急ハンズに出向いたらありました、ウミウシのガチャガチャ(ガシャポン)が。1回200円です。

前々から何でガチャガチャのネタにウミウシのフィギュアがないのか不思議に思っていたのですよね()。ウミウシってダイバー以外にはまだまだマイナーな存在なのかな。言ってみれば「海のナメクジ」ですしね。例えるなら「海中にカラフルなゴキブリがいる」みたいな位置づけなのかもしれません。

※ Webを検索してみたら以前からあったようです。別のシリーズだったのかもしれませんが

さて財布の中にあった400円を使ってさっそく2個購入。出てきたのがこの二つ。

ソライロイボウミウシのストラップ
ソライロイボウミウシのストラップ(左)
アカテンイロウミウシのマグネット
アカテンイロウミウシのマグネット(右)

どちらも40mmぐらい。ほぼ原寸大と言えます。クオリティもまずまず。

ということで「できるだけ近づいてみる」「触角にピントを合わせる」「クローズアップレンズを試してみる」といったデジカメのマクロ撮影の練習にピッタリですね。みんなに教えてあげよう。何なら一個300円で売ってみようかな。

アカテンイロウミウシ
こういうのを撮る練習にうってつけ

谷津の収穫

昨日の谷津の海、1本目は惨憺たるものでしたが2本目はファンダイビング。ビギナーが入ったチームなのでそれなりのコース取りとダイブタイムになってしまいますが、それでも結構。ガイドがビギナーに付きっきりでも、ちゃんとしたポイントを巡ってくれれば被写体は自分で探すので。

そうして見つけたのはこちら。

ムチカラマツエビ。

ムチカラマツエビ
見つけやすいのでレギュラー感があります

ガラスハゼ。

ガラスハゼ
黄色いのは私は初めて見た気がします

それからアオウミウシ。

アオウミウシ
7mmぐらいの固体。同サイズの同種が3匹集まっていました

収穫と言えそうなのはアオウミウシぐらいでしょうか。でも海の中がうねってたので、これだけ撮ってあとは流しました。カジメと一緒に揺られていると気持ち悪くなりそうだったし。

最後、岩場の奥にいた1m超級のネコザメを紹介してもらったものの、穴の入り口が狭くて近づけず、私のカメラで撮るには遠すぎたのでそれもスルー。

そして3本目のダイブはパス。あのうねりの中で潜ってもね。

今年の潜り収めがこれってのは寂しいかな。