Cebwayが営業停止

せっかく馴染みになった九段下の英会話スクールCebway English(セブウェイイングリッシュ)が間も無く営業を停止します。開業は2017年6月だから2年弱でその短い幕を閉じるわけだ。私もボランティアでWebサイトやPCの面倒をみていたので非常に残念です。

Cebwayのマスコット『セブブ』 Cebwayのマスコット『セブブ』

営業を続けられなくなった主な理由はフィリピンから新しい先生を呼べないこと。初期メンバーが相次いで帰国し、代替の先生を招聘しようにもビザの取得が遅れに遅れたり、せっかくビザが取れても空港で出国を邪魔されたりで。

そもそもフィリピン政府がどうかしているのですよね。現状フィリピンから人材を呼び寄せようとした場合、「正社員の身分+月給22万円+社会保障+住居を約束するべし」なんて条件を付けているのだそうな。しかも同国の人材派遣会社を通すことを義務付けていて、毎回リベート的な金銭の支払いも要求されるそうで。すっかり利権化しているのでしょう。もちろん国際線の航空券も受け入れ側の会社持ちだし。

つまり、日本語もできず、日本人よりも勤勉ではなく、日本社会の不文律も通じない新参者に、日本人の大学新卒と同じかそれ以上の待遇を求めているわけです。「フィリピン人は安いお金では出さない」などと言って。

もちろん外国人だからと劣悪な条件で働かせるのは論外だけど、あまりに高望みしすぎ。「お前ら自国民の平均所得、1人当たりのGDPがいくらか考えてみろ」とも言いたくなります。

そんな状況なので当然フィリピンから正規に人材を得ようという日本企業はごく僅か。なんと愚かな。フィリピン政府は日本側の足元を見ているつもりでも、実際には外貨を思いっきり稼ぎ損なっているのに気づかないという。条件を緩和すれば今まで以上に日本におけるフィリピン人の雇用が進み出稼ぎで国が潤うのに。

そう、仮に新たに1万人が月収15万円で働けば少なくとも毎月5億円ぐらいは本国に仕送りされ、貯金しないあの国ではほとんどが消費に回るので経済が潤うのにそれはせず、高コストを覚悟でフィリピン人を招こうという希少な上客から1回数十万円程度をたかろうとしているわけです。国の繁栄よりも政府高官(おそらく)の懐が優先されているという浅ましさ…。

だいたい近年これほどフィリピンへの英語留学が流行っているのに、Cebway以外でフィリピンからESL(English as a Second Language)教師を呼び寄せた英会話スクールの話を聞かないのは、そういうことなのでしょう。本職ではないにしろワーキングホリデーで来日している米国、英国、豪州、カナダあたりからのネイティブスピーカーを雇った方が安上がりなのだから、どこもフィリピンには目を向けませんよね。

また、営業停止で配下のフィリピン人講師が近々失業するため受け入れてくれないかとCebwayのオーナーが大手英会スクール各社に問い合わせたところ、どこからも良い返事が得られなかったそうです。なんでもフィリピン人を雇うとフィリピン政府が後出しで条件を変えてきたりして面倒事が多いとのことで。その彼の英語教師としての素養は本職なのでワーホリの欧米人よりもはるかに高いというのに、フィリピンというお国柄で忌避されてしまうのが現実のようです。

それでいて本年度から見切り発車で始まった特定技能労働者制度にて日本側が5年で35万人の外国人労働者の受け入れ意向と聞いて、フィリピン政府は10万人の送り出しを見込んでいると公言してしまうのだから呆れてしまいます。身の程もわきまえずに皮算用も甚だしい。

ドゥテルテ政権になってフィリピンは変わりつつあるような話を聞くものの、フィリピン政府が考え方を変えなければ同国は貧しいままでしょうね。毎年7%の経済成長率といっても元が低いわけで、ホスピタリティ豊かな人材を含めて自国資源を有効活用する知恵がないのだから。実にもったいない話です。

打開案

例えば日本では来年度から小学校3年生以上で英語(外国語)教育が行われるのに、英語を話せる小学校教師は数%しかいないそうです。本当に皆に英語教育が必要かは怪しいけど、指針に沿って全国約2万校、400万人弱の生徒達にまともな英語の授業を実施するには大量の英語教師がいるわけです。ならば地理的にもフィリピンからESL教師を数千、数万人規模で迎え入れるのが最も合理的なのだけど、他ならぬフィリピン政府がそれを拒んでいるという。

まあ、日本にしてみれば強気な交渉の余地がある状況とも言えるので、満足に機能しそうにない特定技能労働者制度とは別枠で、こんな感じで二国間協定の合意を求めればいいと思います。

  • ESL学校で3年以上の実務経験がある人に限り英語教師限定の労働ビザを交付
  • 妊娠中の女性は適用外
  • 受け入れの条件は日本側に決定権がある ← 最重要
  • 人選はフィリピン国内数カ所に日本が設立した雇用機関にて行う(フィリピン側には信用調査で手数料が支払われるように取り計らう)
  • 勤務状況や能力に問題がなければビザ更新可
  • 5年以上問題がなければ家族の呼び寄せ可
  • ただし家族が問題を起こしたら本人のビザも剥奪し本国送還

つまり本職の英語教師であれば日本の労働ビザが取得しやすく、真っ当に働く限り本国の時よりも何倍も稼ぎ続けられ、わざわざ失踪したりして劣悪な条件の低賃金労働に身を落とすこともないだろうと。公的な学校で働く英語教師なら職務内容が明確だし、かつ各地の教育委員会や個々の小学校に紐付けできるので待遇や所在管理も容易です。英語ができるフィリピン人は特定技能労働者制度による外国人受け入れのテストケースにもなり得ます。呼び寄せられた家族は日本語ができないうちは単純労働に従事してもらえるだろうし。

そう、フィリピン政府側が現実を見据えて方針を変えるだけで、日本は大勢の本職のESL教師を得られ、フィリピンは彼ら彼女らの仕送りで国が潤うというWin-Winの関係が築けるはずなのですよね。

DIVE into AMBONの客層

DIVE into AMBONのダイビング客はやはり欧米からのシニアがほとんどですね。まあインドネシアだから。もちろん日本語を話すスタッフはいません。ダイブセンターにもリゾートにも。

DIVE INTO AMBOM LOGO

ただし、初日は30代ぐらいのフランス人男性のゲストが一人いました。彼は日本の時代劇が好きで、三船敏郎、仲代達矢、丹波哲郎などがお気に入りだそうで。ちなみに彼はその後、奈良に行くそうな。「昔の首都だったのだろう?藤原氏の」と。平安京なんかも知っているなんてかなりの通だな。ちなみに会話は英語です。

でも、3ダイブ後に「さよなら」と言ってバックパックのみでリゾートから出ていったので、1日だけ立ち寄ったようです。どうりでアンボンなのに水中カメラも持たず、ウエットスーツなしで潜っていたわけだ。それならもう少し話しておけば良かった。

また3日目からはニック(イングランド人男性)とシュガー(タイ人女性)の30代かなというカップルが合流。おそらく彼女が最年少でしたね。そしてアジア人のダイビング客も私の他には彼女一人でした。

あとはもう欧米人の中高年、というかシニアばかり。そして今回は英国方面からの人がほとんど。

ちなみに私の英語力は1対1の簡単な会話ぐらいならできる程度。ネイティブどうし(しかもイギリス英語)の日常会話ともなると、まったくついて行かれなくなります。ダイビングには特に支障はないいけど。

なお、ダイビングマネージャーのKaj(カイ)さんは日本人ゲストも受け入れ慣れているようでした。日本の2つのツアー会社がDIVE into AMBONのパックツアーを扱っているらしいので。日本人は皆、2〜3日滞在のショートコースみたいだけど。

花粉症を避けてフィリピン語学留学?

スギ花粉症を持った人にとって2月、3月は憂鬱な時期。逃れるためには沖縄以南に行く必要があります。九州なんかに帰省しようものなら大陸からの黄砂とのダブルパンチを食らいかねません。

もちろん沖縄でもいいのだけど海水温はまだ冷たいし、滞在して何をするわけでもなければ、その時期を有効活用すべくフィリピンあたりの英会話学校にでも行こうかと思う人も多いかと。私も4年前にはそうしたし。あの頃はParadise Gobies Diversがまだあって休日ごとにダイビングに行けて楽しかったのですよね。

Paradise Gobies Diversのロゴ

でも英語留学ってやつを一回経験してみて思うことは「あれってどうだかなぁ」だったりします。留学といいつつも、つまるところ教育ビジネスではなく観光業の一形態で、いわば「英語授業体験合宿」だから。

例えば近頃はホテル内の学校も多くなったけど、それってホテルのオーナーが客室の空きを埋めるために名ばかりの学校を開いているだけのところも多いと聞きます。

何しろレジャー観光なら客の多くは3泊4日で週末前後に集中するけど、英語留学だと一週間〜数ヶ月の滞在も見込めるし、シーズンやお天気も無関係。そりゃ魅力的でしょう。

そんな感じなので先生の顔触れにしろカリキュラム面にしろお座なりで、勉強の場としてはからっきしのところも多いのだと。もちろん全部が全部そうじゃないだろうけど。

とはいえ未熟な先生でも話し相手にはなるので、英会話の訓練としてはありでしょう。聞けばフィリピンでは幼稚園の頃から英語の教育を受けるそうだし、英語圏向けコールセンターがたくさんあるわけだから、個々人の英語の素地はお墨付きです。

ただし、初歩的な英語力は身につけてから行かないと、先生との意思疎通はできず、英語の決まりを英語で教わってもチンプンカンプンで、「外国で英語漬けになればそこそこ話せるようになるはず」といった当てが外れて目ぼしい成果もなく帰国することになります。実際のところフィリピン留学に行った人の大半はそうじゃなかろうか。

よって、フィリピン人講師相手に英語力の向上を目指すなら自宅でレアジョブやらネイティブキャンプみたいなオンラインサービスにどっぷり浸かった方がよほど安上がりですよね。

まあ、日本(沖縄を除く)にいれば、花粉に悩まされるのだけど、花粉が多く舞う日中に出歩かなければ症状は軽いわけだし。

BAYSIDE English Cebu乗っ取り事件の現状報告

関連エントリ:BAYSIDE English Cebu乗っ取り事件が決着


東進ハイスクールの元講師である山中博氏はもはや指名手配中の容疑者です。フィリピンにおいてだけど。

さて、山中博被告が数年前に配下の松井元輝被告および土原弘人被告とともに行ったセブの英語学校BAYSIDE English Cebu乗っ取り事件の総括と現在の状況が、被害者である佐々木綾子さんのblog『リベンジ(再起)』内で公開されました。

「セブ語学学校詐欺脅迫事件:東進ハイスクール元カリスマ講師ら逮捕直前の国外逃亡劇」のスクリーンショット
「セブ語学学校詐欺脅迫事件:東進ハイスクール元カリスマ講師ら逮捕直前の国外逃亡劇」のスクリーンショット

まとまりのない文章なのは相変わらず。メディアにもツテがあるらしいから、世間に訴えたければちゃんとしたライターに依頼して、時系列と各人の相関を明確にした状態に書き直してもらった方がいいと思います。前から思っていたけど、いかにも感情が先走った女性の言い分というか、主語が欠落してたり話が前後するなどしていて理解するのが大変だから。

で、この最新のエントリをざっと読んだ限りでは、山中氏らは日本に帰国しているようですね。だったら昨年、広島修道大学で講演した話も本当なのかも。昨夏からそのblogやらFacebookに逮捕状だの起訴だのと書かれていたので、てっきり私は既に出国禁止だと思っていたけど、彼らが逃亡を図ったとおぼしき11月末の時点では、まだ正式な起訴はなされておらず、通常の方法で帰国可能だったのか。ちょっとつまらないなぁ。後にテレビ番組で再現ドラマ化される際に「パスポートを偽造した」とか「買収したボートで海を渡って近隣国に不法入国した」といった絵になる展開を予想してたので。まにら新聞の記事関連でも「第三者の手引きによって」と読んだ気がするし…。

事件をおさらいすると、山中博被告らが詐欺行為で不完全ながらBAISIDE English Cebuを乗っ取り、あとは佐々木さん親子を脅迫してフィリピンから追放すれば事後処理でもってすべてを手中に収められると踏んだものの、脅迫の録音を取られて裁判化したため、示談交渉に切り替えて何とか自分に有利な着地点を探そうとしたけど、佐々木さんが実利(資産の返還や賠償)ではなく正義の遂行を求めたため、いよいよ追い詰められて逮捕状が出る前に日本に逃げ帰った、ってところでしょうか。多分に佐々木さんの不注意、警戒心のなさが招いた犯罪という側面もあるけど、だとしても悪いのは加害者です。

フィリピンと日本に犯罪者引渡条約はないのでフィリピンにおける指名手配の効力は日本には直接的には及ばないものの、だからといって放免されたことにはならず、交通違反とか何かの拍子に警察に身柄を押さえられたら、両国間の話し合いによって引き渡される可能性があるようです。日本国としてはどのような状況であれ邦人の保護が第一だけど、最近だと地面師グループ詐欺のカミンスカス操容疑者の件でもそうだったように、フィリピンは犯罪者の逃亡先として使われることが多いから、日本としては先方からの犯罪者引き渡し要請にも積極的に応じていきたいところかな。ましてや本件の被害者は日本人なのだし。

また、blog記事内にはこうもありますね。

山中氏を含む被告人3名がフィリピン国外に逃亡を続け裁判を放棄するのであれば、私、佐々木綾子は被告人達に対して、フィリピンセブ州地検発行の起訴状と裁判所発行の逮捕状を持って日本国刑法3条に基づいて、日本にて告訴する意向を山中氏に伝えて欲しいと依頼いたしました。

じゃあそういう運びになるのかな。でも、告訴なら裁判の結果を仰ぐことになりますね。時間がかかるし、望むような判決が出るかは解りません。

ただし、この件の他にも山中博容疑者は10億円規模の資金を集めていたという話もあります。それが本当なら、フィリピンから逃亡した今、約束したリターンを支払い続けるのは無理ではないかと。必然的に出資者らも敵に回すことにるはず。立派な投資詐欺の成立ですね。日本で訴えられれば彼らにはもう逃げ帰る国はありません。

佐々木さんは決着のために山中容疑者と第三国である韓国の仁川空港にて1対1の対面交渉を望んでいるようですが、果たして山中容疑者が応じるかどうか。ただし、着々と包囲網は縮まっているように思うのだけど、どうだろう。これが中国なら顔認証システムであっという間に見つかってしまうのだろうけど。

山中博氏は逮捕されるの?

関連エントリ:BAYSIDE English Cebu乗っ取り事件が決着


まにら新聞の1月3日付け記事で英会話学校の女性経営者に対する脅迫などの罪で起訴された山中博被告ら3人に逮捕状と報じられました。私は会員ではないので全文を読めないのだけど、フィリピン国内における逮捕状ってことですかね?

でも、11月15日付の記事では、昨年8月に脅迫などで起訴されていた元東進ハイスクールの講師でマクタン島の英語学校BAYSIDE ENGLISH CEBUのオーナーでもあった山中博被告、その配下の松井元輝被告と土原弘人被告は公判前に国外逃亡したかもと伝えられていたので時既に遅しって気はするけど。

で、他に何か情報はないかとWebを検索してみたら一件だけ見つかりました。

昨年、山中博被告が広島修道大学で講演をしたらしきことが書かれているけど、本当なのかな。日付は確認できないし、既にキャッシュにもアクセスできず真相は解りませんでした。

私の理解では、フィリピンであっても起訴された人は許可なく出国できないはずだから、少なくともまっとうな方法で日本に帰国できたとは考えにくいのだけど。ああ、だからまっとうじゃない方法を使ったのかな。昨年のまにら新聞の記事に「第三者の手引きによって」と書かれていたし。

加えて、今の彼の立場では大学のような公の場での活動は憚られるのではないかと。日本とフィリピンの間に犯罪者引渡条約はないけど、この事件に関してはICPOが動いているとも聞くので。もちろんルパンを追う銭形警部みたいな追跡はないにしても、公の場で名前を出しての活動はリスキーでしょうに。

いや、その時点では逮捕状が出ていなかったから、まだ可能だったとかかな?国際的な絡みもあるし法律のことは私にはよく解らんです。

でも、山中被告らは脅迫だけでなく、10億円を集めた出資金詐欺みたいな容疑もあるとも聞くので、その方面でも何か動きがありそうな気がするけど、どうなのかな。気にはなるけど解らないことだらけなので続報を待ちたいと思います。

そうそう、オーナーらの起訴、蒸発で先行きが懸案されたBAYSIDE ENGLISH CEBU、今の所、普通に運営できているようですね。山中被告が学校経営には熱心じゃなかったことが幸いして、オーナー不在でもやっていかれる体制ができていたのかな。