マニフェストに望むこと(1)

参院選が近づいてきました。政権選択の選挙ではないけど、ここでの主張が立法に繋がる可能性はあります。

私は支持政党がないので、どこかに打ち出して欲しいのが以下の法制案。

  • 労働者派遣法の再規制

小泉政権下で大きく改正されて以来、「低所得労働者増産装置」として機能し続けているから。アベノミクスのおかげで失業率が下がったといっても、望まぬ非正規労働に甘んじている人が多い限り成果として評価できません。

与党は同一労働同一賃金を導入しようとしているけど、それではダメ。同一労働の基準を明確にすることは難しいので、企業側は正社員と非正規社員で労働内容が少しでも違えば同一労働ではないと言い張れるから。

よって派遣労働が可能な業種を高給がとれるプロフェッショナルな業種に限定するか、あるいは最低時給をアルバイトの最低額の2倍以上に決めるなりして、安価な労働力としての派遣労働者を出さないようにしてもらいたいです。

もちろん企業側からは反発もあるでしょう。今の派遣労働者を正規社員に置き換えようものなら事業が存続できないと。でも低所得労働者を減らさないことには景気も持ち直さないし、社会保障の屋台骨も揺らいでいきます。「景気が回復すれば賃金も上げられる」ではなく賃金の底上げが先です。

賃金の強制的な上昇は、短時間勤務や少日数勤務の正社員と組み合わせて多様な働き方を認めながら乗り切ってもらいましょう。労働者側にしても、通院や介護で週5日フルタイム+残業を働けなくなったら放り出されるようなこともなくなり、幼い子供を持つ社員も保育園ではなく幼稚園を利用できるようになります。

本来ならこういったことは最大野党の民進党が言い出さなければならないのだけど、悲しいかな連合の支援を受けているので、正規社員の既得権益を損ない兼ねない派遣法の再規制には踏み出せないという…。

ならば民進党に勝たせないのが一つの投票基準になるかもしれません。

総選挙雑感

wordpress-logo来る総選挙後は、自民党中心の政権樹立という運びになりそうな気配です。中には自民党で単独過半数なんて予想も出てますね。

なにしろ「民主党には懲り懲りだけど、他も頼りないので消去法的に自民党かな」という人が多いみたいで。でも、本当にそれでいいのかなって気もします。だって「仕方ないから自民党」みたいな投票行動を取ったら、多くの人が抵抗感を感じている原発や消費税の増税にも賛成したことにされるのだから。

そりゃ財政に余力があり、かつ原発事故の前だったなら、自民党に任せるのは良策だと思うけど…。

今度の政権交代にからみそうな各党への私の寸評は以下の通り。

民主党・・・・・・論外。能力不足が露呈した嘘つきな「自民党の劣化コピー」
自由民主党・・・・根っからの浪費体質。大借金と巨大利権の構造、しがらみを作った張本人
公明党・・・・・・自民党の小粒なオマケ集団。議席の補完勢力
日本維新の会・・・理念を捨ててでも勝馬に乗りたい代表代行と自民系老人の政略結婚の所帯
みんなの党・・・・政略結婚を選んだ維新の会の代表代行の内縁の妻(今でも本命)
日本未来の党・・・急速培養された発育不良の大型新人

まあ、長年政権を担った自由民主党には安定感を感じるのは解らなくもありません。戦後日本の良い時代はずっと自民党の政権だったので。でもそれは高度成長期の溜めがあったからできたこと。潤沢な財源をたのんで利権、利益誘導で身内の繁栄を呼び込みつつ、反対の声を押さえ込めたから上手くいってたわけです。

そのスタイルが体に染み付いているので、政権に返り咲いたらまた借金を増やしてくれるのでしょう。自民党には業界団体をバックにつけた立候補者が大勢います。このまま下馬評通りに選挙で大勝ちするなら組織票が入ったのでしょうし、当然ながら当選した議員は支援団体の意に沿うべく活動します。

そうして新政権に近しいところだけは瞬間的に潤うかも知れません。経団連の加盟企業などは優遇されるのでしょうが、その一方で「金融緩和に踏み切っても思ったほど経済が活性化せず、消費税を上げては経済を冷え込ませ、膨らんだ借金の利息を返すためにまた借金ならぬ増税を急ぎ…」という悪循環に陥るのが目に見えています。原発の再稼働も、政財界の利権を守るべく、なし崩し的に進められるのだろうし…。

いや、自民党も下野を機に変わっていれば話は別ですが、総裁ですら安倍晋三の返り咲きという有り様。これがせめて堅物の石破総裁だったなら「自民党も少しは変わったのかも」と思えたのですがね。

だいたい過去にも小泉郵政選挙で大勝した自民党政権が阿倍→福田→麻生と続いて政権の座から転落し、やはり大勝した民主党政権も鳩山→菅→野田と続いて行き詰まりました。ここでまた自民党を大勝させてしまうと参院選で揺り戻しが起きて国会運営がギクシャクし、意固地な政権が強行手段に出て、さらに国民の間に不信感がつのって…というパターンが繰り返されそうな気がします。皮肉にも、議席を持ちすぎると、かえって政権運営に支障をきたすわけです。

よって、今回は自公だけでは過半数には少しばかり足りないってぐらいに留めるのが絶妙なバランス感覚ではないかと。もちろん狙ってできることでもありませんが。

ああ、自公で過半数に達し、維新の会が袖にされ、凋落著しい民主が無視されるさまは、それはそれで見てみたい気もしますが…。

さしあたり私の小選挙区の立候補者は民主・自民・共産・みんなの4名のみ。もちろん共産党という選択はないので、みんなの党しか残ってないや…。

さて、比例区の投票先はどうしようか。決め兼ねている人にはこんなサービスもありますよ。

消費税は元気玉なんだから

wordpress-logoいよいよ今日、総選挙が公示されます。今回は難しいですね。やや収束したけど、何だか弱小団体が乱立するプロレス界みたいだし。

かくゆう私も支持政党がないので、なるべく自分の考えに近い党、候補を選ぶしかありません。

で、私のスタンスはこんな感じ。

脱原発依存
TPP交渉参加
消費税増税 ×

脱原発路線は歓迎。何かと問題の多い原発を騙し騙し使うより、原発の廃炉技術および、石炭、地熱、潮流、メタンハイドレートといった代替エネルギーの開発にシフトする方が健全です。それらは国産できるし先行技術の輸出も可能なので。

また、TPP交渉には「課題が多くとも参加した上で国益を損なわないように立ち回るべきだ」という意見。何よりも経済を回すことが重要なので。そんでもって、もし呑めない話ばかりなら、ちゃぶ台ひっくり返して帰ってくればいいと。そうなれば争点は「ポストTPP」に移るかもしれないので、まずは米国がどんな無茶な要求をしてくるのかを聞いて晒しましょうよと。

そして消費税の増税には絶対に反対。再来年度からの増税は、例えるなら「元気玉を序盤戦で使うような話」。そう、ドラゴンボールのあれですね。みんなから少しずつ元気を分けてもらい、それを攻撃力に変えて相手にとどめをさす必殺技の。

この場合の日本の敵は言うまでもなく財政赤字。ただし、高齢化と少子化が進み人口も減るので、どんなに上手くやったところで向こう数十年か、あるいは百年以上もかかる長い戦いになります。だったら失われた20年とやらを勘定に入れても今はまだ序盤戦かせいぜい中盤戦に指しかかったところ。ここで必殺技を使ってしまってどうするんだと。

消費税が安定財源で何かと理に適っている点は認めます。でも、使うタイミングは今ではありません。

一撃必殺の元気玉も、格闘術やかめはめ派級の小技を重ねてから、ここぞというタイミングで繰り出さないことには敵を倒せないばかりか、こちらが疲弊して次の一撃も小さくなってしまいます。残念ながら、この戦いにはドラゴンボールも仙豆もないのだし。

民主党政権が通した消費税増税法案は経済成長率の条件付きと言われていますが、あれは数字が達成されなければ上がらないのではなく、施行を停止する法案を通さなければなし崩し的に税率が上がる仕組みになっていたはず。仮に来年後半に政治が混迷していれば、どんなに経済状況が悪くとも自動的に再来年春の増税が実施されてしまいます。

というわけで、今回は元気玉(消費税増税)を温存し、まともな持久戦を戦う気概がありそうな投票先を選ぶつもりです。差し当たり早く元気玉を打ちたくてうずうずしている民主党と自民党は×かな。

ちなみに私の考えでは、消費税増税の代わりにやるべきことは「規制緩和による経済活性化の促進」です。これしかないでしょう。

嫌いでも今だけは小沢一郎を支持しようよ

上野動物園の子パンダ、死んじゃいましたね。残念ですが、石原都知事の「センカクと名付けてうんぬん」という血迷い事が実現しなかった点だけは良かったかな。「尖閣を中国に返す」では国賊的に拙かろうと。


いわゆる小沢新党『国民の生活が第一』が発足しました。私は好きでも嫌いでもないのですが、世の中には小沢一郎が大嫌いな人が多いようです。

まあ、解らなくはないものの、そうやって反小沢、嫌小沢的論調でもって野田内閣デタラメぶりが覆い隠され、増税にしろ原発にしろ、このまますべてがなし崩しに進んでいくことは拙いわけです。

霞が関の息のかかった大手メディアの世論調査では「小沢氏支持しない80%」なんて伝えられていますが(おそらく恣意的な設問で訊いているはず)、だとしても「小沢不支持=野田支持」ではなかろうと。

で、私の考えとしては「この際、我々国民は小沢一郎を存分に利用すべきだ」というもの。つまり消費税の参院可決を阻み、総選挙に向かわせるためのツールとして。それこそ一回だけ、これっきりの使い捨てで構わないのだから彼の後押しをしようじゃないかと。そうして早期に総選挙まで持っていければ小沢一郎もお役御免。総選挙では小沢新党に限らず思い思いに投票すれば良いわけで。

差し当たり野党議員をかき集めれば内閣不信任案を提出できます。もちろん自公が民主党政権と一蓮托生を決め込むなら否決されますが、連立政権ではないのだし、賛成か棄権すれば野田内閣は終わりです。消費税法案もいったん白紙に戻ります。そしてその可能性は大いにあるでしょう。民主同様、支持率ジリ貧の自民党は表向きは解散を求めながらも本心では時間稼ぎがしたい一方で、こんな野田内閣を信任したとなればますます選挙で戦い難くなるのだから。

もっとも解散総選挙ではなく内閣総辞職ってパターンもあり得るものの、もはや民主党の政権が行き詰まっているのは明らか。ここは解散して、民主も自民も増税路線を貫くなら貫くで、それぞれ新たに練り直したマニフェストなりビジョンを掲げて国民の信を問うてもらうと。

野田総理は「マニフェストに書いてなくても、国民のためにやらなければならないことがある」と言うわけですが、それほど急務で重要なら増税を掲げていても勝てるはず。国民は決して負担が増えるのが嫌で消費税増税に反対しているわけではないのだから。まあ、いまさら民主党の言い分を真に受ける馬鹿正直な国民はいなさそうですが。

将来の消費税増税は避けられないとしても、この政権による「何に使うかは言えないけど、とりあえず税率だけは上げさせてもらうよ」というやり方はまことにけしからん話。消費税の増税に肯定的な人であっても、今回のこの騙し討ち増税は承諾できないのではないでしょうか。上げるにしても、少しでもましな政権下で、ちゃんとした展望と将来像、計画性を示してからの手続きにしてもらわないと。このままでは財政再建にも社会保障の充実にもならず、増税のツケを更なる増税で埋める悪循環に陥るのが目に見えています。

そういった事態を避けるために、まずは野田政権を一刻も早く倒さないと。そのための使い捨てのツールとして最も使いでがあるのが小沢一郎だと思うのですよね。本来なら野党第一党の自民党が倒閣に動かなければならないところですが、これまたいかにも腰砕けで…。