あんしん保証パック(i)では安心できない

昨日、SoftBankが『あんしん保証パック(i)』という保険サービスを始めました。かいつまんで言うと、iPhone 4/4Sの新規購入および機種変更時に加入して月々498円を支払えば故障や紛失、盗難に遇った際に一定の保証を受けられるのだそうで。

差し当たり私はiPhone 4Sを紛失したばかりなので「その新サービス、10月にに遡って加入、適用を受けられないだろうか?」と訊いてみたところ、SoftBankからは「ダメです」と。ちょい悲しいかな。SoftBankの融通の利かなさに。

ま、いいけどね。私には古いiPhone 3GSでも必要十分なので、彼らがちょっとばかり儲けそこなうだけだから。加入を認めておけば、私から498円×24ヶ月の掛け金と、会員価格でのiPhone 4Sの購入代金を売り上げられたのに…。

折しも昨日は日経ビジネス誌が「iPhone、docomoからも発売」という記事を打ちました。信憑性は「?」ですし、状況はその後にdocomoが出した否定声明に近いのだろうと見ているのですが、そうは言ってもまったく無い話でもなかろうと。

そしてAppleはキャリアにiPhoneの販売ノルマを課しているので、仮にdocomoからもiPhoneが出たなら各キャリア間のiPhone販売合戦は熾烈を極めます。大手3社が横並びになれば当然ながらSoftBankは不利。なので他社よりも大胆な出血覚悟の大キャンペーンを打ち出すことになりましょう。

docomoが参入してこずとも、すでに新規のiPhone需要はauと分け合う状態なので、SoftBankとしては新たなキャンペーンを続々と展開させざるを得ないはず。どれかしら私にも引っかかるものがあるかもしれません。

それに、次のiPhoneが発表は遅くても来年の10月、早ければ6月頃(毎年WWDCが開催されている時期)と予想されます。半年かそこらなんてあっという間に過ぎ去ります。

てなわけで、そう遠からずiPhoneの入手のハードルはいっそう下がることになるかもしれないので、孫さんのtwitterアカウントに「あんしんパックの遡り加入」を訴えるようなこともしないでおきましょう。

iPhone 4Sもdocomoで使えるようだ

iPhone 4Sの発表直後、SIMフリー版iPhone 4SはGSMネットワークでしか使えないような話がネット上に流れていました。

CDMA網ではまったく使えないって話だったか、あるいは単にアクティベーションができない(誰かからSIMを借りてアクティベーションすれば以降は好きなSIMで使える)って話だったかは覚えていないのですが、こうしてSIMフリー版iPhone 4Sの並行輸入が始まったところを見ると、ガセだったようですね。

「容量ごとに3モデル、2色、限定10個ずつ」とあるので計60個。それぞれをこの週末にオーストラリア、イギリス、カナダから手分けして買って返ってきた感じです。

なお、このお店の言を信じるならAppleの国内保証も受けられるとのこと。もっともケータイメールなど正規キャリアのサービスはないはずですが、docomoのインフラで使いたい人には良いかも知れません。国内保証が受けられるといっても海外モデルが故障したからといってApple Storeで即交換といくかは解りませんが…。

iPhone 4Sの予約が初日の24時間で100万台突破

だそうです。今さら驚きもしませんが。

さて、これから注目なのは以下の二点。

  • SoftBankとauのどちらがより多くの4sユーザを獲得するか?
  • 各社の契約数にどう影響を及ぼすか?

特に気になるのは後者。中には「docomoからSoftBankには乗り換えられなかったけど、auになら抵抗感は少ない」という人は少なからずいるはずなので。もちろんSoftBank iPhoneからau iPhoneに乗り換える人も少なからず出てきましょう。

日本のケータイ市場が飽和したと言われて久しいのに、未だにSoftBankだけでも月間20万件かそこらの純増数があったりします。フォトフレームなどが売れているにしても、多くはiPhoneによるものだったのではないでしょうかね。まったく新規にSoftBank iPhoneという人は少なかったでしょうから、auやdocomoとの2台持ちするiPhoneユーザの割合がかなり多かったのではないかと。

iPhone 4Sの発売がdocomoへの追い風になるとは考えにくいものの、逆に「これまでdocomoとiPhoneの2台持ちでやってきたけど、そろそろiPhoneだけにしよう」という人がいればdocomoの契約数減少に繋がります。

あるいは「auとiPhoneの2台持ち」という人がau iPhoneに一本化すれば、auの契約数は変わらずにSoftBankの方は減ることになります。iPhone 4Sの発売で一番メリットを受けられそうなauにしても、既存のユーザがiPhoneに機種変更するだけではダメで、docomoやSoftBankからユーザを奪わないことには契約数は増えません。

ただし、auもiPhoneを扱うことによって二台持ちが解消されているとなると、遂に市場が縮小していく切っ掛けになるのかもしれません。そうすると

  • 失うものがないSoftBank(iPhoenとSoftBankケータイを持つ人はいないので)がややauに食われる。純増数も半減する(auとiPhone需要を分け合う)
  • docomoとSoftBankからの流入が期待できるauが盛り返すも、大きく数は伸びず(auケータイの多くがiPhone 4Sに置き換わるため)
  • 当面docomoの1人負け状態が続く

ってのが順当な予想かと思いますが、どうなりますか。

もちろんdocomoもAppleの強欲な条件を丸のみしてiPhoneを扱うという手もありますが、プライドの高い彼らが毒饅頭ならぬ毒林檎を齧れるかどうか…。

docomoのスマートフォンは本当にスマートなの?

昨今はAndroid搭載のスマートフォンが百花繚乱。ということで取扱説明書はどんな感じなのかが気になってdocomoのサイトを覗いてみました。

GALAXY S II SC-02C(BCNランキングによると現時点では一番人気らしい)の取扱説明書のページを見てみると、これがびっくり。何とクイックスタートガイドが179ページもあります。それのどこがクイックなのかと。さらに取扱説明書の本体部分が452ページと簡易マニュアルが2ページ。

もっとも取説の用紙サイズは65mm x 118mmと名刺よりも一回りほど大きい感じ。一行25文字程度と情報量が限られるためページ数が増えてしまったのでしょう。1ページあたりの情報量は昔のガラケーでお馴染みだった横長取説の1/3ぐらいかな。それでも箱を空けて厚み1cmを超える取説が出てきた日には目まいがしてきそう…。いや、印刷物は添付されておらず、スマートフォン自身で読むためのものかもしれませんが。

他機種に目を向けてみるとOptimus bright L-07Cはクイックスタートガイドが108ページ、取説237ページ、簡易マニュアル2ページ。Xpreria acro SO-02Cはそれぞれ2ページ、239ページ、2ページ。ただし「ご利用にあたっての注意事項が」2ページ付きます。

で、考えさせられるわけです。「それってどうなの?」と。タッチパネル式のスマートフォンならマニュアルなしで使えるぐらいでないとスマートではないでしょう。スマートと称するのであれば、ユーザの負担を限りなく減らしてくれるようでないと。

私はAndroid機を持っていないので断定的なことは言えませんが、果たして使うために膨大なページ数のマニュアルを必要とするような代物なのか、あるいはドキュメントの分量を評価したがるdocomoの因習なのか…。ああでもauやsoftbankはどうなのでしょうかね。SamsungにしろLGにしろ海外ではどうなのだか。わざわざ調査する気力はないですが。

ちなみにiPhoneには注意事項の紙っぺらぐらいしか添付されません。先行でヒットしていたiPod & iTunesとう下地の上に成り立っているにしても、こうあるべきだろうと思います。

docomoの新製品に嫌な既視感

docomoが株主総会で「iPhoneの提供は考えていない」と言明したようです。これまでは可能性がゼロではないことを匂わせていましたが、ここにきてキッパリと否定したのはiPhoneへの転出を防ぐだけの状況が整ったというところでしょうか。Android搭載スマートフォンのラインナップが充実してきましたしね。確かにiPhoneと同様のことができるならワンセグやおさいふ、赤外線が使えるAndroidの方が良いと思う人も少なくないでしょうから。

MEDIAS WP N-06C

さて、docomoの新製品にMEDIAS WP N-06Cという機種があります。来週発売とのこと。薄くて防水でかつ「全部入り」ということで前評判が上々です。でも、ふと疑問に思ったのですよね。「それって世界市場でも戦えるの?」と。全部入りは結構です。多機能に需要もあるのでしょう。ただし、あくまでも国内の…。

そもそもなぜ旧来のケータイがガラケーと揶揄されるようになったのかと言えば、独自の進化にまい進したため、いつしか世界では通用しなくなっていたからですよね。外国では多機能高性能が求められていないので、どんなに豪勢なものを作っても、必要十分な仕様のチープな端末に競り負けてしまうのだと。その上国内市場が頭打ちで飽和した中、小さなパイを食いあっているうちにiPhoneのような黒船が来襲したら、たちまち席巻されてしまうわけです。

差し当たり薄さや防水性能は海外でも普遍的にアピールするでしょう。でも、赤外線やおさいふはどうでしょうかね。おさいふはGoogle Wallet頼み、ワンセグに至っては価値無しでしょうし。

結局日本のメーカーがやってることはOSをAndroidに載せ替えてスマートフォンの仲間入りをしたつもりになっているだけで、かつてのガラパゴス路線と同じではないかと。キャリアの方は製品が売れるならメーカーは国内外どちらでもいいのでしょうが。

それでも不要な機能を省いてローカライズすれば海外でも競争力を持てるなら良し。でもまた国内でしか売れない代物になっているなら、今度こそそういったメーカーは体力をすり減らして淘汰されるでしょう。いや、NECのパソコン事業のように国内限定でカツカツにやっていかれればというスタンスならいいのかもしれませんが、そんなことだと1〜2年後、国内シェアの過半がSamsung、HTC、Appleといった海外勢に占められている可能性も否定できないのではないかと。