トロピカル・ディプレッション

この連休、私の知り合いが二組、フィリピンに潜りに行っています。片方はセブ島西岸のモアルボアル、もう片方はボホール島。

そんな中、フィリピンの東海上にトロピカル・ディプレッション(Tropical Depression)、いわゆる熱帯低気圧が発生しました。明日には(Tropical Storm)に発達している模様です。これが西に移動するようなら両者の日程に影響が出ますね。さしあたりモアル組は明日帰国予定ですが、コースとスピード次第では延泊なんてことにもなりかねません。

また、そのようなコース取りをしたならボホール組は波が高くなって潜れないはず。そもそもボホール島はセブ島の防波堤的な位置関係にあるので。

衛星画像_2011.09.24
衛星画像(2011.09.24)
予報天気図_2011.09.24-25
気象予想図(2011.09.24-25)

まあ彼らのことはいいとして、気になるのはこの熱帯低気圧が先週の台風15号と同じようなところで発生したこと。もちろん気圧配置は毎回違うのでまた沖縄近海で停滞したり同じコースを辿る可能性はかなり少ないでしょうが、オーソドックスな秋の台風として沖縄方面から北東にカーブして進まれても、やはり少なからず被災が予想されます。

日本の多くの天気予報は台風になるまで報じないため、広域を注視していないとある日突然台風が日本の南海上に出現なんてことになりかねないのですが、このところ台風の被害が甚大なので、TD、TSの段階から知らせて、1週間後に備えるように促した方がいいのではないでしょうかね。

個人的なことを言えば、来週末は伊豆大島。たまに行くダイビングの計画が半月で二回も潰れた日には凹みますよね。名目も馴染みの人のサヨナラツアーだったりしますし。

Nikon 1は水中カメラには向かないかも

デジカメWatchにNikon 1の発表会での写真がたくさんUPされました。 まず、スピードライトを接続したV1はこんな感じ。

Nikon 1 V1 & SB-N5 もしハウジングを作るとなると、これ全部を覆わなくてはなりません。バランス悪そ…。 かといってJ1の内蔵ストロボも潜望鏡のようで。

Nikon 1 J1(ストロボポップアップ時)

V1ほど極端ではないけど、背面から見てL字型のハウジングにせざるを得ないようですね。同社のコンデジのP7000みたいに、ちょっとだけせり上がるタイプを採用してくれたらよかったのですが、角度が欲しかったのでしょうか。水中ハウジングを作る際はその分だけ容積とアルミニウムなりABS樹脂なりの使用量が増えてしまいます。

いや、V1の方は光シンクロではなくホットシューから信号を横取りする手がありますね。ハウジング側に信号を取るための接続ケーブルと制御回路が必要になるものの、一眼レフカメラ用にはそういうハウジングも存在します。もちろんメカニカルなだけのハウジングよりも高価になりますが。

それからマクロレンズのモックアップもちゃんと展示されていました。

Nikon 1マウントマクロレンズ

発売時期と焦点距離は書かれていませんが、この径と長さからするとけっこう長い中望遠マクロではないかと。

ただし、Nikon 1シリーズで残念だったのはズームレンズが沈胴式であること。10-30mm標準レンズもご多分に漏れず、焦点距離を変えるとレンズが伸びるタイプです。まあ、カテゴリ的に安くしなきゃならないですからね。

Nikon 1 10-30mm標準レンズ(10mm端)
10mm端
Nikon 1 10-30mm標準レンズ(30mm端)
30mm端

だとするとレンズポートの仕様が悩ましいですね。30mm(35mm版換算で81mm)に合わせた最小サイズに作るか(10mm側だと四隅がケラレる)、あるいは長さはそのまま口径を大きくして10mm側(35mm版換算で27mm)でもケラレないようにするか。でも極太レンズポートは容積も増えますし、コンバージョンレンズを使うためのアダプタも必要になります。水中で脱着することを考えるとやっかいです。まあ、ダイバーだけの都合ですが。その他大勢のハウジングに入れない人には使うときだけレンズ長が伸びる方が合理的ですし。

というわけでNikon 1シリーズ、現段階では水中カメラとしてはちょっと微妙。ハウジングが発売されることになっても単焦点のマクロレンズやワイドレンズが出るまでは薦めづらい感じです。

待ってました!Nikonのミラーレスカメラが遂に見参

Nikonがミラーレス一眼カメラ(Nikonは「レンズ交換式アドバンストカメラ」と呼ぶようです)「Nikon 1 V1」と「Nikon 1 J1」を発表しました。

Nikon 1 V1
上位機種のV1
Nikon 1 J1
下位機種のJ1

CMOSの解像度はは10.1メガピクセルと比較的低目ですが、Nikonのことなのであえてその選択をしたのだと思います。イメージセンサーのサイズはマイクロフォーサーズよりもさらに小さいですし。感覚的にはPENTAX Qと同じく「レンズ交換式コンデジ」といったところでしょうか。

新しいカメラで一番興味深いのはレンズの規格とラインナップ。「Nikon 1マウント」なる新規格が採用されています。アダプタを介してFマウントレンズも使えるようですが、当然アンバランスになるので新マウント用レンズのラインナップが気になるところですが、プレスリリースから拾えたのはこれらの4本。

  • 1 NIKKOR 10mm f/2.8 ¥31,500(税抜¥30,000)

1 NIKKOR 10mm f/2.8

  • 1 NIKKOR VR 10-30mm f/3.5-5.6 ¥25,200(税抜¥24,000)

1 NIKKOR VR 10-30mm f/3.5-5.6

  • 1 NIKKOR VR 30-110mm f/3.8-5.6 ¥31,500(税抜¥30,000)

1 NIKKOR VR 30-110mm f/3.8-5.6

  • 1 NIKKOR VR 10-100mm f/4.5-5.6 PD-ZOOM ¥99,750(税抜¥95,000)

 1 NIKKOR VR 10-100mm f/4.5-5.6 PD-ZOOM

ちょっと偏った感じがしますが順次拡充されていくのでしょうから続報を待ちましょう。でも、J1のこの写真だとキットレンズにも各色が用意されるのですかね。

Nikon 1 J1 Color Variation
J1のカラーバリエーション

それから各社のミラーレス機にはお馴染みとなった売り文句「世界最速AF」がうたわれています。もっともAF性能は被写体やシチュエーションにも影響されるので実際のところは解りませんが、位相差AFとコントラストAFの両方を備えているそうで、その点は期待が持てます。

それと内蔵ストロボがあるのはEVFなしのJ1のみらしく、EVF付きのV1にはないようです。ならばV1には外付けのスピードライトが付属するのかと思いきやスペック表には見当たりません。別売のスピードライト「SB-N5」が発表されているので、こちらを使うことになるようです。

SB-N1スピードライト
SB-N5

さて、ダイバーとして気掛かりなのは水中ハウジング。さすがにNikonなので複数メーカーから発売されると思います。なにしろNikonosの頃から水中撮影といえばNikonでしたし。

ただし、このスピードライトを付けるとなるとハウジングが大振り&いびつになってしまうので、ハウジングメーカーにはEVF搭載のV1よりも下位機種のJ1の方が好まれそうです。もちろんオーダーメイドで作ればどうにでもなりますが。

また、当初は対応マクロレンズもないので割り切りが必要です。マクロを捨てるか10-30mm標準レンズにマクロコンバージョンレンズをかませてマクロ風に撮るか。

そう考えると、現時点のミラーレス機ではPanasonic LUMIX GH2が最も理想に近い気もしますが…。

Typhoooooooooon

今年は台風の当たり年。今度は名古屋の被害が甚大ですか。しかも15号はこれから東北をも襲うとのこと。たまらんです。

ちなみに台風は沖縄近海から去ったものの、返し風でもってボートが出せるのは明後日ぐらいからの見込みだそうな。海人(うみんちゅ)とダイビングショップは商売上がったりだな…。

さて、気になるのはこれから。個人的には10月後半に座間味で潜る予定があるものの、今回浮いた予算でその前にもう1回沖縄に潜りに行ってもいいかなと。さすがに今週末は無理でも10月7日〜10日のツアーはまだ申し込めそうな感じです。

でもなあ、また台風に見舞われた日には目も当てられません。今日のお昼の衛星写真でもこの通り、日本の南方海上には大きな雲の固まりがたっぷりと。

衛星写真9月21日の昼

今のところ台風になりそうな強烈なやつはまだいないようですが、向こうしばらくはミクロネシアはもちろん、フィリピン南部もどんよりなお天気が多くなるかもしれません。

さすがに10月の3連休の予測はできないものの、向かってくる台風が多いのなら今年は控えめにしといた方が無難かも。それでもこんな感じの台風保険さえあれば躊躇うことなく予定を入れられるのですがね。ちなみにANAに提案したところ「検討しますが、実施の確約はできません」とのことでした。

台風保険について考えてみた

先日、沖縄ダイビング旅行が潰れたときに思いついた「台風保険」についてもう少し考えてみました。

私が欲しいと思う商品の概略はこうです。

  • 航空券を購入する際に任意で保険料(+数%程度)を支払って加入
  • 滞在期間中に所定のレジャーが一度もできそうにない気象条件であれば、航空券をキャンセルした際にキャンセル料+手数料相当の保険金が下りる

もちろん飛行機が欠航すれば代金の全額が払い戻されます。フライトに条件が付いてからのキャンセルでも全額が戻ります。よって懸案は今回のように「天候上、旅の主目的のレジャー自体はまったく遂行できなさそうだが、往路の飛行機はまだ飛べるのでキャンセルしたら航空券の半額(+手数料)を取られてしまう」というケース。現行ルールでは「現地に赴いて無為な時間を過ごすか」と「安くないキャンセル費を払って旅行を取りやめるか」の選択を迫られます。

さすがに航空会社はそういった個々の旅行者の不本意な負担までは肩代わりできないので、代わりに保険商品の導入が望ましいだろうと。

台風の影響をもろに受けるレジャーといえばスキューバダイビングはもちろんウェイクボードなどのマリンスポーツ全般、釣り、ゴルフ、パラセイリング、スカイダイビングなどもそうですね。沖縄でスカイダイビングを楽しむ人がいるかは知りませんけど。まあ各人がダイバーかゴルファーかなんてチェックはしてられないはずですが、その必要もないでしょう。台風下ではそれらのレジャーは全部ダメなので。海が荒れて離島に渡れないケースも考えられますね。

いや、何もレジャーにこだわる必要はないのかな。つまり、単純に台風がヤバそうな場合のキャンセルには保険が下りるというだけで。どういう旅行であれ「台風が迫ってきたので日程を切り上げて帰った方が懸命」というケースにも適用できた方がいいので。この場合は現行なら元々の復路便が欠航になるかが解らないまま航空券を買い直さざるをえません。

もっというと気象条件も関係なしの「キャンセル保険」でもいいかもしれませんが、それだと制度設計が難しくなるかな。

会社勤めの人にとって夏休みが取得できる8月と祝日が2回ある9月は長めの旅行に都合のいい時期です。ただし沖縄は台風シーズンでもあります。そのため航空会社が旅行客をより多く獲得したいのであれば、悪天候のせいで残念な思いをする人を減らすのはとても有効です。一度台風で嫌な目に遭った人は次からその時期の旅行を躊躇うでしょうが、台風保険があれば安心して旅行計画を考えられます。そのための原資も旅行者から集めれば良いわけですし。

8月9月の沖縄行きを考える旅行者としても、たとえ運悪くキャンセルすることになっても実質負担がゼロになるならと保険を掛ける人は多いはず。そして実際にはそれほどたくさんの台風が沖縄に接近することはないわけです。もちろん台風が迫っていてもキャンセルしなかった加入者には保険金を支払う必要はありません。ならば掛け金等の設計次第では顧客サービスというだけではなく利益も出るのではないでしょうか。LCCの台頭でも解るように航空券の低価格化が求められる中で、珍しく客単価を引き上げられるプランでもあります。

おおむね誰にとっても具合の良いサービスだと思うのですがね。