ダイビングビジネスのコスト

先々週、那覇ステイ慶良間でダイビングをして思ったのは「ちょい厳しいかな」でした。何でかというと、ボートが乗り合いだったから。そう大きくない2階立てのクルーザに3〜4軒のダイビングショップ、20人あまりのゲストという混雑ぶりだったので。居場所に困る上、エントリ&エキジットも慌ただしいのですよね。

ちなみに私が通っているセブのショップは基本的に乗り合いをさせません。原則1チーム1ボートです。1人で行けば私のためにスタッフ数人がかりでボートを出してくれます。聞けばあの辺のダイビングショップはどこもそうなのだと。大型店のパシフィック・セブ・ダイビング(パシフィック・セブ・リゾート内)は一度に何組ものゲストを受け入れるようですが、それでも所有する8隻のボートにそれぞれ各組を振り分けます。使うのが収容力のあるクルーザではなく細身のバンカーボートという事情もあるものの、一番の理由は人件費の安さでしょうね。子供の頃から海に慣れ親しんだフィリピン人スタッフを安く雇えるので。もちろんショップを構える不動産も安価です。

なお、セブでのダイビングはいわゆる「殿様・姫様」スタイル。ただただ潜るだけ。セッティングからタンク交換、機材洗いまですべてお任せ。エキジットもフィンとBCを脱ぎ捨ててからラダーを上がる楽ちんさ。

つまり、こういうことかと。

  • 人件費などが安いのでゲストが少数でも経営が成り立つ
  • 時にゲスト1人にスタッフ5人といった体制でもOK
  • それでいてダイビング費は国内一般価格よりも安く設定できる
  • 手厚い快適なダイビング体験を提供することでリピータ利用が期待できる

翻って沖縄、というか国内ではさすがにそうもいきませんよね。ダイビングガイドが高給取りだという話は聞いた事がありませんが、フィリピンとは比べようもありません。しかも天候、気温、水温的にも沖縄は不利です。なにしろパワフルになった台風が到来しますし。

ならば来るものは拒まず。ゲストも定員いっぱいまでは受け入れようというもの。そうじゃなきゃダイビングショップの経営が成り立たないわけで。まあこればっかりはしかたがないですね。

今回は梅雨明け前でまだゲストは少ない時期かと思って6月の第2週を狙ったのですが。でもおかげで例年なら梅雨明け直後にあたる今週末は台風5号に見舞われそうな気配。我ながら毎度お天気運だけには恵まれています。

PENTAX Qが登場

PENTAXのミラーレスカメラPENTAX Qが発表されました。レトロ調のボディでレンズは「Qマウント」と呼ばれる独自規格ですね。

1/2.3型CMOSセンサーを搭載していて、「一眼カメラの下位クラス」ではなく「レンズ交換式コンデジ」とでもいうべき製品のようです。

一般的に写真の画質はセンサーの大きさに左右されるところが大きいので、その面では他のミラーレスよりは不利かと思いますが、この小ささと軽さに魅かれる人は多いかもしれません。

ちなみに「世界でいちばん小さい一眼(フラッシュ内蔵レンズ交換式カメラとして)」の触れ込みで先週登場したPanasonic LUMIX DMC-GF3と比べるとこんな感じ。

GF3とQのサイズ比較画像

重さの差は40g程度ですが結構小さいですね。加えて小さいセンサーを採用した分だけレンズも小さくできるので使用時にはもっと差が出ます。

さて、新しいカメラで私が気になるのは水中でも使えるかどうか。自身で買う余裕はないものの、他者に奨めていいものかは見極めておきたいので。

ストロボポップアップしたQ差し当たり純正の水中ハウジングは用意されていませんが、光学製品なのでオーダーメイドで作ってしまえば水中でも使えないはずはありません。ただし、このポップアップストロボに対応するには、ハウジング左肩に大きな空間が必要になりますが。

ハウジングの有無はひとあず置いとくとして、一番の懸案はレンズでしょう。こちらは水中撮影に向き不向きがあろうかと。

現時点では対応レンズが5種類。その中にマクロレンズはありません。ならば水中で使って面白そうなのはFISH-EYEレンズくらいでしょうか。コンバージョンレンズ無しでもコンパクトなフィッシュアイセットが組めるようになります。いや、でも他のカメラ構成と比べたら力不足かな。

また新たな情報が出てくれば再考もしますが、今のところPENTAX Qは水中で使って嬉しいようなカメラではないですね。水中用に限って言うならこの機種よりも見慣れたコンデジの方が使いでがありそうです。

Nauticamの新作はPEN Lite 2!

つまんない政治関連の書き込みが続いたので軌道修正。楽しいスクーバ・ダイビングのお話を。

正直、これには意表を付かれました。私も使っているNauticam(ノーティカム)製ハウジングの新製品は順当に考えてCanon Eos Kiss X5用だろうと踏んでいたのですが、意外にもOlympus PEN Lite E-PL2(通称PEN Lite 2)になるようです。昨日付けでフィッシュアイのサイトにバナーが表示されていました。

Nauticam EPL2ハウジングのバナー

なぜ意外だったかといえば、PENには純正のハウジン(防水プロテクタ)があるため。希望小売価格も71,000円(税込74,550円)と安価です。

PNE LITE2用防水プロテクタ

いや、でもNauticamは良いところに目を付けたのかも。と言うのも純正のハウジングはボディ部分とレンズポートが一体成型で、ズームレンズもマクロレンズも同じ大口径のレンズポートを使うことになるからです。

Olympusとしてはカメラのコンパクトさを強調すべくコンデジ風ハウジングのお手軽さを取ったのでしょうが、それだとレンズ交換式カメラの特性を殺してしまうのですよね。長いレンズは使えないか、もしくは短いレンズを使う際に四隅がケラレてしまいます。ああ、だからマクロレンズでもケラレないように大口径のフラットポートを採用したのか。

でもそれってハウジングが無駄にデカくなる上、将来新たなサイズのレンズが発売されることも想定していないということですよね。

で、Nauticamのサイトを見てみるとこんな写真が。

NA-EPL2-with-ports-USA

4種類のレンズポートが見て取れます。やはりレンズ交換式カメラのハウジングはこうでないと。マクロレンズは最小サイズのレンズポート、ワイド&ズームレンズはドームポートで使うのが最良です。もちろんレンズの新製品が出てもポートを変えれば対応できます。

価格はおそらくハウジングのボディのみで14万円前後だろうと。アルミ削り出しなので。レンズポートはマクロ用が3万円くらいかな。PEN lite 2 ボディの実勢価格が約6万円、パナソニックの45mmマクロレンズが7万円弱。マクロセットだと30万円ぐらいですか。まあ、でも純正ハウジングの中途半端さ、割り切りに満足できない人には良い選択肢になるでしょう。

さて、Nauticam製ハウジングのラインナップ、SONY αNEX-5、Panasonic LUMIX DMC-GH2、Olympus PEN Lite E-PL2とミラーレス系が増えてきました。ひょっとしたら次回作もPanasonic LUMIX DMC-GF3になるのかも。これが世界のトレンドなのでしょうかね。

OLYMPUS マイクロ一眼 PEN E-PL2 ツインレンズキット
ホワイト E-PL2 TLKIT WHT

OLYMPUS PEN用 防水プロテクター PT-EP01

原発解散の信憑性

「死に体の菅総理は一か八かの原発解散を狙っている」という憶測があります。小泉政権が大勝した郵政解散になぞらえて「脱原発に伸るか反るか」の一点で総選挙をやってしまおうと。

姑息な彼のことです。入れ知恵された消費税増税プランを抱き合わせて民意を問おうとするやもしれません。つまり、脱原発に賛成票を入れると消費税増税に賛成したことにされてしまうわけです。

とは言え原発解散が実現する見込みはないと思います。理由は以下の通り。

  • これまで菅総理自身が原発問題に対する政治信条を表明していない
  • 民主党は既に原発推進の方針を打ち出していて起動修正していない
  • 菅内閣の支持率が小泉内閣の時に比べて圧倒的に低い
  • 菅内閣への不支持率が極めて高い
  • 野党が脱原発を示せば争点がなくなる
  • 被災地支援の遅さ、無策ぶりが不信感に繋がっている
  • 消費税の強行増税が国民の反感を買う

そもそも郵政民営化は小泉総理にとって数十年来の政治テーマでしたし、そのためには大臣の罷免すら断行しました。そして何よりも国民からの人気が抜群に高かったわけで、クソミソに叩かれている菅総理とは置かれている状況がまるっきり違います。

また、長年原発を推進してきた自民党にしても、いきなりの反原発は無理でも曖昧な条件付きの脱原発ぐらいのことは言えるはずです。民主党が党を挙げて反対せざるを得なかった郵政選挙のときとは違って対立軸にはなり得ません。

よって原発解散に踏み切ろうとも条件が整わず、仮に強行したとしても勝てる見込みはなかろうと。

菅総理は昨年の参院選に負け、地方選でも連戦連敗です。この上さらに大博打の解散総選挙でも負けたなら、史上最悪のダメ宰相として歴史に名を残すことになるでしょう。いや、既にもうそうなのかも。だからこそ奇跡の到来を待って辞め渋っているのかもしれませんが。

ああ、でも彼なら総選挙で惨敗しても総理の座にしがみつくかも…。

夏の節電は橋下プランに乗っかろう!

菅直人首相の言動がだんだん北朝鮮のようになってきました。「総理職を辞めて欲しければ条件を呑め」は「核開発を止めて欲しければ十分な援助をよこせ」と同じ論法です。それでいて要求は日に日にエスカレートするのでタチが悪い。

さて、テレビのニュース番組が大阪府の橋下知事の発言を報じていました。

関西電力からの一律15%の節電要請を蹴った上で、

電力需給が本当に危うくなったタイミングで府民にはいっそうの節電をお願いする

と。現段階では最も妥当な見解でしょう。一律15%などという闇雲な節電はナンセンス。余裕があるときは遠慮なく使うべきだし、いよいよというときが迫ってきたら緊急処置をとればいいと。渇水時の節水要請みたいな感じで。いわば人力でアナログなスマートグリッドですね。それなら計画停電のような不条理もありません。関電圏のみならず電力不足が見込まれる全国でそうしたらいいと思います。

また、橋下知事はこうも言っています。

節電を頑張ってこの夏を乗り切れば、原発はいらないって証明になる

もっとも今夏はまだ原発の電力を含んだ上でのことなので論理は完成しないものの、中長期的な方向性としては正しいと思います。国民が直接的に政策に関与する機会は少ないのですが、この場合はそう。今までの「言い値の電気代さえ払えば無限に電力が使えた過剰消費社会」から「必要最小程度の電力しか使わない堅実消費社会」への自主的な移行。全産業に対してそれをやられては困りますが、電気や水、ガスといった生活インフラの分野ではとても意義のあることです。

他方で電力消費の大きな事業体はすでに自家発電を装備、充実させてきていますし、すぐではないにしても電力需要を原発を止められるだけのレベルに落とせれば、いずれ原発は要らないという話になるはずです。民主党が粘ってみたところで遅くとも再来年には総選挙が待っていますが、福島原発の状況があの通りでは原発推進派の候補が勝てるはずもありませんので。 そして原発が不必要になれば原発マネーも行き場を失います。そうやって利権のパイプ、循環の鎖を一つ一つ絶っていかないと。これまで我々が払う電気代にはメディア対策費や政界工作費に加えて社員やOBへの過剰に手厚い福利厚生費が上乗せされて請求されていたことが明るみに出てしまいました。でも、それももう無しにしましょうよ。行政や社会インフラの高コスト体質がこの国の借金を増やし続けている大きな原因の一つなのですから。

正直なところ私個人はもうしばらく原発を存続させてもいいとは思っています。もはや「万が一の事態が恐ろしい」「原発って薄気味悪い」が先立つようになってしまいましたが、世界中の原発が爆発して放射能を撒き散らしているなんて事実はありませんし、今回の原発事故にしても人災と言われているのですから、そのあたりの安全対策を強化すれば次なる事故のリスクは限りなく押さえ込めるのではないかと。核廃棄物の最終処理にしても今すぐ廃炉にすれば解決するというわけでもありません。各原発の老朽化だけは肯定的に受け止められませんが。

でも、原発が言われてきたほど低コストではなく、そればかりか不健全なお金の流れを生み出していることが解ってしまったので、むしろそちらの方が問題で脱原発、反原発に向かうべきなのだろうと。