喫煙率が下がっても肺がんが増えている

先週土曜日のMXTV『田村淳の訊きたい放題』でジャーナリストの須田慎一郎氏が「喫煙率が下がっているのに肺がんが増えている」という説を展開していました。須田氏はヘビースモーカーらしく「喫煙と肺がんは無関係だから吸っても大丈夫」という主張です。

これ、たまに聞くけど嘘ですね。だって、肺がんって喫煙習慣があるときにだけかかる病気じゃないから。喫煙をやめた後に罹患すれば喫煙率低下と肺がんの両方にカウントされるし、肺がんになったのを機に喫煙をやめた場合も同様です。

喫煙率と肺がんの相関図

そもそも喫煙率が下がっているってことは、昔はそれだけ多くの喫煙者がいたということ。そして喫煙をやめても蓄積されたダメージが消えて無くなるわけではないのだから、喫煙率と肺がん罹患数が反比例しているなんて論理には無理がありすぎです。喫煙と肺がんの関連性を論じるなら、罹患者の喫煙経験がある人とない人の比率を見ないと無意味です。もし両者に差がなければ、関連性はないと言えるでしょう。もっとも喫煙は他の癌や疾病の原因となるのは明らかですが。

それにしてもジャーナリストっていい加減な仕事でも成り立つお気楽な商売ですね。まあ須田氏はジャーナリストというより、強面な風貌と気さくな人柄のギャップで売っているタレントみたいなもんだからな。