超・初心者向け『デジイチ水中写真 虎の巻(4) コンデジかデジイチか』

<<前回(超・初心者向け『デジイチ水中写真 虎の巻(3) 撮る』

沖縄の写真シリーズが終わったので、”誰かのためになるかも”の再開。

もしダイビングを始めてまだ日が浅く、水中カメラをコンパクトデジカメにするかデジタル一眼レフ/ミラーレスにするかで迷っている人がいれば、私は断然コンパクトデジカメを勧めます。その方が堅実かつ上達への近道だと思うので。

ミゾレウミウシ
ミゾレウミウシ ミゾレウミウシ。 コンデジでも頑張ればなかなかの作品が撮れます。 クローズアップレンズを使えば、動かない被写体にはとことん寄れて背景もそれなりにぼけるし

私の知人にも早い段階でデジイチによる水中カメラセットを手にした人が何人かいます。でも、そういう人はたいてい使いあぐねてそれっきりになているか、ただ漫然と撮っているだけだったりするのですよね。まさに宝の持ち腐れ。

前者は、自分が水中で何をどう撮りたいのかが固まる前に高価なセットを買ってしまったがために潰しが利かないパターン。ついつい「デジイチの方が高画質だから」「いずれ乗り換えるなら最初からデジイチにした方が良い」と買ってしまったはいいけど、陸上とは勝手が大きく違ったり単純にデカかったりで持て余してしまうと。

後者の場合は、単に見栄っぱりだったり「デジイチの方がいい写真が撮れる」と思い込んでいる感じですね。写真の出来栄え自体には関心がなく、デジイチで撮っていることに優越感や満足を得ているという。しかも、およそ水中向きではないズームレンズを使っていたりして。

ということなので、デジイチの購入を考えるにしても、できればコンデジを携えて100ダイブぐらい経験してからの方が良いと思います。その間、なるべくいろいろな海に出かけ、マクロからワイド、それに動画も撮ってみて、自身の指向性が見えてきたらそれに相応しいデジイチとハウジングのセットを検討するのがいいでしょう。比較的安価で何でもそれなりに撮れるのがコンデジの大きなメリットです。

ちなみに2012年6月時点で私が最もお勧めしたいコンデジはCanon PowerShot S100。センサーが大きく画質面で有利な上、水中でもマニュアルフォーカス操作が可能になっていて、それこそデジイチでマクロ撮影をする際のようなフォーカスの微調整ができます。

なお、コンデジでのマクロ撮影に使うクローズアップレンズは、将来デジイチに乗り換えることを考慮してM67シリーズ(INON製の場合)のものを買っておくと良いかも知れません。INONのレンズにはよりコンパクトな28LDや28ADといったシリーズもありますが、多くのデジイチ用ハウジングのレンズポートは67mmのレンズ対応なので、引き続き使えます。

超・初心者向けデジイチ水中写真入門(5) 使えるレンズの見分けかた >>

私の写真のFacebookページ:FROGFISH.JP